HKT48田中美久が水着グラビアで「“大人”の夏、はじまる。」 『blt graph.vol.92』発売(写真3点)

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7月31日(月)に東京ニュース通信社より発売される『blt graph.vol.92』表紙&グラビアに田中美久(HKT48)が登場していることがわかった。

同誌グラビアに約1年ぶりに登場する田中美久は、今夏は連ドラ初レギュラー『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)に出演するなど女優としても活躍中。掲載グラビアでは、田中の新たな一面を捉えるべく、「“大人”の夏、はじまる。」をテーマに千葉県でロケを敢行したとのこと。昔懐かしさを感じる古民家をロケーションに、田中美久のひと夏を切り取り、女優として歩みを進める田中の“大人”の表情にも迫っているという。そのほか、出演中のドラマやHKT48への思いについて語るインタビューも掲載されている。

『blt graph.vol.92』(東京ニュース通信社刊)  撮影=藤本和典

『blt graph.vol.92』(東京ニュース通信社刊) 撮影=藤本和典

『blt graph.vol.92』(東京ニュース通信社刊)  撮影=藤本和典

『blt graph.vol.92』(東京ニュース通信社刊) 撮影=藤本和典

また、櫻坂46三期生連続グラビア企画「Begin To Bloom」には、中嶋優月(櫻坂46)が登場。「和」をテーマに、日本家屋で和装に身を包んだり、麦茶を飲んで涼んだりと、「日本の夏」をイメージした姿を披露しているとのこと。また、雑誌『CanCam』専属モデルの菜波、8月に3rdミニアルバム『愛してしまえば』リリース&『朱演2023 LIVE HOUSE TOUR「愛のやじるし」』の開催を控える声優・斉藤朱夏らも掲載。『blt graph.vol.90』よりスタートしたWACK所属の6人組ガールズグループ・ExWHYZのソロポートレート連続企画「ExWHYZ PORTLAIT PROJECT『ExPRESSIVE』」には、メンバーのmikinaが登場。そのほか、津代美月(Jams Collection)、隅野和奏(NMB48)らのグラビアも掲載される。

『blt graph.vol.92』は、全国の書店、ネット書店で予約可能だ。

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3ピースロックバンド・YUTORI-SEDAIが、7月7日(金)にリリースしたデジタルシングル「ぎゅっとして、」が、2023年7月19日(水)発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2023年7月10日()~7月16日プランテック調べ)で1位を獲得した。

さらにBillboard JAPANが発表した、Heatseekers Songs(集計期間:2023年7月10日(月)~7月16日(日))チャートにて2位にランクイン!

MV「ぎゅっとして、」

「ぎゅっとして、」はTikTokで、ローカルカンピオーネ、MINAMI、水野舞菜など有名インフルエンサーに楽曲が使われており、MusicVideoも公開わずか2週間で20万再生を突破するなど、SNSを中心にバイラルヒット中の楽曲である。

また10月22日(日)下北沢SHELTERにて自身初のワンマンライブを発表していたが、開催4ヶ月前にも関わらずチケットはソールドアウト。完売をうけて急遽12月に追加公演のワンマンライブを開催する。

12月7日(木)には東京・新代田FEVERにてワンマンライブ追加公演の開催が決定しており、現在イープラスにて最速チケット先行を受付中(抽選)。

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Dragon Ashが、ライブ映像作品『25th ANNIV. TOUR 22/23 ~ ENTERTAIN ~ FINAL』を2023年8月30日(水)にリリースすることを記念して、YouTube Dragon Ash公式チャンネルにて、7月24日(月)から8月28日(月)までの毎週月曜日21時より6週連続で過去の貴重なライブ映像を配信する特別企画「Monday Night Dragon Ash Live Archives」を行うことが決定した。どのライブが配信されるかは当日のお楽しみ、またアーカイヴ配信は行わないとのことなので、チャンネル登録の上、見逃さないようにしよう。

LIVE Blu-ray & DVD『25th ANNIV. TOUR 22/23 ~ ENTERTAIN ~ FINAL』は、デビュー25周年イヤーを締めくくるメモリアルなアニバーサリーライブであり、コロナ禍により長きにわたり観客に制限されていた“声出し”が解禁され、バンドとオーディエンスが一体となって作り上げる感動的なライブとなった『DRAGONASH 25th ANNIV. TOUR 22/23 ~ENTERTAIN~』を完全収録した映像作品。

オーディエンスの声が加わって成立することを意図して公演直前に発表された「VOX」や「Tiny World」、「New  Era」などの最新楽曲から、「陽はまたのぼりくりかえす」、「Let yourself go,Let myself go」、「百合の咲く場所で」、「Life goes on」、「Lily」などバンドの代表曲、フィーチャリングアーティストにスケボーキングを迎えた「Episode 4」、ラッパ我リヤを迎えた「Deep Impact」、デビュー曲「天使ノロック」など、25年の活動を彩ってきた全25曲が収録され、最高のセットリストを堪能できるライブ映像作品となっている。映像は、放送や配信とは異なる、メンバーの楽器にマウントした小型360°カメラなど複数台のスペシャルカメラを追加して編集されたディレクターズ・エディションとなる。

本作は、通常盤(Blu-ray/DVD)、25th ANNIV.スペシャルエディション(Blu-ray/DVD)の4形態となり、25th ANNIV.スペシャルエディションは、アートワークに特別な仕掛けが施された特製スキャニメーション・パッケージ仕様、特典映像ディスク(Blu-ray/DVD)と全100ページの写真集が付属する。

特典映像ディスクにはメンバーを選択できるマルチアングル映像2曲「Fantasista」「New Era」と、事前リハーサルや当日のバックヤードなどの貴重な未公開映像で構成するドキュメンタリー・ムービー「Documentary of “DRAGONASH 25th ANNIV.TOUR 22/23 ~ ENTERTAIN ~ FINAL”」を収録。写真集はオフィシャルカメラマンにより、ライブだけでなくバックヤードまで密着した全100ページの豪華A4版サイズとなる。

そして、本作の各ショップ別オリジナル特典として、ライブ中のDJ BOTSのMCから着想した「25th ANNIV.ラバーバンド」をプレゼントすることも決定。さらに、VICTOR ONLINE STOREにて予約・購入すると、オリジナル配送BOXに梱包して届けることも決定している。各特典は数に限りがあるので予約はお早めに。

宅配Box

宅配Box

 

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LOCAL CONNECTが、7月2日(日)に配信リリースをスタートした最新デジタルシングル「Light」のミュージックビデオを公開した。

LOCAL CONNECT – Light【Official Music Video】

同楽曲は、LOCAL CONNECTにとってキャリア初開催となった、京都・長岡京記念文化会館でのホールイベント『LIGHT YOU 2023』にて初披露された。LOCAL CONNECTの楽曲・ライブがファンの光となり、その光を受けた人々がまた誰かを照らしていくように、と願いが込められており、リスナーに力を与えるようなLOCAL CONNECTらしさと向き合った原点回帰かつ新たな楽曲となっている。また、イベント『LIGHT YOU』がこれからも続くことを願う約束を込めた意味合いも含まれている。ミュージックビデオでは、『LIGHT YOU 2023』の様子を余すことなく詰め込まれているので要チェックだ。

『CONNECT YEAR 2023 - 2024』

『CONNECT YEAR 2023 – 2024』

今年の11月には、ゲストを迎える対バンツアー編と、東京・渋谷WWWでのワンマンライブ編、大阪・心斎橋BIGCATで対バンライブ編を織り交ぜた自主企画イベント『CONNECT YEAR 2023-2024』の開催が決定している。

『CONNECT YEAR 2023-2024』のチケットは、現在先行販売中。

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『Bialystocks 2nd Tour 2023』2023.7.8(SAT)梅田クラブクアトロ

甫木元空(Vo.Gt)と菊池剛(Key)によるBialystocksが7月8日(土)、大阪・梅田クラブクアトロで『Bialystocks 2nd Tour 2023』ファイナル公演を開催した。

今年の1〜2月に初の全国ツアーを行ったばかりのBialystocks。6月の東京キネマ倶楽部からスタートした『Bialystocks 2nd Tour 2023』は全国5都市を巡るツアーとして、よりスケールアップしたものに。9月には追加公演が控えているが、それを除くツアーファイナルである梅田クラブクアトロでの模様をお届けしよう。

満員の会場にあふれる期待感を一身に背負い、Bialystocksが姿を現したのは定刻を少し過ぎたころ。9月に追加公演が発表されたものの、この日が本来のツアー最終日とあって、各地でのライブを経てステージに立つ彼らのシルエットは、どこか頼もしく感じるほどだ。

初っぱなから、甫木元空(Vo.Gt)は天をも突き抜けそうなボーカルで魅せ、一方、菊池剛(Key)は清廉な音色を奏でていく。小山田和正(Dr)の乾いたドラミングが牽引する一幕では、生き物のようにリズムがうごめき、かと思えばミドルテンポの美しいサウンドスケープを描くや、それにゆらゆらと身を任せる心地良さを生み出していく。胸の奥底に触れるような言葉たちは、甫木元の歌声を通すと何と鮮やかに可視化されるのだろう。音と音との狭間にのぞく“間”にも美学を感じさせ、楽曲が持つドラマを積み重ねていく。

「改めまして、Bialystocksです。我々ツアーは2回目で、東京、福岡、北海道、名古屋と回ってきまして。追加公演はあるんですが、今日が一つの区切り。大阪でこんなに集まっていただいてありがとうございます。なるべく……ハイ、いい演奏を(笑)。最終日なので悔いを残さず、でもあまりハードルを上げ過ぎずゆるゆると楽しんでいただければ」と甫木元がはにかむ様子には、客席からも笑みがこぼれる。

柔らかなイエローの照明がポップな音世界を包み込む中、クラップも自然発生。甫木元がかきむしるアコギがレイドバックなムードを醸し出し、一転しての「Over Now」では朝田拓馬(Gt)の泣きのギターや菊池の軽やかな旋律と、丁寧に重ねられていく音のレイヤーでじわじわと昇り詰めていく。めいっぱい放出されるカタルシスは、今宵のハイライトとなった。

それにしても、彼らの音楽はどこまでも人間讃歌だと感じる。幸福な一瞬、平坦な生活、鬱々とした日々すらもないまぜに、こんなにも色鮮やかな音像に落とし込む表現には希望しかない。続く「差し色」では、音源にあるエモーションは残しつつもグルーヴを増したアレンジで、彼らの進化を如実に感じさせる。

Yuki Atori(Ba)の人肌の温度を宿したやさしいベースラインからそのままソロへとなだれ込み、ステージにはスモークが立ち込め始め、神聖なムードが充満。そこからジャジーに転がる流れも彼ららしく、洗練された緻密さを感じさせる中、セッション感あるスリリングさでも魅了。フロア全体を覆い尽くすような菊池の躍動感あふれる鍵盤をはじめ、全員がプレイヤーとしての強靭な体幹を感じさせるさまに、一音一音分解してほどいてみたくなるほどだ。時に淡々と、また時にソウルフルに、声のカラーを変えるボーカルのポテンシャルもまた、Bialystocksの底知れなさを感じさせる。

大歓声を受けての中盤戦、さらに粒立ちの良いドラミングやハイトーン・ボイスで圧倒していく中、秋谷弘大(Syn,Gt)のきらびやかなシンセサイザーの音色がセンチメンタルを加速させるなど、緩急織り交ぜたセットには息つく暇もない。ここで終わっても何ら不思議はないほど極上のクライマックス感を漂わせ、その後も解放感たっぷりのバラードや、体の輪郭が音に溶けていくような没入感をもたらすパフォーマンスで観る者の心を揺さぶり続けていく。ブラックミュージックの素養を宿した極太のグルーヴが体中を駆け巡っていったかと思えば、どこか郷愁を帯びたしなやかなポップネスに満たされる。さまざまな音を飲み込んだBialystocksらしく、会場は喝采で埋め尽くされていく。

「ありがとうございます。次で最後の曲になります」と甫木元が口にすれば、誰彼ともなく「え〜!」とあがるレスポンス。様式美と化したやりとりとは違う、心からの声に今宵のハピネスが現れたシーンだ。

「我々、こんなに長いツアーに出るのは今回が初めてで。メンバー同士、やっと行きの車内でも打ち解け始めて、急にオペラを歌い始めたりとか……。仲良くなったなってくらいで終わっちゃうんですけどね。来てくれるお客様はすごく性格の良い方々ばかりだなって。顔しか見えないんですけど(笑)。(Bialystocksは)聴き手に強制する音楽ではない分、受け取り側が本当に自由にノッてもらえるんだろうな。ツアーが始まって、ふた開けてみるまで少しドキドキしていたんですが、各地でいろんな反応があって。こんなところで歓声がわくんだなとか。素晴らしいスタッフ、メンバー、お客さんとこのツアーを回ることができ、すごく誇りに思っております。本当にありがとうございます!」(甫木元)

そんな本編の締めくくりは、ここまで上げに上げたピークをさらに引き上げる怒涛のクライマックスへ! 万雷の拍手が止まない中、再びアンコールで現れたBialystocks。このライブの直後である7月12日(水)には新曲「Branches」の配信リリースのニュースも届けてくれた。その喜びを増幅させていくようなライブの盛り上がりで、収まらない声援に予定外のダブルアンコールが実現! 「今メンバーがアイスを食べてるみたいなので、終わってからでもいいですか? お言葉に甘えてあと1曲だけ」なんて飾らない甫木元の言葉からも、思いがけないこの事態への喜びがにじむ。

「遅くまで和気あいあいと飲んだりしつつ、本当に楽しいツアーでございました。頑張りますので、またどこかでお会いできたら」(甫木元)と、思いを告げて正真正銘のエンディングへ。美しい言葉たちを際立たせる菊池の繊細なタッチ、寄り添うようなボーカルワークで揺るぎない歌の力を示してくれた甫木元。そして彩り豊かなバンドサウンドを支えたサポートの4人により、梅田クラブクアトロは最後の一音まで大きな歓喜に包まれていた。

重ねていく日々に、柔らかな希望の光を灯してくれたBialystocksのステージ。今宵鳴らされた音楽は、集まった人々のお守りのような存在になったのではないだろうか。

なお、今後のBialystocksは7月12日(水)に新曲「Branches」を配信リリース。夏フェスへの出演も控えており、その後は9月10日(土)東京・EX THEATER ROPPONGIにて『Bialystocks 2nd Tour 2023』の追加公演を行う。

取材・文=後藤愛 写真=オフィシャル提供(撮影:原田昴)

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2023年8月11日(金・祝)~8月20日(日)までTHEATER MILANO-Za にて上演されるLIVE STAGE『ぼっち・ざ・ろっく!』。後藤ひとり(演:守乃まも)、伊地知虹夏(演:大竹美希)、山田リョウ(演:小山内花凜)、喜多郁代(演:大森未来衣)のキャラクタービジュアルが解禁となった。 

2018年より「まんがタイムきららMAX」(芳文社)にて連載中の、はまじあき による4コマ漫画「ぼっち・ざ・ろっく!」。2022年10月~12月までTVアニメが放送されると、魅力的なキャラクターが織りなす物語とエモーショナルでキャッチーな楽曲が話題を呼び大ヒット。劇中バンドのアルバム「結束バンド」は数々の音楽チャートでランキング1位を獲得、2024年春には劇場総集編の上映が発表されるなど盛り上がりを見せている。

LIVE STAGE『ぼっち・ざ・ろっく!』と題した本作は、舞台ならではの多彩な演出で紡がれるストーリーと、キャストによる生演奏を織り交ぜた迫力のパフォーマンスで作品世界を再現。現在イープラスにてプレオーダー先行を受付中(~2023年7月23日(日)23:59)。一般発売(先着)が7月29日(土)10:00よりスタートする。

後藤ひとり_守乃まも

後藤ひとり_守乃まも

伊地知虹夏_大竹美希

伊地知虹夏_大竹美希

山田リョウ_小山内花凜

山田リョウ_小山内花凜

喜多郁代_大森未来衣

喜多郁代_大森未来衣

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2023年10月、東京・大阪にて、NAPPOS PRODUCE 舞台『仮面山荘殺人事件』が上演されることが決定した。

『仮面山荘殺人事件』は、東野圭吾が1990年に出版した傑作ミステリー。舞台版は、成井豊が脚本・演出を手がけ、2019年に初めて上演。その初演を観た韓国のプロデューサーが、ソウルの大劇場にて韓国人のキャストで2カ月に及ぶロングラン公演を行った。コロナで数ステージ中止となったが大好評のうちに幕を閉じた。

本作は、ミステリーであると同時に痛切な人間ドラマが魅力。ラストシーンで描かれる主人公の思いに、世界中、どの国の人でも胸を打たれない人はいないだろう。

『仮面山荘殺人事件』東野圭吾 (著)/講談社文庫

『仮面山荘殺人事件』東野圭吾 (著)/講談社文庫

物語の舞台は、ある山荘。そこに8人の男女が集まった。山荘は外部との接触を絶たれ、8人は逃亡中の銀行強盗と共に閉じ込められてしまう。やがて1人が殺されるが、現場の状況から考えて、犯人は銀行強盗ではなく……。

山荘に閉じ込められる主人公「樫山高之」には、演出の成井が絶対的な信頼を寄せる溝口琢矢。高之の婚約者・「朋美」に清水由紀。強盗犯のリーダーに唯一初演から引き続き、キャラメルボックスの畑中智行。物語のキーパーソンとなる朋美の父親役に劇団桟敷童子の原口健太郎らが出演する。

【STORY】
製薬会社社長の森崎伸彦が所有する山荘。
交通事故で亡くなった社長の娘・朋美を偲ぶため、
婚約者の樫間高之、従妹の篠雪絵など、8人の男女が集まってくる。
そこへ、逃亡中の銀行強盗が侵入!
外部との接触を断たれた8人は、何度も脱出を試みるが、
ことごとく失敗に終わる。
恐怖と緊張が張り詰める中、ついに1人が殺されてしまう。
しかし、現場の状況から考えて、犯人は銀行強盗ではありえなかった。
残された7人は極限状況の中、犯人探しを開始する……。

主演 溝口琢矢 コメント

溝口琢矢

溝口琢矢

舞台『かがみの孤城』から3年、また成井豊さんとご一緒できることを光栄に思います。そして個人としては今年に入って東野圭吾さんの作品は『天使の耳』に次いで2本目になります。気合いを入れて臨みます。『仮面山荘殺人事件』。成井さんが読んですぐに舞台化を希望したというお話は後から知ったことでしたが、脚本を読ませて頂いて納得しました。囲まれた空間で作り出せる舞台ならではの緊張感と疾走感で、この作品の代名詞にもなっている「大どんでん返し」を立体的に皆様にお届けしたいと思います。皆様にもこの爽快なミステリーを、ぜひ劇場で体感して頂きたいと思います。よろしくお願い致します。

清水由紀 コメント

清水由紀

清水由紀

私が成井豊さんの演劇集団キャラメルボックスと初めてお仕事したのは、2013年に真柴あずきさんが脚本・演出をした『彼の背中の小さな翼』のときでした。
みんなで一つの作品を作り上げたこの時の日々は、昨日の事のように思い出せます。
まるで私も劇団員のひとりになれたと感じるような貴重な経験をした作品でした。
そのとき、同時上演されていたのが東野圭吾さん原作『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で、いつか東野圭吾さんの作品にも関わりたいな。と漠然と思っていました。
その想いが10年越しに叶えられてとても不思議な気持ちです。
この幸せを噛み締めてサンシャイン劇場で皆様にお会いできることを楽しみにしています。

畑中智行 コメント

畑中智行

畑中智行

またこの作品に帰って来られて、とても嬉しく思います。初演の時、東野圭吾さんの人気小説の舞台化ということで、かなり気負って参加しました。原作ファンの方に満足していただけるのか、不安もありました。
しかし、舞台版の脚本を読んだとき、その完成度の高さに驚きました。不安は一瞬で消し飛び、強い手ごたえを感じました。
稽古も順調に進み、お客様の満足度も非常に高かったように思います。原作者の東野さんにも喜んでいただけました。
そして今回、また新たなキャストで再始動する『仮面山荘殺人事件』。初演をご覧になっている方は、キャストが変わることで新鮮な気持ちで観ていただけると思いますし、初めてご覧になる方は、この作品の面白さ、仕掛けに驚いていただけると思います。
皆様にとって極上の演劇体験になるよう、精一杯頑張ります。東野圭吾ワールドを一緒に体感しましょう。劇場でお会いできることを楽しみにしています!

成井豊(脚本・演出) コメント

『仮面山荘殺人事件』の原作は、東野圭吾さんの傑作ミステリー。私にとっては、『容疑者Xの献身』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く、3作目の東野作品の舞台化でした。初演は2019年で、おかげさまで大好評をいただくことが出来ました。昨年、韓国・ソウルのカンパニーで再演され、私も招待されて、見に行きました。これがまあ、とても良い出来で、驚きと悔しさを感じると同時に、この作品の新たな可能性に気付かされました。そこで、今年10月、4年ぶりの再演を決定したのです。キャストを一新して、韓国版に負けない『仮面山荘殺人事件』を作ります。ぜひぜひご来場ください。

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『第四回古典芸能を未来へ ~至高の芸と継承者~』「狂言三代 野村万作・萬斎・裕基」が国立劇場大劇場にて上演。野村万作一門三代の芸と継承がテーマの本公演では、人間国宝で日本芸術院会員でもある野村万作(92)をはじめ、その人気と実力でいま最も勢いのある狂言師・野村萬斎(57)、次世代のスターとして期待を集める野村裕基(23)の三代を中心に至高の芸が披露される。本公演に出演の萬斎と裕基に見どころや狂言ならではの楽しみ方、家族としての関係性などを語ってもらった。
 

◆さまざまな”時分の花“を愉しんでほしい

野村萬斎さん・裕基さん

野村萬斎さん・裕基さん

――今回の企画は“狂言三代”と銘打たれています。

野村萬斎(以下、萬斎) ひとつのグループにおいて三代の狂言師が同じ舞台に立つことは、そのグループの充実を示していますし、芸の厚みを感じていただけると考えています。能狂言には芸の魅力を花にたとえる“時分の花”という言葉もありますが、いわば若木の桜から、朝霧の中で幽玄に咲く老木の花まで、さまざまな“時分の花”をお見せできればと思います。

野村裕基(以下、裕基) 今回は「鮒」「通円」「住吉」という小舞からプログラムがスタートします。僕は「鮒」を舞わせていただきますが、20代である自分の身体が宿すダイナミックさが「鮒」の肝になると思いますし、祖父が舞う「住吉」は狂言の独特な謡い方である小歌(こうた)に特徴があります。三代の狂言師がともに舞台に立ち、それぞれの“花”をお客さまに感じていただくことで、ご自身の世代や状況を踏まえた想いも重ねてご覧いただけるのではないでしょうか。

野村萬斎さん

野村萬斎さん

萬斎 まあ、アイドル歌手から演歌歌手まで世代によっていろいろな表現があるようなものと捉えていただいてもいいと思いますよ(笑)。小舞では私たちが紋付袴姿というもっとも“素”に近い姿で舞うわけですから、年代による芸の変遷もよくわかると思います。「鮒」はかつて父も僕も得意としたアクロバティックな動きが特徴の小舞ですが、「通円」になると小道具が出てきて自らはさほど動かない。「住吉」はほぼ動かずして舞うというある種究極の形で、まさに“静中動(せいちゅうどう)あり”だと思います。これは踊り手がアスリートにもなりうる西洋の舞踊とはまったく異なる表現のスタイルですね。
 

◆92歳と23歳の共演が見どころのひとつ「「舟渡聟(ふなわたしむこ)」

――裕基さんは祖父である万作さんから舞と謡(うたい)、萬斎さんから狂言の指導を受けていると伺っています。おふたりの指導法に違いはあるのでしょうか。

裕基 もとは父も祖父から習ったわけですから大きな違いはないのですが、父の指導はより現代の技術や状況を意識してのものだと感じます。たとえば、舞台上で自分の姿がお客さまからどう見えているか、カメラワークを例にして教えてくれたりもしますね。祖父はベーシックというか、ルールに則った基礎をしっかり伝えてくれていると感じます。

――狂言の舞台でカメラワークを意識するって考え方、とても面白いです。

萬斎 狂言であっても演出的効果を意識して「こうすればこの効果が得られる」と体系的に教えることは多いです。世阿弥は“離見の見(りけんのけん)”と言いましたが、私たちの世界には演出家がおりませんから、何もない空間でも必要な時にお客さまの視線を自分に集められるよう、自らが工夫しなければいけません。舞台に立つ自分の姿を客観的に見つめる力が必要なんです。逆に古典芸術の舞台に立つ俳優が映像の世界に行くとなんだか過剰に見えちゃうこともあるでしょう(笑)? その理由のひとつが、つねに場を支配することを意識して舞台に立っているからだと思いますよ。

――今回、92歳の万作さんと23歳の裕基さんが共演なさる「舟渡聟(ふなわたしむこ)」は古典の名作ですが、裕基さんご自身が考える見せどころはどこでしょう?

野村裕基さん

野村裕基さん

裕基 「舟渡聟」は妻の実家にあいさつに行く聟(むこ)が酒を持って船に乗り、その船頭に酒をゆすられてしまうのですが、じつはその船頭こそが妻の父である舅であったというお話です。何もない舞台上で船頭の棹1本で渡し船の様子を表現しますが、船頭と聟とのコンビネーションで左右に揺れ傾く船を表すダイナミックな動きもあって楽しいと思いますし、船を“揺する”のと、酒を“強請る”というふたつの言葉の音が同じなのも面白いと感じています。

萬斎 この演目のテーマのひとつが赦し、なんですね。船の上に始まり、最終的には聟と舅は和解するわけです。その最後の場面では、台詞がだんだんとミュージカルのようなハーモニーを奏でて、やがて謡になっていくという音曲的な演出にも注目していただくと良いと思います。
 

◆新作が古典として受け継がれるにはアップデートも必要

――萬斎さんが主役の小吉を演じる「鮎」は池澤夏樹さんの小説をもとに2017年より上演されている新作狂言ですが、原作小説とラストが少し異なる点が大変興味深かったです。

野村萬斎さん

野村萬斎さん

萬斎 僕は古典にはないテーマにフォーカスすることが新作を作る大きな意味だと思っています。「鮎」のラストを原作小説と少し変えたのも、この新作狂言を現代社会にリンクさせたいと考えたからですね。新作狂言「鮎」ならではのテーマが、夢を持ち都会で一旗揚げたいエネルギッシュな若者と、リタイアする時を迎えて静かに暮らそうとする老人の世代間ギャップ。また、ラストの若者の叫びで現代社会に対するある種の問題提起ができればとも思いました。この作品を劇場でやる時はその若者の叫びに呼応するように一気に時空が飛ぶ現代劇的アプローチを行います。そうすることで狂言がただ過去の古い出来事を見せるものではなく、今を生きる我々を描くものでもあると提示できるのではないかと考えたからです。

裕基 「鮎」はまさに僕ら世代の若者に重なる演目だと感じます。最初にこの作品を観た時に、ラストシーンで信号機の音が聞こえてきて、渋谷のスクランブル交差点のイメージがふっと浮かびました。スクランブル交差点を行きかうような多種多様な人々、老若男女がいるうちの1人が「小吉」なのかな、と思ったんです。

――ご自身でも「鮎」の小吉を演じてみたいと思いますか?

野村裕基さん

野村裕基さん

裕基 それは難しいですね(笑)。というのも、若者の役を20代の僕がやるのがこの作品において果たして良いことなのかという問いが自分の中にもありますから。

萬斎 より生々しさが出るからね(笑)。「鮎」の小吉は10代から大体60代くらいまでを夢の中で生きるわけですが、いつかは僕以外の演者にやってもらうことはあると思いますよ。型が同じでも演じ手が変わることでさまざまな個性が表に出て、作品のアップデートにも繋がりますし。新作が時を経て古典になっていく上で、複数の演じ手が演じ、作品が洗練されていくことは必要な道のりだと思っています。

――作中で青い衣の鮎たちが登場するのもとてもチャーミングでした。

萬斎 本来、鮎は群れない魚ですが、古典にはない新しい試みとして魚の群れを登場させることにぜひトライしたいと考えていました。この作品では小吉が供された鮎を食べている間に出世する夢を見ますが、その夢の世界で相手役としてお付き合いくださるのが食べられている鮎という趣向です。ただ、“邯鄲の夢”のようにラストを既存の夢オチにしてもつまらないし、地に足を付け生きなさいとお説教っぽくなるのも嫌でしたから(笑)、最後に現代に繋げる構成にしたわけです。

――裕基さんもいつか新作狂言をお作りになりたい?

野村裕基さん

野村裕基さん

裕基 祖父がシェイクスピアを題材に新作狂言を作り、父がその挑戦を受け継いで新作を発表してきたスピリッツを僕も継承し、いつかは新しい創作に挑む日が来るとは思っています。まだ今はまだ型の習得に励む日々ですが。

萬斎 ゼロから新作を作ることは、すでにある演目を覚えて演じることとはまた違う苦しみですから。この人(裕基)がゼロから作る苦悩に立ち向かう日も来ると思ってはいますが、僕はなるべくそれに関わりたくないですね(笑)。

――いえいえ、その時はぜひおふたりの共演でお願いします。

萬斎 さあ、どうかなあ(笑)。
 

◆ラヴェルの「ボレロ」と狂言「「三番叟」との意外な共通項

――今回は萬斎さんのお名前がついた「MANSAIボレロ」の独舞もありますが、「ボレロ」といえばギエムの印象も強かったので、最初に拝見した時は衝撃的でした。

野村萬斎さん

野村萬斎さん

萬斎 ラヴェル作曲の「ボレロ」をコンテンポラリーとして振付けたベジャールは日本に大きく影響を受けた芸術家です。さらにこれだけ同じ旋律のリピートが多いところは狂言の「三番叟(さんばそう)」とそっくりですし、振りとしてポンピングを重ね、上へのジャンプでなく下への着地に意識を持って表現する点もじつは狂言と似ています。なので、逆輸入ではないですが、ベジャールが意識したであろう「三番叟」を使い森羅万象や喜怒哀楽、人間の一生を体現するのが「MANSAIボレロ」の特徴とも言えます。これは海外に持っていくのにも適しているんですよ、演奏者がいれば僕ひとりでやれますしね。

――裕基さんは萬斎さんの演出で『ハムレット』に主演なさいましたが、その挑戦が狂言への向き合い方に影響を与えたとの実感はありますか?

裕基 ハムレットを演じたことが今の自分の狂言に影響を与えているとの実感はまだないのですが、子どものころから狂言の稽古を重ねてきて、シェイクスピアの長いモノローグを表現する呼吸法や朗誦法のスキルは自然と身についていたのだと感じました。シェイクスピア劇への出演でその実感を得られたことが、今後、自分が狂言を続ける中で良い影響を与えると思っています。

――おふたりが狂言や演劇の舞台を離れた時、ご家族としての雰囲気など伺ってもよろしいでしょうか。

野村萬斎さん・裕基さん

野村萬斎さん・裕基さん

裕基 僕はもう実家を出て暮らしていますので、父と会うのはおもに稽古場と舞台です。ですので、親子というよりは師匠と弟子としての意識が先に立つことが多い気もします。もちろん、家族として一緒に食事をとることもありますが。

萬斎 それは僕と親父もそうでしたね。師弟関係になるとどうしてもそちらが優先されるところはあります。ただ、娘たち(長女はTBSアナウンサーの野村彩也子さん)が入ると少し家族の空気に戻るかな。だから大変ですよ(笑)、家よりつねに舞台を優先するわけですから。それはもう家業として狂言を続けていく我々の使命みたいなところもあります。

――萬斎さんが以前「狂言は最高にブっとんだ演劇だ」とおっしゃっていたのがずっと印象に残っています。

野村萬斎さん

野村萬斎さん

萬斎 狂言もそうですが、日本の古典芸術が西洋のものと圧倒的に違うのは“行間を読む”点だと思います。海外の戯曲だとそこに書かれたせりふの感情を表現するのが基本ですが、狂言では文字に書かれていない行間を読み取り、そこで飛躍し、作品世界を一気に変えます。理詰めで説明できない芸術なんですよ。今、ここの舞台を見ても松の絵が描かれているだけで何もないでしょう?何もないから……リアルでなく抽象表現を使うからこそ、ブっ飛べるということです。

僕は舞台芸術において共犯関係というものがとても好きなんです。お客さまとは共犯関係を結びつつ、どこかで絶対に裏切っていく。そういうことをこれからもやっていきたいですね。

野村萬斎さん・裕基さん

野村萬斎さん・裕基さん

取材・文・構成 上村由紀子(演劇ライター)
撮影 田口真佐美

 

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9月16日(土)、17日(日)の2日間にわたり長野県佐久市、駒場公園にて開催される長野県最大級の野外アニソンフェス「アニエラフェスタ」のTOKYO MXが『ナガノアニエラフェス2023実行委員会』に参加することが発表された。イベントの告知CMも解禁された。CMはTOKYO MXや各街頭ビジョン等で順次放送される。

そして出演アーティスト発表第4弾として、DAY2に今年メジャーデビュー20周年を迎えTVアニメ『NARUTO-ナルト-』のOP主題歌をはじめ、TVアニメ『交響詩篇エウレカセブン』、TVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』など、数多くのアニメ作品をその楽曲で彩ってきたFLOWが出演決定。

また、TVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』のOP主題歌「燦々デイズ」などのスピラ・スピカも今回ナガノアニエラフェスタへ初出演が決定。

“長野県をポップカルチャーの聖地へ”を掲げ、豊かな自然と開放的な空気の中で開催される『ナガノアニエラフェスタ2023』。本日7月22日(土)12時より3次先行(抽選)の受付が開始された。二日通し券などは定数に達し次第終了となりますので早めに申し込んでおきたい。

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2023年9月10日(日)より、東京・世田谷パブリックシアター(京都・岡山・新潟での巡演あり)にて、COCOON PRODUCTION 2023『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』が上演される。

本作は劇団はえぎわの主宰であり、俳優、脚本家、演出家としても活躍するノゾエ征爾の代表作でもある、2010年に初演した『ガラパコスパコス』を2023年版としてブラッシュアップする。

「老い」と「進化」という一見正反対のふたつのベクトルを重ね、その先に描かれる滑稽で愛おしい人たちを描いた物語で、主演の派遣会社でピエロとして働く青年・太郎役を、スーパー戦隊シリーズ『獣電戦隊キョウリュウジャー』の桐生ダイゴ / キョウリュウレッド役でテレビドラマ初主演し、その後、連続テレビ小説『ちむどんどん』や主演ドラマ『スタンドUPスタート』などで注目を集めた竜星涼が演じる。

そのほか、藤井隆、青柳翔、瀬戸さおり、芋生悠、駒木根隆介、 山本圭祐、山口航太、中井千聖、柴田鷹雄、ノゾエ征爾、家納ジュンコ、山田真歩、菅原永二、高橋惠子が出演。

今回、初タッグを組む、ノゾエ征爾竜星涼に直撃し、公演の魅力や上演への思いを聞いた。

ーーまずノゾエさんが、太郎役に竜星涼さんをキャスティングした理由なのですが……。

竜星:そうですよ、なぜなんですか、僕も聞きたいです!(笑)

ノゾエ:ハハハ! 実は、めっちゃ好きだった、というのが第一の理由なんです。『獣電戦隊キョウリュウジャー』で。

竜星:おー、ちょうど今年で10年経つんですよ。

ノゾエ:プライベートな話なんですけど、これ、息子なんです(と、スマホを見せると、そこにはキョウリュウレッドのコスプレ姿の息子さんの動画が。)

竜星:あれっ、当時から?

ノゾエ:いえ、これ2021年の動画だから。何かの配信で見てたのかなあ。

竜星:ヒーローものにハマると、その前のシリーズとか、遡って追っかけるんですよね。

ノゾエ:そう、おかげですっかり僕も竜星さんを好きになっていたんです(笑)。それで今回のキャスティングを進めるにあたって、太郎は社会にあまり馴染めないところがある、少し陰鬱な感じのキャラクターなんですけど。初演、再演ではそういうキャラクターをイメージしやすい俳優に演じてもらっていたので、僕の中ではある程度このラインではやりきった、なんて言うと言い過ぎですが、今回はまた違う摩擦が起きるような人に演じてほしいと思ったんです。そうでないと僕自身、それこそ“進化”できないというか。進化も、進めるほうの進化と深めるほうの深化、その2つの種類の“シンカ”を実現するのは自力のみではちょっと難しいなと正直思っていて。そこで、僕と息子が大好きな竜星さんのイメージは太郎とはかけ離れていたんだけれども、なんだか意外とマッチするような気もしたんです。だけど竜星さんサイドが、それこそ竜星さんのイメージとはかなり違う役柄なので、果たして引き受けてくださるものだろうかと思っていたら、ご快諾くださって。いやあ、なかなか変わった人なんだなと思いましたよ(笑)。

(左から)竜星涼、ノゾエ征爾

(左から)竜星涼、ノゾエ征爾

竜星:アハハハ!

ーー竜星さんはオファーを受けた時、どのような気持ちだったんですか。

竜星:まず、どういう役を僕に演じさせたいのかなと思うじゃないですか。今、おっしゃられたようにその時々で演じている役のイメージもあるけれど、最近はいろいろな役をやってはいますが比較的ひょうきんな、陽気な役が多くて。実際の自分もそっちに近いタイプではあるので、今回はまた全然別のベクトルの人物であるところが、自分としてはこれまた挑戦しがいがある役柄が来たな! という印象でした。だけどホント、舞台に挑む時って毎回思うんですが、怖いんですよ。舞台の仕事でオファーされる役って毎回、何かに挑戦させられる気がするんです。

ノゾエ:でもきっと、挑戦することも好きなわけですよね。

竜星:ある意味では。そういう挑戦を経て自分の未来像というか、次は何に出会えるんだろうと思えるというか。自分のやりやすい役、イメージしやすいものだと今までの経験を踏まえてやれたりもしますが、決してそうではない、みなさんが今の自分にイメージしづらい役でオファーしてくださる人というのは……それはそれでもしかしたらイカれてるんじゃないかとも思うんですけれど(笑)。

ノゾエ:別に、イカれてないよ!(笑)

竜星:アハハハハ! だけど、さっきノゾエさんも自分の進化のためにとおっしゃっていましたが、僕もそういう部分もありつつ。普通であれば、この役にハマりやすい方にオファーをすると思うのに、そうではない自分に挑戦させたいと思っていただけたことも、ひとつの縁ですよね。僕はそういう縁というものも大事にしたいタイプなので。といってもやはり「また、舞台で大変なことになりそうだ!!」という想いも強いです。

ーーお二人は既にもう何度も顔合わせされていたんですか?

ノゾエ:ちゃんとお話しするのは、昨日が初めてでした。

竜星:昨日、ビジュアル撮影だったので、少しお話しできて。また、ノゾエさんがすごかったんですよ。ちょっと、エキストラというわけじゃないけど、僕の後ろで歩く人が欲しいという演出に合わせてご自分で歩いてくださったんですけど、渋谷の街に馴染みすぎていて。僕はその時、思いました。「ノゾエさん、やっぱり役者だわ~」って(笑)。

ノゾエ:服装がたまたま、昨日はちょっとラフだったからね(笑)。

竜星:いや、その場に溶け込む才能があるんですよ。

竜星涼

竜星涼

ーー今回、実際にノゾエさんも一緒に舞台にも立たれますしね。

竜星:そうなんですよ。演出をしながら、ご自分もプレイヤーとしても出られるんだということを、改めてその瞬間に感じました。

ノゾエ:そう、僕も昨日の撮影はすごくいい時間だったなと思えたんです。竜星さんと、こうやって関わるのは昨日が最初だったし。演出家としてもいろいろな役者さんとご一緒させてもらってますけど、何か撮影をしている時にも「こんなことしてみて」とか、言いやすい方と、今はまだ控えておこうとなる方がいるんです。気がついたら、竜星さんにはちょっとしたことでもポンポン言えていた。竜星さんもそれに普通に反応してくださっていたので「あ、なんかいい感じかも」って。そういうやりとりが、撮影している数時間の中で何回かあったので、演出家としてもとてもいい時間を過ごせたなと思いました。

ーーやはり『ガラパコスパコス』といえば、チョークを使う演出が独特で面白い特徴だと思うのですが。もちろん今回も、そのスタイルでいくわけですよね。

ノゾエ:はい。ただ、結果的にはこうしてチョークと壁があればできる演劇みたいな括りとしてこの作品は誕生したんですけれども、僕の中ではそれありきのものにはしたくなかったんです。その気持ちは今も同じで、描きたいのはあくまでも人々の営みであり、そこから老いというものと向き合ってみたり、人と人との距離のことを考えたりすることであって。そのために役者さん自身が舞台上であらわになるところを見たかった時、一番マッチする手法がチョークを使うことだったんですね。だから、それはあくまでも選択肢のひとつに過ぎなかったわけです。ある意味では、この手法はどこかで危険だなと思ってもいて。この手法が特殊なものだから、そのことばかりが先行してしまう強さみたいなものがあるじゃないですか。だから、本当に描きたい部分の中味のほうが、その手法の特殊さに負けないようにしていかないといけない、そのハードルは常にこの作品にはついてまわるというのもあるんですよね。

ーーしかも、今回は舞台も大きいのでいろいろと変化が必要になってきます。劇場のサイズによって、見せられるものと見せられないものがありそうですし。

ノゾエ:かなり違ってくると思います。密度も、空気の届き方も。だからといって、何をどうするのがベストなのか今はまだわからないですけれど。ちゃんとその課題はみんなで共有していきたいなと思っています、僕ひとりで解決することでもないですしね。

ーー竜星さんは、実際にいろいろなものをお芝居の本番中に描いていくわけですよね。

竜星:まあ、そうみたいですね(笑)。

ーー絵を描いたりするのは得意なほうですか?

竜星:わりと、模写とか、そういうのは得意です。

ーー模写が得意?

竜星:たぶんビックリするくらい、うまいほうだと思いますよ(笑)。

ーー本当ですか?(笑)

ノゾエ:どこまで本当?(笑)

竜星:いや、コロナ禍中に家でちょっと描いていた絵を、インスタグラムにもアップしたら意外に評判良かったので。

(左から)竜星涼、ノゾエ征爾

(左から)竜星涼、ノゾエ征爾

ーーシンプルな線で全部表現しなきゃいけないんですよね。

ノゾエ:そうなりますね。

竜星:そこらへんに関しては、僕にとっては未知数です。

ノゾエ:「書く」って感情が直結できるものなんですよ。雑な気持ちの時には雑な線になるし、力がこもり過ぎると筆圧の加減がうまく調整できなくなるし。

竜星:そうやってみなさんの目の前で字を書くことになったら、そのことも表現につながりそうですね。

ーーある意味、パフォーマンスとしての手段でもある。

竜星:そうです。面白いなと素直に思いました。今回はどういう形になるのか、具体的にはまだわかりませんが舞台上は俳優と黒板とチョークと、ぐらいのシンプルな作りだと思うと、あとは役者の力量次第ってことになりそうじゃないですか。それはそれで……困りましたね(笑)。

ノゾエ:しかも今回、一度出るとほとんど全員が舞台からハケないんですよ。

竜星:みんな大変そうだなと思う反面、自由で面白いことになりそうな気もします。本当、どうなっていくんだろうと思いますね。

ーー毎日、違うことが起きそうな気もしますし。

竜星:いかにも舞台らしいと言えば舞台らしいのかもしれないですけどね。

ーー(ここで、竜星のインスタグラムにアップされていた絵を見せてもらい)これ、すごいですね! 竜星さん、写真みたいな、細密画を描かれるんですね。

竜星:ほら、意外と僕、繊細でしょう?(笑)

ノゾエ:あ、でもこういう絵を描くところ、太郎っぽい気もします(笑)。

ーー初演時のことを、改めて思い出していただきたいのですが。高齢者施設などを訪問して得られた経験も、この作品には反映されていると伺いました。

ノゾエ:そうなんです。この作品は2010年の劇団公演(劇団はえぎわ)が初演だったんですが、劇団公演とはまた別の世田谷パブリックシアター@ホーム公演という高齢者施設での芝居を上演するにあたって、まず見学に行ったんです。そうしたらちょうどレクリエーションの時間で。台本の中にも出てきますが、柔らかいボールでみなさんでボーリングをされていたんですね。すると職員さんはすごく明るくがんばっている反面、ご利用者さんはさほど興味なさそうな方もたくさんいて。この場所で演劇をやるのか……、果たしてどうやればいいのだろうと自分たちなりにもいろいろ考えて作ったものを上演してみるんですけど、もちろん劇場でやってるような空気とは程遠い。だけどいろいろやっていく中、ちょっと知っている歌が耳に入ると急に反応してくれたり、無表情だった顔の筋肉が働き始めて笑顔になったり、中には感激して泣きだす方もいたりして。職員さんもカメラを出して「演劇をしに来てくれた!」と僕らを撮るのではなく、「ご利用者さんがこんな表情になった!」と皆さんのお顔をものすごく喜んで撮っているんです。僕もそれなりに長く演劇をやってきましたけれど、お客さんの反応を見て胸が詰まってセリフが言えなくなるという経験は初めてでした。そこで受けた感情を具体的に文字化して作品に入れ込んだらどうなるだろうと考え、起きた事象や高齢の方の存在を芝居の設定の中に入れてみたわけなんです。もちろん劇団の中に高齢の役者はいませんでしたけど、いろいろ工夫してやっていく中で少しずつ掴んでいき、確信は何もない感触のまま、出来上がっていったという感じでした。だから、開演前はめちゃくちゃ怖かった。評判はいいけど、自分では掴みきれない。でもこの作品に、得体の知れない強いものを感じてはいて。その輝きみたいなものは、いまだにわからないし確信はないままに、再演を繰り返しているわけです。そんな中、社会は変わっていくし時代も変わっていく。あれから震災もあり、コロナ禍もあり、戦争もあって。人々の距離感も生活もどんどん変わっています。僕自身だってあれから十何年も経ったので、老いとの距離感が変わりました。だから作品そのものはそれほど大きくは変わらないんですが、人も社会もがどんどん変わっている。今の社会と、人々とどう響き合うのか。そう考えるとサブタイトルにもなっている“進化してんのかしてないのか”というテーマが、これまたずっといい意味でつきまとってくるんですよね。

ーー竜星さんは、この作品のどんなところに一番魅力を感じられましたか。

竜星:最初は、さまざまな登場人物たちの物語が絶妙に入り混じっているところが面白く感じました。なおかつ、それぞれのペアでそれぞれの愛の形があって。その上で最後は、どういう形であってもきちんと物語が生まれて終わる、そこもすごく興味深かったです。たぶん、ノゾエさんご自身が愛のある人なんじゃないのかな。僕の場合、主役という立場だと考えると物語の中で一番動いていくポジションではありますけれど、周囲の方々がみんなしっかり動きつつも主線軸に絡み合っていくほうが、やっぱり演じる側としても、観客側にとっても楽しいだろうと思うので、その点でもすごく共感しましたね。

ーー今回のキャスティングの狙いについてですが、ノゾエさんはどういう点に期待をされていますか。

ノゾエ:この作品には、つまり前例があるわけなので、これまでのその役のイメージをとにかく一新し、いい意味で稽古場で忘れていきたいなと思いました。僕自身もどうしたって以前のイメージが頭をよぎる瞬間があって、それはいいよぎりなのか、単にまだ残ってしまっているものなのか、それはその都度考えないといけないですしね。ただ本当にシンプルに目の前の俳優さんのいいところと、いつも通り向き合っていければいいなと思っています。

ノゾエ征爾

ノゾエ征爾

ーー主人公に相対する老女、まっちゃん役については、やはりこれまで通りノゾエさんと同年代ぐらいの俳優でやるのか、それとも実年齢に近いベテランの方でやるか、悩まれましたか。

ノゾエ:そうですね。最初はどっちでいこうか、考えはしましたけど。ここもまさに未踏の地かもしれないです。おばあちゃん役を、その年齢に近い方でできるというのは。これまでのバージョンでは身体的にも、多少無理をしてもらっていたのですが、今回はあそこまでのことはできないかもしれませんよね。さすがに、高橋惠子さんをバーンって思い切りはたいたりはできませんよ(笑)。

ーー竜星さんは、この座組の顔ぶれに関してはいかがですか。

竜星:共演経験がある方は、3人いまして。

ノゾエ:どなたですか?

竜星:藤井(隆)さんと山田真歩さん、あと青柳翔さん。舞台でご一緒したことがあるのは藤井さんだけで、あとはほぼ初めましての方ばかりなので、どういう座組になるかは正直まだわからないですけど。でも、昨日のビジュアル撮影でちょうど藤井さんと久々にお会いできたんです。藤井さんに会うと、僕、大好きなので自然とハッピーになってほころんでしまうんですよ。藤井さんも「竜星くんがご一緒だと聞いて、すぐにやりますやりますって言いました!」なんて、すごく嬉しい言葉を言ってくださって。また胸を借りながら、全力でぶつかっていきたいです。

ーー脚本は、多少の変更はあるのでしょうか。

ノゾエ:この前、少しリライトをしていたんですが、10年前の時点では携帯電話のアドレス交換が“赤外線”だったんだって思って。そういった細かいネタ部分でもちょこちょこと時代の移り変わりの速さを感じたりしました。

ーーそうやって移り変わっていた今の時代、コロナ禍があり戦争があって、この2023年のお客さんにはこの作品をご覧になることで、どのような気持ちを持ち帰ってほしいと思われていますか。

ノゾエ:具体的に、こういうものを持ち帰ってほしいという限定的なものはないんですが。それでも、確かな何かを持ち帰ってほしい、つまり要は響いてほしい、という気持ちはあります。何が響くかは、それこそこちらが決めることではないんですけれど。ただ、こっちはこっちで僕らが感じているものを夢中になって創作しますし、懸命に表現しますので。そこで、何か、心が動いて、モヤっていたものが少し晴れていくような気持ちで帰っていただけたらいいですね。そういう、気持ちが前進するようなものは、何かしら持ち帰ってほしいです。お客さんのそんな姿を見れたら、僕らもちょっと前進して家に帰れる。そういうグルグルの中で上演期間中を過ごせたら最高だなと思います。

ーー竜星さんは、お客さんにどんなことを感じてほしいですか。

竜星:観に来てくださるお客さんは、同じものを観てもそれまでの人生や、その時々のコンディションによって、感じ方の奥行きや幅の広がりは違ってくると思います。だけどきっと皆さんはナマの舞台上にいる僕らの熱量を求めて劇場まで足を運んで来てくださると思うので、その求めているものに対して、僕らなりに精一杯で答えたいですし、そこからいろいろなものを受け取って帰ってもらえたら嬉しいです。また、それは同時に舞台としての成功にもつながるのだろうなと思います。いやあ、もうとにかく単純にこの新しい座組の素晴らしい先輩たちとご一緒できること、そしてノゾエさんの演出を初めて受けられることが、僕にとってはワクワクでしかありません! みなさんもぜひ、楽しみに観に来てください!!

(左から)竜星涼、ノゾエ征爾

(左から)竜星涼、ノゾエ征爾

■竜星涼
ヘアメイク=井手賢司(UM)
スタイリスト=山本隆司(style³)

■ノゾエ征爾
ヘアメイク=芝原睦美(MMC)

 

取材・文=田中里津子    撮影=池上夢貢

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『レイディマクベス』が、2023年10月1日(日)〜11月12日(日)に東京・よみうり大手町ホールで、11月16日(木)〜11月27日(月)に京都劇場で上演される。出演は、天海祐希、アダム・クーパー、鈴木保奈美、要 潤、宮下今日子、吉川愛、栗原英雄、という豪華な顔ぶれ。

シェイクスピアの『マクベス』で、強烈な悪女ながら名前のない存在として描かれたマクベス夫人。彼女から着想を得て、イギリス気鋭の若手女性作家・演出家のジュード・クリスチャンが書き下ろした『レイディマクベス』は、タイトルロールを産後、戦場に戻れなくなった元兵士に設定、夫マクベスと共に国を治める野望に燃える女性として描く。演出は、日本で『ピサロ』、『カスパー』、そして新国立劇場バレエ『マクベス』等を手がけてきたウィル・タケット。また、音楽を岩代太郎が担当する。

このほど、レイディマクベスを演じる天海祐希と、マクベスを演じるアダム・クーパーに、作品への意気込みを訊いた。

―― このお話が来たときのお気持ちは?

アダム・クーパー 何より、芝居作品への出演ということ、その演出を手がけるのが友人でもあるウィルであるということ、そして隣にいるこの素敵な女性と共演できるということで、非常にエキサイティングに感じました。

天海祐希 最初にこの舞台のお話頂いたときは、まだ他の出演者が決まっていなくて。その後、コロナ禍もあって立ち消えになりそうになったのがむくっと立ち上がった力強い企画でした。しかもアダムさんが出演するという話になって目が飛び出るかと思うくらいびっくりして。物語の概要を少しうかがい、ウィル・タケットさんがアダムさんを選ぶのは必然的だったんだなと思いました。先日、準備稿をいただいたんですけれども、やはり、マクベスをアダムさんと思って読んでいくと、秘めた思いや、情熱、熱さの中にとても冷静で無機質のようなものが見えてきて、やはりエネルギーのある人が演じなければただの亡霊のように見えてしまうんだろうなと思いました。私、(取材時)先程アダムさんと一緒に撮影をしまして、その写真を見てもまだちょっと共演するということが信じられていない、こうして今、横にいらっしゃってもまだちょっと信じられていないという(笑)。こんな幸せと、こんないい意味で恐怖を感じることはないなと思うチャンスなので、自分を成長させられるように頑張りたいです。

―― これまでも親交があったそうですが、お互いの印象や役者としての魅力についてお聞かせいただけますか。

天海 2014年にミュージカル『雨に唄えば』の来日公演があり、大好きな映画の舞台版で、しかも主演がアダム・クーパーさんということで観に行きました。ものすごく感動して客席で泣いてしまったんです。こういう世界にいる人間としてはぐっと来るお話でしたし、劇場の照明をすべてバーンと受け止めて吸収し、それをまた自分の中から違う光として発しているアダムさんにものすごく驚いたんです。その後、楽屋でアダムさんに初めてお会いしたときに「大丈夫?」と聞かれました(笑)。それで『兵士の物語』も観に行き、今度はサインをいただきました。

やがて、『雨に唄えば』の舞台で再び来日されるのですが、その直前に、現代のイギリスにおける女性のあり方を題材にしたテレビ番組でアダムさんにお話をうかがう機会があり、ロンドンでお目にかかりました。『雨に唄えば』のお稽古に行く前にその取材に答えてくださったんです。そんなこともあり、『雨に唄えば』のように幸せになれるミュージカルってなかなかないし、より多くの皆さんにアダム・クーパーさんの光を浴びてほしいと願い、応援団長のようにしゃしゃり出て公演を宣伝させていただきました。

その後、私が主演した劇団☆新感線の『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』を、アダムさんが観に来てくださったのです。IHIステージアラウンド東京の客席に座って、ぐるぐる回りながら観ていただきました。そうしたら今回の話が来て。もう、びっくりしましたよ。感激を通り越して、人生でこんなことがあっていいのかと。ご褒美なのか落とし穴なのかわからないですけれども(笑)、こんなチャンス二度とないと思うから頑張ります。

アダム (笑)初めて祐希に会ったとき、温かくて優しい人だなと感じた。いつ会っても本当に素晴らしい人で、とても大きな心の持ち主だということがわかる。映像や舞台の仕事で人々から敬意をもたれている女優である彼女と共演できることを、本当に光栄に思っているよ。非常にユニークで特別な舞台を一緒に作り出すことができると期待しているんだ。

―― 今回の作品はシェイクスピアの『マクベス』がベースになっています。

アダム シェイクスピアの『マクベス』の舞台を観たのはもう何年も前のことになるけれども、力強いキャラクターたちが出てくる、とても力強い戯曲だなと感じた。今回は『マクベス』をベースにしたまったく新しい作品だけれども、非常にエキサイティングだなと思うのは、それぞれのキャラクターが全く異なる視点から描かれていること。もともとの戯曲の持つテーマの多くを扱ってはいるけれども、レイディマクベスの視点、女性の視点から描かれているというのも、今日の観客にとってはおもしろい体験になるんじゃないかな。非常に複雑で豊かに描かれているレイディマクベスは、祐希が演じるのにぴったりな役柄だと思う。

天海 今の段階でいただいている台本はまだ準備稿ではありますが、出てくる言葉が非常に美しくて素敵で。『マクベス』におけるマクベス夫人は、夫をそそのかしてというか、お尻を叩いて自分の欲求を満たしたいと願う、ものすごい悪女のように描かれていますよね。世の女性が持つであろう「悪」のすべてを併せ持った女性のように描かれています。でも、シェイクスピアによって生み出されて以来、彼女自身は自分について何も弁解できなかった。でも今回、その『マクベス』という大きな柱からインスパイアされながら、レイディマクベスの新たな面や思いが描かれています。それは現代にも通じる話で、それがシェイクスピアの時代からずっと続いていたことなんだというのが、すごくおもしろいですね。彼女には、女性であるがゆえに選ばなければならなかったことや諦めなければならなかったことがあると思いますが、同時に欲も希望も確実にあったわけで、そこにみんなが共感できるんじゃないかなと、私は思っています。必ずしもレイディマクベスをいい人にしたいわけじゃないんだけど、彼女の立場からすると、ああそうだよねと思えることもあるかもしれない。でもその一方で、人に望んだことは良いことも悪いこともブーメランで自分に返ってくるよ、という話なのかなとも思っています。

―― 「時として自分の言葉を発することが非常に不自由となる」と概要に書かれているマクベスのほうは、“静”のキャラクターになるのでしょうか。

アダム ウィルと仕事をしていて非常におもしろいのは、それぞれのキャラクター間のボディ・ランゲージを見つけていく過程なんだ。今回も、この物語を伝えていく上での、ウィルならではの語り口が発見されていくだろうと思う。その彼の要求を自分がちゃんと満たせるといいなと思っているよ。

天海  “静”と“動”とよく言いますけれども、舞台上で演じる場合、強かったり熱かったり、内にエネルギーがなければ、“静”も演じられないと思っています。ぐわっと動ける人だからこそ、すーっとした“静”のお芝居も可能なんだろうなと。

アダム (頷く)

天海 ウィルさんがどういう視点でどういう演出をされるのかはまだわからないけれども、アダムさんが演じられる場合、大きなエネルギーをもった“静”のマクベスになるんだろうなと、概要を読みながら思ったんです。マクベス夫人がこの人を推して王にさせるわけですから、ちょっと頼りないところがあろうとも、その器である人間ということは変わらないわけで。ウィルさんの演出やアイディアの方向に誠実に向かっていくことができればいいなと思いますね。

―― そのウィルさんの演出の魅力について教えてください。

アダム ウィルはいつも限界を超えるような作品作りをしている人だと思う。最初に一緒に仕事をしたのは英国ロイヤル・バレエ団時代だったけれども、彼の演出作品は踊る上で非常に興味深いものだった。どの作品も異なっていて、自分にとっては常に新しい経験だった。たいへん知的な人であり、自分が望むスタイルについても明確で、それが僕にも非常に合っているから、一緒に仕事をするのがすごく楽しいんだ。

天海 ウィルさんの演出した舞台は、アダムさんの出演された『兵士の物語』や、最近では『カスパー』も拝見しましたが、すごくおもしろかったですね。『兵士の物語』は、軽く入ってきながら、ずーんと突き刺していくような感じ。どこで刺さるかは人それぞれでしょうけれども、一気にぐわっと引っ張られて、気がついたら終わっている。それで、ぼーっと放心してしまうというか。この後、ウィルさんと初めてお会いするので楽しみなのですが、緊張もしています。

アダム 大丈夫。

―― さきほどより、天海さんから「恐怖」や「緊張」と言った言葉が……。

天海 緊張しますよ~。アダムさんは、私、舞台を拝見して泣いた人なんですよ。だから今も、あまりアダムさんの方に顔を向けられないんですよ、緊張して。舞台上で観る人。見せてもらう人だったから。でも、お稽古に入ったら、どーんとぶつかっていきたいです!

アダム (笑)

―― アダムさんにとって、日本の観客の前で舞台に立つのはどういう経験ですか。

アダム すでに30年以上、日本の観客の前で舞台に立ってきた。最初はバレエ・ダンサーとして来日し、そして「マシュー・ボーンの『白鳥の湖~スワン・レイク~』」、また、自分が演出・振付を手がけて主演したバレエ『危険な関係』、そして『オン・ユア・トウズ』や『雨に唄えば』といったミュージカル作品に出演してきた。どんなジャンルの作品であろうとも、どんな新しい挑戦であろうとも、日本の観客はいつも腕を大きく広げるような感じで温かく僕を受け止めてくれた。日本は僕にとって家族の一部のようなもの。今回、日本人キャストの中に一人まじって芝居に出演するということになり、ちょっと恐怖も感じているけれども、観客の存在が僕の挑戦を応援してくれると思う。

―― アダムさんからも「恐怖」という言葉が出ました。

天海 もちろん大丈夫ですよ~。わくわくから来る多少の緊張や、怖いな、大丈夫かなと思う気持ちって、「こっちの方に向かって走ればいいんだ」と確信することによってじゃないと解消されないですよね。でも、ウィルさんの演出のもと、みんなで同じ方向に向かって走り始めれば、みんなのすべての恐怖も迷いもなくなっていくと思うので。

アダム (頷く)

天海 アダムさんはいろいろな経験をなさっているし、私たち日本のキャストだってもうみんな腕を大きく広げて待ってますから。アダムさんの一挙手一投足を、私もいっぱい盗みたいと思っていますし。

―― レイディマクベスもそうですが、天海さんは力強い女の役どころが多いイメージがあります。

天海 シェイクスピア作品の中のマクベス夫人自体、強さであるとか、ターゲットをとらえて離さない感じとか、ここに向かうと決めたらものすごく執着する感じって、何かちょっと変わった人のように思えますよね。でも、今回、元軍人という設定になったことで、よりいっそう「ああ、だからなのか」と思えるところがたくさんあるんです。こうやって、いろいろなとらえ方ができるのって、本当におもしろいですよね。そして、私にそういう(力強い)イメージを持ってくださる、このような役をいただけるということは光栄で、本当にありがたいです。昔、若い頃は「あまり同じような役が来てもなあ」なんて生意気なことを思ったりしましたが、今となってはその頃の自分に「ありがたいことなのに何を言ってるのか!」って言いたいです。イメージを持ってもらえるって、それだけ知ってもらえているということだから。

アダム 今回の作品は『マクベス』の物語を新たな角度から語り直すということだから、マクベスとレイディマクベスがコンビを組んで軍人として戦っていた過去があるという設定は、二人の関係性を語る上で非常におもしろい視点だと思う。祐希は万能な女優だから、この役柄にも合うと思うよ。

―― 現時点で、この作品、ここがすごいと思われるのはどんなところですか。

天海 人生に厚みがある方ほど、いかようにも受け止めていただける作品なんじゃないかな、と思っています。登場人物それぞれが自分の知っているレイディマクベスを語る場面もあるんですが、そこもとてもおもしろいんですよね。それぞれが二重の感情をもっている感じがして、どっちが本音でどっちが建前なのかわからなくて、ちょっとしたミステリーのようにも感じられたりする。そうかと思えば、登場人物みんなが殺伐とした中にいるようでいて、心の安らぎを求めているんです。そこもすごくおもしろいと思います。抽象的な言葉、美しい言葉、そして、古い言葉と新しい言葉が混ざっているのですが、どうしてそこで古い言葉を使うのかということもちゃんとわかるようになっています。

アダム 祐希の言うように、予想もしなかったところに連れていかれるようなおもしろさのある作品だね。どんな作品になるかある程度予想していたつもりだったんだけれども、読み始めると毎回新たな発見がある。観客にとってもそんな作品になるんじゃないかと思っているよ。

―― おふたりそれぞれの、シェイクスピア作品との関わりについて教えてください。

アダム 12歳くらいのころ、学校で『ロミオとジュリエット』や『真夏の夜の夢』といった作品を勉強したんだけれども、最初は外国語かなと思ったよ(笑)。でも、彼の書き方のスタイルや言葉遣いに慣れてくると、その美しさがわかってきた。物語も素晴らしいものが多いから、今日になってもさまざまなジャンルのバージョンが作られていくんだと思う。ロイヤル・バレエ団時代に『ロミオとジュリエット』や『真夏の夜の夢』に出演したし、ピーター・ダレルが振付したスコティッシュ・バレエの『ハムレット』のタイトルロールを演じたこともある。シェイクスピアの言葉自体が音楽みたいな魅力があるから、そこに音楽をつけて、それを身体で表現するというのがとてもおもしろくて。物語を言葉ではなく身体で語っていくのもとてもやりがいのあることだよね。好きな作品は『ロミオとジュリエット』かな。初めて読んで勉強したシェイクスピア作品だし、もっとも好きな映画作品の一つがフランコ・ゼフィレッリが監督した『ロミオとジュリエット』なんだ。 バレエ版ではロミオと ティボルトを踊ったこともあるし、一番よく知っているシェイクスピア作品でもある。でもこれからは、一番好きな作品は『マクベス』になる予定だよ(笑)。

天海 私も宝塚時代、小田島雄志先生の訳を使用した『ロミオとジュリエット』でロミオを演じて。小田島先生はきっちり言葉を選択しながら原文を訳していらっしゃいました。言い回しこそ難しかったりしますが、言葉遊びなんかもあり、何よりも美しくて。悲劇であったり、人間の汚い部分もちゃんと書かれているところがすごいですよね。人間って昔から変わらないんだなと思ったりしますよね。『ロミオとジュリエット』はもちろん好きですし、『タイタス・アンドロニカス』なんかもいいですね。すごい復讐劇ですけど、舞台を観ながら思わず「ちゃんと復讐して~」と応援しちゃうほど、強烈な体験でしたね。同じようなことを言っていても、世の中が変わっていくと、悪に見えたり正義に見えたり、解釈が変わって見えたりするのもおもしろいところですよね。

―― 今回の舞台で楽しみにしていることは?

アダム 作品がどう発展して行くのか、その過程をリハーサルで楽しみたいと思っているよ。この物語を語る上での“言語”をどう発見して行くことができるのか、エキサイティングだよね。リハーサルの時間が僕は大好きで。参加している全員にとって安心できる場所を作り出すことができれば、さまざまなチャレンジが容易になっていく。しかも今回、共演者が初めての方ばかりだから、すごく楽しみだよね。みんながどんな人なのか、そしてそれぞれがどんなものをこの作品にもたらしてくれるのか、発見していくのがとても楽しみなんだ。ウィルもきっと素晴らしい演出をしてくれると思う。彼はいつもプロジェクトにユニークなアイデアをもたらしてくれる人物なんだ。

天海 私が海外の演出家さんとお仕事するのは、宝塚時代の『グランドホテル』のトミー・チューンさん以来かな。

アダム トミー・チューンと仕事してるんだ~!

天海 アダムさんをはじめ、初めましての方も多いですし、みんなと一緒にいろいろなことにチャレンジしながら頑張っていきたいと思っています。

取材・文=藤本真由(舞台評論家)

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