きゅるりんってしてみて、新曲「らぶきゅん♡うぉんてっど」配信リリースが決定

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きゅるりんってしてみての新曲「らぶきゅん♡うぉんてっど」が、3月6日(水)より各サイトにて配信されることが決定した。

「らぶきゅん♡うぉんてっど」は、作詞をnobara kaede氏、作編曲は金山秀士氏が担当した楽曲。ダンスの振り付けは、前作「ツインテールは20歳まで△」(※△はハート)に続き、らん先生が手掛けている。

きゅるりんってしてみては、4月より全国6ヶ所を回る全国ツアーを開催する。

 

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BRADIOがニューアルバム『PARTY BOOSTER』を5月22日(水)にリリースすることがわかった。

『PARTY BOOSTER』には、TVアニメ『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』のオープニングテーマ「ファンファーレ」を含む全10曲が収録。通常盤と、クラウン徳間ショップ限定販売の初回生産限定豪華盤、2形態で発売される。

BRADIO『PARTY BOOSTER』通常盤

BRADIO『PARTY BOOSTER』通常盤

BRADIO『PARTY BOOSTER』初回限定生産豪華盤

BRADIO『PARTY BOOSTER』初回限定生産豪華盤

初回生産限定豪華盤は、デジパック仕様のCD(全10曲収録)に加え、BRADIOメンバーのアクリルスタンド、BRADIOロゴが光るLEDアクリルスタンド、ミニタオル、そして、ポストカード5枚を、くるみ箱に封入。くるみ箱には、BRADIOのライブを“立体的”に再現できるデザインが施されているとのこと。あわせて、カメラマン・江隈麗志氏が撮影した新たなアーティスト写真も公開されている。

そのほか、アルバムのリリースツアーに合わせた全国7か所でのリリースイベント開催、各法人別の特典も発表されている。

 

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『HY 366DAYS Premium Live』2024.02.29(thu)ビルボードライブ東京

2月29日にビルボードライブ東京で開催された『HY 366DAYS Premium Live』。「366日」のインストゥルメンタルが流れる中、新里英之(Vo&Gt)、名嘉俊(Dr)、許田信介(Ba)、 仲宗根泉(Key&Vo)がステージに並ぶと、食事と飲み物を楽しみながら開演を待ちわびていた観客の間から拍手が起こった。「1年は365日。だけど、あなたのことを愛する気持ちは、それだけでは足りない。そして今日は、4年に一度の2月29日。あなたのことを1日多く愛せる特別な日。ここに来てくれた大好きなみんなと一緒に過ごす時間が本当に嬉しいです。HYからあなたへ愛を込めて歌を届けます」――新里の言葉と共にスタートした1曲目は「初雪」だった。歌声と楽器の音色に身を任せた人々の間に漂う雰囲気がとても穏やか。軽快な手拍子が起こった「さよならまたね」。瑞々しいメロディが会場全体を潤していた「あの日のまま」。新里と仲宗根のハーモニーにうっとりとさせられた「至近距離恋愛」……HYの音楽とじっくり向き合えるのは、本当に贅沢な体験だった。

新里英之(Vo&Gt)

新里英之(Vo&Gt)

許田信介(Ba)

許田信介(Ba)

メンバーと観客が杯を交わした最初の小休止。乾杯の音頭をとった諸田が「乾杯!」という声を響かせたマイクに、まるで昭和の頃の宴会のような過剰なエコーがかけられているのが面白くて仕方ない。そして、さらに曲が届けられていった。「I LOVE YOU」は、しっとりとしたトーンのサウンドアレンジが新鮮だった。絶妙なコンビネーションで歌声を響かせた新里と仲宗根は、肩を組んだり手のひらを重ねたりするユーモラスなアドリブも展開。観客の間から平和な笑い声が起こっていた。

HY

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新里が客席の通路を移動しながら歌い、各エリアの人々とのコミュニケーションを楽しんでいた「花束」の後に迎えたMCタイム。「今日が誕生日の人はいますか?」と仲宗根が問いかけると、ひとりの女性客が挙手。メンバーたちと観客が歌った「おたんじょうびのうた」は、開演直後から生まれていたアットホームなムードを一際深めていた。「今日は懐かしい曲をいろいろお届けしているんですけど、次の曲もすごく懐かしい20年前の曲です。3枚目のアルバム『TRUNK』に入ってる曲です。1枚目のアルバムは『Departure』。全国発売してたくさんの人に聴いてもらった。2枚目のアルバム『Street Story』は、遊び心で作ってたはずの音楽なのに、チャート1位になってしまったんですよ。期待に押しつぶされそうになりながらも乗り越えて作った3枚目のアルバム『TRUNK』。メンバーそれぞれプレッシャーがあり過ぎて、つらかったんですけど、みんなが書く歌詞の中に“これを乗り越えなきゃいけない”っていうのが混ざっていて……。乗り越えてきたからこそ今があります。大切な曲を歌いたいと思います」――新里の言葉を受け止めてから聴いた「僕がキミを」は、とても胸に沁みるものがあった。耳を傾けていると、支え合ってきたメンバーたちの姿がありありと目に浮かぶような気がしてくる。HYの活動の源に常にあり続けてきたのは、やはりメンバーたちの温かな心だったのだろう。そんなことを感じられたのは、とても嬉しい体験だった。

仲宗根泉(Key&Vo)

仲宗根泉(Key&Vo)

名嘉俊(Dr)

名嘉俊(Dr)

「一緒に歌いましょう! みんなの思い出をのせて」という新里の呼びかけに応えて大合唱が起こった「AM11:00」。雄大に高鳴るサウンドが本当に心地よかった「風になって花になって」――2曲が続けて披露された後、本編を締め括る曲のイントロが響き渡った。「僕たちは愛から生まれてきています。1人1人、愛の塊なんだよ。自分を抱き締めてみて。自分を感じてみて。温かくなるでしょ? そして自分らしく前に進んで行けると思う。あなたは愛の塊。ラストに愛を届けたいと思います」――新里の言葉が添えられた「LOVE」は、観客の手拍子を自ずと誘っていた。穏やかな響きで満たされた客席を見つめながら幸せそうな表情を浮かべていたメンバーたちの姿が思い出される。

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ステージの背景を覆っていた暗幕が開き、客席にいる我々の目に飛び込んできた六本木の夜景。瞬く街の灯りを見て、観客は明るい歓声を上げた。そしてアンコールを求める声に応え、ステージに戻って来たメンバーたち。代表曲の1つである「366日」が、4月から放送が始まるテレビドラマ『366日』の主題歌となったことについて新里が語った。「16年前の曲なんです。こうしてまたみんなに聴いてもらえる曲になったのは、みんなが歌い繋いできてくれたから。1年は365日。だけど、あなたを想うには、それだけじゃ足りない。そういう想いで頑張ってきたからこそ、今年でHYは24年目を迎えることができています。「366日」を新たなバージョンとして僕も歌います!」――ライブでの初披露となった「366日(Official Duet ver.)」は、この公演と同日に配信がスタート。仲宗根と新里が歌声を交わしながら、曲に刻まれた心情と物語にフレッシュな色彩を添えていた。

仲宗根泉(Key&Vo)/ 新里英之(Vo&Gt)

仲宗根泉(Key&Vo)/ 新里英之(Vo&Gt)

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「続けてきて良かったと思える1日でした。これからもみんなに楽しんでもらえるようにいろんなきっかけを作って会いに行きます。また素敵な1日、宝物を作っていきましょう。今日はどうもありがとう!」――メンバーを代表して新里が挨拶。ステージを後にした4人を大きな拍手が見送っていた。そして終演を迎えた直後、スクリーンに流れたメンバー各々のメッセージ。新里のソロプロジェクト『Hide’s Music Story Chapter2 with ART』の公演スケジュールも映し出された後、25周年を祝した全国ツアー『HY 25th Anniversary TOUR』が、9月22日(日)・沖縄・那覇文化芸術劇場 なはーと 大劇場での公演からスタートする旨が発表されると、観客は歓喜の声を上げた。2024年もHYのファンにとって、楽しい日々の連続となっていくに違いない。

取材・文=田中大 撮影=Tetsuya Yamakawa

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2024年6月8日(土)東京オペラシティ コンサートホールにて、『薄桜鬼 ~紫蘭管弦宴(しらんオーケストラコンサート)~』が開催されることが決定した。

『薄桜鬼』は2008年に第1作目が発売された、「オトメイト」を代表する女性向け恋愛アドベンチャーゲーム。“新選組”をモチーフとしながらも鬼や吸血鬼などのファンタジー要素を巧みに組み込み、多くの女性ファンに支持され続けている。

2008年に第1作が発売されてから15年。今回、クラシック音楽専門のホールとして由緒正しい歴史を持つ東京オペラシティ コンサートホールにてオーケストラコンサートを行う。

本公演のオーケストラは錚々たるメンバーで構成。管弦楽は、シンフォニー音楽劇『蜜蜂と遠雷 〜ひかりを聴け〜』、RPGゲーム『ペルソナ』シリーズ 25周年シンフォニックコンサート、東京ゲームショウ 25周年記念シンフォニックオンラインコンサート、ゲームセンターCXシンフォニー等にて特設オーケストラを、 SQUARE ENIX『Triangle Strategy』、Netflix『リラックマとカオルさん』、TBS日曜劇場『VIVANT』、松竹映画『こんにちは、母さん』等の録音を担当するなど、他に類を見ない次世代型オーケストラとして多方面より期待されているグランドフィルハーモニック東京が担当。

指揮者は、オーケストラを中心に、吹奏楽、合唱、オペラ、バレエ等あらゆるシーンで才能を発揮する他、オーケストラによる多彩なCDレコーディングや映像収録、公式イベントでの指揮、さらに映画『マエストロ!』や『海賊とよばれた男』、2023年秋に公開された『アナログ』においては役者として出演、劇中音楽のスタジオ収録を指揮、音楽指導を務めるなど多方面に活動の幅を広げている佐々木新平。

コンサートマスターは、 ヴァイオリニストとして国内主要オーケストラのゲストコンサートマスター、 東京オペラシティでのリサイタルの他 、各地のオーケストラと協奏曲を共演するなどソリストとしても活躍し、またYAMATO String Quartetのメンバーとして室内楽も積極的に取り組んでいる執行恒宏。

吉岡亜衣加

吉岡亜衣加

さらに、各シリーズの主題歌を歌唱する吉岡亜衣加の登壇も決定。オーケストラアレンジされた美しいハーモニーの中で代表曲を歌い上げる。

生演奏と生歌によるコンサートならではの臨場感で、この日限りの催しを楽しもう。

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6月29日(土)に北海道・札幌の国営滝野すずらん丘陵公園でイベント『CRAFTLAND』が開催されることが決定。第一弾出演アーティストが発表された。

『CRAFTLAND』(クラフトランド)は、「みんなで創る舟(CRAFT)」をコンセプトに、イベント・会場自体を大きな舟に見立てたというイベント。音楽、飲食、キャンプや、工作、創作の楽しさを提供するワークショップのほか、ライブ出演アーティストが単体で出演。コラボレーションやゲストなど、その日だけの演出も予定されている。

Galileo Galilei

Galileo Galilei

ストレイテナー

ストレイテナー

TETORA

TETORA

第一弾出演アーティストとして発表されたのは、Galileo Galile、ストレイテナー、TETORA、怒髪天×フラワーカンパニーズの4組。Galileo Galileiのステージには“GUESTアーティスト”を予定しており、後日発表されるとこのこと。また、怒髪天×フラワーカンパニーズでは、大阪で生まれた『ジャンピング乾杯』を北海道初開催『ジャンピング乾杯ツアー2024特別編 〜滝野大自然学園祭〜』と銘打って行う。

怒髪天

怒髪天

フラワーカンパニーズ

フラワーカンパニーズ

『CRAFTLAND』のチケットは、最速先行が3月10日(日)23時59分まで受付中。詳細は、イベントオフィシャルサイトを確認しよう。

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WOWOWにて、2024年1月より上演された舞台『オデッサ』を、5月に放送・配信することが決定した。

三谷幸喜が3年ぶりに書き下ろした新作舞台がこの度WOWOWに登場する。3人の俳優が、二つの言語で、一つの真実を巡り、会話バトルを繰り広げる。出演は、柿澤勇人、宮澤エマ、迫田孝也。三谷が今、いちばん信頼を寄せるメンバーで、いちばん書きたいテーマ「言語」について綴った物語が展開していく。

舞台はアメリカ・テキサス。殺人事件の容疑で勾留された日本人旅行者と、英語しか話せない日系人警察官、留学中で英語も達者な日 本人青年が繰り広げる密室会話劇。殺人事件の謎を解くというミステリー要素もあるが、通訳される言葉を介したすれ違う会話に観客は終始大爆笑。

(左から)警部役:宮澤エマ、旅行者役:迫田孝也、青年役:柿澤勇人      撮影:宮川舞子

(左から)警部役:宮澤エマ、旅行者役:迫田孝也、青年役:柿澤勇人      撮影:宮川舞子

また登場人物それぞれがアイデンティティへの葛藤を抱いていることが笑いの中にも語られ、ヒューマンドラマとしても見応えがある。前半に張られた伏線を回収しながら二転三転するみごとなストーリー展開。登場人物の心理を緻密に描く荻野清子の音 楽、舞台上に“演出”された字幕が映し出されるのも面白く、いまだかつて見たことのない世界観が広がるまさに傑作だ。

三谷幸喜が巧みに張り巡らせた「言葉」の罠。丁々発止の会話の先にどんな真実が待つのか。楽しみにしよう。

【ストーリー】
アメリカ、テキサス州オデッサ。1999年、ひとりの日本人旅行客(迫田孝也)がある殺人事件の容疑で勾留される。彼は一切英語を話すことができなかった。捜査に当たった警察官(宮澤エマ)は、日系人だったが日本語が話せなかった。語学留学中の日本人青年が通訳(柿澤勇人)として派遣されてくる。取り調べが始まった——。登場人物は3人。言語は二つ。真実は一つ。男と女と通訳の会話バトル。

 

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新国立劇場 2024/2025シーズン バレエ&ダンス ラインアップ説明会が2024年2月28日(水)午後に行われ、舞踊芸術監督の吉田都が登壇した。吉田が芸術監督に就任したのは2020/2021シーズンからなので、現在4シーズン目の半ばである。説明会では、来シーズンの上演演目について、また今までの取り組みや今後の方向性についても語った。

■ダンサーの環境改善などの前進を報告

吉田は「まずは、ご報告ですが」と口火を切った。2月23日(金・祝)から25日(日)まで上演された新国立劇場バレエ団『ホフマン物語』(振付・台本:ピーター・ダレル)を無事に終え、千秋楽には2010年から2014年まで芸術監督を務めたデビッド・ビントレーが来場したと明かす。『ホフマン物語』のステージングを担当した大原永子(任期:2014年~2020年)と自身も合わせて、直近の三代にわたる舞踊芸術監督が臨席したことを「とても心強く感じました」と話す。

ダンサーの環境改善についても報告があった。今シーズンはスタジオを増設し、ダンサーたちがストレッチやウォームアップ、自習のできる場所が持てたと話す。さらに昨年、学校法人東京医科大学との包括提携を結び、ダンサーたちをめぐる医療体制が充実してきたと胸を張る。さらに、これまでグループでやっていたコンディショニングのセッションを個人ごとのパーソナルな形で行うように変えたと報告した。

吉田都

吉田都

 

■シーズン開幕は『眠れる森の美女』を12公演

続いて、ラインアップの一つひとつに関してコメントした。

2024年7月に行われる、こどものためのバレエ劇場 2024『人魚姫』~ある少女の物語~<新国立劇場バレエ団委嘱作品・世界初演>は、既に情報公開されていたが、元団員の貝川鐵夫に振付を委ねた。「こどもも大人も楽しめるような作品になることを期待しております。いまリハーサルを進めている最中です」と紹介した。

2024年10月~11月、シーズン開幕を飾るのは古典バレエの最高峰『眠れる森の美女』で、2014年に新制作されたウエイン・イーグリング版である。「全12回公演ということで、きっとデビューキャストが多い作品になるのではないかと私自身楽しみでもあります。若手をプッシュしなければいけないと今から思っています」と若い力に期待する。

2024年11月~12月の「DANCE to the Future 2024」では、ダンサーたちの創作を披露。今季からアドヴァイザーとしてネザーランド・ダンス・シアターⅠで活躍した小㞍健太を迎える。「すでに2回ワークショップをしていただきましたが、ダンサーにも、私自身にも勉強になっています。3月にもう1回あるのですが、(イリ・)キリアンとか、クリスタル・パイトとかの振付を体験してみるというようなワークショップなので楽しみです」と好感触を感じているようだ。

2024年12月~2025年1月は冬恒例の『くるみ割り人形』(振付:ウエイン・イーグリング)で、来シーズンは年末年始に18回公演を行う。今シーズン(2023年12月~2024年1月)に関しては17公演で合計26,603名を動員したと明かす。「2万人を超える方にお越しいただけているのをとてもうれしく思っております。『くるみ割り人形』では、ご家族で劇場自体を楽しんでいただきたいという気持ちがとてもあります。最近は海外からの方もたくさんお越しいただいています。全18回、年末年始を駆け抜けます」。

吉田都

吉田都

 

■<新制作>2作品を含む「バレエ・コフレ」に注目!

2025年3月には新制作2作品を含むトリプル・ビル「バレエ・コフレ」を開催する。「コフレ」とは、フランス語に由来し「宝石箱」を意味する。「本当にキラキラとした素敵な作品がそろっております」と自負する。

『エチュード』<新制作>は、デンマークの振付家ハラルド・ランダーが1948年に振付した逸品で、バレエのレッスンを扱う。チェルニーの練習曲を使い、基本的な動作から華やかな跳躍や回転までを緩急自在に展開していく。吉田はこの輝かしい名作を好んでおり、芸術監督就任前から導入すべく動いたが、著作権保持者に「新国立劇場バレエ団の規模や水準を知らない状態では上演は難しい」といったん断られたそうだ。だが、その後間が空いて先方から「ぜひ上演していただきたい」と連絡があったという。新国立劇場バレエ団の評判が高まったためだろうか。「本当にうれしくて、今回実現することを楽しみにしています」と笑みを浮かべる。

『精確さによる目眩くスリル』<新制作>は、コロナ禍で上演が流れた作品のリベンジ上演となる。長年ダンス界のフロンランナーであり続ける巨匠振付家ウィリアム・フォーサイスの評判作で、クラシックバレエの確かな技術とオフバランスなどエッジの利いた動きに対応できるしなやかさが求められる。「若手の強いダンサーたちも育ってきているので、思い切りいけるのではないかと思っております」と新挑戦への期待を寄せた。

『火の鳥』は、20世紀初めに旋風を巻き起こした伝説のバレエ団、バレエ・リュスが初演したミハイル・フォーキン振付による一幕もの。ロシア民話に取材し、ストラヴィンスキーの濃厚な音楽はよく知られる。「バレエ・リュスの芸術的な重要な作品となっておりまして、新国立劇場としては12年ぶりの上演です。私も英国ロイヤルバレエでずいぶん踊っており、当時芸術監督だったモニカ・メイソンさんに直接ご指導いただいたりしたので、思い入れのある作品です。バレエ団と一緒につくりあげていくのを楽しみにしています」と意気込む。

2025年3月には、Co.山田うん『オバケッタ』(作・振付・演出:山田うん)を再演する。吉田が語るように「大人もこどもも楽しめるダンス作品」で、2021年7月、日本のコンテンポラリーダンスシーンを常に刺激しているCo.山田うんが新国立劇場主催ダンス公演で初演し話題を呼んだ。愛らしい妖怪や怪物が登場し、絵本作家ザ・キャビンカンパニーによる色彩豊かな舞台美術、ヲノサトルが書き下ろした耳に残るテーマ曲を含む独自の音楽も魅力的だ。

吉田都

吉田都

 

■話題をさらった大作から若手主体の意欲的公演まで多彩に

2025年4月の『ジゼル』は、2022年に吉田が初めて演出を手がけたプロダクションの再演。19世紀のロマンティック・バレエの名作の味わいと骨格を保ちながら、演劇的バレエとして深めた新たな『ジゼル』である。リトアニアの「十字架の丘」をモチーフにした第2幕のセットなど厚みのある舞台美術(ディック・バード)も話題となった。「(開場)25周年記念で新しく創られた『ジゼル』の再演になります。繰り返し上演することによって作品は育ちます。今回、もう少しカンパニーになじんだ形の『ジゼル』をご覧いただきたい」と意欲を示す。

2025年6月の『不思議の国のアリス』(振付:クリストファー・ウィールドン)は、2018年、2022年に続く上演となる。2011年に英国ロイヤルバレエで世界初演され、瞬く間に世界の著名バレエ団が競うようにレパートリーに入れたゴージャスにして新感覚の物語バレエだ。ティーパーティに登場する帽子屋マッドハッタ―役は、タップダンスをこなさなければならない。「タップに興味のあるダンサーを募ると、何名か手を上げてくれました。ダンサーたちはタップダンスを始めているところです。なかなか難しい役柄ですが、誰が役をゲットするのか楽しみです」。

2025年7月の「Young NBJ GALA 2025」は、若手ダンサー中心のガラ公演第二弾。「クラシック・バレエは難しいと前回実感しました。よくいえば初々しいのですが、やはり道のりは長い。今回はもう少し先にいけるようにがんばらなくてはいけないと思っています。あと、中村恩恵さんの『O Solitude』という2013年に初演された作品と、(ファーストソリストの)福田圭吾さんによる新作もあります。貝川さんもそうですが、福田さんもデヴィッド・ビントレーが始めたNBJコレオグラフィック・グループにおいて、たくさんチャレンジしてくださいました。新作を依頼できたのはうれしく、ビントレーさんの想いが実を結んでいるのかなと思います」。

吉田都

吉田都

 

■『ジゼル』で英国ロイヤルオペラハウスに登場!

話題は、新国立劇場バレエ団としては16年ぶりの海外公演を行うこと。2025年7月24日(木)から27日(日)まで『ジゼル』の英国・ロンドン公演(全5回公演)がロイヤルオペラハウスで開催される。吉田が長年プリンシパルを務めた英国ロイヤルバレエの本拠地だ。過去2度の海外公演は招待公演だが、今回は「自主的に」行う。「新国立劇場がグローバル化を進めるなかで、みずから海外公演をするのは初の試みでございます」と語り、「初めてのことで劇場側も試行錯誤しながら進めていますけれども、こんなに早く海外公演、ロンドン公演が実現するのをうれしく感じております」と喜ぶ。説明会に同席した新国立劇場運営財団 常務理事・藤野公之の質疑応答時の説明によれば「会場費を含めて基本的な経費については私どもの方が負担をする」が、その代わり招待公演の場合と違って「入場料は私どもがいただくという形になります」とのことである。

吉田は、今回の公演が株式会社 木下グループの協賛によって実現することに感謝する。英国ロイヤルバレエの芸術監督ケヴィン・オヘアら現地関係者のサポートにも謝意を示す。「バレエ団の皆にもロイヤルオペラハウスの舞台に立ってもらいたいという強い気持ちがありますが、まだ心配、不安な部分もありますので、今から準備を進めていきたい」と気を引き締めた。

吉田はラインアップ説明の最後に、来シーズンの公演数について触れた。「こどものためのバレエ劇場 2024『人魚姫』を入れて、バレエ団が上演するバレエとダンスの公演は68回。ロンドン公演は入れずにです。少しずつ公演数を増やしていけているのではないでしょうか。この間の『ホフマン物語』にしても、やっといい感じになってきたというところで終わってしまったりするので、回数を重ねることは大切だなと。アーティスティックな面からそう感じますし、ダンサーたちの経済的な面でも数を増やしていきたいと思ってます」と述べた。

吉田都

吉田都

 

■「新国立劇場バレエ団を世界中に知っていただきたい」

質疑応答では、ロンドン公演に関する質問が相次いだ。いつ決めたのか。やる意義とは。吉田は4、5年前から考えていたという。「どれだけダンサーたちに伝えても、やはりその場に立ってみないとわからない空気感とかがあるんですね」と明かす。「お客さまの前で実際に踊ってみないとわからないことがある。それを経験した後のダンサーたちの変化が楽しみです。だからこそ、今後はどんどん自分たちから海外公演をしていく必要があると思っています。新国立劇場バレエ団を世界中に知っていただきたい気持ちがとても強くあります。やはり日本は遠い国なので、みずから行って実際に観ていただくのがとても早い。ロンドン公演はとても大きな一歩になるでしょう。新国立劇場としても、バレエ団としても、とても大切だと思います」と語った。

ロンドン公演に際し現時点で「まだ心配、不安な部分もある」と話したが、具体的に何がそうなのかを問われると、まず自身の演出による『ジゼル』を持っていく点を挙げる。「(英国時代の恩師である)サー・ピーター(・ライト)の『ジゼル』で育った私が持っていくというのはプレッシャーが大きすぎるんですけれども」と胸の内を明かす。また、「ダンサーたちの心配もあります」と述べる。「海外公演では、しっかり、ちゃんと踊れるだけでは足りないんですよね。ロンドンのお客様に喜んでいただけるレベルにまでもっていけるかどうかは、とても不安な部分でもあります。でも、この4年、皆で積み上げてきたものもあるので、そこに向かって私もダンサーたちも覚悟を決めてやらなくてはいけない」と決意を語った。

吉田都

吉田都

ロンドンの観客にどこを見てもらいたいかという質問に対して、こう答える。「繊細な表現というのでしょうか、『ジゼル』はやはり日本人らしさみたいなものが感じられる作品でもあります。そこを観ていただけたら。やはりコール・ド・バレエ(群舞)ですかね。コール・ド・バレエは本当に世界に誇れるので、そこは自信をもって舞台に乗れるのではないかと思います。心配ですけれど、最後まであきらめずに進めていきます」。

海外を含め多くの人々にバレエ団を知ってもらうために動画配信という方法がある。そこを問われると、以下のように答えた。「もちろん配信はできたらいいと思っています。いろいろなハードルがあったりもするんですけれど、近い将来、実現するのではないかと祈っているところです」。全国公演を増やすことに関しても、システムなどの制約があると前置きしつつ「海外ももちろんなんですけれども、国内にも自らうかがいたいんですよね」と前向きだった。

芸術監督就任から4年目、今の総括を聞かれると「この4年間はあっという間に過ぎてしまったので、次の4年(の任期)があるのは本当にうれしいです。コロナ禍からのスタートでしたので、無我夢中で走り続けてきた感じではあるんですけれども、本当に多くの方々にご支援いただいたりして、ようやく劇場が、世界が普通の状態に戻ってきました。やっと普通に向き合える感じになったかなというところですね。いろいろと大変なことが重なっていましたけれど、ダンサーたちもよく耐えてきてくれたな、乗り越えてくれたなと思います」と振り返った。きたる2024/2025シーズンから始まる、次の4年間の展開が注目される。

取材・文・撮影=高橋森彦

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