神崎ひな(まねきケチャ)の水着アザーカット2点を解禁 『TIF 2023』×『週刊 SPA!』“水着でアイドル頂上決戦”で優勝

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8月1日(火)に発売された『週刊 SPA!』のコラボ企画“水着でアイドル頂上決戦”で神崎ひな(まねきケチャ)が優勝したことがわかった。

「水着でアイドル頂上決戦」は、同誌で毎年恒例となっている『TOKYO IDOL FESTIVAL 2023』とのコラボ企画。『TOKYO IDOL FESTIVAL 2023 supported by にしたんクリニック』(8月4日・5日・ 6 日開催)に出演した6組のアイドルグループから、6名の選抜メンバーが水着グラビアで、グループでの表紙やインタビューページへの出演権獲得をかけ、競い合った。

まねきケチャ・神崎ひな 「水着でアイドル頂上決戦」掲載カット 提供:週刊 SPA! 編集部/撮影:中山雅文

まねきケチャ・神崎ひな 「水着でアイドル頂上決戦」掲載カット 提供:週刊 SPA! 編集部/撮影:中山雅文

まねきケチャ・神崎ひな 「水着でアイドル頂上決戦」掲載カット 提供:週刊 SPA! 編集部/撮影:中山雅文

まねきケチャ・神崎ひな 「水着でアイドル頂上決戦」掲載カット 提供:週刊 SPA! 編集部/撮影:中山雅文

投票の結果、まねきケチャ・神崎ひなが投票数1位を獲得。優勝を受けた神崎のコメントと、同誌未掲載だった水着アザーカットが公開されている。

まねきケチャ・神崎ひな 「水着でアイドル頂上決戦」アザーカット 提供:週刊 SPA! 編集部/撮影:中山雅文

まねきケチャ・神崎ひな 「水着でアイドル頂上決戦」アザーカット 提供:週刊 SPA! 編集部/撮影:中山雅文

神崎のコメントは以下のとおり。

 

まねきケチャ・神崎ひな

まねきケチャ・神崎ひな

まねきケチャ・神崎ひな

応援してくれた皆さん本当にありがとうございます。皆さんのお陰で優勝することが出来ました。優勝させてくれて本当に本当にありがとう。

この企画が決まった時、自分に出来るのか不安でいっぱいだったのですが、新体制になったまねきケチャをたくさんの方に知って頂きたいと思い挑戦しました。

本当にたくさんの方が支えてくれて頑張れました。

大好きなファンの皆と大好きなメンバー達と一緒に取った優勝。心から愛でいっぱいです。

新体制まねきケチャ、初めての表紙です!楽しみにしていてください ︎

 

なお、グループメンバーが全員出演する、『週刊 SPA!』まねきケチャ表紙出演号の詳細は、後日発表される。

 

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2023年10月27日(金)~11月1日(水)下北沢 小劇場 B1にて上演される、TAAC『狂人なおもて往生をとぐ』のメインビジュアル・公演詳細、コメントが公開となった。

TAAC(ターク)は、タカイアキフミが主宰をつとめるソロプロデュースユニット。本作は、清水邦夫の傑作戯曲で、昭和44年3月、劇団俳優座により初演され、その後も様々な団体・名優たちにより上演されている。

学生運動が盛んだった昭和の娼家と思しき空間で、娼婦と客たちが家族ごっこに興じるところから始まります。そこから、徐々に彼らが抱える秘密が明らかになってきて……という物語だ。

タカイアキフミが演出、三上市朗、永嶋柊吾、福永マリカ、櫻井健人、古澤メイ、千葉雅子が出演する。

メインビジュアルには、フィギュア化された三上市朗、永嶋柊吾、千葉雅子ら出演者たちが家族写真を撮影する姿が収められている。

演出 タカイアキフミ コメント

かつての戯曲を演出する時にいつも意識することは、【なぜ今上演するのか】ということです。かつての戯曲と今を生きる観客に橋を架けることが僕の仕事だと思っています。素敵な役者たちと頼りになるスタッフたちとともに稽古で様々なものを共有し、今だからこその「狂人なおもて往生をとぐ」を上演したいと思っています。劇場でお待ちしております。

出演者コメント

■三上市朗
とにかくいつにも増してチャレンジングな作品になる事は間違いないです。タカイ君に「今度はこの作品を三上さんとやりたいんです!」と言われ、戯曲を読み、改めて身の引き締まる思いをしました。「共演の方がどんな方達なのか楽しみです」と返しましたが、私自身本当に出来るのだろうかと不安でいっぱいなのです。と、なると稽古するしかないのですが、果たして間に合うのか! いや、間に合わなければ困るのですが、とにかく全身全霊でこの作品に向き合おうと強い覚悟を持っている事だけは間違いないです!

■永嶋柊吾
ひとりでウンウン言いながら向かい合った戯曲でも、みんなで声に出して読んでみると、「あれ、おやおや?想像していたより楽しいぞ!」となる時が至極たまにあります。今回その匂いがぷんぷんします。僕は本当に未熟者で、自分がこれからどうしていきたいのかもあまりはっきりしない人間だけど、舞台上では何かを信じることができると信じている。これからの稽古、何を信じて、何を忘れて、何に喜んで苛立つ日々が始まるのか楽しみにしています。

■福永マリカ
この戯曲は、登場人物全員がとにかくたくさんの言葉を発するのですが、発するほどに言葉の意味を打ち消し合うような、あまりにも何かを言い合うことで何も言わなかったことにもなるような感覚も抱きました。読むほどに掴みどころのわからなくなる作品ですが、無理に掴もうとせず、言葉の荒波に身を任せ、ご一緒するキャスト、スタッフのみなさんに身を委ねて臨もうと思います。

■櫻井健人
時代が変わっても、現代と通じる何かを感じました。だからこそ表面的な設定や世界観だけでなく、この作品の真髄をご覧になる方々へ伝えたいと思っています。いまここに生きているからこそ持てる視点で挑戦します。今は稽古が待ち遠しくてたまりません。観に来てくださった方の心を少しでも揺さぶる事が出来るよう頑張ります。是非多くの方に楽しんでいただきたいです。

■古澤メイ
初めてこの作品に触れた時の“一読惚れ”は忘れません。どこまでも鋭く、あらゆる方向に突出し、読む度に印象が変わる。圧倒的な戯曲の力に飲み込まれそうになりながら、必死に食らいついていたのを覚えています。そして、その舞台に出演する事になり、この作品がどう立ち上がっていくのか、今から楽しみでなりません。演出のタカイさんを始めとする、素敵な共演者の方々とご一緒できる事、とても光栄です。

■千葉雅子
1968年に書かれた清水邦夫の名作に挑めることは、嬉しくまた身が引き締まる思いもあり、胸が高鳴ります。闘争渦巻く熱い時代の空気と極限に生きる家族の狂気。点滅するピンクの照明。炎渦巻く地獄谷の上の綱渡り。作品が孕んでいるものの魅力たるや! 初めてご一緒するタカイアキフミさんや共演の方々、頼もしいスタッフの方々そして16年ぶりにご一緒する三上市朗さんと稽古を重ねる日々が待ち遠しくて仕方ないのです。

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Quubiの1st EP「solid ep.」の発売日が、9月27日(水)に決定した。

収録される楽曲はすでに先行リリースされている「Dear my…」をはじめ、メンバーの村上華花が初めて作詞する「scent」、様々なア ーティスト作品を手掛ける告井孝通提供の「realize the truth」、Quubi ではおなじみ thug.提供の「Black out」の4曲。同作のカバージャケットも公開され、「自身の立場やスタイルを丈夫にする」という意味が込められた作品となっている。

Quubi 1st EP「solid ep.」初回限定盤ジャケット

Quubi 1st EP「solid ep.」初回限定盤ジャケット

さらに、初回限定盤には6月11日に大阪・GORILLA HALL OSAKAで開催された自身主催公演『KiTSUNE Party 2023』のライブ模様を収録したBlu-rayが付属される。

そして、発売週の9月17日(日)より全国10箇所を周るQuubi初の全国ツアー『Quubi Japan Tour 2023』の開催も発表している。 豪華ゲストを招いた対バン篇と九尾Bandを引き連れた、九尾Bandワンマン篇の2パターンにてツアーを開催する。

チケットは現在発売中となっているので、要チェックだ。

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2023年9月10日(日)日比谷 シアタークリエにて、『M.クンツェ&S.リーヴァイの世界 ~3rd Seasons~』シアタークリエ・ミュージカルコンサートが開幕し、オフィシャル舞台写真と開幕レポートが公開された。
 

9月10日、日比谷のシアタークリエにて『M.クンツェ&S.リーヴァイの世界 ~3rd Seasons~』シアタークリエ・ミュージカルコンサートが開幕した。

日本でも絶大な人気を誇るミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイによるミュージカル作品のナンバーを歌い上げる本コンサートは、2010年、2012年に続き今回の第3弾が実現。
『エリザベート』『モーツァルト!』『マリー・アントワネット』『レベッカ』『レディ・ベス』の5作品から、豪華出演者が珠玉のナンバーの数々を披露する。

9月10日初日の出演者は、一路真輝、愛希れいか、和音美桜、古川雄大、全日程に出演するLE VELVETS、小野田龍之介、MCも務める原田優一という錚々たる顔触れ。

アンサンブル10名が各作品のオープニングナンバーを壮大に歌い上げる幕開けから一気に、クンツェ&リーヴァイの世界へ引き込む。
『エリザベート』日本初演のトート役である一路真輝が「愛と死の輪舞」、愛希れいかと共に「闇が広がる」を、東宝版でエリザベート役を演じている愛希は「私だけに」も披露した。

(左から)愛希れいか、一路真輝

(左から)愛希れいか、一路真輝

愛希れいか

愛希れいか

『モーツァルト!』からは古川雄大が「僕こそ音楽」「影を逃れて」、古川と佐藤隆紀による「破滅への道」、『マリー・アントワネット』から小野田龍之介の「私こそがふさわしい」、ルイ16世をWキャストで演じた原田優一と佐藤による「もしも鍛冶屋なら」、和音美桜による「100万のキャンドル」。

古川雄大

古川雄大

小野田龍之介

小野田龍之介

(左から)佐藤隆紀、原田優一

(左から)佐藤隆紀、原田優一

和音美桜

和音美桜

『レベッカ』は一路とアンサンブルによる「レベッカⅠ・Ⅱ」、LE VELVETSによる「何者にも負けない」を、『レディ・ベス』からは古川が「クールヘッド」、和音が「あなたは一人じゃない」など、各作品で自身が演じた役から初めてのナンバーにも挑戦し、原田によるMCと出演者の軽妙なトークを挟み、全41曲のステージを披露した。

一路真輝

一路真輝

LE VELVETS

LE VELVETS

原田優一

原田優一

和音と古川は11日までの出演となり、12日からは新妻聖子が出演する。

(左から)和音美桜、小野田龍之介

(左から)和音美桜、小野田龍之介

(左から)愛希れいか、古川雄大

(左から)愛希れいか、古川雄大

また、20日から26日千穐楽までは涼風真世、花總まり、昆夏美、城田優、田代万里生(~22日)が、23日からは上口耕平が出演。

他に、彩花まり、岩﨑亜希子、樺島麻美、島田彩、吉田萌美、安部誠司、後藤晋彦、武内耕、中山昇、横沢健司がアンサンブルキャストとして出演し、ステージを華やかに盛り立てている

いずれの日も、このコンサートだからこそ実現した顔合わせで贅沢な時間をおくる。

なお、本コンサートは26日(火)日比谷・シアタークリエまで上演。また、9月23日(土・祝)18:00公演はLIVE配信も行われる。

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令和5年12月歌舞伎座公演において、坂東玉三郎演出による『天守物語』の上演が発表された。

文豪・泉鏡花の戯曲の中でも屈指の名作とされる『天守物語』は、白鷺城(姫路城)の天守閣にまつわる伝説をもとにした、美しい異形の世界の者とこの世の人間との夢幻の物語。天守閣の最上階に棲む美しく気高い天守夫人・富姫と若き鷹匠・姫川図書之助の恋が描かれ、美の本質、真の純粋さを希求した傑作だ。

令和5年5月平成中村座姫路城公演『天守物語』左より、姫川図書之助=中村虎之介、天守夫人富姫=中村七之助 ©松竹

令和5年5月平成中村座姫路城公演『天守物語』左より、姫川図書之助=中村虎之介、天守夫人富姫=中村七之助 ©松竹

歌舞伎では、昭和30(1955)年に六世中村歌右衛門の富姫で初演。近年では、坂東玉三郎が昭和52(1977)年に富姫を初演して以来、自身が演出も勤めながら大切に上演を重ねてきた。そして今年5月には、「平成中村座姫路城公演」にて玉三郎の演出により、中村七之助が富姫を初役で勤め、好評を博した。

この度、歌舞伎座12月公演では、姫路城公演で好評を博した玉三郎演出による『天守物語』の上演が決定。七之助の富姫、中村虎之介の図書之助、中村勘九郎の舌長姥/近江之丞桃六、中村獅童の朱の盤坊の配役に、演出をする玉三郎が富姫の妹分である亀姫役を初役で勤める。

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2023年7月26日(水)の19時回で公演数4,000回を迎えたロングラン公演『ギア -GEAR-』。2012年4月より京都に専用劇場を構え、セリフや言葉に頼らない「ノンバーバルシアター」として、マイム、ブレイクダンス、マジック、ジャグリングなどの技を組み込みながら物語を表現し続けてきた。そんな『ギア』の立ち上げから携わっているのが、俳優の兵頭祐香(ドール役)とマイムの岡村渉(ロボロイド役)だ。京都の専用劇場で公演がスタートする前におこなわれていた各地での実験的公演「トライアウト公演」にも出演するなど、長年にわたって『ギア』の舞台に立ってきたふたりに、「これまで」と「これから」について話を訊いた。

ノンバーバルシアター『ギア-GEAR-』

ノンバーバルシアター『ギア-GEAR-』

――『ギア』がこれだけ長く続いている秘訣はなんだと思いますか。

兵頭:「良い喧嘩」をしていることだと思います。渉ならマイムを中心に活動しているといったように、ほかにもブレイクダンサー、マジシャン、ジャグラーという別ジャンルのメンバーがいて、それぞれに矜持がある。舞台上では「自分はこうしたい」というものがぶつかり合うんです。それを混ぜあわせて一つのものを作っていると、自然と新しいものが生まれるんです。ただ、そのために必要な喧嘩をたくさんしてきました。

岡村:むしろ「良い喧嘩」を起こすようにしています。「良いよね、良いよね」という空気になっていくときこそ、「ほんまに良いんかな」と疑うようにして。人って、周りの意見に飲みこまれたり、妥協したりすることがある。だからこそ意識的に波風を立てていかないと、自分たちも安心しすぎて刺激がなくなります。平和なムードになったタイミングこそ「そういえばあのときこんな課題があったけど」と、あえて気になっていたことを掘り返してみるとか。

兵頭:役者というカテゴリで話しても、どの舞台でも良い喧嘩は絶対にあるはず。むしろ上手に喧嘩ができる人たちの集まりじゃないと、新しいもの、おもしろいものはできない。だから『ギア』には馴れ合いがないんです。良い喧嘩ができるということは、リスペクトがあるということでもあるし。

兵頭祐香

兵頭祐香

――それでも、プロフェッショナルの集団であればあるほど、お互いの分野には干渉しづらくなるはず。

兵頭:そういう状況を乗り越えてきました。各地でのトライアウト公演を経て現在の京都の専用劇場へ移る時期は、それこそ「良い喧嘩」はできていませんでした。床の材質一つをとってみても「自分は滑る方が良い」「いや、そうじゃない方がやりやすい」とか、「この照明では無理だ」とか。だからこそ、お互いを知るところから始めていきました。そうするとお互いの「分からない」が「興味」へ変わっていった。「そうか、だからこのパフォーマーはこういうときにこれはできないのか」「だったら自分が手伝えないだろうか」と。いざこざがあったからこそ雨降って地が固まって、今は上手に喧嘩ができるんです。

岡村:自分のこだわりをアピールして、「そこは口を出されたくない」と貫くのはもちろん必要。でもそういう壁をなくしてまわりの意見に耳を傾けられるようになれると、本当にカッコ良い。いろんな意見を取り入れると成長速度は上がります。そういう空気感が間違いなく現在の『ギア』を作っていきました。

兵頭:あとお客様のご意見を取り入れることも、進化したり、新鮮さを保てたりする秘訣です。公演では紙のアンケートをお配りし、終演後は必ず読むようにしています。そして実現できそうなことに関しては、たとえば、その日にまだ夜公演が残っていたらすぐに取り入れることもあります。

岡村:お客様のご意見のなかで、自分にとってターニングポイントになったものもあるんです。それが劇中の水中に潜るような場面のマイム。僕のなかではそれまで「いろんなシチュエーションのなかの一つに水中がある」くらいの感覚でした。でもアンケートでは「水中の場面のパントマイムが印象に残った」という感想が多くて。「そうなんや、水の中のマイムってそんなにおもしろいんや」と、自分のパフォーマンス人生に関わるような発見があったんです。それからその場面は自分にとっても特別なものになりました。

兵頭:確かにそういうことは多々あります。お客様からの「このシーンで流れる涙がすごく温かく感じた」「音が聞こえた瞬間ってこんなに世界が広がるんだ」といった感想をいただいたとき、「みなさん、そういうふうにこの物語を捉えるんだ。だったらその場面のメッセージをこうやって表現していこう」と、従来のものをより掘り下げたり。つまり『ギア』はお客様も演出家なんです。

水中をマイムで表現する岡村渉

水中をマイムで表現する岡村渉

――そうなのですね。

兵頭:あと、私は『ギア』の舞台には900回以上立っていますが、それだけ数を重ねると逆に分からなくなるところも出てくるんです。「この形でメッセージは届いているのだろうか」と不安になります。

岡村:そうそう、意外に分からなくなることも増えますね。自分の場合は舞台数が増えるにつれてデータも蓄積され、「ここでウケた、ここはウケなかった」「じゃあそうなったときはこうしよう」といろいろ枝分かれする選択肢を、そのデータをもとに進めていきます。でも回数を重ねすぎてデータもすでにパンパンで、逆に選択肢に合った最適なカードが選べなくなったりもします。自分がもっとも憧れるのは、これまで集めたカードを全部捨てて新しいカードを引くこと。

兵頭:10年以上も公演を続けていると、時代が変わってきていることも実感します。テクノロジー、人間が生きる上の概念、美の基準、あと新型コロナもありましたし、いろんな価値観が変わってきました。楽しいこと、悲しいこと、ワクワクすること、それらをどうチョイスして作品として紡いで届けるか。データや選択肢があればあるほど混乱しちゃいますね。

岡村:なるほど、「時代が変わってきた」という話はおもしろい。『ギア』にはロボロイドというロボットが登場します。でもトライアウト公演など最初の頃は人間に近い感じで出てきていたんです。つまり見た目ではロボットだとは分からない。でも今の『ギア』ではすごく精密にロボットを表現しています。10年前は「こんなロボットがいれば良いな」でしたが、現代ではまさに人間と見間違うほどのロボットがありますよね。あとAIも進化していますし。そうなるとロボット表現というのは一体なんなんだろうと、改めて考えさせられるんです。一つ言えることは、かつて『ギア』でやっていたロボット表現を、現実が追い抜いていった。だからこそ『ギア』は「『ギア』としての世界観」でロボットを進化させていくべきかなと。そういうことも含めて今後、『ギア』が現実からはもっとかけ離れていくかもしれません。

岡村渉

岡村渉

――『ギア』を続けてきたなかで、おふたりの活動の幅も広がっていますね。

岡村:僕の場合は『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』(2022年/NHK)で、顔を出さずにTAROMANを演じたことがおもしろかったです。というのも、普段のパフォーマンスではやっぱり表情に頼った演技に重きを置いてしまう。表情で多くの感情が語れますし。しかも声を出さなくても伝えられる。でもTAROMANは、声どころか顔も出していない。フォルムと動きでしか勝負ができない。そういう経験をしたことで、「自分が次に進むべき表現はここかも」と感じました。難易度が高く、これまでとはまた違うテクニックが必要になる。これまで蓄えた表現手段を削いでいくことで、自分の新たな可能性と出あえそうなんです。

兵頭:私は舞台『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語(2023年)が特に印象的です。私が演じた小少将の君は、あの作品のなかでも珍しいコメディリリーフで、笑いをとるんです。そういった役どころに就くことで、学べるものもたくさんありました。あと、『ギア』で私のことを知ってくださったお客様は「祐香さんが舞台で喋ってる!」となったそうで(笑)。

兵頭祐香

兵頭祐香

――そうやっておふたりとも仕事に広がりが出てきていますね。そこであえて踏み込んだ質問をしたいのですが、岡村さん、兵頭さんは『ギア』の一員として現在、発展途上なのか、それとも実は最終章に入っているのか、どちらなのかお聞きしたいです。

岡村:僕は発展途上です。ここまでの自分はなんとなく想像ができていました。でもこの先はきっと、年齢に応じて体力や瞬発力が衰えていくはず。出来なくなることが増えるんです。そうやって徐々に動けなくなっていくなかで、どうスキルでカバーできるか、もしくはなにを削ぎ落としてなにを残して見せていくかが鍵になっていく。そういう姿はまったく想像ができません。ここからがおもしろくなるな、と。だから僕の『ギア』はまだまだ続きます。

兵頭:私は実は自分自身『ギア』においては最終章に入っていると考えています。 もちろんまだまだやりたいですし、やれることもたくさんある。その一方で、 この先ずっと自分がドール役を演じている姿は想像できないのです。 自分は『ギア』のドールを生み出す瞬間からこの作品に関わり、この役と共に育ってきたという自負がありますが、今やドール役は私だけのものではありません。『ギア』が5,000回、10,000回とロングランを続けていく上でも、カンパニーがこの先この作品を守っていく上でも、これまで積み上げてきたものを継承していく後進を育てることの重要性を実感して います。そのためにもドール役としての私は意気楊々と最終章に突入してドールの完成形を形づくりたいと思っています。

取材・文=田辺ユウキ 

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東京から世界に向けて新たなオルタナティブ・ポップスを発信する新世代アーティスト・4s4ki(読み:アサキ)が、9月14日(木)にNianticが新たにリリース予定のスマートフォンゲームアプリ『モンスターハンターNow』の新CMに出演&楽曲参加することが発表された。

『モンスターハンターNow』はARと位置情報技術を持ち、『Pokémon GO』や『Pikmin Bloom』など大ヒットタイトルを開発提供しているNianticが、カプコンの世界中で人気の高いシリーズ『モンスターハンター』を現実世界で体験できるように開発・提供するスマートフォンゲームアプリ。7月27日(木)より開始した事前登録者数は9月11日(月)時点で300万人を突破。9月11日(月)からは渋谷にて『モンスターハンターNow』に出現する「ディアブロス」などのモンスターたちが現実世界に登場する巨大広告の掲出や、渋谷の街を闊歩するハンターたちの撮り下ろしポートレートのポスタージャックなどを実施している。

また、9月14日(木)からは、SNS総フォロワー数2,000万人を超えるZ世代から人気のクリエイター、フォーエイト48、KATY、COCOA、なーすけ、伊澤彩織ら計11名を起用したCMを全国で順次放映する。CMでは、渋谷の街にディアブロスなどが出演し、クリエイターの皆がハンターとなって武器と共に狩りに向かう様子を描くことで、ゲームの世界観を再現。

使用楽曲において、4s4kiが気鋭のプロデューサー・Yaffleとタッグを組み、TRFの「survival dAnce」に躍動感溢れるアレンジを加えCMを盛り上げている。CM映像はテレビでの放映に先駆けて、YouTubeチャンネルで公開中。

 

4s4ki コメント

今回オファーが来て、大好きなモンハンのお仕事だったので尋常じゃないくらい嬉しかったです!
ゲームのコンセプトを踏襲しつつ、エクストリームに4s4kiらしくアレンジしてみました。制作時もワクワクしていたのですぐ出来ちゃいました。ゲーム内も現実でも、色んな意味のスタミナ回復は自分で導くという意味合いを込めたのと、ハンターらしく強気な姿勢をリリックにも反映してみました。

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2023年10月18日(水)~11月19日(日)新国立劇場 中劇場にて、シェイクスピア、ダークコメディ交互上演『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』が上演される。

この度、制作発表会見が行われ、その模様が届いたので紹介する。

岡本健一、浦井健治、中嶋朋子、ソニンらがメインキャストを演じる『尺には尺を』と『終わりよければすべてよし』の制作発表会見が8月31日、新国立劇場で行われた。
この企画はシェイクスピアの戯曲の中でも“ダークコメディ”と呼ばれる2作を、同時に交互上演するという前代未聞の試み。会見には「新国立劇場シェイクスピア歴史劇シリーズ」に続き、演出を担う鵜山 仁と総勢19名のキャストが出席。それぞれが2作品で別の役を演じることから、『尺には尺を』で主にメインの役を演じる=黒、『終わりよければすべてよし』で主にメインの役=白という衣裳で登壇した。

まず今回の企画意図について、演出の鵜山は「それを説明するのは結構大変。1分で喋らなきゃいけないと言われているので」と笑いを誘いつつ、次のように語った。
「2作とも“ベッド・トリック”(期待していたのとは別の相手とベッドを共にさせるという仕掛け)が入っている芝居です。人間は必ず過ちを犯すけれど、それを愛で救済できるのかという大きなテーマを描いていると同時に、演劇は世界を救済できるのか、演じることによって物の見方や感じ方が変わるのか、宇宙のシステムやさまざまな過ちを浄化できるのか、ということまでを考えさせる2作品だと思います。それを歴史劇シリーズの1作目『ヘンリー六世』から一緒にやってきた俳優の皆さん、新しく入ってこられた方達と、裏からも表からも重層的にやってみようという気持ちです」

続くキャストのコメントは以下の通り。

(左から)ソニン、岡本健一、中嶋朋子、浦井健治 

(左から)ソニン、岡本健一、中嶋朋子、浦井健治 

岡本:この企画を聞いた時、一番惹かれたのはこのカンパニーでもう一度できることとタイトルですね。『尺には尺を』というのは何の尺なのか。自分にとっての尺なのか、それぞれの尺についての話になるんですかね。『終わりよければ〜』で僕は死にかけているフランス王を演じるんですけれども、これもタイトルに惹かれました。今いろんな世の中の流れがありますが、何とか“終わりよければすべてよし”の方向で進んでいけばいいなと思います。芝居の中に国を動かす権力者や市井の人たちが出てきたりするので、ぜひ劇場に足を運んでいただいて、いろいろな発見をしていたければいいなと。何が生きる上で大切なのかがいっぱい詰まった作品なので、新国立劇場という国の劇場で、演劇の楽しさを若い人から年配の方、演劇を初めて観る方たちにも楽しんでいただけるように、みんなで頑張っています。

浦井:『ヘンリー六世』でこの座組に初めて参加させていただいた時のことを今思い出していました。(今は亡くなられた)中嶋しゅうさん、金内喜久夫さん、渡辺 徹さんをはじめ諸先輩方と一緒にこのように会見に並ばせていただいて、「浦井健治って誰だ?」という感じで何もできずにいたんですけれども。歴史劇シリーズから続く、何か演劇の血筋のようなもの感じながら、2作品交互上演という過酷なトライに飛び込めることを幸せに思っています。

中嶋:『ヘンリー六世』という3部作、9時間のお芝居でシェイクスピアの歴史劇シリーズを始めてから、このチームでずっと幸せな時間を過ごしてきました。最初に3部をいっぺんにやったので、2本はできるかなと思ったんですけれど。蓋を開けてみたら、全然違うお話2つというのはかなりハードルが高いなと感じています。でもこの2本を同時にやるという決定がなされたことはすごく素敵なことであって。それぞれ単体で読むよりも2本一緒に読むと印象が全然違ってくるんです。これはマジックだなと思って、それらを自らの肉体を使って演じられるのは本当に楽しみでしかありません。

ソニン:鵜山さん演出の新国立劇場のシェイクスピア作品に戻って来られたことが嬉しくて、お話をいただいた時は二つ返事でお受けしました。どちらも男女の愛を中心にしている作品、女性が活躍する話であり、問題作と言われています。読めば読むほどシェイクスピアが描く女性は難しいなと思いながら悶々としている日々ですが、シェイクスピアならではの何重にも重なる比喩や皮肉があるので。それをリアリティを持って、2役とも魅力的に演じられるようにお稽古に励んでまいります。

『尺には尺を』では岡本とソニンが、『終わりよければ~』では浦井と中嶋が、男女の愛を描いた劇中、いずれも相思相愛とは思えない(!?)カップルを演じる。

ソニン:私が演じる2役は、いずれも処女で貞淑であるっていうのが共通点としてあるんです。何も知らない純粋な女の子が秘めている何か、そして人間臭さが見えてくるように作っていきたいです」
中嶋「『終わりよければ〜』はシェイクスピア作品の中では唯一女性のセリフでスタートする作品。どちらの作品にも女性の体感みたいなものが含まれていて、人間臭いところが魅力であり、生き物としての人間をすごく感じながら演じさせていただいている気がします。

深く関わる男女を演じるお互いの印象について、岡本は「ソニンは芯が強くて妙に色っぽいんです。『尺には尺を』で演じるアンジェロという役は堅物で冷血で、ソニンが演じるイザベラに出会って自分の価値観が崩れていく。なんとか処女を奪いたい想いに駆られてしまう役ですが、本読みをしているだけでそれが信じられる、引き込まれるところがいっぱいあります」

岡本のこの発言を受けて、ソニンは「恥ずかしいですね(笑)。以前別の劇場のシェイクスピア劇でも、岡本さんに口説かれる役でしたが、その時から変わらず、年齢を重ねても色気がある方なので、そういう関係性になるのは何も心配ないなと。今回は自覚なく相手を魅了してしまう役なので、試行錯誤していますが、岡本さんはいろんな可能性を探ってくださるので、ワクワクが止まらないです」と語った。また、浦井は「『終わりよければ〜』で演じるバートラムという役が最初、中嶋さんが演じるヘレナに対してあまりにもひどいと思った」とのこと。「でも本を読んでいくうちに実はヘレナの方が強いなと感じてきて。物語の終盤に向かって、バートラムは“塩をかけられたナメクジみたいになっていけば”と鵜山さんに言われています」。中嶋は、浦井のコメントを受け「ナメクジって、浦井君、そういうの好きでしょう?(笑)」と笑いを誘いつつ、「浦井君は王子様だな、キラキラしているなっていう時と、こういうところでずっこけるんだねっていう、何が出てくるかわからないところが楽しくて。急に化けるので。浦井君のことが大好きなので、今回『大好き!』と大っぴらに言える役で、嬉しいです」と茶目っ気たっぷりに語った。

シェイクスピア、ダークコメディ交互上演 『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』

シェイクスピア、ダークコメディ交互上演 『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』

その他、ベテランから若手まで実力派揃いのキャストたちも意気込みを熱く語った。公演後に行われる「シアタートーク」に加え、シェイクスピア歴史劇シリーズ皆勤賞の岡本・浦井をはじめとする俳優たちによるトークなども予定されている公演は、10月18日〜11月19日まで東京・新国立劇場 中劇場で行われる。

取材・文:宇田夏苗    撮影:阿部章仁

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音楽、サウナ、キャンプ、そして日本の伝統文化、花火を融合させた新スタイルの花火音楽祭『Capsule -Mt.Fuji山中湖花火音楽祭-』が9月23日(土)、24日(日)の2日間、山中湖交流プラザきららにて開催される。尺玉(10号玉)を含む約10,000発の大迫力の花火が、花火大会エリア、DJ音楽フェスエリア、サウナ&キャンプエリアの3つのエリアを染め上げる本イベントを手がける実行委員長の櫻井翔太氏と音楽フェスプロデューサーT.ISHIHARA氏に、初開催となる新スタイルの花火音楽祭の見どころを訊いた。

――新スタイルの花火大会はいくつかの組み合わせがありますが、そもそもDJ音楽フェスと花火大会を融合させようと考えたきっかけはあったのでしょうか。

櫻井:日本の伝統文化である花火をフックにクラブカルチャーなど様々なカルチャーを掛け合わせることにより、日本独自のフェス、お祭りができるのではないかと思ったんです。そしてそれを最終的に海外に持っていくことができたら、日本の素晴らしさを世界に発信していけるんじゃないかと、この企画を思いつきまして。日本のクラブカルチャーと言ったらISHIHARAさんの他にはいない、という想いでご相談というか…、あるパーティでお声がけさせていただきました。日本で様々なカルチャーを牽引してきた、粋な先輩たちと、新しいものを作りたいという想いもありました。

『Capsule -Mt.Fuji山中湖花火音楽祭-』(左)実行委員長・櫻井翔太氏(右)音楽フェスプロデューサーT.ISHIHARA氏

『Capsule -Mt.Fuji山中湖花火音楽祭-』(左)実行委員長・櫻井翔太氏(右)音楽フェスプロデューサーT.ISHIHARA氏

――そんな『Capsule -Mt.Fuji山中湖花火音楽祭-』は花火大会エリア、DJ音楽フェスエリア、サウナ・キャンプエリアと3つのエリアで花火が楽しめるイベントになっています。

櫻井:ゾーニングという考え方で、花火の楽しみ方って人によってそれぞれ違ってもいいのかなというのがあって。従来の花火大会は、打ち上がった花火を観賞することに特化していますが、それ以外にも若者、子供、お年寄りまで様々な楽しみ方ができるイベントになってもいいのではと思ったんです。それぞれが選んだシチュエーションで花火体験ができるイベントがやりたいと考えて、さらにサウナ・キャンプという要素も加えて、今回はこの3つのゾーニングで企画しました。これまでの花火大会は、自治体による運営で、町の協賛、地元の方々のボランティアをはじめとする協力を得て成り立っているところがほとんどでした。しかし、コロナ禍でストップしてしまった花火大会をもう一度復活させるにあたって、運営方法を見直す団体も出てきています。きちんとした興行として成り立たせるために、単独ではなく複数のイベントで花火大会を共有すること、有料観覧制にすることで、より安定感があり、満足度の高い形で花火を提供するのがよいのでは、と思った次第です。

――櫻井さんからお声がけ、相談を受けたISHIHARAさんは、どのようにイベントに関わられているのでしょうか?

ISHIHARAもう30年以上音楽フェスやクラブカルチャーを仕事にしてきたので、新しいものを立ち上げるなら10年先ぐらいを目標にしてやれるものじゃないとやりたくない、という話は最初にしました。ある程度年間カレンダーも決まっている中で、新しいプロジェクトを手がけるなら、僕の目指すスタイルもしっかり保った形でという想いがありました。花火と音楽のハイブリッドバージョンはあってもいい、やる意味があるか?と思ったのが、今回一緒に組んでやってみようと思った経緯です。いろいろな縁が重なって、以前から興味のあった山中湖での開催というのも決め手になりました。

櫻井:日本のクラブカルチャーを作ったレジェンドであるISHIHARAさんは、新スタイルの花火大会を立ち上げるうえで欠かせない存在です。賛同していただいたことで、大きく前進したと感じました。日本のクラブカルチャーを次の世代にバトンタッチできるようなイベントになったらいいなと思っています。

ISHIHARA次の世代が親と一緒にイベントに来る、みたいなことは自分が手がけているフェスでも見られる光景です。僕としては若い人も呼びたいし、40代、50代、60代にも興味を持って欲しい。オールドスクールの人たちが集まる安心感も提供したいと思っています。お酒も出るので、売り上げにもつながりますし(笑)。そういったところも踏まえて、今回はちょっと濃いラインナップになっています。

――確かに若い世代に日本のDJカルチャーを知ってもらうには素晴らしい布陣です。

ISHIHARAフジロックにしても、ライジングサンにしても、長く続いている音楽フェスに高齢化問題はどうしても出てきているようです。スマホがない時代、FAXやメールで情報を入れていた時代から続いている音楽フェスが、ネット、SNSがある世の中で、どう残っていけるのか。コロナ禍ではパソコンで音楽を楽しむのが当たり前になっていたけれど、状況が変わってきた中で、現場で聴く音楽は本質的に違うということを知ってもらいたい。そういう想いからこのラインナップになりました。

『Capsule -Mt.Fuji山中湖花火音楽祭-』実行委員長・櫻井翔太氏

『Capsule -Mt.Fuji山中湖花火音楽祭-』実行委員長・櫻井翔太氏

――花火大会との掛け合わせが注目ポイントのイベントです。「ここが違う!」という推しポイントを教えてください。

櫻井:気持ちばかりの花火ではなく、DJプレイ中に尺玉含む10,000発の花火を、たっぷり1時間、打ち上げ続けるのは今までにないポイントだと思っています。花火を見ながら踊る、そんな体験ができます。ご協力いただいているのは、日本を代表する煙火店、株式会社マルゴーさんと株式会社齊木煙火本店さんです。株式会社マルゴーさんは昨年の大曲の花火大会で内閣総理大臣賞を受賞したり、今年の隅田川のコンクールで優勝したりと、輝かしい実績のある花火師さんで、今、一番勢いがあると言っても過言ではありません。僕にとっては、本当に理想的、まさに目指していた座組みで開催に向けて走り出せたことを心から嬉しく思っています。日本でしっかりと確立して、海外に持っていくためにも真剣に取り組んでいきたいと思っています。

――花火の有料観覧席もありますよね?

櫻井:はい。こちらは子供からお年寄り、ファミリー層まで、誰もが楽しめる内容になっています。日本国内外で活躍するJ-POPアーティストの楽曲に合わせて、ミュージックスターマイン花火を打ち上げます。ミュージックスターマインは、音楽と花火の融合なのでぜひ堪能していただきたいです。グループ指定席という5人席のチケットがあるのですが、富士山をバックに花火を至近距離で、大迫力の花火が楽しめる特等席です。それと同じような2人用のペア席もあります。ミュージックスターマインは音楽に合わせて花火が打ち上がるのですが、都会では見る機会の少ない尺玉も打ちあがるところも、こだわりの一つです。

――いずれは世界に向けたイベントにというお話もありますが、世界に向けて日本のDJカルチャーとしての独自性というかポイントはどのようなものなのでしょうか?

ISHIHARAダンスミュージックのジャンルも細分化がすごく進んでいます。実は日本のDJたちは海外でツアーを行ったり、フェスに招かれているという実績は意外とたくさんあるんです。日本人はいろいろな意味で繊細で礼儀正しいから信用されます。もちろん、成功には海外のエージェンシーやプロモーターとの出会いが大切になってきますが、何より重要なのは楽曲が作れること。海外で評価されるためには誰かの楽曲をかけるだけではなく、自分の楽曲があることが大きなポイントになると思います。例えばDJ KRUSHは「和」を前面に打ち出した彼の世界観があり、石野卓球は海外のスタイルを、彼なりの解釈で新たに表現をする。自分の楽曲があることが重要で、そこが海外に行ける、行けないの違いになってくるのかなと感じます。

『Capsule -Mt.Fuji山中湖花火音楽祭-』音楽フェスプロデューサーT.ISHIHARA氏

『Capsule -Mt.Fuji山中湖花火音楽祭-』音楽フェスプロデューサーT.ISHIHARA氏

――なるほど。ではもう一つのポイントであるキャンプ&サウナについてもお聞きしたいのですが。

櫻井:キャンプ&サウナは、文字通り、キャンプをしながらテントサウナに入りいわゆる“ととのい”ながら花火を見ようという企画です。僕自身サウナが好きなことも取り入れた理由の一つですが、花火はもともと「悪疫退散」「無病息災」「鎮魂」などの意図で江戸時代に始まった興行でもあるので、“心が整う、浄化する”という共通点があると思っていて。最近のサウナブームもあるので、喜ばれる組み合わせかなと思っていましたが、今、一番人気のチケットはこのエリアなので、是非体験してみて頂きたいです。

――開催場所の山中湖、富士山麓周辺はキャンプ地としても人気がありますよね。では最後に一言いただければと。

櫻井:開催場所である山中湖は、遠いと思われがちなのですが、実は新宿や横浜から車で90分くらいですし、甲府など関東近郊からも近いエリアです。アクセスも良いですし、日帰りで尺玉が上がるような花火大会ってなかなかないと思うんです。もちろん、今回は泊まれるエリアもありますので、お好みのスタイルで山中湖の大自然を感じながら、日本の祭『MATSURI』を楽しんで頂ければと思っています!

ISHIHARAフェスは初回で伝説になるか、継続して伝説になるか、もしくはならないか。少なくとも伝説になれるよう、皆様とご一緒できるよう、頑張ります!!

取材・文=タナカシノブ

 

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2023年9月1日(金)~10月29日(日)豊島区池袋エリアを中心に開催されている、『東京芸術祭 2023』において、上映会『EPAD Re LIVE THEATER in Tokyo〜時を越える舞台映像の世界〜』が、10月11日(水)より東京芸術劇場 シアターウエストにて行われる。

この度、追加上映作品・公演情報の詳細が決定した。

劇場での臨場感ある観劇体験も含めて「100年後の未来に残せないか?」という思いから、超高精細8K映像での収録や立体音響での編集など、最新技術を使用しながら舞台映像を残してきたEPAD。今年度からはその映像を使用し、劇場での上映会に本格的に取り組んでいる。

今回、すでに発表されている、た組『綿子はもつれる』、マームとジプシー『cocoon』、公益財団法人スターダンサーズ・バレエ団『くるみ割り人形』、維新派『トワイライト』の4作品に加え、新たな追加上映作品に、イキウメ『人魂を届けに』、舞台『弱虫ペダル』THE DAY 1、東京芸術劇場『気づかいルーシー』、蜷川幸雄七回忌追悼公演『ムサシ』の4作品が決定。

イキウメ『人魂を届けに』    撮影:田中亜紀

イキウメ『人魂を届けに』    撮影:田中亜紀

舞台『弱虫ペダル』THE DAY 1     撮影:金山フヒト

舞台『弱虫ペダル』THE DAY 1     撮影:金山フヒト

東京芸術劇場『気づかいルーシー』    撮影:田中亜紀

東京芸術劇場『気づかいルーシー』    撮影:田中亜紀

蜷川幸雄七回忌追悼公演『ムサシ』     撮影:田中亜紀

蜷川幸雄七回忌追悼公演『ムサシ』     撮影:田中亜紀

上映予定の映像形式や音声形式と同時にチケット料金などの詳細も発表されたのでチェックしておこう。

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2024年に創立45周年を迎える研音と、同じく開局70周年を迎えるニッポン放送がタッグを組んだラジオ番組『KEN RADIO』が2023年10月7日(土)よりスタートすることが発表された。

財前直見、唐沢寿明、反町隆史、沢村一樹、天海祐希、榮倉奈々、菅野美穂、川口春奈、福士蒼汰、杉咲花、山崎育三郎、福原遥をはじめとする、数々の映画やドラマ、ステージで活躍してきた研音所属俳優・アーティストが週替りで次々にパーソナリティを担当。番組では、仕事のことから興味のあることなど、普段聞くことができないプライベートな話を自らの言葉で語る予定だ。

3年半前に放送した、研音創立40周年 ニッポン放送開局65周年記念ラジオ番組『KEN RADIO』では、数多くの研音所属俳優・アーティストが出演し、最終回は唐沢寿明が担当した。今回『KEN RADIO』復活にあたり、初回放送のパーソナリティは唐沢寿明が担当し、最終回までのバトンを繋げていく。

さらに、2024年3月30日(土)・31日(日)には、東京国際フォーラム・ホールAでイベントの開催も決定。2020年5月に開催を予定していたものの、コロナ禍の影響で中止となってしまった「幻の周年イベント」がついに開催される。なお、イベントの詳細は後日発表を予定。

研音創立45周年 ニッポン放送開局70周年記念ラジオ番組『KEN RADIO』は10月7日(土)スタート、毎週土曜21時から放送。

初回パーソナリティ 唐沢寿明 コメント

2020年春、一日限りの周年イベントを開催する予定でしたが、コロナ禍の影響で中止となってしまいました。
そこから3年半。
それぞれが考え、再起して、また新しい一歩を踏み出していこうとしています!
ラジオやイベントを通して皆さんにエンターテインメントの楽しさをお届けします。
何が飛び出てくるかわからないエンターテインメントショーを是非、楽しみにしていてください!

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ローマ歌劇場 2023年日本公演が、2023年9月13日(水)~9月26日(火)、東京・横浜で開催される。公演初日(ヴェルディ《椿姫》)を目前に控えた9月11日(月)には都内のホテルで記者会見が行われた。同歌劇場にとっては5回目となる来日。パンデミック後の初めての大規模なツアーとあって、劇場側も日本の主催者側もかなりの熱量が感じられる。出席した音楽監督ミケーレ・マリオッティやキャストたちからは、《椿姫》《トスカ》というイタリア・オペラを代表する二大傑作を今、上演することの意義についてなどの貴重な意見が出て公演への期待を高めた。

この日、横浜の神奈川県民ホールにおいて18時まで《トスカ》のリハーサルがあったために、記者会見は19時にスタートした。登壇者は、ローマ歌劇場総裁のフランチェスコ・ジャンブローネ、同歌劇場 音楽監督・指揮のミケーレ・マリオッティ、《椿姫》ヴィオレッタ役のリセット・オロペサ、《トスカ》題名役のソニア・ヨンチェヴァ、カヴァラドッシ役のヴィットリオ・グリゴーロの各氏。出席が予定されていた《椿姫》アルフレード役のテノール、フランチェスコ・メーリ氏は前日のゲネプロの疲れが出て欠席とのことだった。今回のプロダクションはローマ歌劇場が前回来日した2018年に上演されたソフィア・コッポラ演出、ヴァレンティノ・ガラヴァーニ衣裳の《椿姫》を新しいキャストで持ってきたのに加えて、巨匠フランコ・ゼッフィレッリが2008年にローマ歌劇場で演出した《トスカ》が9月17日に神奈川県民ホール、そして9月21日から東京文化会館で上演される。

[左から]高橋典夫(公益財団法人日本舞台芸術振興会専務理事)、リセット・オロペサ、ミケーレ・マリオッティ、フランチェスコ・ジャンブローネ、ソニア・ヨンチェヴァ、ヴィットリオ・グリゴーロ

[左から]高橋典夫(公益財団法人日本舞台芸術振興会専務理事)、リセット・オロペサ、ミケーレ・マリオッティ、フランチェスコ・ジャンブローネ、ソニア・ヨンチェヴァ、ヴィットリオ・グリゴーロ

ジャンブローネ総裁は、「今回喜びもひとしおなのは、パンデミック後の初めての大きなツアーだということ。すべての人々の記憶にまだ新しい世界の危機の期間には、私たちが劇場で生きるということが妨げられていた。ですからこの来日公演はいっそう嬉しいものに感じます」

フランチェスコ・ジャンブローネ(ローマ歌劇場総裁)

フランチェスコ・ジャンブローネ(ローマ歌劇場総裁)

「今回の《椿姫》と《トスカ》は私たちが特に愛着を持っているプロダクションです。キャストは世界で活躍している最高の歌手陣が揃いました。素晴らしいオーケストラ、合唱団、バレエ団、そして舞台裏のスタッフまで皆で一丸となって来日できたことは誇らしく幸せなことです」と挨拶した。

音楽監督のマリオッティは、《椿姫》《トスカ》で共演する歌手たちについて、「まさにファンタスティックで、一緒に音楽をできる仲間たち。私は彼らにいつもとても多くのことを要求してしまうけれど、彼らとは全てが可能になります。世界中に知られている最高の歌手たちである前に彼らは音楽家であり、それが重要なことなのです」と述べたあと、二つの作品についてこう説明した。

ミケーレ・マリオッティ(ローマ歌劇場 音楽監督/指揮者)

ミケーレ・マリオッティ(ローマ歌劇場 音楽監督/指揮者)

「これらはとても有名なオペラで非常に美しい作品です。毎回、初めてのように感じ、常にモダンで、新しい発見があります。2023年の今日、これらの作品を上演する意義はどこにあるのか? この両作品は、女性に対するヴァイオレンスについて語っている作品です。《トスカ》においては、それは肉体的な暴力であり、スカルピアは彼女を所有しようと権力を最悪の形で使います。そしてトスカは殺人を犯しますが、我々は決してトスカを殺人罪で裁こうとは思いません。彼女は自由と愛のために戦う女性なのです。彼女は犠牲者です。暴力は決して正当化できないのですから。戦争と同様に。決して」

「一方、ヴィオレッタが受ける暴力はより社会的なものです。彼女は偏見の犠牲者です。ヴィオレッタはとても強い女性なのに、なぜジェルモンのあのような残酷な提案を受け入れたのでしょう? それは、彼女は自分の死が近いことを知っており、もう時間が残されていない。ジェルモンの提案を承諾することは、人を救うこと、新しい家族を作ることに寄与できる。自分が望んでいたけれども得られなかった“家族”を作ることに。だから彼女の死には彼女の大きな愛の行いがあるのです」

マリオッティの次には《椿姫》のヴィオレッタを歌うリセット・オロペサにマイクが渡った。「《トスカ》と《椿姫》の二人のヒロインに共通することは、一人の人、もしくは社会という巨大な力の犠牲者であったことです。そして彼女らは、天に、神にゆるしをもとめます。自分たちがしてしまったことに対するゆるしを。ヴィオレッタの神との関係は複雑です。彼女はクルティザンなので、罪を抱えていて償いをしようとします。でもその償いは受け入れてもらえず、救済は訪れません。それは彼女の病と社会の犠牲になる、という形で現れてしまいます」

リセット・オロペサ(《椿姫》ヴィオレッタ役)

リセット・オロペサ(《椿姫》ヴィオレッタ役)

「これは今日に通ずる物語です。ヴィオレッタは生きた人物です。ヴェルディの音楽は、ロマンス、愛、幸せ、そういったもの全てが最高の美の形で歌われる。なのに彼女自身はひどく苦しんでいるのです。この複雑さがこのオペラを説得力のあるものにしているのではないかと思います。この役を舞台で歌うのは大きな挑戦ですが、毎回、歌うたびに発見があります。そして今回はマエストロ・マリオッティの素晴らしい解釈のもとで歌えることを何よりも幸せに思っています」

次は《トスカ》の題名役のソニア・ヨンチェヴァが話をした。昨年、コンサートのために来日しとても温かい歓迎を受けたことに感激し、オペラでは今回が初来日、しかもローマ歌劇場にもこれがデビューとなるそうだ。

ソニア・ヨンチェヴァ(《トスカ》トスカ役)

ソニア・ヨンチェヴァ(《トスカ》トスカ役)

「イタリアを象徴する作品に参加させていただき、ゼッフィレッリ演出の素晴らしい舞台で歌えるのはとても幸せです。《トスカ》はこれまで何度も歌ってきました。歌うたびに驚かされます。私は彼女を、とても若く、無邪気で、情熱的な女性と捉えています。彼女はマリオに大きな愛を抱いていてそれを守ろうとします。《椿姫》と同じように《トスカ》も大きな愛と情熱、そして神との関わりも描かれている作品。オペラは多くのものの価値を教えてくれます。それを若いジェネレーションにも伝えていきたいです」

最後には《トスカ》のカヴァラドッシを歌うヴィットリオ・グリゴーロが挨拶した。

「《トスカ》という演目は僕にとって宝物です。子供の頃からこの作品を演じたいと夢見ていたので。1990年にまずその夢が叶ったのは、(ボーイ・ソプラノの)牧童としての役で、その時の主役はルチアーノ・パヴァロッティでした。そしてメトロポリタン歌劇場で僕が《トスカ》のカヴァラドッシ役にデビューした時に、トスカ役は今僕の隣にいるソニアだったのです。《トスカ》は僕にとって、大切な思い出、夢であり、挑戦であり、あらゆることを意味します。僕の人生の中の大切なキャラクターなのです。相手役や、出演する土地、演出家、マエストロなどによって演技は変わっていきます。僕自身も昨日の僕とは違うのですから。人生は常に経験によって変化していくもの。それゆえに役柄も楽譜から飛び出して皆さんの元に届くのです」

ヴィットリオ・グリゴーロ(《トスカ》カヴァラドッシ役)

ヴィットリオ・グリゴーロ(《トスカ》カヴァラドッシ役)

「今の若い歌手たちは技術ばかり気にしていますが、オペラは何よりも recitar cantando 、歌いながらする芝居です。それも、演劇の俳優だったら(『ハムレット』の)「to be or not to be」を、自分が思うように時間をとって演じられるけれど、オペラは音楽に乗って歌わなければなりません。だから表現をするのはより難しいのです」

「芸術においても大切なのは人と人とのつながりです。現代においてはそれが失われている。五感を大切にして、触れること、聴くこと、匂いを嗅ぐことなどの感覚を研ぎ澄まさなければ。今回、ローマ歌劇場と共に、手で触れられるような、生きていることを実感できるような、そういったオペラを皆さんにお届けしたいと思っています」と締めくくった。

登壇者たちの熱い語りで、劇場で演じられる舞台がすでに感じられるような会見となった。

取材・文=井内美香  写真撮影=長澤直子

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2023年9月12日(火)東急シアターオーブにてミュージカル『アナスタシア』が開幕する。初日に先駆け行われた、プレスコール及び初日前会見の模様をお伝えする。


「皇女アナスタシア伝説」――と聞いて、心ときめく方もいるのではないだろうか。筆者もそのひとりだ。

1918年、帝政ロシア時代最後の皇帝となるニコライ二世をはじめ一族が殺害された中、皇帝の末娘アナスタシアだけは難を逃れて生き続けた……という歴史上の謎「アナスタシア伝説」。このロマン溢れる伝説に基づいた物語、それこそ、このミュージカル『アナスタシア』だ。

といっても、大元となるのは同名のアニメ映画。第70回アカデミー賞で歌曲賞、作曲賞にノミネートされたアニメ映画『アナスタシア』。これに着想を得て制作されたのが今作である。作中の楽曲、「Once Upon a December」などは、映画を見たことがなくても、どこかで聞いたことがある、という人もいるかもしれない。

作曲のステファン・フラハティ、作詞のリン・アレンス

作曲のステファン・フラハティ、作詞のリン・アレンス

ロシア皇帝ニコライ二世生き残りがいるかもしれない、というロマンチックな伝説と、その娘”かもしれない”少女が自分の本当の姿を追い求める物語。記憶を無くした主人公・アーニャが、自分の過去を取り戻そうと奮起し、愛する家族と自分の心の帰る場所を見つける旅路を描く本作は、2016年にアメリカでのトライアウト公演を経てブロードウェイ公演が開幕。2017年3月のプレビュー公演を経て2019年3月までロングラン上演され、その他、スペイン公演、北米ツアー、ドイツ公演など世界各国で上演されている。

日本版は2020年に初演。東京・大阪にて全52回の公演が予定されていたが、新型コロナウイルスの猛威で初日を延期、さらには中止によりわずか14回の上演となっていた。今回、満を持しての再演となる。

主演のアーニャ役には葵わかなと木下晴香(ダブルキャスト)。アーニャと出会い、ともに旅をする若い詐欺師・ディミトリ役には、海宝直人、相葉裕樹、内海啓貴がトリプルキャストで出演。皇女アナスタシア殺害の命を受けたボリシェビキの将官グレブ役には、堂珍嘉邦、田代万里生、そして、海宝直人がディミトリ役に加えてグレブ役の2役を、トリプルキャストの一人として務める。ディミトリと共にアーニャを皇女アナスタシアに仕立て上げ懸賞金を狙う詐欺師・ヴラド役には大澄賢也と石川禅(ダブルキャスト)。マリア皇太后に仕える伯爵夫人リリー役には朝海ひかる、マルシア、堀内敬子(トリプルキャスト)、そして、孫娘アナスタシアを探し続けるマリア皇太后役には麻実れいが出演する。まずは、アーニャ役の葵・木下が登壇した、初日前会見の様子からお届けする。

グレブ役の堂珍嘉邦、田代万里生/アーニャ役の木下晴香、葵わかな

グレブ役の堂珍嘉邦、田代万里生/アーニャ役の木下晴香、葵わかな

アーニャ役ふたりは2020年からの続投。まずは当時のことを振り返りながら、再演への想いを口にした。

「この3年間は、すごく長く感じていたのですが、あっという間に明日開幕。前回は完全燃焼できずに終わってしまい、心に残っている作品だったので、ついにリベンジできると思うと、本当にうれしいなと思います」と話すのは葵。再演は、「絶対にやりたい」と思っており、「自分の中ではほぼ決定事項だった(笑)」という。

続く木下も、「作品とはタイミングも含めて巡り合わせ。アーニャと巡り会えたことは幸せです。再演の話をいただいたときは、ほっとした感覚がありました。もう1回、ちゃんとアーニャとして届けられるチャンスをいただけたことがすごくうれしかったです」と、ふたりとも感無量の様子。今回こそ必ず千秋楽まで、という強い意気込みがうかがえた。

ふたりの共演は3回目。すべて同じ役を演じているため、信頼関係はすでに出来上がっており、役や芝居の話はもちろん、普段からなんでも話せる仲なのだという。「気持ちの面で支えてもらうことも多い」と葵。一方の木下も、「昨日も、『ここのセリフ、なんだか言いづらくなってるんだけどどうしてる?』と相談したり、ひっかかっていたことを共有して、ふたりでアーニャに向き合ってこられました」と信頼を口にした。

ディミトリ役の海宝直人、相葉裕樹、内海啓貴

ディミトリ役の海宝直人、相葉裕樹、内海啓貴

作品の見どころを聞かれると、「夢と現実が拮抗しているところが特徴」と葵。「すごく夢のある世界なのに、歴史的背景だったり、現実味のあるエッセンスが入っている。煌びやかだけれど、泥臭さもあって、それが拮抗して存在しているこの世界観が『アナスタシア』の特徴なのだなと思います。そういうところが観る人の心に寄り添ったり、背中を押してくれる部分なのかなと思って、自分もそれを大切にしたいなと思います」と話した。

木下は、「舞台装置と衣装の力」を挙げた。そう話すとおり、世界最高水準の高精細LED映像や煌びやかな衣裳、華やかな舞台美術は美しく、特にロマノフ王朝の衣装たちは目を見張るものがある。きっと幕が上がったその瞬間から、その美しさに感嘆することだろう。「それぞれの要素が持つ力が強く、ミュージカルは総合芸術である、ということをこの作品では一層強く感じ、助けられています」と語った。

最後に、ふたりからメッセージで締めくくられた。

「明日から初日。初演時の想いを胸に、2023年版の『アナスタシア』として、大阪公演まで、元気に楽しくのびのびと、この世界をお届けできたらいいなと思いますので、ぜひ劇場でお待ちしております」(葵)

「3年間、キャストやスタッフと同じように待っていてくださったお客様がいらっしゃると思いますので、元気をお届けできるようにみんなで一丸となって頑張ってまいりますので、ぜひ楽しみにしていただくさい。お待ちしております」(木下)。

>(NEXT)プレスコールの模様を紹介 

 

プレスコールでは、劇中より7曲が披露された。この日は、作曲のステファン・フラハティ、作詞のリン・アレンスによるシーン解説とともに披露された。ここでは、ストーリーの流れに沿って紹介していこうと思う。

【あらすじ】
舞台は、20世紀初頭、帝政末期のロシア、サンクトペテルブルク。ロシア帝国皇帝ニコライ2世の末娘として生まれたアナスタシアは、パリへ移り住み離ればなれになってしまった祖母マリア皇太后から貰ったオルゴールを宝物に、家族と幸せに暮らしていたが、突如ボリシェビキ(後のソ連共産党)の攻撃を受け、一家は滅びてしまう。しかし、街中ではアナスタシアの生存を噂する声がまことしやかに広がっていた。パリに住むマリア皇太后は、アナスタシアを探すため多額の賞金を懸ける。それを聞いた二人の詐欺師ディミトリとヴラドは、アナスタシアによく似た少女アーニャを利用し、賞金をだまし取ろうと企て、アーニャと三人でマリア皇太后の住むパリへと旅立つ。記憶喪失だったアーニャは次第に昔の記憶を取り戻してゆく…同じ頃、ロシア政府はボリシェビキの将官グレブにアナスタシアの暗殺命令を下す。マリア皇太后に仕えるリリーの協力を得て、ついにアーニャはマリア皇太后と会う機会を得るが、グレブがアーニャを見つけ出し…。

※以下、お話のネタバレも含みます※

1幕より披露されたのは5曲。

まずは革命後のロシア政府で副総監を務めるグレブのナンバー「ネヴァ川の流れ(M7)」。アーニャがアナスタシアになりすまそうとしているという噂を聞いたグレブは、彼女を政府事務所に呼び出し忠告する。革命後のロシアにとっては、たとえ噂話であっても前時代の血筋、皇女の存在を看過することはできない。記憶を失くし、自分を追い求めるアーニャにとって、アナスタシア”かもしれない”ことは一筋の希望でもある。だが、その夢は危険だ、とグレブは訴える。グレブ役に田代万里生、アーニャは木下晴香。

「舞台版が描かれた時、アニメをそのまま再現するわけにはいかないと強く感じていた」と話したのは、作曲のステファン・フラハティ。より成熟した、豊かな大人のミュージカルに仕立てるため、舞台のために新たにキャラクターを追加した。それが、敵役となるグレブだ。アニメオリジナルでは、ラスプーチンやその相棒・喋るコウモリが敵役として出てくるが、そうしたファンタジックなおとぎ話的な要素は、舞台化にあたり現実的な敵役へと変更された。グレブはロマノフ王朝後、新たなロシアでの象徴出来な存在。彼の父は皇帝と家族を残虐した一人で、彼自身も父の影を追い、貴族階級を根絶やしにすることを使命としている。

田代の徹底した敵役っぷりにゾクゾクするこのナンバー。将官として父の背中を追い、新生ロシアを導かんとする田代グレブはブレない。やや妄信的にも見える演技と目力で、迫力のある歌声を聞かせる。グレブは敵役として物語に存在するが、実はこの作品で自分を見つめ直すひとりでもある。混沌とした時代の中で、それぞれのキャラクターがそれぞれに精一杯生きる姿もこの作品の魅力のひとつだ。

続いての舞台はサンクトペテルブルク市内。ディミトリが自分の生い立ちをアーニャに語る「俺のペテルブルク(M9)」。ディミトリは内海啓貴、アーニャは木下晴香がつとめた。無防備なアーニャを利用し、失われたプリンセスに仕立て上げ、一攫千金を狙うディミトリ。内海のディミトリは、野心に燃える若者の(良い意味での)”軽さ”が見え隠れする。チャンスを掴むためなら何事も厭わない、アグレッシブに突き進む彼が、アーニャとの出会いでどう変わっていくのか……後半に期待したい役どころだ。

ちなみにこの楽曲は、特に早口の言葉が多く歌詞が詰まっているのが特徴だそう。「限られた歌の中で訳すのが特に大変だったのではないか」と作詞のリン・アレンスは訳詞家へのねぎらいと感謝をのべた。

そして、映画のために書き下ろされ、ミュージカルのメインテーマにもなっている「遠い12月(M10)」。アーニャが過去を知るための鍵=オルゴールが奏でるメロディだ。ディミトリが闇市で見つけた古いボロボロのオルゴール。どうしても開けられなかったはずのそれを、アーニャはなぜだか開けることができる。すると、不思議で美しい思い出の中に飲み込まれ――。アーニャは木下晴香、ディミトリは内海啓貴。

ここでぜひ、本作の魅力として伝えたいのが、高精細LEDの美しい映像だ。季節の移り変わり、ロシアからパリへの列車、緑あふれる庭園、輝くパリの街……映像は想像を補完してくれ、臨場感を与えてくれる。過去の記憶か幻想か、映像演出も相まってファンタジックな世界の中に彷徨う少女の姿を木下は繊細に演じた。

グレブ役・堂珍嘉邦が披露したのは「それでもまだ(M13)」。アーニャたち一行がパリを目指す中、グレブは上官からアーニャを殺すように命令を受ける。たとえ偽物であっても、皇族の生き残りは存在してはならないのだ。自らの使命と、一人の男”グレブ”としての心の狭間で葛藤し揺れる心をのびやかで力強い歌声で歌い上げた。

そして1幕最後の楽曲「過去への旅(M14)」。この曲もアニメオリジナルからの一曲で、アカデミー賞とゴールデングローブ賞にノミネートされている。ロシアからパリへ。ホーム(居場所)、愛、家族、憧れ……すべてを追い求めようとした少女アーニャがパリ到着目前で歌う。「どの言語で歌われようとも、『アナスタシア』というこのロマンチックな物語が過去100年以上にわたり変わらぬ力を放ち続けてきたのは、世界のどこにいようとも、自分自身を見つけたいという私たち全員の本能的な願望が詰まっているからです」とリン・アレンスは説明した。アーニャ役は葵わかな。探し求めていた自分の過去を探す旅へ、いよいよ本格的に足を踏み出そうとする、不安と希望。自らが未来を切り開くのだという決意を、凛として強く、高らかに歌い上げた。

2幕は抑圧されたロシアから一転、華やかなパリへ。幕が上がると、パリの地図が描かれたスクリーンが目を引く。

2幕からは2曲。まずは、アーニャとディミトリ、ヴラドの3人が、「アーニャの過去の鍵を握っているかもしれない」と信じるパリに到着し、華やかに歌い上げる「パリは鍵を握っている(M15)」。アーニャは葵わかな、ディミトリは相葉裕樹、ヴラドは大澄賢也がつとめた。

時は1920年代。パリは「グラマラスでゴージャス、カラフル。有名な芸術家や作家が集まるスリリングな年」(解説より)だった。3人はボロボロの服から美しい装いに、恐怖から、興奮と希望へと変貌を遂げる。

大澄はさすがのキレで、カラフルな衣装を身にまとうダンサーたちとステージを華やかに彩る。スリーピースのスーツに着替えた相葉のディミトリは、詐欺師であることを忘れさせる、爽やかな好青年ふう。きらきらと希望に輝く笑顔が眩しい。生き抜くために詐欺師となったディミトリも、パリに来ればその煌びやかな世界に心躍らせるただの青年なのだ。

2幕には、皇太后に使える伯爵夫人・リリーが登場。リリーとヴラドのコミカルなデュエットは注目だ。また、皇太后とアーニャを引き合わせるために向かう劇場では、バレエ『白鳥の湖』が上演されている設定。ポワントを履き白鳥ルックなバレエダンサーたちが登場し束の間バレエの世界との融合を楽しめるのも、『アナスタシア』の楽しさのひとつだ。

そして披露される「すべてを勝ち取るために(M24)」。皇太后とアーニャを引き合わせたディミトリとヴラドが、緊張しながらアーニャの帰りを待つシーン。ディミトリ役に海宝直人、ヴラド役を石川禅。報奨金目当てでアーニャを仕立て上げたふたりは、完全勝利目前!……となるはずが、喜びだけではない様子。彼女こそ本物だと皇太后が信じたなら、ディミトリは褒美を手に入れる代わりにアーニャを失うことになるのだ――。海宝はさすがの歌唱力、表現力で複雑な心境を吐露した。果たして、物語の行方は……。ここからはぜひ劇場で目撃してほしい。

アーニャの魅力は、「待っていない女の子」であることがひとつあると思う。自らの過去を探しにロシアをひとり徒歩で旅し、暴漢に襲われそうになっても、ディミトリの助けを待つことなく、自分で戦う。そして最後は、自分で自分の居場所を決め、未来をつかみ取る。

アーニャは果たして「皇女・アナスタシア」なのか? アーニャが最後にたどり着き、選ぶ”自分”とは?

ミュージカル『アナスタシア』は9月12日(火)~10月7日(土)東急シアターオーブにて東京公演、その後、10月19日(木)~31日(火) 梅田芸術劇場メインホールにて大阪公演が予定されている。

取材・文・撮影=yuka morioka(SPICE編集部)

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