『東京コミコン2023』メインビジュアルを解禁 約3ヶ月半にわたるコンテストを経て決定

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12月8日(金)・9 日(土)・10 日(日)に千葉・幕張メッセで開催される『東京コミックコンベンション 2023』(『東京コミコン 2023』)から、メインビジュアルが公開された。

『東京コミコン』は、日米の映画・コミック・アニメ・ゲームなどのポップカルチャーの祭典。サンディエゴを発祥とする『コミコン』をモデルに、2016年から毎年幕張メッセで開催されてきた。会場では、来日した俳優らとの写真撮影やサイン会、トークショー実施、作品に使用された小道具や衣装などの展示、コスプレコンテストのほか、漫画家やアニメーターの作品展示や販売を行うアーティストアレイなどが行われる。今回の『東京コミコン 2023』で、『大阪コミコン』とあわせ、通算8回目の開催を迎える。

(C)2023 Tokyo comic con All rights reserved.

(C)2023 Tokyo comic con All rights reserved.

これまでに、イベントのアンバサダーを新田真剣佑が務めるほか、PR大使/コスプレアンバサダーを伊織もえ、メインMCをLiLiCoと小田井涼平が担当することが発表されていた。また、エヴァンジェリン・リリー、トム・フェルトン、クリストファー・ロイド、マッツ・ミケルセン、ポム・クレメンティエフ、テムエラ・モリソン、ダニエル・ローガンら俳優陣が来日・参加することも決定している。

解禁されたメインビジュアルは、2023年6月から約3ヶ月半にわたって開催されていたコンテストを経て決定したもの。プロ・アマを問わず全世界から寄せられた作品から、モトジマ氏の作成したビジュアルが選ばれている。なお、同メインビジュアルは、『東京コミコン2023』の公式サイトやポスター、パンフレットの表紙、コミコングッズなどに使用される。また、モトジマ氏には、副賞として、『東京コミコン2023』の3DAY PASS(ペア)と、作品の展示・販売を行うアーティストアレイコーナーでの出展ブース(1ブース)が授与される。

『東京コミコン2023』チケットは、イープラスにて発売中。そのほか詳細は、公式サイトを確認しよう。

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12月27日(水)、28日(木)、29日(金)の3日間、インテックス大阪にて開催される、大阪のラジオ局・FM802による年末恒例のロック大忘年会『FM802 RADIO CRAZY 2023』の出演者第1弾が発表された。

本日10月11日(水)のFM802『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-』にて発表されたのはメインステージ出場アーティスト27組。KANA-BOON、クリープハイプ、Saucy Dog、緑黄色社会など、FM802オンエアチャートの上位にランクインするアーティストが続々ラインナップするほか、『レディクレ』初登場となるアイナ・ジ・エンド、ヨルシカらも出演決定。さらにキタニタツヤやTele、This is LASTらメインステージ初登場となる顔ぶれなど、豪華ラインナップがそろうロック大忘年会となる。

第1弾発表アーティスト
<27日>
Creepy Nuts/THE ORAL CIGARETTES /キタニタツヤ/10-FEET/東京スカパラダイスオーケストラ/にしな/My Hair is Bad /緑黄色社会/ヨルシカ
<28日>
アイナ・ジ・エンド/クリープハイプ/帝国喫茶/Tele/This is LAST/flumpool/ヤバイTシャツ屋さん/UNISON SQUARE GARDEN/凛として時雨
<29日>
OKAMOTO'S/KANA-BOON/Saucy Dog/THE SPELLBOUND (BOOM BOOM SATELLITES 25th Anniversary SET)/THE BAWDIES/SHISHAMO/w.o.d./Chilli Beans./ハンブレッダーズ

本日の出演者発表を受けて、1DAY TICKETの番組受付がスタート。また本日21時~は、豪華特典付きのVIP 3DAYS TICKETも先着受付中(予定枚数に達し次第終了)。オリジナルグッズ、会場での優待サービスなどが含まれているので要チェックだ。

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『ATTACK FROM LIVEHOUSE 2』が11月16日(金)に東京・下北沢SHELTERで開催されることがわかった。

『ATTACK FROM LIVEHOUSE』は、ロフトグループ運営の音楽ライブハウス4店舗(新宿LOFT、下北沢SHELTER、渋谷LOFT HEAVEN、下北沢FLOWERS LOFT)で開催されてきたライブシリーズ。今回は下北沢SHELTERを舞台に、ニューロティカとチャラン・ポ・ランタンがツーマンライブを行う。

チケットは、イープラスにて10月18日(水)23時59分までプレオーダーが受付中。

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『レビュー in Kyoto』先行楽曲披露イベント&成功祈願 2023.10.10(TUE)南座、八坂神社

1922年(大正11年)に誕生し、宝塚歌劇団に継ぐ長い歴史を持つ、女性のみの歌劇団「OSK日本歌劇団(以下OSK)」。解散の危機に幾度も直面しながらも、そのたびに不死鳥のように復活し、昨年で結成100周年を迎えた。現在放送中のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』のモデルとなった人気歌手・笠置シヅ子は、実はこのOSK出身。さらにドラマには、OSK期待の男役・翼和希がレギュラー出演中なので、注目度が高まるのは必至だ。

OSK日本歌劇団

OSK日本歌劇団

その絶好のタイミングで、OSKのレビューショー『レビュー in Kyoto Go to the future~京都(みやこ)から未来へ!~ 』が、京都の南座で上演されることに。作・演出・振付に上島雪夫を迎え、今年の春に大阪と東京で上演したレビューショー『レビュー春のおどり』第2部「未来への扉~Go to the future~」を、京都向けに和テイストたっぷりにブラッシュアップした作品だ。「ダンスのOSK」の魅力をどっぷりと味わえそうなこの舞台を前に、楊琳、舞美りら、千咲えみ、華月奏、翼和希の5人のスターが、南座で先行楽曲披露イベントを開催。さらに南座にほど近い八坂神社で、公演の成功祈願を行った。

普段は観客たちで賑わう、南座2階のロビー。上演向けのスペースでもなく、しかも微妙に狭い。本当にここが会場なのか? こんな所で楽曲を披露しても、あのOSKの華やかさは伝わらないのでは? などと、始まる前は正直考えた。しかし蓋を空けてみると、彼女たちは見事に歌声だけで、その場に居合わせた人々を非日常へといざなってくれた。よく考えたら、OSKのスターたちが袴姿&ほぼ素顔で歌うというのは、貴重な機会かもしれない。

華月奏

華月奏

楊琳

楊琳

トップで登場した華月が歌うのは、今回の公演用に書き下ろされた「この都で」。京都の歴史をテーマにしたドラマティックなナンバーで、この地で生まれ、育まれ恋をして、そして散っていった人々に、思いを馳せるような気分となる。さらに続いて、楊と舞美と千咲という、トップスターたちが登場。恋多き貴公子・光源氏をテーマにした「Genji」は、源氏&彼が愛した数多くの女性たちの思いがしっとりと歌い上げられ、本番では誰もがうっとりと見惚れてしまうようなシーンになると予想された。

翼和希

翼和希

続いて登場した翼は、一転して情熱的なラテンムードにあふれる「Passion」を披露。春の公演では元トップスターの桐生麻耶が担当していたが、今回の公演で翼が受け継ぐことになった。そして最後は全員で、本公演のテーマソング「Go to the future」を歌唱。ここからより前向きな未来を目指していけるような、明るい希望を感じさせる一曲だが、本番では大勢の団員がこれを歌うのか……と想像すると、それだけでテンションが高まるのを感じた。

15分ほどのイベントが終了したあとは、会見の時間が設けられた。今回のレビューは『春のおどり』に新しい曲&シーンを加えた構成になるが、現時点ではまだ楽曲が送られてきたばかりで、振付などはこれからとのこと。その上で、今の課題と今回の見どころを聞くと、以下のような答が返ってきた。

楊琳

楊琳

楊:先ほど華月君が歌ってくれた歌で、初めにお客様をそういう(京都らしい)世界観に導いて、いろんな物語を展開していくことになると思います。その新しい場面と「Go to the future」の間に違和感がないようにするのが、課題になってくるのでは。春の時とは、結構メンバーがチェンジしているので、また新たな「Go to the future」がお届けできると思います。そして私は、昭和5年からOSKで歌い継がれている、フィナーレのテーマソング「桜咲く国」が本当に大好きで。公演は秋ですが、桜が満開、皆様の笑顔も満開で幕が閉まっていく。その時のみんなの笑顔に、特に注目してほしいと思います。

舞美りら

舞美りら

舞美:今回は和洋折衷、和のテイストが多い作品になるので、それをどのように作っていくのかが課題だと思いますが、同時にとても楽しみに思っています。どのシーンも素晴らしいのですが、あえて見どころを上げるなら「ワルツ」の場面でしょうか。娘役だけで構成されているのですが、最近はそういったシーンが少ないんです。クラシックバレエの要素がたくさん含まれた、娘役ならではのシーンになっていますので、気合を入れて頑張りたいです。

千咲えみ

千咲えみ

千咲:洋物のショーの中に、ここまで和物の場面を新しく入れるのは初めての経験。でも私はもともと和物のショーが大好きですし、上島先生の和物の振付は、どういうものになるのか? というのも、今から楽しみです。日本の美しさ、雅な部分をお客様に見ていただけたらと意気込んでおります。私はレビューのオープニングが好きですね。お客様だけでなく、出演する自分自身も「今から始まるぞ!」とワクワクを感じるので。今回は中盤も「(和物から)洋物のレビューがはじまる!」と、皆様に感じていただけるのではないかと思います。

華月奏

華月奏

華月:先ほどの「この都で」と、(新しいパートから)「Go to the future」につながる一曲「未来へ」を歌わせていただくので、どちらの曲もその世界観を、大事に大事に運んでいけたらと思っています。この間「Go to the future」のお稽古をして「こんなに踊ってたんだー」と思ったので(笑)、また心新たに臨めたら。またストリートのシーンでは、上島先生が上演する土地にちなんだラップを考えてくださるんです。今回の京都ではどんな歌詞になるのか、ちょっと楽しみにしながら待っております。

翼和希

翼和希

翼:前回は「101年目の新たな扉を開き、そして未来へ」というテーマだったのですが、今回は『都から未来へ』ということで、さらに歴史の幅が広がった感じがします。歴史上の人物をレビューショーの中で演じるのは初めての経験なので、どうなるのか楽しみで仕方がないです。アルゼンチンタンゴを踊るシーンもあるのですが、一緒に組ませていただいている実花ももさんが、今回の南座公演でご卒業されるんです。その最後の相手役として踊らせていただけることを嬉しく思っていますし、より洗練されたものをお届けできるよう頑張りたいです。

また現在放送中の『ブギウギ』では、趣里が演じる主人公・福来スズ子が所属する「梅丸少女歌劇団(USK)」のショーのシーンに、OSKの団員たちが出演しているのに加えて、翼和希がスズ子の先輩・橘アオイ役で出演中だ。凛々しくも華麗なダンスと、スズ子たちへの鬼軍曹のような指導がすでに大評判となっているが、翼は「「実際の翼さんもこうなんですか?」とご質問をいただきます」と苦笑。周りからの「違うよ」「もっと優しいよね」との声に「ありがとうございます」と御礼を述べる一幕もあった。

翼:今放送されているのは100年前の時代ですが、OSKとして受け継がれているものは、今も劇団に息づいていると思います。OSKがもともと映画上映の幕間に(公演を)やっていたのからスタートして、みんながひたむきに稽古を重ねて、どんどん大きくなっていたというバックグラウンドを(ドラマで)知った上で観ていただけると、よりいっそうOSK自体を好きになっていただけるんじゃないかと感じています。

楊:ドラマを通じて、笠置さんはOSKにこういう思いで入られたということを追体験できるし、古き良き時代のOSKはこうだったんだ……ということも勉強になります。ドラマの中で「強く、たくましく、泥臭く、そして艶やかに」と(キャッチフレーズを)言っている通り、OSKもただキレイなだけじゃなくて、生命力の強さがあってたくましい。ドラマを通じて「OSKという劇団が大阪にある」ということを知っていただいて、ハマっていただいて(笑)、これからも公演を見に来ていただけるように、私たちのパワーをお届けしたいと思います。

OSKの魅力にハマった人の話を聞くと、やはり名物の一糸乱れぬラインダンスを始めとする、ダンスの美しさがきっかけになったというケースが多い。ダンスが中心となるレビューショーは、特に『ブギウギ』で興味を持った未見の人には、OSKデビューにもってこいの1本と言っていい。OSKにとっても、それは同じ思いだそう。

楊:レビューには、言語の壁がないと思うんです。私たちが(作品世界を)体現しようと、一生懸命お稽古をしたその先に、お客様と言葉の壁を超えた一体感が生まれるのが、レビューの醍醐味だと私は感じております。そして舞台は総合芸術なので、音楽、振付、照明、舞台機構のみんなの力が合わさって、さらにお客様に見ていただいて、ようやく作品が完成する。それをひっくるめての「レビュー」だと思うし、私にとって普段では体験することのできない、特別な生きる糧という感じです。OSKにとっても、レビューは力を存分に発揮できる場だと思いますので、今までのファンの方も、新しいファンの方も、心から楽しんでいただけるように、頑張っていきたいと思います。

OSK日本歌劇団

OSK日本歌劇団

この会見の直後、八坂神社でほかの団員たちも合流し、公演の成功祈願が行われた。全員が桜色の着物&グリーンの袴でそろえたOSKメンバーの一団は、すでに雅な和の空気感をまとっていて、秋の京都を訪れた観光客だけでなく、通りすがりの京都市民たちも「きれい!」と言いながら、スマフォを向ける人も少なくなかった。公演の宣伝のチラシを手にする人も多く、成功に向けて順調な一歩を踏み出した一日となったはずだ。

御祈祷の様子

御祈祷の様子

わずか70分という上演時間の中に、日本舞踊、クラシックバレエ、タンゴ、ストリートダンスなどのジャンルをこれでもかと詰め込み、そのどれもが極上のテクニックとチームワークによって、見ごたえのある世界となって現れる。しかも大阪の劇団らしく、随所で人間味とたくましさを感じさせるのが、どこにも真似ができないOSKの魅力だろう。『ブギウギ』のUSKのキャッチ「強く、たくましく、泥臭く、そして艶やかに」を体現した世界を、画面越しではなく、ぜひ生の生命力を全身で浴びながら観てみよう。

取材・文=吉永美和子 撮影=ハヤシマコ

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太宰治の『人間失格』を原案とする桜花浪漫堂 朗読劇『人間失格』で主人公・大庭葉蔵を演じる笹森裕貴。パブリックイメージとしては「意外なキャスティング」という印象だが、本人曰く「“まだ見せてきていない自分”がここには描かれている」。俳優として願ってきたより幅広い表現への挑戦が待つ作品を目の前に、意欲溢れるその胸中を語ってもらった。

──朗読劇『人間失格』。これまで笹森さんが出演されてきた作品とはまた一味違った“文芸路線”です。出演が決まった時のお気持ちから伺えますか?

僕でいいのかなとは思いましたね。自分で意外だなと思いましたし……こういう純文学の作品に自分が呼ばれると思っていなかったんで。でも声をかけていただいてすごく嬉しかったですし、「僕のことを知ってくれているんだ」という嬉しさがありました。いろんな作品に挑戦したい気持ちは常日頃ずっと抱いていましたし、やはり「いろんな人間の人生を歩ける」「いろんな人間に自分がなれる」のは役者という仕事の特権だなって思ってるので。その中でも大庭葉蔵のような結構不安定な……感情の浮き沈みが激しいような役はずっとやってみたかった。もう、やりがいしかないなという印象です。

──朗読劇というスタイルについては?

独特の空気感がありますよね。演出にもよりますけど、普通の演劇とは違って舞台上の役者同士顔があまり見れないというか、基本的には正面のお客様に語りかけるというのも勝手が違いますし。まずは自分の耳で相手のセリフを聞いて、そこからどんどん心を動かしていかないといけないので……すごくムズかしいです(笑)。普通のお芝居、演劇だったら熱量を大事にしますけど、違うアプローチが必要になるんじゃないかと思います。間とか呼吸とか、お互いにすごく繊細に、ちゃんとキャッチしなければ、と。

──今作では笹森さん以外の男性は女性役も演じる面白さも用意されています。

恋愛相手の女性を演じているのは男性。そこにどうのめり込んで恋ができるのか、今はまだ正直不安です。性愛の表現、男女の関係の見せ方もリアルなところはリアルですし……みなさんのお芝居のアプローチにも呼応しながら、チームワークで世界観を作っていければと思います。

──劇伴は和楽器。やはり原作本来のクラシカルな匂いを大事にしていくのでしょうね。

そうなんだと思います。でも僕、最初にそれを聞いた時に結構「不気味だな」と思って……その不気味な感じがこの作品に似合っていて、すごく魅力的だと思いました。とても文学的だし、いつも僕の舞台を観に来てくださるお客様も、新しい観劇体験になってくれるんじゃないでしょうか。

──「人間失格」は昭和23年に発表された小説です。

作中ではさまざまな描写にその時代の背景がすごく映し出されていますしそこが重要でもあるので、それを今の僕が……当時を知らない26歳の若者が演じるということで一見軽い印象で取られてしまうかもしれないとは思います。でもだからこそ自分の年代にしか出せない雰囲気をも生み出せるんじゃないかと思っています。そこはいい意味で“新しいもの”にもなるんだろうなっていう予感もあります。

──笹森さん演じる大庭葉蔵の「恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。」という原作のフレーズも非常に有名です。大庭は一言で表すのなら相当生きづらい心地の人物。今はどんなイメージで役に向き合っているのでしょう?

僕はこの現代社会で生きている人間全ての人に、きっと葉蔵っぽいところがあると思っていて。僕自身も役者という仕事を通して迷ったり、頭がいっぱいになることがすごく多くて。大庭は結構僕自身の性格とリンクしてるな、みたいなとこも多々あって。

──具体的に言うと?

僕がやってる役者という仕事では、どんな役を演じるにしても、正解がないんです。結局、自分のいいなと思ったものをお届けするしかないし、決まりはないんですよね。だから余計自分が「いいな」と思えるモノに向かって試行錯誤し、さらに頭がこんがらがってしまう。もちろん、それがこの仕事のいいところでもあり大変なところだと思うんですけど、数学みたいに正解がない中で惑う自分と、自分の人生で迷っている大庭の姿はやはりリンクしてるところが多いと思います。それによっていろいろ考えて、心があっちいったりこっちいったり……。根本では大庭の精神、僕もわかるなぁって感じました。集団の中にいるのが苦手っていうのもすごく理解できます。

──大庭は美男子だというのも大きな要素。それによって災難も、救われることも出てくる。

あれも才能ですよね。だから僕も生まれ持ったこの顔面を生かして……って(爆笑)。でも女性が「私が養ってあげますよ」っていうくらいの大庭って、見た目だけじゃなく何か特別な魅力があるんでしょうね。

──絵描きでもある大庭は芸術家気質ですよね。

この仕事をしていて常々思うんですけど、ものづくりをするクリエイティブな人って変わってる人が多いですよね……めっちゃ褒め言葉なんですけど。いい意味でちょっとネジが外れてるような人だからこそ、他の人とは違う発想で新しいものを生み出すことができるというか。となると、普通に考えたら人前でお芝居をするのだって結構奇を衒っているし、それを平気でやっているこの世界の人たちって、結構すごいですよ。

──自分はそうではない?

んー……それで悩んだこともありました。やっぱり自分は常識人というか、ずっとスポーツをやっていて、結構バカ真面目に生きてきたので。それで「あ、僕つまんないな」とか思ったこともあったけど、今は自然に受け入れられています。「変わっていればいいというわけでもないぞ」と。きっとこういう僕だから得している部分も絶対にあるだろうし……もちろん、損してる部分もあると思うんですけど。でもだからそこは最近気にならなくなりましたね。それは、最終的には自分の中の引き出しでしかお芝居はできないと思ってるから、かな。経験していないことなんてたくさんあるのは当たり前だし、でもそこでもいかに想像力を使えるか、いかに必要な準備ができるか。できる限り材料を集め、それを自分に投影し、自分の役を演じていく作業は結局全部、自分次第だなって思うので。

──では今回の「材料集め」は?

正直に言うと大庭葉蔵みたいな生活に1カ月間に挑戦してみたいです(笑)。笹森裕貴はそんな生活絶対にしないですけど、でも仕事だったらやりますよ、この仕事のためだったら──まあ、現実的には時間もないしやりませんけど(笑)、でも本気でその感覚を養うんだったらそういう行動も正解だと思ってるし、もし実行できたらたぶんこの物語がだいぶ違うものになるんだろうとも思うし。とはいえ僕ができることには限界があるので……限られた時間でできることをやるしかない。要は自分が得てきたエッセンス次第なので……とにかくちょっとずついろいろ摘んでいければいいですよね。「ここでは自分はどこに重きを置いて演じるべきなのか」っていう選択も、今後していかないといけないんだろうなって思いますね。

──デビューからここまで、スピード感を持って精力的に活動されている笹森さんですが、どうですか? 今のご自身の状況というのは。

いろいろやらせていただいてるなという感覚はすごくあるんですけど、結構鈍感で(笑)、これが普通なのか凄いのかっていうのはあまり意識してないかもしれませんね。本当に休みがないぐらいろんなことをやらせてもらってるんだけど、ただやっぱりそれをこなしてるだけでは正直意味ないなって、ずっと思ってます。

でもこの全部がしっかり自分の身になっていたなら、これまでの経験が役者としての自分の肥やしになっていたなら、それはもう表現者としてすごくありがたいことですし……今年は特に「ちゃんと自分に残っていたんだな」みたいなことを思える瞬間が多々あったんです! それは舞台でも、別のお仕事の時でも。なのでこの速度感というかスケジュール感は、自分には合っていたんだと思います。たまに「マジかよ!」と思う時ありますけど(笑)。でもそんなの絶対続かないと思っています。今のこのスピードに乗りながら、そうではなくなるその先の「いつか」のためにしっかり実力を付けておかないと……といつも思っています。今だってどんどん若い俳優さんが出てきてますしね。

──振り返るよりも常に先を見据え、準備もしっかりと。

そうですね。常にギリギリ攻めてる気ではいますけどそれは自分の中での感覚で、周りから見たら、「え、全然じゃん」ていう人もいるとは思います。最近、とある尊敬する先輩に「お前のいいところって、目が座っているとこだよ」って言われて、「それ、役でじゃないですか?」って答えたら、「いや。良くも悪くもだけど、何考えてるかわかんないよね」って。それがもうめっちゃ嬉しくて! なぜなら、自分自身がそういう、「この人何考えてんだろう?」ってつい気になっちゃうような人に憧れていて……そういう人って怖いけど、同時にすごく魅力的。お芝居をする中で常々自分に足りないなって思っていた部分だったので、考え方やここまでの経験によって自分にも何か蓄積されたものができたなら、めちゃめちゃ嬉しいぞと思って。

──笹森さんらしい歩み方で少しずつ肝が据わってきたのかもしれませんね。

だったらいいですね。本来の僕は超子供なんですよ。好きなガチャガチャとかあったらめっちゃやっちゃうし(笑)。だからというわけじゃないけれど、自分とかけ離れてたりする役こそより演じ甲斐がありますし(役に)入れるんですけど……そこでまた、時々自分がわかんなくなる時があるんですよ。ふとした時に「あれ? 僕、こんな時にこんなこと言ってたっけ?」みたいな。考え過ぎかもしれないけど、それが実際の自分の気持ちなんだろうかって疑ってしまうような……。

──人間は日々いろんな影響を受けるものだし、「自分」も絶対変化してますからね。だから多分どの笹森さんもきっと「その時の自分」なんだと思いますよ。

ああ、すごく素敵な言葉。「その時の自分」か。そうですね。バカで無邪気な自分と、変化していく自分と、両方あるのがいいんでしょうね。

──そうやってリアルに揺れ動き続けている心は、この朗読劇にも大いにプラスの作用になる気がします。最後に改めて本番を楽しみにしてくださっているみなさんにメッセージをお願いします。

えー、笹森です! 今回の桜花浪漫堂 朗読劇『人間失格』、僕はこの作品でみなさんが触れたことのない世界に連れていける自信があります。ちゃんと目で観て、ちゃんと耳で聴いて、そしてじっくり肌で感じられるような朗読劇になったらいいなと思うし、そういうふうに絶対したい! これはみなさんの今までの生活に刺激を……何か新しいものをプラスできる時間になるはずです。なので何も気負いすることなく、ひとまずは劇場へ観に来てほしいですね。

こういう役は今後そんなに何度もできるかわからないですし、せっかくの嬉しい出会い、ここまで刺激的で振り切った世界をもう泥臭さ満点でやってやろうと思ってるから──そういう“僕のやりたかったお芝居”、「これだぜ、これがやりたかったんだ」っていう姿を、しっかり観ていただきたいです。

取材・文=横澤由香 撮影=池上夢貢

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大人気ゲームアプリ『あんさんぶるスターズ!!』を原作とし、オリジナルストーリーで描かれる、今までにはない試みの舞台“劇団『ドラマティカ』”。出演するキャラクターたちが、原作にはない新しい物語で役を演じてきた。2021年10月の劇団『ドラマティカ』ACT1/西遊記悠久奇譚(以下『ACT1』)、2022年6月の劇団『ドラマティカ』ACT2/Phantom and Invisible Resonance(以下『ACT2』)を経て、2023年10月より劇団『ドラマティカ』ACT3/カラ降るワンダフル!(以下『ACT3』)の公演が控えている。

今回は『ACT3』に出演する白ウサギ/逆先夏目 役の木津つばさと、チェシャ猫/氷鷹北斗 役の山本一慶の、劇団『ドラマティカ』経験者ふたりにインタビュー。山本は皆勤の3作目、木津は『ACT1』ぶりの出演だ。

原作のストーリーを描く『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』シリーズ(『あんステ』)とは役作りも雰囲気もまるで違うと、過去のインタビューで語っていた。そんな彼らがどのように劇団『ドラマティカ』を作り上げていくのか。そして今回どのような舞台になるのかを中心に語ってもらった。

今回も文字数多めの“約1万字”ロングインタビュー。ふたりの空気感を嚙み締めつつ、ゆっくり時間がある時にお読みください。

これは「アリス」ではなく「カラ降るワンダフル!」

ーーまず、『不思議の国のアリス』という題材での公演決定についていかが思われましたか。

山本一慶(以下、山本):『不思議の国のアリス』はビジュアルがとても好きな作品のひとつです。持っている雰囲気やファンタジーさがすごく魅力的なので、それを題材としてやれることを嬉しく思います。この作品を好きな方が多い有名作でもあるので、だからこそちょっとハードルも高いなと思いますね。

木津つばさ(以下、木津):僕は『ACT1』に出演させていただいていたので、復帰作ですね。テーマが『不思議の国のアリス』、そしてファンタジーのお話ということで、劇団『ドラマティカ』というコンテンツとどう絡んでくるのかが楽しみだし、とてもおもしろそうだなと思いました。役者陣も個性あふれる人ばかりです。どこを見ていても楽しめる作品にできたらいいなと、公演を聞いたときは思いました。

(左から)山本一慶、木津つばさ

(左から)山本一慶、木津つばさ

ーーどんな役、どんな作品になるんでしょうか。

山本:僕はチェシャ猫 役です。ディズニーのチェシャ猫イメージがすごく強いですが、そのキャラクターのようにまったりとしつつも不気味な感じでやるのか、果たしてどうなのか。どういう風に物語をかき乱せるのか楽しみです。

木津:僕は白ウサギ 役です。出番そんなになくないですか?

山本:わかんないよ? なんせ劇団『ドラマティカ』だから。あくまでも『不思議の国のアリス』を題材とした『カラ降るワンダフル!』。どういう風にオリジナル要素が入っていくのかはまだわからないよね。

木津:確かに! 僕は『不思議の国のアリス』だと思っちゃったけど、『カラ降るワンダフル!』だもんね。原作での白ウサギは物語の導入に出てきてアリスを導く役だけど、劇団『ドラマティカ』ではどういう風に関わっていくのかっていうのはすごく楽しみ。チェシャ猫もそうですよね、神出鬼没で突然現れて。

山本:白ウサギも突然現れる系だよね。上手から下手へ走っていく様子がもう見えてくる。例えば客席後方から出てきて、「はぁ、忙しい、忙しい!」って通路を走り抜けながら前方の扉にハケていくみたいな。客席に登場して、舞台に上がらずに客席でハケるのは前代未聞(笑)。

木津:そんなことしたら、お客さんから「また木津が舞台をかき乱してる!」って言われそう!

山本:でもそのくらい自由な作品だったら、おもしろそうだなと思いますけどね。

木津:脚本・演出の伊勢直弘さんともたくさん相談しながら、かみ砕きながらプラスマイナスしていけたら楽しいですよね。

山本:うん、今回はそうやって作っていくんじゃないかな、っていう気配がもうすでにしてます。

木津:テンポ感が重要になりそう!

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ーー共演者についてお聞きします。今作、アプリ内の劇団『ドラマティカ』メンバーは4人(真白友也、乱 凪砂、氷鷹北斗、逆先夏目)、それ以外が4人(仙石 忍、三毛縞 斑、七種 茨、漣 ジュン)ですが、後者の役者の方々の印象などを伺いたいです。

木津:ほぼ『Eden』ですね。

山本:気づいちゃった? 『Eden』が3人(凪砂、茨、ジュン)いるんだよね。キャストもみんな本当に真面目なタイプで、お芝居構築型の人間が多いと思います。それでこの『カラ降るワンダフル!』っていうテンションの高そうなタイトルを担うのはちょっとおもしろい。

木津:今回は友也くんの『Ra*bits』のイメージから、『カラ降るワンダフル!』なのかな。

(左から)山本一慶、木津つばさ

(左から)山本一慶、木津つばさ

山本:それもあるかもしれないね。『Ra*bits』の持っている初々しさやかわいらしさから今回の題材が来ているのかも。でも我々はそこまでキャピキャピしているキャラクターではないから、ちょっと不安もあるよね……。

木津:「よし、キャピキャピしよう」っていう意気込みから始まる稽古場っておもしろくないですか(笑)。一番年齢が下だった僕が20代後半になったので、全体の年齢も底上げされちゃいました。

山本:年齢もお芝居も成長したね! (アリス/真白友也 役の宮崎)湧くんは?

木津:湧くんは28歳だったかな。(※取材当時)

山本:そう思うと、年齢も経験も豊富になってきた良いメンバーなんだな。キャラクターたちがキャピキャピする感じは『あんスタ!!』から離れてしまうかもしれない。例えばジュンには、友也と同じような種類の“可愛い”イメージがないよね。でも逆に彼らが「そういう芝居をしている」のを見ることができるのが舞台の劇団『ドラマティカ』の魅力でもある。だから役者はすごく迷うかもしれない。今回は劇団『ドラマティカ』の経験者がなんと3人(北斗、夏目、凪砂)。僕らは経験者側だから、どんどん固定概念をブチ壊していいんだよってことを伝えてあげたい。

木津:僕らがまず壊していかないと、劇団『ドラマティカ』未経験の5人はなかなか殻を破るのは難しいと思う。

山本:「そんなにやっていいの?」って疑問に思うくらいやってみて、そしてその中に「このキャラクターだったらどうする」を入れていけばいい。今回は特に相談されそうだよね。「これって絶対キャラクターはやらないと思うんですけど……」って不安が多そう。

木津:いや、大丈夫。やるんだよ!

山本:それが劇団『ドラマティカ』!

木津:劇団『ドラマティカ』の洗礼をしっかり受けてもらって。

ーー遠慮なく背中を押しますか。

木津:むしろ叩いて落とすかもしれない。「行けぇーっ!」って(笑)。

山本:こうして新しいメンツが来るのは楽しみですね。8人中、半分がサークル(劇団『ドラマティカ』)のメンバーではないですが、これは劇団『ドラマティカ』です(断言)。みんなでお客さんを楽しませるっていう思いで楽しんで作っていけたらと思います。

木津:そういえば大河くんは、実はあまりご一緒したことないんですよね。『あんステ』関連ではこの前の『あんステライブ』(2023年3月「『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Party Live-」)だけ。別の舞台で、僕が兄の兄弟役はやったことがありますが。

山本:あらまぁ! 大河の方がお兄さんっぽいのに。でも劇団『ドラマティカ』も役だから、同じように年齢や立場が全然違うかもしれない。

山本一慶

山本一慶

ーー忍くん(深澤大河)はネムリネズミ役ですね。

山本:一番台詞をちゃんと覚える人なのに、眠ってるから台詞少ないかもしれない!? 眠りながら「むにゃむにゃ」って言いそう。

木津:叩き起こしましょう(笑)。

山本:大河は役者としてすごくしっかりした方ですね。挑戦心を忘れないし、良い役者さんです。

木津:しっかり決めるところは決める人です。

ーー深澤さんは『あんステ』の期間はSNSで、たくさん『流星隊』のお写真を上げてくださっていたのも印象的でした。

山本:『流星隊』はダンスも揃ってるし、本当にカッコイイ。

木津:『あんステライブ』ではどのユニットよりも『流星隊』は稽古してたよね。

山本:まさに“アイドル”って感じで、とてもキラキラしてました。僕、『流星隊』のファンになっちゃったもん。

木津:「天下無敵☆メテオレンジャー!」良いよね!

山本:わかる! 会場一体となって盛り上がれるし、好きー!

ーーイモムシ役の横井翔二郎さんはいかがでしょう。

木津:イモムシ役、字面がちょっと……。

山本:何かオリジナルの二つ名みたいなの欲しいよね。例えば「○○の白ウサギ」みたいに。

木津:「木陰のイモムシ役」とか?

山本:よりイモムシ感増えちゃった! 「起きそうで起きないネムリネズミ」は?

木津:起きろよ!(笑)。えーっと、あとは……ウサギが2人いる。そういえば衣装もそっくりでした。

山本:もしかしたら兄弟説?

木津:そしてメガネをかけてるのが3人いるんですよ。僕も丸メガネです。

山本:へー! しかし、イモムシは名前だけ聞くと虫感がすごい。『不思議の国のアリス』の中のイモムシはパイプを吹かせてたりする感じが僕は好きだけどね。しかし僕は横井さんとまだ『あんステライブ』でしかお会いしてないな。

木津:よっこいさん、めっちゃ良い人ですよ!

木津つばさ

木津つばさ

ーーどんな点が「良い人」だと思われますか。

木津:お芝居もすごく良いのですが、ニュートラルな佇まいをされます。

山本:確かに『あんステライブ』で、斑が出てくるところもすごくナチュラルだった。役として無理していない感じ。

木津:それで、毎朝レコードを聞いてて、SNSにも「今日はこの曲」って載せてるんです。おもしろいでしょ。

山本: レコード!? おしゃれだなぁ……!

木津:一慶さんと年齢も近いくらいだと思います。おしゃれだし、お芝居も素敵だし、いじり甲斐もある! 会話しているときの目もとろんと柔らかくて良い。

山本:えー、知らなかった! ちょっと今回色々話してみよう。

ーー次は三月ウサギ/七種 茨 役の橋本真一さんですね。

山本:真一、僕は結構長い付き合い。同い年だし。

木津:そうなの!? 真一くん34歳!?

山本:そうだね。僕、最近自分が34歳ってことを自覚してなくて(笑)。ちょっと年齢に認識のズレがあって、普通にコメントでも間違えちゃう。真一はとても真面目で、良い人です。自己犠牲的で損する性格してるなと思う。詐欺のメールとかに返したりしちゃうようなタイプだなって。

木津:三月ウサギってどんなキャラクターだったっけ。(『不思議の国のアリス』のキャラクターを見ながら)特徴は「ボサボサ髪、ぎょろぎょろ目玉、出っ歯、マッドハッターと一緒にいる」かぁ。ということは凪砂(帽子屋)と一緒に出てくるのかな。

山本:ウサギと言えば、(木津が演じる)白ウサギの特徴はなんて書いてある?

木津:「何回も登場する、つかみどころがないキャラクター」です。

山本:「ああ~忙しい! チッ、チッ、チッ……YO! YO!」って、もしかしてまたラップかな。白ウサギが持っている時計が良い感じにビートを刻んでくれそう。

木津:あ~、なるほど! 時計を身に着けてますし、ちょっとあり得る。ビジュアル撮影時でも、傘を持って『メリー・ポピンズ』の飛んでるような不思議かわいい撮影をしました。

山本:三月ウサギの「ボサボサ髪、ぎょろぎょろ目玉、出っ歯」、これをどう真一が演じるか。今のところ真一や茨とは全部逆!

木津:僕は真一くんと共演するのは初めてですね。楽しみです!

山本:あとはハートのジャック役のきっしー(岸本勇太)か。

木津:おそらく勇太くんの初舞台で一緒でした。

(左から)山本一慶、木津つばさ

(左から)山本一慶、木津つばさ

山本:芸歴としてはそんなに長くない?

木津:元々はボーイズグループに居て、その時に僕は共演してるんです。その後別の舞台で一緒になって。この前の『あんステライブ』で、ダンスがめちゃめちゃ上手くなっていて驚きました。

山本:きっしーも僕らの中で「ダンスうまお(上手男)」の称号をゲットしてるんだ。『Trickstar』は数々の「ダンスうまお」を見出してきています。

木津:『あんステライブ』の稽古中、一慶くんたちが袖の方で座って見ているんですが、僕が出た瞬間に「ウォァァー! ダンスうまおだ~!」って煽ってきてめっちゃ踊りづらかったこともありました(笑)。

ーー歴代の「ダンスうまお」は誰がいるんですか?

山本:きっしー、つばさ、岳。岳の首は俺より関節の数が相当多いと思う。

木津:岳くんは『ACT1』の兵庫公演の時、楽屋にあった大きな鏡の手すりに足を上げて、バレリーナみたいにストレッチしてました。あれには驚いたな。

山本:それで言えば、「ダンスうまお」が今回3人も揃っちゃった!

木津:大河もダンスうまいし、よっこいさんも踊れる人。

山本:えっ、ダンス苦手なの、僕だけ!?

木津:あと湧がいます。

山本:ほんとだ。仲良くしようっと。

木津:湧くんは今まで『Ra*bits』のかわいい感じが多かったじゃないですか。今回は『アリス』で同じようなかわいい系になるのかなと思うんだけど、カッコイイ曲でのダンスも見たいですね。

山本:これだけ踊れる人がいるから、曲もダンスの内容もすごく楽しみ。

木津:話が逸れたけど、岸本勇太の印象は?

山本:彼も結構真面目なタイプ。ひとりで籠ってお芝居を考えているようなところを見ます。

木津:運動、筋トレをしてるかお芝居を考えているか。もしくはフットサルに行っていることでしょう。

山本:でも今回はひとりにさせないよ! 巻き込んでいくからね!

歴代公演について、にぎやかすぎる楽屋エピソード

ーー過去公演についてお聞きします。まずは『ACT2』から。

山本:『ACT2』は完全なオリジナル作品だったので、役者たちで解釈し、どう表現し、どうアレンジしていくかを考えながら作った作品でした。歌もいくつか大きいナンバーを抱えていましたが、どんな時でも『あんスタ!!』でいなきゃいけない。作品としてはすごくハードルが高く、役者にのしかかっている比重も大きかったと思います。そういった意味でも「戦いのACT2」だった。
ストーリーは主演ふたり(朝比奈ルシカ/鳴上 嵐 役:北村 諒、雫 斗真/月永レオ 役:橋本祥平)がバディになるまでの、いわば「エピソード・ゼロ」みたいなところもあり、僕らもまず頭を抱えたところからのスタート。構図がはっきりしていたので、どうやってお客さんに飽きずに見ていただくか……。役者同士での話し合いもすごく多かったなっていうのを覚えています。
今回の『ACT3』はどうなることか。また新たな戦いになるのか、『ACT2』を経ての経験が『カラ降るワンダフル!』にどう役立っていくのか、難しいところです。前回僕は好き放題やらせていただきましたし、『ACT3』ではスパイスとしても良い絡みになればいいなと。

山本一慶

山本一慶

木津:『ACT2』は同じ事務所の(京極哲太/日々樹 渉 役)安井一真が出ていたので、話を聞く機会や台本を読ませていただく機会もありました。そういえばラップを継承していただいたのが嬉しかったですね。しかも(和蒜 デニス 健治/斎宮 宗 役の山崎)大輝くんだったというのもよかった。この前、大輝くんの配信番組に出た時に、「『ACT2』で木津さんいなかったから、僕がラップやったんよぉ」って言われました。

山本:大輝の真似、ちょっと似てる(笑)。

木津:『ACT3』では誰がラップをやるのかな!?

ーー『ACT1』については。

山本:それこそラップはすごく印象にありますね。『ACT1』は序盤の三蔵と悟空だけの頃って戦いも多かったし、すごく比重が重かった。徐々に旅の一行が集まって仲間が増えていくと安心感も出てくるんですが、そこにラップで夏目が入ってきてくれると本当に楽になっていきましたね。すごく明るい感じに変わってくれる。頼もしかったです。

木津:僕は今日もラップ、明日もラップ……って思ってました(笑)。今日も河童、明日も河童。そのあとは金角・銀角で早替えで戦い。僕、伊勢さんの演出では早替えがいつもあります。もう伝統になっちゃってますね。

山本:河童全員に名前つけてたんでしょ?

木津:簡単な名前でしたけどね。太郎とか、小林とか。一体感あったと思う。チーム・河童。最後の公演で、出る前に河童たち全員で円陣したんですよ。

山本:(笑)。そんなことしてたの!? ワンチームじゃん!

木津:「河童座長」って言われてましたよ。

山本:「河童たちとの思い出も忘れたくない!」って台詞でもあったよな。あのすごいことが起きてる場面で……。冷静に考えるとおもしろいんだけどね。『ACT1』の時の神戸の楽屋は2:3に分かれてたよね。僕と一真、そしてつばさ・大輝・岳で別れた楽屋だったんですが、そりゃもううるさいんです。ずーっと歌ってる。

木津:僕じゃないですよ。僕、歌わないですもん。

山本:でもケラケラ笑い声聞こえてたよ。僕と一真は台詞量も多くて、喉も疲れててハァハァして戻ってくるんですが、隣の楽屋はもう高校生みたいな騒ぎ方してて。アイツら元気だなぁって言ってました。

木津:だってふたりともおもしろいんですもん~!

山本:公演後に岳が歌の練習してるのもおもしろかったよね。公演後はみんな帰ろうって空気になるんですが、岳だけ居残って歌練習してるんですよ!

木津:確かに思いっきり練習してた! いや~懐かしい!

木津つばさ

木津つばさ

ーーでは最後に『あんステライブ』ですね。

山本:改めてみんなで集まれたのはよかったよね。

木津:ぴあアリーナMMだったので、毎公演約一万人のお客さんが来てくれたんですよ。すごい!

山本:改めて『あんスタ!!』の人気を肌で感じましたし、愛されている作品だなとも思いました。劇団『ドラマティカ』の期待も裏切れないなと気が引き締まった感じですね。

ーー『あんステライブ』はゴンドラに乗っていたのも印象的でした。

木津:そう、夏目はゴンドラ一人旅! もうめっちゃ緊張しましたよ。お客さんとの距離は近いし、イヤモニしていても声援が聞こえてくる。実は決まった振付けが全然なくて。初めてあんなに大きな会場で、ゴンドラで客席登場、フリー振付……。夏目は宗みたいに特徴的な手や身体の動きもないしって悩んで、ずっと客席を見ながら手を振ってました。あとカメラアピールを積極的にやっていましたね。

山本:『Trickstar』は振りがついてたんですが、いつの間にかフリーになってました。

木津:振りじゃなくてフリー(笑)。

山本:一応かっちりついてるところもあったんですが、ほぼフリー(笑)。みんな楽しんじゃってた! まぁでもそこが『Trickstar』の良さですね。

木津:僕は『五奇人』で一曲やれたのが嬉しかった。あんなに大きな会場で、自分がセンターに立つ瞬間があるってすごいですよね。

山本:『あんステライブ』公演の後、偶然街中で『あんスタ!!』の映像、しかも『五奇人』の歌が流れてて思わず歌っちゃいました。『Knights』の歌とか、懐かしい歌も聞けたしね。1回目のライブ(2018年9月『あんステフェスティバル』)を思い出したりもしたなぁ。

木津:僕は全部が新鮮でした。意外と新参者なんですよ。

山本:意外と回数出てないんだよね。つばさは『あんステ』のイメージが結構強いけど。

木津:実は『あんステ』2回と劇団『ドラマティカ』1回です。なんなら僕んち(『Switch』)のもじゃもじゃの人の方が『あんステ』の出演は多いんですよね。

※青葉つむぎ 役 工藤大夢さんのこと。『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Night of Blossoming Stars~、『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Track to Miracle-、『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Witness of Miracle-の3作に出演。

ーーまた『Switch』として共演されるときを心待ちにしています。劇団『ドラマティカ』はオリジナルストーリーで紡がれますが、伊勢さんの脚本・演出に関してお聞きしたいです。

木津:伊勢さんは脚本にも演出にもユニークさを求める人ですね。僕たちがこういうことしたいと言ったことに対して、基本的にはダメとは言わず、「じゃあやってみようよ」とチャレンジしてくれる。受け入れてもくれるし、違うときは違うと言ってくれる。役者に寄り添ってくれる演出家さんだと思っています。

(左から)山本一慶、木津つばさ

(左から)山本一慶、木津つばさ

山本:動きや演出面でこう! と制限があるタイプではないですね。お芝居についてやキャラクターの気持ちを考慮しての方向性をしっかり持っている方なので、僕は好きだしやりやすいなと思います。伊勢さんは役者寄りの考え方なのかなと思います。

木津:もともとプレイヤー(役者)ですからね。

山本:そこが舞台の自由度につながっていたりもしているので、寄り添いながらみんなで一緒に作品を作っていってくれる方だなと思っています。

ーー『ACT1』や『ACT2』にもあった、あっと驚く仕掛けや考察がはかどるストーリー・演出・キャラ設定などはとてもおもしろかったですし、もっとこの先が見たいと思わせられました。今回も、もう何か仕掛けが施されているのかなと推測していますが……。

山本:『ACT2』のタイトル『Phantom and Invisible Resonance』が最後にぎゅっと縮まって、頭文字を読んで「Pair」になる仕掛けは僕らも気付いてなかった。だからあんなに難しいタイトルだったのかって思ったのは確か。『カラ降るワンダフル!』はもう『カラ降るワンダフル!』で。でも今回も何かあるのかな。まだ僕らが知らないだけで……?

不思議な臨死体験と量子力学

ーー題材である『不思議の国のアリス』のように、おふたりが経験された「不思議な出来事」は?

木津:ひとつ本当に不思議な体験をしたことがあって。中学生の頃、下校途中に親友の家に寄ろうとして急斜面の坂を下りているときに、転倒してしまって。その時、急に周りの景色がスローに見えたんです。はっと気付いたら真っ白な世界に居て「ああ、死んだんだ」って思いました。遠くの方にふわっと光るものがあって、身体が勝手に向かって行っているのに気づきました。そっちに歩いている最中に、すごく後ろを振りむきたくなる気持ちになるんです。でも後ろから謎の力で押されていて「大丈夫だよ、大丈夫だよ」って声が聞こえる。いつの間にか花が周りに舞っていて、次第に量が多くなってきたから掻き分けて進んでいったんですよ。いつの間にか花を手で取っちゃってたみたいで、そしてバンっと再び倒れて……気付いたら元の坂道の地面に倒れていたんです。もちろん怪我はしていましたが、すごい急斜面から転がり落ちたのに少しの擦り傷しかなかったんです。それで、パッと手元を見たら一輪の花が。……一慶さん、信じてない顔だ。

山本:うーん、続けて?

木津:この不思議体験を誰かに話したくて。目的だった親友宅に上がり込んで話をしたら、まぁ何言ってるのって反応になりますよね。手に持っていた花を家に持ち帰るのも気持ち悪かったので、ソイツの家に花を置いていったんです。さっきの体験を親に話しても同じ反応で、ああ誰も信じてくれないなって思って、翌日。登校中に親友に会った瞬間「なあ、つばさ! 花が消えた!」って。

山本:え、消えた瞬間を見たってこと!?

木津:うん、目の前でスゥーって消えてなくなったそうです。スマホがない時代だったからリアルタイムでやり取りできなくて、朝会った時に驚きの報告をしてくれました。

山本:えー……人生で僕が聞いた中で一番不思議で怖い体験だな。不思議すぎてちょっと引いた。

木津:だから僕はその不思議な力に生かしてもらったんだなって思いました。あの白い世界で後ろを振り向いていたら、死んでたのかもしれない。

山本:それ、量子力学かもしれない。

(左から)山本一慶、木津つばさ

(左から)山本一慶、木津つばさ

木津:そう、そんな不思議な体験をしたから量子力学を調べるようになって。

山本:歴史に名を遺す偉人たちの多くは小さいころに臨死体験をしていることが多いんだって。もしかしたらアカシック・レコード的なところで情報を得ているから、今までの人類になかった突然のひらめきがあるのかもしれない。だからつばさも、もしかしたら!

木津:実はそこからの出会いもすごいことが起きてまして。憧れの人のラジオで自分が書いた手紙が読まれたとき、「役者やったらいいじゃん!」と天啓的なアドバイスをもらって。さらに、さっきの親友にアイドルのオーディション用紙を渡したんです。受けないって決めたものだったから。でもいつの間にか応募してくれてて……見事合格。それで今の僕がいます。

山本:うわーーーー! 良い話(拍手)! その親友は言葉では説明できない何かを持ってる人なんだね。

木津:本当にすごいヤツなのかもしれません。

山本:こんな話されたら、僕の不思議体験いらないな!

ーーでは“最近の『あんスタ!!』体験について”というトークテーマを山本さんにお話しいただけたらと。

山本:最近のエピソード! 『あんスタ!!』は広告もプレイしている方も、グッズを持っている方もよく目に留まりますし、こうして街にあふれて多くの人に愛されているものをやらせてもらえることは光栄だなと思っています。でもひとつ言いたいのは、なぜか僕の『あんスタ!!』のアプリだけ、オープニングでフリーズしてプレイできないんですよ。

木津:……やめます? この話。

一同:(笑)。

山本:生放送とかでやってみようってなった時も、タイトル画面から先に行ってくれない。

木津:一慶さんはもう中の人みたいなものだし、中の人が出てきちゃってるから、夢ノ咲の世界はここ(現実)なんだよ、あなたの生きてる世界は『あんスタ!!』だよっていう深~~~い話かもしれない。

山本:これが不思議な『あんスタ!!』の話、ということで!

ーー最後に、公演を楽しみにしてくださっている方へメッセージをお願いします。

木津:『ACT3』の稽古がこれから始まります。ファンの方々や、観に来てくださる方、そして日頃より応援してくださっている皆様に、何を伝えられるのか。僕たちが大切にしていることや、たくさんの笑顔を届けられるように頑張らせていただきたいなと思います。今思うのはそれだけ! 劇場にぜひ足をお運びいただけたら幸いです。

山本:『ACT3』公演ができることをとても嬉しく思います。2.5次元舞台の界隈では「原作に忠実に、原作の枠を超えずに」ということをベースにしつつ、そこにどう舞台の魅力を乗せられるかを心がけていると思います。しかし劇団『ドラマティカ』はその枠組みをあえて自分たちから壊していける、新しい挑戦の場でもあります。そういう試みってすごく素敵ですし、もしかしたら“舞台”の魅力を今まで以上に伝えることができるのではないかと大きな可能性も感じています。そんな役者たちの想いが込められた、劇団『ドラマティカ』 ACT3/カラ降るワンダフル!を全力で頑張りますので、ぜひ足を運んで頂けたらうれしいです。

(左から)山本一慶、木津つばさ

(左から)山本一慶、木津つばさ

ーーありがとうございました。

劇団『ドラマティカ』ACT3/カラ降るワンダフル!は2023年10月より東京・大阪・福岡の3都市で上演予定。

取材・文=松本裕美     撮影=山崎ユミ

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2023年10月2日(月)歌舞伎座にて、歌舞伎座新開場十周年『錦秋十月大歌舞伎』が開幕した。昼夜二部制で25日までの公演。

昼の部の演目は、尾上松緑が異国帰りの徳兵衛を勤める『天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)』、中村獅童と寺島しのぶが夫婦役で共演、山田洋次が脚本・演出した『文七元結物語(ぶんしちもっといものがたり)』の2作。夜の部の演目は、中村獅童と坂東巳之助による人気の古典『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)角力場』、中村雀右衛門と中村錦之助が花形俳優と踊る『菊(きく)』、そして坂東彌十郎が水戸光圀を、中村福之助・歌之助兄弟が助さんと格さん、坂東新悟がキーパーソンを勤める『水戸黄門(みとこうもん)讃岐漫遊篇』の3作。

昼の部 午前11時~

一、天竺徳兵衛韓噺

足利将軍家の大切な刀「浪切丸」の行方を巡る御家騒動が、物語の軸となる。将軍家の重臣・梅津掃部(うめづかもん。坂東亀蔵)には銀杏の前(坂東新悟)という妹がいる。銀杏の前は、佐々木桂之介(坂東巳之助)を慕っている。しかし銀杏の前に横恋慕する山名時五郎(中村松江)の悪だくみで、桂之介は大切に保管していた浪切丸を盗まれてしまう。実行犯はへび使い段八。段八はすぐさま、桂之介の家来・奴磯平(中村吉之丞)に捕らえられるが……。

昼の部『天竺徳兵衛韓噺』(左より)天竺徳兵衛=尾上松緑、宗観妻夕浪=市川高麗蔵、佐々木桂之介=坂東巳之助 /(C)松竹

昼の部『天竺徳兵衛韓噺』(左より)天竺徳兵衛=尾上松緑、宗観妻夕浪=市川高麗蔵、佐々木桂之介=坂東巳之助 /(C)松竹

古典歌舞伎らしい見せ方に加えて、へび使いの登場や、まさかの連続の展開など、鶴屋南北の世界をじっくり作る。坂東亀蔵の掃部は端正な顔だち、その声や語り口から、聡明な人柄に違いない。巳之助の桂之介は凛々しく、じっとしている時の佇まいは文楽人形のように美しかった。松江の時五郎が、太く憎らしいキャラクターで物語を面白くする。新悟の銀杏の前のノーブルな美しさと嫋やかな声は、この幕に欠かせない華。腰元の袖垣(坂東玉朗)が頼もしかった。

幕間をはさんで大詰へ。吉岡宗観の館に、桂之介が身を寄せている。刀の一件を解決できないまま期日となり、御家とりつぶし確定か……。そこへ客人としてやってきたのが天竺徳兵衛(尾上松緑)だ。異国帰りの独特の装いに裃をつけて花道から登場。明るく豪快な徳兵衛に、場内は拍手に満たされた。徳兵衛は、江戸時代のはじめ頃に天竺(インド)やシャム(タイ)へ渡った実在の人物がモデルとなっている。作中では南北の脚色により、蝦蟇の妖術を使い天下を狙うダークファンタジーのヒーローとなる。松緑が異国の様子を物語るところでは、テンポ良くユーモアを差し込み、客席は笑いが絶えなかった。

昼の部『天竺徳兵衛韓噺』(左より)山名時五郎=中村松江、天竺徳兵衛=尾上松緑、梅津掃部=坂東亀蔵 /(C)松竹

昼の部『天竺徳兵衛韓噺』(左より)山名時五郎=中村松江、天竺徳兵衛=尾上松緑、梅津掃部=坂東亀蔵 /(C)松竹

宗観(中村又五郎)と妻の夕浪(市川高麗蔵)の歌舞伎の純度が高い芝居が、ドラマを繋ぐ。ふたりは歌舞伎ならではの手段で徳兵衛にエールを送った。蝦蟇の立廻りは不思議な夢でもみるようだった。徳兵衛の幕外の六方では、拍手がおこり笑いもあり、「音羽屋!」「紀尾井町!」の大向うがかかる。緊張感と高揚感の中、松緑の一挙手一投足に怪しさと鮮やかさがあり、幕外だけで一曲の踊りをみたような満足度。大蝦蟇の迫力はぜひ客席で体感してほしい。

二、文七元結物語

暗転した場内、花道にライトがあたると「加賀屋!」の声がかかった。中村玉太郎がつとめる長兵衛娘・お久だ。一年も終わろうという冬のある日、お久は吉原遊郭の角海老女将・お駒(片岡孝太郎)をたずねてきた。聞けば、父親で左官の長兵衛(中村獅童)が博打で借金を抱え、このままでは年を越せない。だから自分を買ってほしい、と願い出るのだった……。

昼の部『文七元結物語』(左より)長兵衛娘お久=中村玉太郎、角海老女将お駒=片岡孝太郎 /(C)松竹

昼の部『文七元結物語』(左より)長兵衛娘お久=中村玉太郎、角海老女将お駒=片岡孝太郎 /(C)松竹

お駒は他愛ないやりとりで、花魁だけでなく観客も味方につけて楽しませる。店の若い者・藤助(澤村國矢)の手綱もしっかり握って切り盛りする姿に、ただのいい人ではない頼もしさがあった。舞台美術は金井勇一郎。大小の長い板を無数に組み合わせた抽象的なもので、書き割りはない。骨組みの先に広がる空間は江戸の空を思わせた。角海老の見世先から内証への場面転換では、客席にどよめきが起きた。

その頃、長兵衛の家ではお兼(寺島しのぶ)が、ご近所の方々とお久の行方を探していた。長兵衛は、威勢が良いばかりのロクデナシでお兼に暴力をふるうこともあるという。獅童は美化せず振り切って演じるが、それでも滲む獅童だからこその人間味が劇中の救いでもあり見どころにもなっていた。お兼は、お久にも長兵衛にも愛情深く、だからこそ声を荒げるし嘆きもする。寺島にとって念願の歌舞伎座での歌舞伎出演。「馬鹿だねえ」と呆れる一言は、まさに音羽屋の世話物で聞くそれだった。お久とお兼に血のつながりはない。それでもお久はお兼を思い、お駒がその思いを汲み、お兼もまたお久を思っていた。廓の花魁や長屋の女たちも他人同士でありながら、野次馬とは違う目で事の次第に心を寄せる。絆と呼ぶには大げさだけれど、彼女たちの中に何か繋がりを感じた。

昼の部『文七元結物語』(左より)近江屋手代文七=坂東新悟、近江屋卯兵衛=坂東彌十郎、家主甚八=片岡亀蔵、長兵衛女房お兼=寺島しのぶ、左官長兵衛=中村獅童 /(C)松竹

昼の部『文七元結物語』(左より)近江屋手代文七=坂東新悟、近江屋卯兵衛=坂東彌十郎、家主甚八=片岡亀蔵、長兵衛女房お兼=寺島しのぶ、左官長兵衛=中村獅童 /(C)松竹

大川端で長兵衛が出会うのは、近江屋手代の文七(坂東新悟)。囲碁に夢中になり大金を置き忘れ、早合点して命を捨てかける。文七もそれなりに危なっかしい人物だ、と初めて気づかされた。長兵衛の勢いに行儀の良い嘆きで対抗してみせた。近江屋卯兵衛に坂東彌十郎。

従来の『文七元結』ではお駒の回想だけで語られる場面が、舞台で印象的な場面となり時系列通りに進む。お久の健気さやお駒の情の深さが目の前で芝居として示された。山田洋次が脚本・演出を手がけ、尾上菊五郎を父に持つ寺島しのぶが中村獅童と共演。話題豊富で様々に注目される作品だが、心に残ったのは、市井の人たちが繋がり、支え合って暮らす一生懸命な姿だった。

夜の部 午後4時30分~

一、双蝶々曲輪日記 角力場

中村獅童が、スター力士の濡髪長五郎(ぬれがみちょうごろう)を勤める『双蝶々曲輪日記 角力場』。坂東巳之助は、素人相撲で名をあげた放駒長吉(はなれごまちょうきち)と濡髪の贔屓の山崎屋与五郎の2役を勤める。長五郎と長吉の「ちょう」にちなみ、タイトルに『双蝶々(ふたつちょうちょう)』と入る。

夜の部『双蝶々曲輪日記 角力場』(左より)藤屋吾妻=中村種之助、山崎屋与五郎=坂東巳之助 /(C)松竹

夜の部『双蝶々曲輪日記 角力場』(左より)藤屋吾妻=中村種之助、山崎屋与五郎=坂東巳之助 /(C)松竹

角力小屋には、濡髪と放駒の取組に多くの客が集まっている。注目の一番で勝ったのは、なんと放駒。放駒を応援していた人々は大喜びだが、濡髪の贔屓たちは首をかしげ、納得がいかない様子で去っていく。実はこの取組には、遊女吾妻の身請けをめぐる八百長の取引があった。

劇中では、濡髪と放駒が角力でぶつかり合う姿を見られるわけではない。「八百長でした」以上の真実を語るドラマもない。しかし獅童の濡髪は、台詞のとおり「錦絵から抜け出たよう」な美しさ。間違いなく見どころのひとつだ。微動だにせず大きさ、格の違いをみせた。巳之助の放駒の若々しさと混じりっけなしの喜びは、見る者を明るい気持ちにする。やはり錦絵から抜け出たようだった。巳之助が勤めるもう一役、与五郎も見逃せない。吾妻(中村種之助)といちゃいちゃ名前を呼び合う時は、明るい色気に笑いが起きた。茶亭松本金平(松本錦吾)との熱いファントークでは、与五郎のモノのあげ方も、金平のもらい方もきれいだった。心地のよい掛け合いだった。

夜の部『双蝶々曲輪日記 角力場』(左より)放駒長吉=坂東巳之助、濡髪長五郎=中村獅童 /(C)松竹

夜の部『双蝶々曲輪日記 角力場』(左より)放駒長吉=坂東巳之助、濡髪長五郎=中村獅童 /(C)松竹

濡髪から八百長だったと聞かされると、おニューの着物で憤る放駒、別格の威厳を見せどっしり受けとめる濡髪。緊迫感がピークに達し、熱い拍手とともに幕となった。

二、菊

夜の部『菊』(左より)菊の精=中村雀右衛門、菊の精=中村錦之助 /(C)松竹

夜の部『菊』(左より)菊の精=中村雀右衛門、菊の精=中村錦之助 /(C)松竹

1931(昭和6)年初演の舞踊『菊』。菊の精たちは、移り変わる踊りにより、幼い女の子から少女、乙女、大人の女性を描いていく。中村虎之介、中村玉太郎が可憐に、市川男寅と中村歌之助がきりっと舞う。瑞々しさと爽やかさに目移りが止まらないまま、入れ替わりに雀右衛門の菊の精がスッポンに、錦之助の菊の精が舞台正面にあらわれる。華やかでしっとりとした風情に包まれる。ふたたび4人が加わり、長唄囃子もより鮮やかに。秋ならではの祝祭感に包まれた。

夜の部『菊』(左より)菊の精=市川男寅、菊の精=中村玉太郎、菊の精=中村錦之助、菊の精=中村雀右衛門、菊の精=中村歌之助、菊の精=中村虎之介 /(C)松竹

夜の部『菊』(左より)菊の精=市川男寅、菊の精=中村玉太郎、菊の精=中村錦之助、菊の精=中村雀右衛門、菊の精=中村歌之助、菊の精=中村虎之介 /(C)松竹

三、水戸黄門(みとこうもん)讃岐漫遊篇

夜の部の結びは、坂東彌十郎が“黄門さま”こと水戸光圀をつとめる『水戸黄門 讃岐漫遊篇』。テレビ版でもお馴染み、旅のお供の助さんに中村福之助、格さんに中村歌之助。

四国の金毘羅大権現の門前で、今話題の坂東彌十郎一座が芝居をうっている。旅姿の手代を装った格さんは、茶屋で偶然、娘・お蝶(中村虎之介)の身におこった不幸を知る。そこへ助さんがやってきて状況は一変。歌舞伎らしい展開が楽しい。

夜の部『水戸黄門』(左より)渥美格之進=中村歌之助、佐々木助三郎=中村福之助、うどん屋女将お源=中村魁春、水戸光圀=坂東彌十郎、うどん屋娘おそで=坂東新悟 /(C)松竹

夜の部『水戸黄門』(左より)渥美格之進=中村歌之助、佐々木助三郎=中村福之助、うどん屋女将お源=中村魁春、水戸光圀=坂東彌十郎、うどん屋娘おそで=坂東新悟 /(C)松竹

助さんと格さんは、御隠居の水戸光圀とはぐれてしまったことに気がつき慌てるが、そこにまず名刀を探して刀検めをする役人が、次に廻船問屋の港屋辰五郎(片岡亀蔵)が現れ、助さんの腰の脇差に目をとめる。そうこうするうちに、ふたりはお財布をすられて一文無しに。港屋の娘・お光(市川男寅)に助けられ、高松城の城下町にあるうどん屋へ行きつき、幸運にも光圀と再会。一行の正体を知らない、うどん屋の女将お源(中村魁春)の話を聞くうちに、光圀の子で、今は高松藩主の松平頼常の悪評を耳にする。頼常は、側近の山崎又一郎に政治のことは丸投げのよう。

坂東新悟が演じるおそでは、かつてあった讃岐屋という廻船問屋の娘だった。今は「鬼のおそで」の異名をもつほどお金に執着がある金貸しをしている。新悟の丁寧でまっすぐな芝居が胸を打つ。また、中村歌昇が演じる頼常が思いを語る場面は、ピュアさが光っていた。序幕の虎之介が明るく華やかに聞かせるあの名作のような七五調の台詞、紅葉が舞い散る中で福之助と歌之助がみせる鮮やかでスピード感ある立廻りなど、若手の見せ場も充実。中村亀鶴が山崎を濃厚に演じ、亀蔵の辰五郎が悪そうなのに親しみのわくキャラクターで、話の筋を明解にする。

夜の部『水戸黄門』(左より)水戸光圀=坂東彌十郎、佐々木助三郎=中村福之助、渥美格之進=中村歌之助 /(C)松竹

夜の部『水戸黄門』(左より)水戸光圀=坂東彌十郎、佐々木助三郎=中村福之助、渥美格之進=中村歌之助 /(C)松竹

個性豊かな人々のそれぞれの思いや事情を、最後は彌十郎の光圀が、ハッハッハ! とまとめあげる。無責任に高笑いをされたら、聞いていてイラッとすることもあるかもしれない。しかし彌十郎の光圀のハッハッハ! には来し方を想像させる大きさ、柔らかさ、色気があった。誰かの問題がひとつ解決するたびに優しい気持ちになり、体の芯から温かさが広がる(そしてうどんを食べたくなる)。歌舞伎座に熱い拍手が響き、芝居は結ばれた。 

秋の深まる10月の歌舞伎座『錦秋十月大歌舞伎』は25日までの上演。

取材・文=塚田史香

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11月3日(金祝)に、愛媛・西条運動公園レクリエーション広場にて開催される野外音楽イベント『STONE HAMMER 2023』の第4弾出演者として、打首獄門同好会、BULLDOG FANGS(オープニングアクト)の出演が発表された。

『STONE HAMMER』は、2014年より愛媛県西条市で行なっている野外音楽イベント。2018年、2020年の開催中止を乗り越えて、2021年は安全を考慮した上で県内を音楽で繋ぐと言う意味を込めまして県内3ヶ所で開催、2022年は屋内開催された。そして10周年を迎える今年2023年は、本来の野外フェスとして復活を果たす。

は、イープラスにて一般発売中。

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10月29日より東京ビッグサイト『JAPAN MOBILITY SHOW 2023』の南展示棟で開催される『H2 Energy Festival』の最終出演者が発表された。

■10月29日(日) 12:00~:音楽LIVE最終出演者発表

iri

iri

MIYAVI

MIYAVI

氣志團

氣志團

■11月2日(木) 12:00~:音楽LIVE最終出演者発表

VLOT

VLOT

■11月3日(金) 12:00~:音楽LIVE最終出演者発表

GLIM SPANKY

GLIM SPANKY

yonige

yonige

■11月4日(水) 12:00~:音楽LIVE最終出演者発表

Omoinotake

Omoinotake

■11月5日(水) 12:00~:音楽LIVE最終出演者発表

WATWING

WATWING

藤巻亮太

藤巻亮太

同フェスは水素エネルギーを使った特設エンターテイメントステージとなり、今回追加されたのは10月29日のiri、MIYAVI、氣志團、11月2日のVLOT、11月3日のGLIM SPANKYとyonige、11月4日のOmoinotake、11月5日のWATWINGと藤巻亮太になる。

『H2 Energy Festival』では、アーティストのライブのほかお笑いライブやTOKYO FMの公開生放送なども予定。各日程のチケットは現在発売中となっている。

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2024年1月2日(火)~1月26日(金)三越劇場にて上演される、『東京物語』のメインビジュアルが解禁となった。

世界の映画史上に燦然と輝く巨匠・小津安二郎の代表的名作「東京物語」。1953年公開の映画でありながら、70年近くの歳月を経た現在でも色褪せることなく、世界中で愛され続けている本作は、2012年1月に三越劇場にて、映画監督・山田洋次の脚本・演出で、劇団新派によって舞台化され、その後2013年7月には南座ほか全国でも上演を果たし、大きな反響を呼んだ。新型コロナウイルスの影響で2020年に予定されていた公演は上演が叶わなかったが、この度、三越劇場にて待望の再演が行われることとなった。

脚本・演出を手がけるのは、「男はつらいよ」シリーズをはじめとする人情劇を数多く送り出してきた映画監督・山田洋次。出演には、東京を訪ねる老夫婦の妻・とみを水谷八重子、夫・周吉を田口 守、戦死した次男の妻・紀子を瀬戸摩純、長男・幸一を丹羽貞仁、幸一の妻・文子を石原舞子、飲み屋の女将・加代を河合雪之丞、そして、長女・志げを波乃久里子。古き良き日本の香りや美しさを明治・大正・昭和・平成と時代を超えて伝え続けてきた、創始135年を迎えた劇団新派が、総力を挙げて舞台版『東京物語』を届ける。

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2023年11月19日(日)・11月23日(木)東京都23区内にて行われる、トレインライドシアター『このレールはドラマチック』。この度、キャスト第2弾とチケット発売開始日が決定した。

話題の“彼”の朝を切り取った写真を、奇数日の朝8時に投稿するInstagramアカウント「HiM Films」を運営する株式会社デベロップジャパン UXDセンター。この度、貸し切り電車の中で演劇を繰り広げる新感覚の舞台を行う。

作・演出を手掛けるのは、かもめんたる・岩崎う大。先日、中田圭祐、中尾暢樹、松大航也、京典和玖、時任勇気、ゆうたろう、樫尾篤紀の出演が発表されたが、今回、第2弾として新たなキャストが決定した。

追加出演となるのは、瀬戸利樹、山口貴也、水石亜飛夢、七瀬公、八木将康、鈴木勝大、永沼伊久也の7名。そして、舞台となる貸し切り電車4車両で繰り広げる2種類のストーリーと、全キャスト14名の配役および出演車両も発表された。

物語は、ある芸人コンビが見知らぬ大学生たちに話しかけることから始まる『ただの偶然ですか?』と、電車内で騒ぐカップルを注意する青年とのやり取りを描いた『ノンストップガール』。

『ただの偶然ですか?』には、瀬戸利樹/松大航也、中田圭祐/七瀬公、ゆうたろう/八木将康、樫尾篤紀/永沼伊久也が出演。『ノンストップガール』には、中尾暢樹/山口貴也、京典和玖/水石亜飛夢、時任勇気/鈴木勝大が出演する。

【あらすじ】
『ただの偶然ですか?』
いつもと変わらない、電車内での光景。車内では男子大学生二人が何やら話をしている。
大学の同級生である富樫浩平と湯野誠の会話は、YouTubeや、彼女の話など特別な内容は見当たらない。
そんな普通の大学生たちの会話に、耳を澄ませていたお笑い芸人の山本一馬と小池信二がいた。
山本と小池の関係はぎこちなく、会話もどこか事務的な様子。
倦怠期すら感じさせる芸人コンビが、見知らぬ大学生たちに思わず話しかけるその理由とは…!?

『ノンストップガール』
電車内には、中本アカリと山下大輔というバカップル二人の声が響いていた。
同じ車内に居合わせた青年・小暮順平がカップルを注意するところから、物語は予期せぬ方向へ動き始める。
泣き出す山下を横目に、小暮はとある行動に出る…。

 

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“嘘だらけで、矛盾だらけな日常を歌う”東京発 4ピースギターロックバンド・ヤングスキニーが、メジャー1st EP『どんなことにでも幸せを感じることができたなら』収録曲より、テレビ大阪/BSテレ東 DRAMA ADDICT『インターホンが鳴るとき』オープニングテーマに決定した「君じゃなくても別によかったのかもしれない」のMusic Videoを公開した。

 

10月11日(水)24時より放送スタートのテレビ大阪/BSテレ東 DRAMA ADDICT『インターホンが鳴るとき』は、人気マンガを原作とし、中毒性のある「大人の恋愛ドラマ」をコンセプトとした作品を届ける10月より誕生する新たなドラマ枠『DRAMA ADDICT』の記念すべき第1作目。累計600万超PVを達成したマンガ配信アプリ「マンガボックス」で話題のオリジナル漫画『インターホンが鳴るとき』を原作とし、テクノロジーが発達した令和ならではの不倫を描く。

オープニングテーマに決定している「君じゃなくても別によかったのかもしれない」は、曖昧でドロドロした二人の関係を描いた楽曲。本日・10月11日(水)公開となったMusic Videoには、女優として活躍する松田るか、そしてかやゆー(Vo/Gt)が出演。監督は「本当はね、」や「ゴミ人間、俺」など数々のヤングスキニーのMVを手掛けている軍司拓実が務めた。

ヤングスキニーは、メジャー1st EPをリリース、10月からは全30公演が完売となった対バンツアーが開幕し、来年春には自身最大規模のワンマンツアーも決定している。

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2023年12月15日(金)~17日(日)劇場MOMOにて、池の下 第29回公演『白夜』が上演される。

池の下は、1996年1月、演出家の長野和文を中心に、演劇と舞踏の融合する新たな地平を目指し、結成された演劇集団。96年8月から寺山修司初期作品連続公演をスタートさせ、寺山の未知なる面に新たな光をあてる作業を行ってきた。

2006年8月の利賀演出家コンクールでは、野外劇場で寺山修司の代表作『犬神』を上演して優秀演出家賞を受賞。さらに2007年夏に、寺山の人形劇台本『狂人教育』を俳優たちによる池の下独自の身体表現方法で創作し、3カ国6都市連続公演(韓国:密陽演劇祭/ソウル公演)(大阪公演)(名古屋公演)(東京公演)(上海:国際小劇場演劇祭)を敢行して好評を得た。また、『狂人教育』は2019年、ポーランドのグダニスク・シェイクスピア劇場とグロトフスキ研究所より招聘を受けて上演。テレビ取材や各種媒体で取り上げられるなど様々な反響を呼んだ。

寺山修司全作品上演計画『狂人教育』

寺山修司全作品上演計画『狂人教育』

そんな池の下が、今回、寺山修司全作品上演計画第20弾として『白夜』を上演する。

寺山修司全作品上演計画は、池の下が、寺山修司の作品をすべて上演することを通じて、現代演劇の新たな可能性を探り、今を生きる人びとにむけて、これまでにない寺山ワールドを展開することを目指している。池の下の寺山演劇は、寺山が書いた戯曲を、演劇を創作する上でのひとつのテキストととらえて、再現よりも再生を求めて上演するところに特徴がある。

寺山修司全作品上演計画『疫病流行記』

寺山修司全作品上演計画『疫病流行記』

『白夜』は、寺山が60年前に文学座のアトリエ公演にむけて書いた作品。それを今回の上演では、我々にとって「不在とは何か」ということをテーマに新たに作品を立ち上げていく。

寺山修司全作品上演計画『盲人書簡』

寺山修司全作品上演計画『盲人書簡』

 
【あらすじ】
舞台は釧路の北海岸の安ホテル。劇の主人公、猛夫はともに暮らしていた弓子を探してこの最果ての地にたどり着いた。はじめに姿を消したのは猛夫のほうだった。弓子と二人で幸せな日々をおくってきたが、ある日、ふと思い立って猛夫は家から姿を消した。安宿に泊まりながら、「幸せな家での自分」の不在を思って過ごし、ちょうど1ヶ月たったとき、彼は何事もなかったかのように家に戻った。だが、家には弓子の姿はなかった。それから1年間、猛夫は弓子を家で待ち続けたが、弓子はついに現れなかった。1年目に彼は全ての家財を売り払い、弓子を探す旅に出かける。5年間、日本中を探し続けた末に、弓子と泊まったことのある釧路の安ホテルに行きつく。ホテルの人びとに弓子のことを尋ねるがみな知らないという。しかし猛夫はホテルの部屋の片隅で弓子の所有物を見つけ、ホテルの主人を問いつめるが、主人は弓子を探し続けるのはもう諦めたほうがいいと諭す。猛夫は弓子が近くにいるかもしれないという喜びのなかで眠りに陥る。そしてホテルの人びとは1週間前にこの部屋で自殺した女の話をする。彼女の名は「久方弓子」だった。

 

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劇団☆新感線『薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-』Blu-rayBOXの発売日が2024年1月25日(木)、予約開始日が2023年11月21日(火)に決定した。

2022年秋に劇団☆新感線42周年興行として富山・新潟・大阪・東京にて上演された舞台、SHINKANSEN☆RX『薔薇とサムライ2−海賊女王の帰還−』。今年8月にはゲキ×シネとしても全国上映され話題を呼んだ本作がBlu-rayとなって発売される。

『薔薇とサムライ2』は、『薔薇とサムライ~GoemonRock OverDrive~』(2010年上演)の続編であり、主宰・演出・いのうえひでのり、座付き作家・中島かずきが高校生の頃からブレずに貫き続けるたくさんの“好き”が詰まった新感線の作風そのもの。

ハマリ役の石川五右衛門を演じる古田新太、物語の主人公アンヌを演じる天海祐希の他、石田ニコルと神尾楓珠、西垣匠、お久しぶりの森奈みはる、もはや準劇団員として年に1作品のペースで参加する早乙女友貴、5年ぶり2度目の新感線参加となる生瀬勝久、さらに高田聖子、粟根まことを始めとする劇団員も勢揃い。そして生バンドが入る本作には欠かせない冠徹弥と教祖イコマノリユキと、総勢41名のキャストと5名のバンドメンバーとともに、楽しいと面白いが全て詰まった、極上の気持ちを持ち帰ってもらえるエンターテインメントとして上演。五右衛門とアンヌの冒険譚を歌・ダンス・アクションをたっぷり盛り込んだ舞台は連日大盛況となり、2023年8月から実施されたゲキ×シネも全国で大いに盛り上がり話題となった。

発売決定したBlu-rayBOXには、充実の本編Blu-rayディスクに加え、特典Blu-rayディスクにはレア映像が満載。
Blu-ray用に撮り下ろした、古田新太・天海祐希・高田聖子・粟根まことによる“キャスト座談会“に、本作で読売演劇大賞・最優秀スタッフ賞を受賞した“衣裳・前田文子インタビュー“、貴重な“ビジュアル撮影メイキング“や、新カット満載のメインテーマ“海賊女王の伝説 ミュージック・クリップ“。そして名シーンの“マルチアングル“や“カーテンコール・フルバージョン“、大阪・東京公演の“千穐楽カーテンコール”や、“ゲキ×シネ舞台挨拶”の様子など、約3時間の盛り沢山な映像特典になっている。

そして、13年前に上演された前作『薔薇とサムライ~GoemonRock OverDrive~』の本編がBlu-rayとしても収録。さらに『薔薇とサムライ2』舞台写真が満載の豪華ブックレットに加え、『薔薇とサムライ』『薔薇とサムライ2』の公演&ゲキ×シネのポスターを特製ポストカードとして同梱。超豪華なBOX仕様で発売となる。

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2023年12月12日(火)けやきホールにて、音楽のある朗読会『あなたがいたから~わたしの越路吹雪~』が上演されることが決定した。

昭和の大スター越路吹雪と、そのマネージャーであり希代の作詞家岩谷時子。
2018年テレビ朝日系列の「帯ドラマ劇場」で放送された『越路吹雪物語』は、ふたりの偉大な天才が辿った数奇な運命を描き、越路役を大地真央、岩谷役を市毛良枝が演じて話題となった。
そして岩谷時子没後10年となる2023年。
市毛良枝が再び岩谷時子として愛と葛藤の日々を語る、本公演を行う。

市毛良枝

市毛良枝

脚本は、演劇・映画・オーディオドラマなどで幅広く活躍し、『バスで行く人』『幸福な部屋』で文化庁芸術祭優秀賞、『満天のゴール』でギャラクシー賞奨励賞を受賞した井出真理。
演出には、これまでにミュージカルや朗読劇など数多くの作品を手がけ、脚本家としても演劇・映画・テレビドラマから新作落語まで幅広く執筆し、第41回紀伊国屋演劇賞個人賞・第15回鶴屋南北戯曲賞を受賞している劇団「ラッパ屋」主宰の鈴木聡。

本公演では、「愛の讃歌」を始めとした、ピアノ・チェロ・バイオリンが奏でる美しい名曲の数々と共に、今なお語り継がれるふたりの物語をおくる。

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HEY-SMITHが、TVアニメ『東京リベンジャーズ』天竺編エンディング主題歌となる「Say My Name」をリリースし、Music VideoとノンクレジットED映像を公開した。

HEY-SMITH公式YouTubeで公開された「Say My Name」のMusic Videoは、躍動感溢れる演奏シーンと共に、『東京リベンジャーズ』の世界観ともシンクロする熱い映像となっている。

そして、TVアニメ『東京リベンジャーズ』公式YouTubeでは、ノンクレジットED映像も同時公開。マイキーとイザナ、タケミチと稀咲のアクションシーンも登場し、パンクロックな曲調がアクションの格好良さを引き立たせている。

さらに、11月1日(水)には約5年振りとなる6th New Album『Rest In Punk』をリリースし、11月16日(木)Zepp Shinjukuを皮切りに全国ツアーもスタートする。チケットはイープラスにて販売中。

 

 

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