南座『錦秋喜劇特別公演』に向けコメント到着、藤山直美との27年ぶりの共演に中村鴈治郎「本当にやっと!」

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10月3日(火)~29日(日)まで、京都の南座にて『錦秋喜劇特別公演』が上演されるにあたり、藤山直美、中村鴈治郎、中村扇雀、田村亮による製作発表会見が行われた。公式レポートが到着したので紹介する。


本公演は、祇園町の茶屋を舞台に巻き起こる騒動を描いた「祇園小唄」と、藤山寛美の十八番で松竹新喜劇のなかでも人気の名作「大阪ぎらい物語」の二本を上演いたします。出演者それぞれが意気込みや想いを語りました。

藤山直美

藤山直美

藤山直美

上方喜劇は上方歌舞伎からの流れでできたお芝居。鴈治郎さん、扇雀さん、そして田村亮さんが出ていただいて、何の違和感もないというのが、このルーツの生きた証明になるんだと思っています。坂田藤十郎さんに扇千景さん、子役時代に共演させていただいた二世鴈治郎さん、阪東妻三郎さん、そして父の藤山寛美と、上にいる人たちが一座を組んだとしたら大騒ぎ、大入満員だと思います。(笑) こちらは10月の南座で、お客様皆さまに喜んでいただける公演にできるよう、一生懸命勤めさせていただきます。

中村鴈治郎

中村鴈治郎

中村鴈治郎

直美さんとの共演は27年ぶり。やっと、本当にやっと!という思いです。弟の扇雀と歌舞伎以外の芝居にでるというのもまずないことで、田村亮さんとも初めて共演させていただきます。「祇園小唄」で演じる役は、かつて寛美先生も演じられた役。二枚目で素敵だったが自分はどう演じるか、考えています。扇雀と相談してこのお芝居を作っていきたいです。『大阪ぎらい物語』では、ラストのひざまくらの場面、自分も出る!と今決めました。(笑) 良い公演にしたいと思っていますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

中村扇雀

中村扇雀

中村扇雀

この公演をご覧になった方が、来年もありますよねと仰っていただける公演にしたいなと思っています。そして毎年10月の南座は直美さんと成駒家兄弟の定期公演になるんじゃないか、そんな想像が膨らみました。女優さんたちの中に女方の扮装で出ることも初めて。自然体で演じられたらと思っています。直美さんとは26年ぶりに共演。こういったご縁はきっとあるべくしてあったものなんだと。上方喜劇のルーツなど、皆さんのお話を伺っていると本当に楽しみになってきています。

田村亮

田村亮

田村亮

出演させていただく「大阪ぎらい物語」は私にとって初演そして初役でございます。皆様の足手まといにならないよう頑張りたいです。これまでお客さんとしては何度も拝見しているお芝居で、子守歌のシーンはつい涙しちゃうんです。ぜひハンカチをもって、笑いにきてください。他の皆さんの話を聞いていると、父の名や寛美さん、そして先代の鴈治郎さんのお名前がでてきて、親たち、兄弟たちが縁や絆を作ってくれて、そして世代が変わってこうして皆さんとご一緒できるのは、幸せなことだなと感じています。

チケットの発売は9月9日(土)10:00から、イープラスほかプレイガイドにて発売開始。

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2023年11月13日に東京・恵比寿LIQUIDROOMで開催されるAlaska Jamのワンマンライブ『Hello from LIQUIDROOM!!!』のサポートベースとして、メンバーとも交流の深い あきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES)を迎えることが発表された。

このワンマンライブはAlaska Jam活動13年で過去最大キャパのライブでもあり、サポートベースで新体制になり初めてのライブでもある。

また、チケットの第二次先行の抽選申し込みは8月5日10:00から8月20日23:59までイープラスにて行われる。

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2023年3月より上映された『グリッドマン ユニバース』のBlu-ray&DVDが10月25日に発売されることが発表された。

Blu-ray特装版特典は、グリッドマンデザイン後藤正行描き下ろしジャケットに、メインスタッフ・キャストインタビュー、座談会などが収録される128P特製ブックレットとなっている。

またBlu-ray特装版映像特典には、劇場入場者プレゼントで配布された雨宮哲書き下ろしボイスドラマに加え、新規書き下ろしボイスドラマも収録予定。音声特典は、スタッフコメンタリー、キャストコメンタリー。Blu-rayには普通のヘッドホンやイヤホンでサラウンドが楽しめるバーチャルサラウンド技術「DTS Headphone:X」音声も収録されており、劇場での興奮を今一度楽しむことができる。

そしてBlu-ray&DVDの発売に合わせて、2024年4月7日に作品イベント『グリッドマン ユニバース ショー』の開催も決定。Blu-ray&DVD「グリッドマン ユニバース」に、本イベントの優先販売抽選申込券が封入される。
終映後も盛り上がりを見せる『グリッドマン ユニバース』の今後の展開にも期待したい。
 

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貴ちゃんナイト Vol.15  2023.7.27  下北沢Shangri-La

ふと気になって確認したら、2017年から毎年『貴ちゃんナイト』のレポを書いてきたので、今回で7度目だった。初回はリスナー主催のDJイベントだから、ライブ形式になってからのちょうど半分を観てきたことになる。

バンドセットがメインの年もあれば、オール弾き語りの年もあり、会場もCLUB251、duo MUSIC EXCHANGE、ビルボードライブ東京と大小様々。出演者の顔ぶれも幅広く、しかもジャンルや世代で括ったりすることはなく、むしろその逆だ。なのに絶妙なシナジーがあって、観終えると毎回「なるほどなぁ」という納得感がやってくる。そういうイベントだ。「わたしが観たいアーティストに観たい組み合わせで出てもらっているだけ」と貴ちゃんこと中村貴子は言うが、その40年にも及ぶラジオパーソナリティ人生で培ってきたであろう"眼"の確かさ、恐るべし。今年もやはりそうであった。

ラジオパーソナリティ40周年の記念回ということで、会場は普段よりキャパシティが多めの下北沢Shangri-La。初開催のハコであっても、バーには出演者にちなんだスペシャルカクテルが並び、開場すると来場者が貴ちゃんの元へ集まって手紙を渡したり言葉を交わす風景はいつも通り。恒例となっている出演者がチョイスするフロアSEを、今年は堀込泰行が担当。自らの好むオールディーズのナンバーを軸に、対バン相手がロック畑であることも加味して選んだとのことだった。

とまとくらぶ

とまとくらぶ

一番手で登場したのは、とまとくらぶ。THE BACK HORNの山田将司とNothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASHの村松拓という、ロックシーンで確固たる地位を築くバンドのフロントマン2名による弾き語りユニットである。プライベートでの親交の深さから結成に至ったという経緯もあって、普段とはガラッと違うリラックスした空気をまとった2人は、まず「故郷」からライブをスタートさせた。山田が細かなピッキングで弾くイントロのリフが象徴するノスタルジックな曲調に、一音ごと丁寧に言葉が乗せられた童謡や唱歌にも通じる穏やかなメロディ。異なる倍音を持った2つの歌声は、やがて重なり合い心地よいハーモニーを生む。

とまとくらぶ・山田将司

とまとくらぶ・山田将司

結成1年にも満たない彼らのライブは観るたびに進化している。たとえば、とまとくらぶとしてのオリジナル曲ではないそれぞれのソロ曲が、「自分の曲では無い方」の歌うパートが大幅に増えたりと、すっかり"2人の曲"になっていた。さらに、まだ音源化されていないインディロックを彷彿とさせる新曲「Whaleland」に加え、事前のラジオで貴ちゃんと約束したというさらなる新曲まで持ってきていた。そこでは観客たちに一定のリズムでハンドクラップを続けるよう頼んでから、そのビートとセッションするかのように、パワーポップテイストのグッドメロディを朗々と歌う。一聴した限り前向きなイメージの歌詞も相まって新境地と言える仕上がりだ。こういう曲を山田が歌うのも、「故郷」のような曲を村松が歌うのも、とまとくらぶ以外ではなかなかお目にかかれない。彼らのライブをここで初めて目撃した人も多いはずで、今後の展開への楽しみも膨らんだ。

とまとくらぶ・村松拓

とまとくらぶ・村松拓

堀込泰行

堀込泰行

2組目は堀込泰行。先ほどまでギター2本による厚みのあるコードストロークに慣れた耳に、音数少なめで弾むようなギターの音色がスッと入ってくる。歌もあくまでさらっとした質感ながら、地声からミックス、ファルセットをシームレスに行き来するボーカルの浸透力はとんでもなく、スキャットやフェイクを織り交ぜながら、楽器のひとつのように巧みに歌声を操っていく。セットリストにはソロ作品とキリンジ時代の作品のどちらも並ぶが、タイムレスな音楽性を持つだけに差異は感じない。ゆったりとした曲調の中にじんわりとファンクネスが滲む「光線」に続いては、ブルージーながら渋さや枯れたようなニュアンスよりも、あくまでふんわりとした印象の「Ladybird」。どの曲も「こういう曲」と端的に表すのが難しいほど様々なエッセンスが取り込まれているのに、最終的にちゃんとポップスへ、無上の心地よさへと着地していく。

堀込泰行

堀込泰行

MCでの気ままな語りでも場を盛り上げた堀込が、「……バカみたいに暑いですよねえ、最近」というフリから「クレイジー・サマー」を繰り出すと場内からは歓喜の声。しっとりとしたアルペジオとメロウなメロディから思い浮かんだのは、炎天下でもセンチメンタルな夕暮れでもなく、蒸し暑いが辛くはないくらいの夜、のような空気。そういう風に聴き手それぞれの脳内に自然と情景が浮かぶような歌と演奏が続く。ハイトーンのファルセットを堪能できるお待ち兼ねの「エイリアンズ」で大きな盛り上がりを生んだあとは、「楽しくなってきた。あったまってきたとこで終わるな」と惜しみつつ、「でもこれで良い感じにタスキを繋げる」と「YOU AND ME」を力強いカッティングとともに披露。この日一番ロック的要素が感じられる曲調に、オーディエンスはクラップやシンガロングで応え、盤石のライブを締め括った。

堀込泰行

堀込泰行

the band apart

the band apart

トリはthe band apartだ。"neked"と銘打ったアコースティック形態でもライブをしている彼らだが、ここはあえてのバンドセット。このあたりのバランスにも『貴ちゃんナイト』らしいこだわりを感じる。そしてこの日唯一アンプを通して鳴らされた彼らのバンドサウンド、素晴らしかった。問答無用で高揚を誘う4つ打ち、細やかなカッティング、有機的に蠢めくベース。キレとかグルーヴ感といった概念をそのまま具現化したような演奏に、荒井岳史(Vo/Gt)の柔らかでどこか人間味も感じる歌声が乗る──つまり「これぞバンアパ」という音が、「ZION TOWN」から「higher」、「Waiting」と間断なく畳み掛けた序盤から場内を席巻していく。

the band apart:荒井岳史

the band apart:荒井岳史

the band apart・川崎亘一

the band apart・川崎亘一

自分たちが"細々とやっている"YouTubeまでチェックしてくれている、と荒井が貴ちゃんの仕事ぶり&音楽ラバーぶりに感謝を贈るなどしてから披露された、会場限定盤に収録の新曲「Sunday Evening」は、メロディアスな歌もの然として始まり次第に身体を突き動かす展開も、変拍子が続くスリリングなアウトロも、とにかく楽しい。木暮栄一(Dr)のソロから突入した「The Ninja」は、パッドの音をアクセントにしたキャッチーかつソリッドな曲調こそダンスミュージック的でもあるものの無機質なそれではなく、ライブならではのとことん有機的なグルーヴで踊らせる。川崎亘一(Gt)がスペーシーなサウンドで差し込むソロも秀逸。木暮は夏になると頭を蚊に刺される、原昌和(Ba)はChatGPTと喧嘩しながら怪文を書かせている、というシュールなMCを挟んでからライブはクライマックスへと向かい、「夜の向こうへ」、そして「Eric.W」が演奏されると、ダンスの快楽とファンクの肉体性、洒脱なジャズ要素、そしてロックのダイナミズムが渾然一体となり、大きな喝采を呼んだ。もう一回言っておこう、これぞバンアパ。

the band apart・原昌和

the band apart・原昌和

the band apart・木暮栄一

the band apart・木暮栄一

アンコールでは村松、山田、堀込、荒井と4人のボーカリストが木暮を伴って登場し、アコギとカホンによるパフォーマンスを見せてくれた。「最高すぎて気が狂いそうだったよ」と興奮気味に話すのは村松。堀込は先ほど「ギターストラップを忘れて山田に借りた」ことを明かしたにもかかわらず、自身のライブでは座りっぱなし(つまりストラップは不要)だった……という伏線をここで回収した。先にライブを終えていた面々に「追いつく」ために楽屋でビール2本を摂取したところ「追い抜いてしまった」そうで、やけにご機嫌なのは荒井だ。たちまち無軌道になっていくトークの進行を見た山田がまとめ役に回る。フロアは笑い声に満ちている。

貴ちゃんナイト Vol.15

貴ちゃんナイト Vol.15

そんな空気の中で演奏されたのは、まずフジファブリックのエバーグリーンな名曲「若者のすべて」で、4人のボーカリストそれぞれの個性と魅力が伝わる歌唱をみせたあと、ラストに全員で声を重ねるエモーショナルな展開となった。仕上げは清志郎版の「デイ・ドリーム・ビリーバー」で、15回目の『貴ちゃんナイト』はピースフルに締めくくられた。

貴ちゃんナイト Vol.15

貴ちゃんナイト Vol.15

今回は貴ちゃんの40周年アニバーサリー回であるだけでなく、堀込はデビュー25周年、the band apartと山田のTHE BACK HORNは結成25周年、村松のNothing's Carved In Stoneは結成15周年と、全員にとってメモリアルな年に起こった巡り合いでもあった。ただでさえ毎回音楽愛が飛び交い充満するこの幸せなイベントが、いつも以上に祝福に満ちていたように感じたのはそれゆえだろう。「このメンツで次集まるとしたら50周年かな?」と村松は言っていた。当たり前だが、その時はまた全員アニバーサリー。もし実現したらとんでもなく素敵なことだ。

取材・文=風間大洋  撮影=俵和彦

貴ちゃんナイト Vol.15

貴ちゃんナイト Vol.15

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2023年11月4日(土)東京での公演を皮切りに全国6か所にて、榊原郁恵・渡辺裕太が出演する、「渡辺徹 追悼企画『続・家庭内文通』」を上演することが決定した。

今回の追悼公演は、榊原郁恵と渡辺裕太による朗読劇『続 家庭内文通』に加え、前作の2021年『家庭内文通』上映とアフタートークで構成する。

『家庭内文通』は、2021年11月渡辺徹と榊原郁恵の2人のたっての希望で、数多くの名作を生みだした岡田惠和に脚本を書き下ろしてもらい、演出家・鵜山仁、そして俳優で息子の渡辺裕太を迎え、初の親子3人で出演した朗読公演企画。

この作品の続編を企画していたが、2022年11月28日に渡辺徹さんが逝去し、本公演企画を断念。しかしどうにか形を変えてでも続編を開催できないかと考え、多くの人が協力し、前作同様に演出を鵜山仁、そして脚本の岡田惠和が新たな物語を書き足し、「渡辺徹 追悼企画『続・家庭内文通』」として、榊原郁恵・渡辺裕太で公演を行う。

さらに今回は東京だけでなく、愛知、山形、仙台、茨城(古河)、岩手の全国6カ所で開催。チケット発売は、東京、愛知、仙台、茨城(古河)が先行して、プレイガイドにて8月26日(土)より発売開始となる。

榊原郁恵 コメント

渡辺徹芸能生活40周年&還暦記念にことばを大切にしていた渡辺は朗読劇をやろうと。これが何と親子初共演となりました。岡田惠和さんの細やかな脚本と鵜山さんのユニークな演出により3人の新たな世界が広がり《家族って良いなあ》と思って貰える舞台となりました。もっと多くの方にも観て貰いたいと全国周る計画も立てていたのに…ね。でもその想いをやはり届けたくて続編作りました…どんな感じになるのかお楽しみに!

渡辺裕太 コメント

照れくさいなぁ、こそばゆいなぁ、と思いながらも両親と一緒に舞台に立たせてもらった家庭内文通。今は、あの時挑戦しておいてよかった! と心から思います。今回はその続きを心を込めてお届けします!

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2023年8月5日(土)から、NBAバレエ団『ドラキュラ』がいよいよ開幕する。ブラム・ストーカーのホラー小説『吸血鬼ドラキュラ』を原作としたバレエで、1996年に現ミルウォーキー・バレエ団の芸術監督であるマイケル・ピンクがバレエ化。妖艶な魅力のドラキュラ伯爵を中心とした、エンタテインメント性の高いダークホラー・バレエとして人気を博したこの作品を、NBAバレエ団では2014年に初演。普段バレエにあまり縁のない客層にも訴えかけ、「夏のホラー作品として定番化を」「ハロウィンの時期に仮装をして楽しみたい」という声も上がるNBAの看板作品の一つとなった。さらに2021年、英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルの平野亮一をゲストに迎えて再演し、2023年の今年は現在日本に活動の拠点を移してその存在感を発揮する厚地康雄(元バーミンガム・ロイヤル・バレエ団(BRB)プリンシパル)も加わるという、ダブルゲストでの公演が実現した。今回はその平野&厚地の両名にインタビュー。役作りや公演への思いなどを聞いた。(文章中敬称略)

【動画】NBAバレエ団「ドラキュラ」PV

 

 

■初回時からさらにブラッシュアップを目指す平野。厚地は本領発揮の全幕舞台に挑む

――まず平野さん、2021年の公演に続き今回が2回目になりますが、今回再びドラキュラに挑むことになったそのお気持ちからうかがえますか。

平野 うれしかったですね。2回目があれば前回と違った発見があるだろうし、前回得たものが絶対にあると思うので、それを生かせる機会にもつながる。前回いろいろ自分で考え、またその考える時間を楽しみながら作ってきたので、2回目のお誘いは本当にありがたかったです。

――厚地さんが今回ドラキュラ役を踊るきっかけになったのは2021年の平野さんの公演を見たことがきっかけだったと聞きました。

厚地 はい、亮一君の公演を見に行ったとき、このドラキュラ役はいいなと思い、久保監督に客席でお会いしたときに「僕もやってみたくなりました」とお話したんです。そのときに久保監督が「あ、合うかもしれないね」って仰っていたんですが、まさか本当にやることになるとは思っていませんでした。

――厚地さんは日本に拠点を移してから非常にお忙しい日々を送られていますが、今回こうして全幕の主演をやることになりそのお気持ちは。

厚地 日本ではガラ公演のお話をいただくことが多いのですが、僕はテクニックがすごいというタイプではないので、今回全幕公演の主演をいただけたのが非常にありがたかったし、うれしいです。はやり全幕の役どころを踊るのは楽しいし、キャラクターの成長、心情の動きなど表現できるのはうれしいし、それが全幕の醍醐味です。
実はドラキュラはあまり踊らない。目線ひとつで魅せるっていう、亮一君の得意分野が生きるキャラなのですが、そういう役どころは僕も好きで演じ甲斐がある。古典のようなグラン・パ・ド・ドゥがあるわけじゃないのに、すごく見せ場が多い。こういう「ドラキュラ」のようなキャラクターは初めてですが、だからこそ、こういう役をやりたいと思っていたので、本当に楽しみです。

 

■ドラキュラの存在意義と行動の動機は「生き抜くこと」、そして「再びの愛」

――お二方はそれぞれ、このドラキュラの存在意義、行動の動機はどういうところにあると考えているのでしょうか。

平野 僕はサバイバル――どう生き抜くか、ということだと思うんです。例えば彼自身は常に人の血を吸わないと生きていけない。だから命をつなぐために血を吸うのは、彼にとって必要不可欠なのです。そうして一人孤独に生きてきたのに、昔恋した女性に似たミーナを見つけてしまって面影を求め、彼女を手に入れたいと思ってしまう。

だからもし、ミーナとの出会いがなかったら、この「ドラキュラ」のドラマもなく、城でただ、粛々と生きているだけだった。でも恋を蘇らせてしまったことで「ドラキュラ」の存在が世間の明るみに出てしまう。だからこそのサバイバルなのかなと思うんです。

厚地 亮一君に大体全部言われてしまったけど(笑)、このバレエの元になっている映画を見たときに「もう一度人を愛せるのか」というようなフレーズがあり、それが心に残っています。それまで血を吸っていた人間は彼にとって、いわば「食事」だったけれど、最後の一人――ミーナは意味合いが違うのではないかなと。

ただ、バレエマスターやマイケル(・ピンク)さんそれぞれにも「ミーナも食事だ」「いや、そうではない」などいろいろ解釈があるようなので、今、その辺りをどう表現していこうかなと考えながらリハーサルをしています。

「もう一度人を愛せるのか」という、どこか諦めていたはずの、自分で封印していた感情が蘇ってきたというのはきっとあると思うので、そういうところは生かしたいです。

――久保監督からのアドバイスなどで印象に残っていることは。

平野 結構いろいろあります。やはり現役時代にハーカー役を何十回と踊られているので、特にハーカーとのパ・ド・ドゥなどは、かなり細かい指導が入ります。

厚地 うん、監督はこの作品を知り尽くしているところもある。男性とのパ・ド・ドゥは重さの面など慣れないと結構大変で、危うく腰を痛めそうになる。

平野 うん、技術的な面も含めて、この作品は1幕の男性とのパ・ド・ドゥが結構ネックになる。普段パ・ド・ドゥを組む女性より体重が重いので、それをどうやって軽く見せるかがドラキュラの人間離れした力強さにもつながるし、重要になってくると思うし、見せ場の一つになる。重そうに持ち上げてはそれが伝わらない。そこが本当に気にしているところの一つで、どうすれば手のひらの上で球を転がすように弄ぶ感じが出るのかなと考えています。

 

■平野と厚地、似ているようで似ていないが、やはりどこか似ている2人

――平野さんは『フランケンシュタイン』などクリーチャーから王子役まで、厚地さんは『美女と野獣』のビーストから王子役までと、それぞれにとても役の幅が広く、経験も豊富です。今回のドラキュラ役のように、新しい役に挑む時、過去の経験やエッセンスなどはどういう形でプラスになっているのでしょうか。

平野 さまざまな経験を積んだ中で、次の公演に対して一番プラスになるのは、舞台での見せ方を知っているということですね。言葉がないのがバレエなので、身体で表現するボディランゲージが重要になってくるわけですが、それを幅広い言語に変換する要素が経験だと思うんです。そうした経験の蓄積があるからこそ、どうしたら伝えられるかということに深みが増し、また思いなどをより伝えやすくなっていくのだと思うのです。そして、いろいろな役を経験するからこそ、ボディランゲージのボキャブラリーが増えるし、またお客さまから今、自分は今こう見えているという、自分を客観視することもできるようにもなる。

平野亮一

平野亮一

厚地 亮一君のいうことにはすごく納得します。僕らはキャリアの中でコールドの役もとてもたくさん踊ってきている。例えば『ロミオとジュリエット』にしても、コールドを経験して、階段を一段ずつ上がってきたからこそ、プリンシパルロールをやったときにそういう経験が生きてくる。あとは想像力ですね。想像力は本当に駆使します。

例えば今回の「ドラキュラ」の場合、1幕は老人の姿になっているわけですが、ハーカーと出会い彼の血を吸うことで力を取り戻していく。この役を踊ることになった時、最初にミルウォーキーの初演時の映像を見たのですが、ドラキュラ役の方はかなり体格が立派で力強さもある。僕は最初、それを念頭に置きながらリハーサルをしたのですが、でもどうにもしっくりこなかった。それで僕なりに弱々しい細身の老人の姿を想像してリハーサルをしたら、すごくしっくりきたんです。

ですから、そうやって自分自身に合った解釈で、さらに外からはどう見えているかを常に感じながら演技をすることを通して、自分にしっくりくるようにイメージを変えていった方が自分には合っているかなと。亮一君は体格がしっかりしているので、僕は僕なりの路線で行こうかなと思っています。映画やミルウォーキーの映像などを一通り見て振りを覚えたらあとは封印し、僕なりのドラキュラを作り上げていこうかなと。

厚地康雄

厚地康雄

――平野さんは、先ほど2回目だからこそのアプローチがあるというお話をされていましたが、具体的には今回どういった点を変えて見たり、生かしていったりしようかと考えてらっしゃるのでしょう。

平野 一番研究して行きたいなと思っているのは、クライマックスの、ミーナとのパ・ド・ドゥのあとの彼女とのやり取りです。最後に暗がりの中でドラキュラの顔だけがライトで照らされるシーンがあるのですが、改めて映像を見返してみると初演時はすごい形相だったんですよ、野獣のように。でもそうじゃなくてもいいのではないかと。一種の薄笑いというのでしょうか。「勝利宣言」のような表情でいいのかなと。

――ネタバレは避けますが、そのクライマックスの表情が、今回の平野ドラキュラの見どころの一つになりそうですね。

 

■NBAの和気あいあいの雰囲気の中でアウェイ感を維持。3人のドラキュラが紡ぐ「全9幕」の物語を

――NBAバレエ団にゲストとして入り、リハーサルをして感じたことは。

厚地 NBAは僕が昔いたBRBの雰囲気に似たところがあります。BRBではクラスレッスンが終わったらみんな動けないってくらいがんばってやるんですが、それでもクラスが終わるとピアニストにお願いして、今度はそれぞれに好きな動きで踊ったり動いたりということをやる。僕はそういった空気の中でずっと育ってきたわけですが、NBAもそれに似た感じがあり、和気あいあいとしていて懐かしいです。

でも役柄的に考えてみると、ドラキュラは1人だけ怪物なんです。異質な存在でなければならないので、もちろんみんなと仲良くやっていますが、ゲストというアドバンテージというのか、いい意味でのアウェイ感を、うまく生かしていければと思います。

――平野さんは2020年公演ではミーナ役がゲストの平田桃子さん(BRBプリンシパル)でしたが、今回はNBAの野久保奈央さんです。

平野 前回奈央ちゃんはコールドだったと思うんです。上手な子がいるなという印象で、時々話をしたりアドバイスをしたりということもあったのですが、今回はプリンシパルで組むことになって、とても楽しみです。

――最後にお客様に対して、このバレエの見どころを。

平野 まずは全3幕各幕のドラキュラとのパ・ド・ドゥが見どころだと思います。ハーカー、ルーシー、ミーナとドラキュラとの絡みというそれぞれの流れがあり、さらにコールドバレエも物語を作り出している。しっかりした物語のある作品なので、その流れを1から10までエンジョイしてほしいです。

また今回は僕と康雄君、NBAの(刑部)星矢君のトリプルキャストで、きっと三者三様の味が出てくると思う。全3幕ではなく、全9幕の物語という、そこが多分今回の見どころになると思います。

厚地 ドラキュラの変化も見ていただきたいところです。1幕、2幕、3幕と、それぞれ変わってきているので、そこに加わった心情も含めて楽しんでください。

――ありがとうございました。

 

この日インタビュー前では厚地主演キャストの通し稽古が行われ、ダンサーらは衣装を着けてリハーサルに臨んでいた。とくにハーカー(大森康正)、ハーカーの妻ミーナ(須谷まきこ)、ルーシー(山田佳歩)をはじめとする登場人物一人ひとりが表情豊かに生き生きとした場を作り上げているのが印象的。バレエ団の看板作品の一つだけあってか、団員のモチベーションの高さがうかがえた。

なお、8月5日(土)13時公演のあとに、平野と厚地のトークショーも開催予定だ。こちらもぜひ、楽しみにしていただきたい。

取材・文=西原朋未

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2018年に発足、神戸・関西を拠点に活動するバレエカンパニーウエストジャパンが、2023年11月23日(祝・木)神戸文化ホール 大ホールにて、第5回記念公演を開催する。

記念公演では、『白鳥の湖』『くるみ割り人形』など有名バレエ作品のほとんどを振り付けたマリウス・プティパが人生最後に取り組んだバレエ『ライモンダ』を上演。改訂演出・補足振付にNHKローザンヌ国際バレエコンクール放送解説者でもお馴染み、日本バレエ界第一人者の山本康介を迎える。主演はウエストジャパン代表の瀬島五月、アンドリュー・エルフィンストン、仇役のアブデラフマンには元バーミンガムロイヤル・バレエ団でプリンシパルを務めた厚地康雄が特別出演する。

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2023年8月5月(土)に東京(※全席完売)、9月2日(土)・3日(日)に大阪、そして9月23日(土)に再び東京にて開催される、『ジュラシック・パーク』シネマオーケストラコンサート。映画公開30周年と本公演の開催を記念したオリジナルロゴをあしらったグッズなど、全7つのグッズの販売が決定した。

映画全編を大スクリーンで上映し、舞台上のフルオーケストラが音楽部分を映画に合わせて生演奏するシネマオーケストラ(通称:シネオケ(R))。2018年に大盛況を博した『ジュラシック・パーク』が日本に再上陸。映画全編に合わせて、ジョン・ウィリアムズの壮大な音楽を約80名のフルオーケストラの生演奏で届ける。

今回販売が決定したグッズは、Tシャツ、ミニトート、フェイスタオル、ステンレスマグ、養生テープのほか、会場には缶バッチのガチャガチャも設置。ジュラシックシリーズには欠かせないティラノサウルス「レクシィ」や、恐竜復活のカギとなった琥珀・蚊の化石など、全5種の缶バッチがラインナップされている。

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7月28・29・30日に新潟県湯沢町苗場スキー場にて開催された『FUJI ROCK FESTIVAL'23』(以下、フジロック)より、終了報告が発表された。

コロナ禍の影響により規模縮小を余儀なくされた2021年、“いつものフジロック”を目指した2022年を経て、26回目の開催を迎えた2023年は7月27日開催の前夜祭から延べ4日間で11万4,000人の動員を記録。200を超えるアーティストのライブに加え、深夜を盛り上げる「THE PALACE OF WONDER」「GAN-BAN SQUARE」といったステージも復活し、最高の笑顔あふれるいつもの『フジロック』が4年ぶりに開催され、大盛況のうちに幕を閉じた。

ザ・ストロークス 撮影=大橋祐希

ザ・ストロークス 撮影=大橋祐希

アラニス・モリセット 撮影=大橋祐希

アラニス・モリセット 撮影=大橋祐希

ウィーザー 撮影=大橋祐希

ウィーザー 撮影=大橋祐希

ダニエル・シーザー 撮影=大橋祐希

ダニエル・シーザー 撮影=大橋祐希

17年ぶりに『フジロック』に登場して1曲目のイントロからオーディエンスに火を付けたザ・ストロークス(THE STROKES)、ジョシュ・フリーズを新ドラマーに迎えたフー・ファイターズ(Foo Fighters)は亡きテイラー・ホーキンスに縁深いアラニス・モリセット(ALANIS MORISSETTE)を招いて「Mandinka」をカバーしシネイド・オコナー(Sinéad O'Connor)を追悼、さらにウィーザーのパットとのサプライズセッションを披露、そしてGREEN STAGEのみならず『フジロック』の会場中を愛でいっぱいにし、最終日を爆裂に盛り上げたリゾ(Lizzo)の3組のヘッドライナーを筆頭に、ウィーザー(Weezer)、ダニエル・シーザー(Daniel Caesar)、ノー・ウォーリーズ(NxWorries)、アラニス・モリセット、ルイス・コール(LOUIS COLE)、ヤー・ヤー・ヤーズ(YEAH YEAH YEAHS)、ヨ・ラ・テンゴ(YO LA TENGO)ら海外アーティストと、「ストーンズにできて矢沢にできないわけがないだろうよ」という名言を残した矢沢永吉をはじめ、ELLEGARDEN、SUPER BEAVER、YUKI、スターダスト・レビュー、BAD HOPら国内勢が一堂に会し最高の夏を彩った。中でも入場規制を叩きだしたFKJ、Vaundyの2組は人気の高さを裏付けた。

ノー・ウォーリーズ 撮影=大橋祐希

ノー・ウォーリーズ 撮影=大橋祐希

ルイス・コール 撮影=大橋祐希

ルイス・コール 撮影=大橋祐希

ヤー・ヤー・ヤーズ 撮影=大橋祐希

ヤー・ヤー・ヤーズ 撮影=大橋祐希

BAD HOP 撮影=大橋祐希

BAD HOP 撮影=大橋祐希

今回の『フジロック』を一言で表現するなら、“アツさ”だろう。アーティストの熱いライブパフォーマンスはもちろんのこと、それに勝るとも劣らなかったのが気候の暑さだ。1日目の矢沢出演前に降ったほんの少しの雨と、1日目&2日目の夕暮れに雷が鳴った以外は快晴。日が暮れてもなお厳しい暑さが続き、涼を求めて川へ繰り出す人が大勢いた。連日最高気温は30度を超えており、主催者によると『フジロック』史上最高気温をマークしたという。

また今回の『フジロック』では海外からの来場者の姿も多く見られ、2019年までの賑わいを彷彿とさせる“戻った感”がより一層強く感じられる景色が広がっていた。現地苗場にて海外からの来場者を対象としたインタビュー取材を実施したところ、ラインナップの充実、フェスと来場者のホスピタリティとフードのクオリティの高さ、大自然が広がる山中という世界的にも他に例を見ないロケーションを高く評価する声が多くあがっていた。こちらの詳しいレポートはSPICEにて後日掲載予定なので楽しみにしてほしい。

文=早乙女 ‘dorami’ ゆうこ

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GLAYがEP『HC 2023 episode 2 -GHOST TRACK E.P-』を9月27日にリリースすることが決定し、新アーティスト写真も公開となった。

今作は2月15日にリリースした61stシングル「HC 2023 episode 1 -THE GHOST/限界突破-」の続編となるEPとなっており、収録曲にはTAKURO(Gt)作詞・作曲による相棒をテーマにした楽曲「Buddy」や、HISASHI(Gt)がモバイルゲームアプリ『ブラッククローバーモバイル 魔法帝への道 The Opening of Fate』のために書き下ろした「Pianista」を含む、コロナ禍に生み出された楽曲全7曲が収録される。

今作は3形態でのリリースとなり、Blu-ray+グッズ盤は『The Ghost Hunter limited edition』と題し、グッズに各メンバーと実際のツアートラックをデフォルメしたアクリルスタンドが付属するBOXとなっている。

映像特典には、「Buddy」Music Video Live ver.や「Pianista」Music Videoの他、3〜6月に開催した全国ホールツアー『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2023 -The Ghost of GLAY-』のライブ映像とメイキング映像が収録予定。

10月25日には東京・Zepp DiverCityにて『購入者限定ライブ』の開催も決定し、封入特典としてこのライブにエントリーできるシリアルナンバーと、11月からのアリーナツアーをより楽しむための特典『Invitation of「The Ghost of GLAY Ⅱ」』も付属する。

さらに、新しいライブ情報も解禁された。1つ目は10月30日に福岡サンパレス ホテル&ホールにて開催する『GLAY The Premium Live 2023 “Premium JIRO” in Fukuoka』、そして2つ目は12月8日のビルボードライブ東京を皮切りに全国4都市で開催する『GLAY TAKURO Solo Project 4th Tour “Journey without a map 2023”』。どちらも詳細は公式HPをチェックしよう。

TAKUROコメント

2023年6月に全国ホールツアー「HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2023 -The Ghost of GLAY-」を終えたGLAYは、来年に控えたデビュー30周年を素晴らしい年にするべく、今年2枚目の作品を発表します。僕が書いた「Buddy」という曲は、長い間お互いを励まし、助け合い、時にはライバルとしてぶつかり合い、刺激し合いながら歩んできた2人の物語を描きたく、2年ほど前から準備して参りました。僕らにとってのBuddyは、楽しい時も苦しい時も共に一緒に歩んでくれたファンの皆様一人一人です。
これからも皆様と一緒に夢を見ていけたら、こんなに嬉しいバンド生活はありません。
今後とも何卒よろしくお願いします。

GLAY TAKURO

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2023年8月5日(土)&8月6日(日)TOYOSU PITにて開催される『音楽朗読劇 アシガール』。この度、草川拓弥(超特急)のカメオ出演、場内アナウンスで深堀未来と草川拓弥が互いにエールを送ることが決定した。

『アシガール』は、『ごくせん』『デカワンコ』『高台家の人々』などで知られる漫画家・森本梢子が描くコミック。足が速いことだけがとりえの女子高生・唯は、弟の尊がつくったタイムマシンをうっかり起動させてしまったことで、戦国時代にタイムスリップ……!? そこで出会った愛しい若君こと羽木九八郎 忠清と恋に落ち、彼を守るために足軽になって奮闘する姿を描くタイムスリップ・ラブコメディだ。

今回、二日目公演となる8月6日(日)昼公演に、同日夜公演で羽木九八郎忠清役を演じる草川拓弥(超特急)のカメオ出演が決定した。本編にこっそりと登場するシーンがあるため、会場に来た方はどこに登場するか探してみよう。さらに6日公演では、昼公演の場内アナウンスを草川拓弥が、夜公演の場内アナウンスを昼公演で同役を務める深堀未来(BALLISTIK BOYZ)が担当することが発表された。昼公演・夜公演と羽木九八郎 忠清役を演じる二人がそれぞれ互いにエールを送る形となりる。 

草川拓弥

草川拓弥

深堀未来

深堀未来

そして同じく二日目公演となる、8月6日(日)公演を昼・夜ともに観劇した方の中から抽選で、同日に速川唯役を演じる紺野彩夏、羽木九八郎 忠清役を演じる深堀未来、草川拓弥のサイン入りポラロイドをそれぞれ各5名様に、本公演ポスター(B2サイズ)を20名様にプレゼントする(プレゼント応募方法等の詳細は公式HPまで)。

『音楽朗読劇 アシガール』パンフレット (C)森本梢子/集英社(C)CultureEntertainmentCo.,Ltd.

『音楽朗読劇 アシガール』パンフレット (C)森本梢子/集英社(C)CultureEntertainmentCo.,Ltd.

本作の上演を記念して、公演初日より会場にてキャストのインタビューも収録されたパンフレットの発売も決定したので、こちらも楽しみにしよう。

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即興演奏を意味する“JAM(ジャム)”という言葉を掲げ、音楽カテゴリーを超えた一つのカルチャーでもある“ジャムバンド”というスタイル。その音楽に魅せられたSUGIZO(LUNA SEA、X JAPAN、THE LAST ROCKSTARS)が2002年に結成したジャムバンド・SHAGが、結成20年にして遂に1stアルバム『THE PROTEST JAM』を発表したのは昨年こと。同時に主催イベント『WHAT IS JAM?』を立ち上げ、日本にジャムバンドのシーンを根付かせるべく精力的に活動してきた。その1年間の集大成と言えるイベントが、8月11日の「山の日」に横浜BAY HALLで開催される『WHAT IS JAM? VOL.8』だ。
出演はSHAG、そしてSUGIZOが「日本のジャムバンドの頂点」と熱烈な賛辞を贈るSPECIAL OTHERS、さらにSHAGのメンバーである別所和洋のバンド、パジャマで海なんかいかない=通称「パジャ海(うみ)」と、同じくSHAGのメンバーであるKenKenの参加するAfro Begueなど、多種多様の音楽が入り乱れる一大パーティーだ。ジャムバンドのシーンの勃興にかける彼らの熱い思いを伝えたく、SHAGからSUGIZO、KenKen、別所和洋、そしてSPECIAL OTHERSから宮原"TOYIN"良太、又吉"SEGUN"優也、柳下"DAYO"武史、芹澤"REMI"優真を迎えた、7人のジャムの達人たちのトークバトル。イベントへの意気込みを語る言葉から始まった、即興演奏のような自由な言葉のグルーヴを楽しんでほしい。

――お一人ずつ、自己紹介というのも何ですが、イベントに向けて現在の心境を一言ずつお願いできますか?

KenKen:KenKenでーす。古い友達や、最近出会った新しい友達が入り乱れて、久々の楽しいパーティーが横浜でできて嬉しいです。よろしくお願いします。

又吉"SEGUN"優也:SPECIAL OTHERS、ベースの又吉です。こういうイベントってなかなかなくて、僕らとしては新鮮なので。楽しみです。

SUGIZO:SUGIZOです。SHAGというバンドをやっています。いろいろ僕のイメージがあるかもしれませんが、これこそが一番好きでやりたい音楽です。1周年目のこのイベントで、大好きなスペアザと共演できることが最高に嬉しいです。

柳下"DAYO"武史:ジャムをコンセプトにしたイベントということで、お呼びいただいて本当にありがたいです。久々に自由にジャムしちゃっていいのかなという思いもありつつ、楽しみながらやりたいなと思ってます。

宮原"TOYIN"良太:イベント名が『WHAT IS JAM?』とうことで、かなりジャムったライブにしたらいいのかなと思いつつ。中学の時から聴いていたSUGIZOさんと同じ舞台に立ててめっちゃ嬉しいです。

芹澤"REMI"優真:同じく、高校生の頃、このメンバーでLUNA SEAのコピーバンドをやらせていただいていた身としては、認識してもらっているだけで嬉しいです。呼んでいただいてありがとうございます。

別所和洋:別所です。SHAGももちろん楽しみですし、僕のバンド「パジャマで海なんか行かない」も出ますので。(横浜BAY HALLは)過去最大に海に近づいている気がしますので、楽しみです(笑)。

SUGIZO:最初に『WHAT IS JAM?』のコンセプトの話をさせていただくと、90年代からのニューヨークを中心としたジャムシーンが、僕はずっと好きだったんですね。みなさんご存じのように、その総本山がグレイトフル・デッドだと思うんですが、(彼らが体現してきた)ジャムであり、山であり、大自然であり、そういう感覚は日本ではシーンとしてまだないんですね、残念ながら。それをこれからみんなで構築することができたら素敵だなと思って、去年SHAGのメンバーで作戦を立てて始めたのが『WHAT IS JAM?』というイベントです。そして日本のジャムシーン、インストシーンを見ると、音楽的にも動員的にもスペアザが最高峰で、インストバンドで普通に野音ができて武道館ができる、スペアザという存在がいてくれるのは素晴らしいと思っています。ただ、そこに追随して来る層が出て来ていないので、そのシーンを作りたいという夢があるんですよね。そういうことを、『WHAT IS JAM?』を始めた時にKenKenとけっこう話していました。

KenKen:インストバンドで、最初に出てくる名前は当然スペアザですよね。俺は未だに最初にスペアザを聴いた時のことを覚えてて。21歳ぐらいの時に、デビュー前かデビュー1枚目のアルバムを、一緒に住んでいたDAG FORCEっていうラッパーに教えてもらって、聴いて驚いたのを覚えてる。そんなに年も離れてないのに、お洒落で、うまくて、雰囲気があって、“超カッケー”って思った。最初に話したのは、10年ぐらい前の福岡のフェスだったと思うんだけど。

柳下:サンセット(『Sunset Live』)?

KenKen:じゃないかな。「超ファンです」とか言って、メンバーに海で声をかけた(笑)。俺は確かRIZEで出てたのかな。憧れの人たちでしたよ。

宮原:今日はこんなに褒められるとは思わなかった(笑)。普段は褒められることなんてないのに。

又吉:慣れないね(笑)。

別所:スペアザとは長い付き合いで、僕がYasei Collectiveというバンドに入っていた時(2010-2018年)に、インストバンドの先輩として出会って、ライブを見に行かせてもらったり、ツアーの沖縄に勝手について行ったり。

柳下:「来なよ」って言ったら、「じゃあ行きます」って、普通に遊びに来てくれた。で、ついて6時間以内に携帯電話を落としてた(笑)。

別所:それで打ち上げに行けなそうになった(笑)。結局みつかって、めっちゃ飲みましたね、あの日は。

KenKen:青春を過ごしているんだね。

SUGIZO:僕が最初に会ったのはいつでしたっけ。『ap bank Fes '18』で一緒でしたよね。

柳下:近年では、そうですね。ただ僕が覚えてるのは、2005、2006年ぐらいに代官山UNITでお会いしたこと。当時はミクシィがあって、SUGIZOさんと「マイミク」させていただいて、「あのSUGIZOさんとマイミクになった!」って思ってました(笑)。

SUGIZO:その時はどういうイベントでしたっけ。

柳下:GOMA(ディジュリドゥ奏者)さんがいらっしゃいましたね。

SUGIZO:ああ、覚えてる。実は当時、もうSHAGをやってたんですよ。KenKenと一緒に。

KenKen:僕、17歳ですから。最初にSHAGをやったのは。

SUGIZO:その時は生ドラムがいなくて、DJのリズム、ベース、ギター、ヴィブラフォンで、クラブイベントにガンガン出ていた頃ですね。その時スペアザはデビューしたぐらいですか。なので、僕らの好きなインストやジャムのシーンでガンガン行けるバンドが出て来たんだって、衝撃がすごくありました。

KenKen:当時はPhish(フィッシュ)だったり、ジャムバンドが好きな洋楽好きはいっぱいいたんだけど、たとえばRIZEとかDragon Ashとかが出てるようなイベントにそういうバンドが出るのは、結局今もスペアザしかいないよね。それってすごく大事なことだと思ってて、俺たちがいろんな壁を頑張って超えなきゃと思っていたのを、勝手にフッと超えていく人たちがいると、めちゃ助かる(笑)。俺は、RIZEみたいなサウンドとジャムやインストのサウンドは別だと思ってたけど、それを同じシーンでやれるのは、一番音楽的なことだと思うので。

又吉:フェスの文化って、いろんなジャンルの音楽が聴ける場所じゃないですか。フェスはそういうものであるべきだなって、僕は思うんですね。もちろんコンセプトがあって、ロックの人たちをいっぱい集めるとかも全然ありだと思うけど、いろんな音楽に触れるのがいいなと思うので。

KenKen:だから今回のイベントがすごく面白いのは、パジャ海も出て、俺はAfro Begueっていう、アフリカのセネガルの人とやってるバンドでも出るんだけど、ジャンルは全部違うじゃん。けどジャムなんだよね。

別所:そういえば、スペアザのファンの人って、テーパーの人がいるじゃないですか。あれ、いつもやってるんですか。

宮原:あれはね、すごくハードルが高いの。メジャー(レーベル)に所属してると、超えないといけない壁。

SUGIZO:テーパーって何?

宮原:グレイトフル・デッドとかから始まった文化なんですけど、マイクを立てて、ライブを録音する人たちがいて。「自分の持ってるのはこれで、あなたの持ってるそれと交換してくれ」とか、やってるんですよ。

SUGIZO:ああ、それでテーパー(Taper:アナログテープに録音する人)。それは日本では難しいだろうね。

芹澤:俺ら、武道館で一回だけOKにしたんですよ。だから、できなくはないんですけど。

柳下:あのときは「テーパーズ・チケット」といって、エリアを解放して、録音可能にしたんです。

SUGIZO:日本でジャムというシーンが巨大になりにくいのは、そういう文化がないせいもあるよね。ライブを自由に録音して交換するとか、それを一つのカルチャーとして認識することが根付いていないからかもしれない。

KenKen:ミックステープの文化とかもそうだよね。

SUGIZO: 僕がジャムという言葉をちゃんと認識したのは2000年ぐらいで、フィッシュ、ソウライブ、レタスとかを聴いて、「こういうことがすごくやりたかった」って思ったんです。97年に自分のソロのツアーをやった時に、DJ KRUSH、ミック・カーンと一緒に回って、3人でジャムを延々とやってたんですよ。それがすごく良くて、即興に目覚めたんだけど、そのシーンを掘っていくと60年代に行きついて、(大型フェスの原型とされる)『ウッドストック』もまさにそういうシーンですよね。たとえばジミヘンはロック畑、スライはファンク畑として認識されるけど、みんな即興でやってて、フリーな感覚でみんなが高揚できるのはすごいなと。そこにはドラッグもアルコールもあったから、日本では難しいと思うけど、スペアザはビール片手にライブを見てると最高だという、日本では稀有な存在なので。そこに後続してくれる新しいアーティストが、バンバン出て来るべきだなと思っているんですね。

KenKen:いい意味で、見てなくていいんだよね、ジャムって。好きにしていい。逆にずーっと見られても困る(笑)。「みんな好きにしてる中で、俺らはずっとやってるからさ」ぐらいの感じがいいよね。

宮原:俺たちもそういう感じで聴いてほしいと思ってます。

柳下:海外では、けっこう気楽に聴いてるお客さんが多いですよね。日本のお客さんは、アーティストに失礼のないように、周りにも気を使ってきっちりと聴くみたいな、それはそれで日本のいい文化だと思うけど。

芹澤:外国のクラブ好きの人が日本のクラブに遊びに来て、びっくりするらしい。「なんでみんなDJのほうを見て、体操みたいに体動かしてるの?」って。

SUGIZO:良くも悪くも真面目なんだよね。日本人は。

柳下:そこをもうちょっと、周りをケアしつつも楽しく自由にできるような文化になっていけば、ジャムというものも良いほうに変わっていくんじゃないかな。

芹澤:俺らが10代の頃、ジャムバンドが大好きな青春時代を過ごして、今またこういうイベントに出会えるのも、高校生の時にLUNA SEAのコピーバンドをやってた俺らが、SUGIZOさんと出会って同じイベントに出るというのも、まさにジャムみたいなものだと思うし。DJのほうを向いて聴く人も、遊び慣れた人も、とにかく音楽だけ聴きたい人も、全員がここに集まって楽しめたらいいなっていうのが、俺の望みだったりします。本当の意味で自由なものだから、ジャムは。

SUGIZO:表現手段ではあるけど、カテゴリーではないからね。「自由であること」が俺にはすごく大切で。それこそジャンル関係なく、ヒップホップがいてもロックがいてもいいし、パンクがいてもプログレがいてもいい。ジャズがいてもいい。そこでみんなが即興で会話をするというところが、とても音楽的だなと思うんですよね、人間的で。だって、人間の会話って全部即興じゃないですか。

KenKen:そこで、しゃべるより楽器のほうが得意な人もいるし。

SUGIZO:スペアザって、完全即興はやります?

宮原:曲間でやったりしますね。曲の中では、場所を決めてやります。「ここはフリーで」とか。

SUGIZO:スペアザの音楽を聴くと、インストでジャムなんだけど、ちゃんとポップスとして成立していて。AメロBメロがちゃんとあって、歌ものと同じように聴ける。それがたぶんポピュラリティの重要なポイントの一つだと思うんだけど、でもしっかりとジャムを感じる、ぎりぎりのバランスってすごく大事じゃないですか。

芹澤:わかります。

SUGIZO:マニアックに行き過ぎちゃうと、一般リスナーがついて来れない。SHAGはどっちかというとやりすぎるんですよ(笑)。

Kenken:すいません! って(笑)。謝りながらやりすぎる。

SUGIZO:とはいえ行くところまで行っちゃうのが楽しいんですよ。それこそ60年代後半から70年代初期のマイルス・デイヴィスって、行き過ぎるところまで行くじゃないですか。1曲が1時間あったりとか。SHAGはそっちの方向に行っちゃうんだけど、たとえばマイルスのバンドなら、ハービー・ハンコックとかチック・コリアとかがちゃんと同じようなことをやりながらついて行く。そのバランスがすごく重要だなと思っていて、スペアザもそうですよね。見ていて、すごく勉強させられます。

KenKen:パッと聴いたら「あ、スペアザだ」っていうものが個々にある、それってミュージシャンにとって一番大事なことだと思う。だからそれぞれやってることは違うけど、仲良くできるんじゃないかな。(感性が)まるっきり違う人とやるのも面白いしね。だからきっと、優しさなんだよ、ジャムって。結局「人をどう思うか」みたいなことになって来るし、その究極なんだと思う。人の音を聴いてなかったら、なんにも楽しくない。煙草を吸おうと思ったら灰皿をくれる、みたいな(笑)。「お、ありがとう」っていうものを音で返す。そういうことなんだと思う、ジャムって。

芹澤:熟年夫婦が、後ろを振り向くだけで「はい、お茶ね」ってわかるみたいな(笑)。でもいつの日からか、ドラムのスネアの叩き方で、これからどういう展開がしたいのかがわかるような感覚があるんですよ。それって本当に熟年夫婦のお茶みたいなもので、ほかの人が聴いたらただ(音が)強いか弱いかぐらいの差なんだけど、「ここで展開するんだろうな」ということがわかるようになったりとか。

宮原:(無言でうなずく)

KenKen:全員でやってて、0,2秒先が一緒だったりすることもあるよね。あれは未来予知に近い。

芹澤:テレパシーだね。あの意識だけは、ChatGPTにも解析できない。

KenKen:しかも毎回違うわけで、人の違いを楽しんだり、空気の違いを楽しむみたいな感じがあるから。あれはどんな快楽よりも上にあるよね。ゾクッとする感じ。

芹澤:たぶんこのライブの当日にも、まだ一緒に音を出したことのないSUGIZOさんの音に、それを感じられることがあるかもしれない。「たぶん今、SUGIZOさんはこうしたいんだろうな」みたいなことがわかって、ついていけたりもするし。もう、一緒にやる前提でしゃべってるけど(笑)。

SUGIZO:SHAGとスペアザは、すごく面白い組み合わせだと思うんですね。伝わるところに伝われば、めちゃめちゃいいイベントになると思います。

柳下:僕らもずっとインストバンドとして、ジャムというものをテーマにしてやってきてはいたんですけど、カルチャーを作ろうみたいなことは、意外と僕らにはなかったので。SUGIZOさんがこういうふうに渦を作って、カルチャーとして広げていこうというところに、一緒に参加できることが本当に嬉しいし、めちゃくちゃ楽しいです。

SUGIZO:僕もすごく嬉しいです。強く思うのが、やっぱりシーンをちゃんと作っていかないと、大きくなりにくいんですよ。音楽だけじゃなく、世の中ってそういうもので、一つのアーティストや一つの表現者がものすごく実力と知名度と結果があったとしても、シーンができて来ないと、そこだけが孤立して終わってしまう。大切なのは、この感動やかっこよさをちゃんと伝えたいし、知ってもらいたいし、できれば「こういう音楽をやりたい」という次の世代が出て来てほしいと思うので、近い精神性や趣味嗜好を持った仲間が徒党を組むことはすごく大切だと思います。さっきの話とは真逆ですけどね。音楽のカテゴリーはフリーでいいという話とは真逆のことを言ってるんだけど、やっぱり一度しっかり徒党を組んで、近しい人たちが集まって、土壌を作るのは大事だと思うので。その上でまたフリーにしていけばいいから。だから今は「ジャム」というキーワードで、共感できるアーティストがこうやって集まること。スペアザのようにすでにそこの頂点にいる人たちが、ちゃんと日本にいるということで、将来が楽しみで仕方ないです。

KenKen:さんざんやってきて、今集まるというのがいいよね。

芹澤:今だからこそ、だね。

SUGIZO:芹澤くんは、もともとピアノをやってたんでしょう?

芹澤:やってないです。バンドの中で圧力がかかって、やっただけです(笑)。20歳ぐらいで、ドレミファソラシドの指使いを初めて覚えました。

SUGIZO:え〜! 信じられない! この前、二人(芹澤&別所)のピアノのコンサート(『2PIANO4HANDS「芹澤優真×別所和洋」』4月10日 月見ル君想フ)に行ったんですよ。素晴らしかった。大人になってから鍵盤を覚えた人のピアノにはとうてい聴こえなかった。

芹澤:途中であきらめたんですよ。子供の頃からピアノを習ったり、音大に行ったりしてる人たちとは、圧倒的にスキルが違いすぎて。だったら自分の性格とか、思いとか、ロックやハードコアが好きだとか、そういう気持ちを100パーセント乗っけて、それで面白いと思ってくれればいいやって。技術で闘ってもかなわないから。そしたら「いい」って言ってくれる人が出て来たんです。

SUGIZO:ちゃんと音があるよね、芹澤くんの音が。ちょっと歪んだローズ(エレクトリック・ピアノ)の音のイメージがすごくあって。さっきKenKenが言った「一発でわかる音がある」というのは、それが最も大事なところだって俺も思う。(柳下に)ずっと175(ギブソンES-175)じゃないですか。あれもすごいよね、一発でわかる。

柳下:インストバンドは歌がないので、個性としてはちょっと難しいんですよ。歌声よりも楽器の音は、一般の人には届きづらいと思うので、だったら一つの音を使っていこうって、途中で決めました。

SUGIZO:あのギターの音が、ボーカルの声のような存在かもね。なかなかいないですよ、そういう人。逆に俺は、ギターをコロコロ替えちゃうから。

柳下:そういうのにも憧れます(笑)。

SUGIZO:1本でいければいいんだけど、納得いかなくてついつい替えちゃう。ずっとセミアコがいいと思ってたんだけど、この3年ぐらいはフルアコを弾いてます。(柳下のギターは)ものすごくいい音を出されるんですよ。50年代の175で、(ピックアップは)P-90。ものすごくいい音がする。

柳下:癖があるんで、扱いづらいですけどね。

SUGIZO:その癖が、SPECIAL OTHERSのサウンドの肝になってるから、すごいんだよ。あと、別所くんのバンドの話もしないと。僕、パジャ海のすごいファンなんですよ。

別所:僕のバンドはインストじゃないんですけど、ジャム感はすごくあります。僕とベースとドラムがジャズ寄りの演奏者なので、歌ものなんですけど、かなりジャムセクションが多いので、ジャム好きな人も楽しめるだろうし。ほんと、かっこいいんですよ、うちのバンド。自分で言うのも何ですけど、いろんな人に見せたいバンドです。

SUGIZO:パジャ海は、若いリズム隊二人がまたすごい。音楽が好きになった頃から、ディアンジェロとかが普通にいる世代だから、そういうグルーヴが当たり前に出せる。ここにパジャ海がいるのはすごくいいと思いますね。KenKenのAfro Begueとパジャ海が一緒に出るのも、すごくない?

KenKen:Afro Begueも、みんなに紹介したいな。Afro Begueのリーダーのオマール・ゲンデファルっていう奴は、セネガルのグリオっていう伝承音楽家一族で、500年ずっとジャンベしか叩いてませんみたいな、グリオの一族以外はその楽器に触っちゃいけないというぐらいの一族。歌舞伎の中村屋みたいな感じ。いろんなアフリカのミュージシャンとやったけど、レベルが違くて、そいつが最初に「カン!」って一発叩いた時に、ソニックウェーブ(衝撃波)が見える(笑)。見たら絶対わかるよ。ミュージシャンというより、「音楽がここにいるぞ」って感じ。

SUGIZO:曲、すごいかっこいいよね。歌もすごくいい。そこにSHAGとスペアザがいて、ほかにもいろんなミュージシャンが出てくれる。僕は、これをきっかけにもっとスペアザとやりたいと思っています。仲良くしてくれたら。

芹澤:こちらこそ。

又吉:お願いします。

柳下:今日は持ち上げられすぎて(笑)。逆に恐縮です。

SUGIZO:ジャムは素晴らしい音楽で、これをちゃんと日本でも大きくしたいなという夢があるので、ぜひ今後もご一緒できたらと思います。一緒にインストシーンを大きくしましょう。そのうち、野外で5,000人とか1万人を集めて、こういうバンドだけが集まるシチュエーションを作れることが夢ですね。

取材・文=宮本英夫
撮影=大橋祐希
SUGIZOヘアメイク=酒井夢美

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2023年11月10日(金)~11月19日(日)天王洲 銀河劇場にて上演される、『東京カラーソニック!!』the Stage Vol.2のメインビジュアル&11名のキャラクタービジュアル、公演概要が解禁となった。

大人気イラストレーター冨士原 良がキャラクターデザインを手がけるオリジナルCDコンテンツプロジェクト「東京カラーソニック!!」(通称カラソニ)の舞台化作品『東京カラーソニック!!』the Stage。208X年の日本を舞台に「音楽」に情熱を捧げる若者たちの青春楽曲バトルを描く本作は、2021年よりスタートしボイスドラマや楽曲のCD・配信のリリースを中心に展開し、瞬く間に大ヒット。ボーカル担当と作詞・作曲担当がバディを組み、年に1度の音楽フェス「東京カラーソニック」で優勝を目指す青春群像劇だ。1stシーズン、2ndシーズンを経て、現在は3rdシーズンの『東京カラーソニック!! Trust』が進行中。

2022年2月、初のオフィシャルイベントにて、1stシーズンの舞台化を発表。演出に伊勢直弘を迎え、脚本は伊勢直弘と、原作でディレクター/シナリオを担当する東妻リョウが共同執筆で担う。この度の第二弾では舞台初登場のキャラクターも登場。東妻リョウが手掛ける舞台オリジナルエピソードも交え、音楽に情熱をかける青年たちの青春エンターテインメントを描く。

小宮山 嵐 役:武子直輝 

小宮山 嵐 役:武子直輝 

霧島 宙 役:北川尚弥

霧島 宙 役:北川尚弥

宝田伊織 役:山﨑晶吾

宝田伊織 役:山﨑晶吾

加地春飛 役:高本 学

加地春飛 役:高本 学

瀬文永久 役:北村健人

瀬文永久 役:北村健人

財前未來 役:樋口裕太

財前未來 役:樋口裕太

倉橋海吏 役:安井一真

倉橋海吏 役:安井一真

高槻神楽 役:小波津亜廉

高槻神楽 役:小波津亜廉

田所雪也 役:松村龍之介

田所雪也 役:松村龍之介

芦野涼真 役:阿部快征

芦野涼真 役:阿部快征

駿河冬一 役:輝馬

駿河冬一 役:輝馬

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歌舞伎公式動画配信サービス「歌舞伎オンデマンド」が2023年8月でサービス開始3周年を迎えたことを記念し、この3年間の歌舞伎座公演より選りすぐりの6演目をアンコール配信する「配信感謝祭」を、8月1日(火)より開催することが決定した。

ラインナップは、かつて死に別れたはずの恋人との運命の再会―松本幸四郎扮する与三郎の名セリフがみどころの『与話情浮名横櫛 源氏店』。尾上菊之助、中村勘九郎が仲睦まじいおしどり夫婦を勤め、その愛情物語が感動を呼ぶ『ぢいさんばあさん』。新作歌舞伎「刀剣乱舞」で話題の尾上松也をはじめ、毎年「新春浅草歌舞伎」を彩る花形が勢揃いする『壽浅草柱建』。母を想う子狐を中村獅童が演じ、その情愛に心温まる古典の名作『義経千本桜 川連法眼館』。尾上松緑演じる人のいい泥棒と坂東巳之助の悲運の若殿の二人に芽生える心の絆を描いた『泥棒と若殿』。尾上右近が弁天小僧菊之助役を勤め、花形の顔合わせならではエネルギッシュな舞台に心が躍る『弁天娘女男白浪』。

さらに、今回は「配信感謝祭」限定の特別企画として、各作品の配信開始より2週間は「歌舞伎にハマろう!ウィーク」と題し、特別価格500円(税込)での販売、そして通常視聴期間7日間のところを10日間に延長。またフォロー&リツイートでプレゼントが当たる Twitter キャンペーンも実施される。

『与話情浮名横櫛 源氏店』 2020 年 8 月 歌舞伎座 / 出演:松本幸四郎、中村児太郎、片岡亀蔵、市川中車、坂東彌十郎

『与話情浮名横櫛 源氏店』 2020 年 8 月 歌舞伎座 / 出演:松本幸四郎、中村児太郎、片岡亀蔵、市川中車、坂東彌十郎

『ぢいさんばあさん』 2021 年 12 月 歌舞伎座 / 出演:中村勘九郎、坂東彦三郎、中村歌昇、尾上右近、中村鶴松、中村吉之丞、坂東亀蔵、尾上菊之助

『ぢいさんばあさん』 2021 年 12 月 歌舞伎座 / 出演:中村勘九郎、坂東彦三郎、中村歌昇、尾上右近、中村鶴松、中村吉之丞、坂東亀蔵、尾上菊之助

『壽浅草柱建』 2021 年 1 月 歌舞伎座 / 出演:尾上松也、中村隼人、坂東巳之助、中村米吉、中村莟玉、中村鶴松、中村種之助、坂東新悟、中村歌昇

『壽浅草柱建』 2021 年 1 月 歌舞伎座 / 出演:尾上松也、中村隼人、坂東巳之助、中村米吉、中村莟玉、中村鶴松、中村種之助、坂東新悟、中村歌昇

『義経千本桜 川連法眼館』 2020 年 11 月 歌舞伎座 / 出演:中村獅童、市川染五郎、市川團子、澤村國矢、中村莟玉

『義経千本桜 川連法眼館』 2020 年 11 月 歌舞伎座 / 出演:中村獅童、市川染五郎、市川團子、澤村國矢、中村莟玉

『泥棒と若殿』 2021 年 2 月 歌舞伎座 / 出演:尾上松緑、坂東巳之助、市川男寅、尾上左近、市川弘太郎(現・市川青虎)、中村亀鶴、坂東亀蔵

『泥棒と若殿』 2021 年 2 月 歌舞伎座 / 出演:尾上松緑、坂東巳之助、市川男寅、尾上左近、市川弘太郎(現・市川青虎)、中村亀鶴、坂東亀蔵

『弁天娘女男白浪』 2022 年 5 月 歌舞伎座 / 出演:尾上右近、坂東巳之助、中村隼人、中村米吉、中村橋之助、中村福之助、坂東亀三郎、市村橘太郎、坂東彦三郎、中村東蔵

『弁天娘女男白浪』 2022 年 5 月 歌舞伎座 / 出演:尾上右近、坂東巳之助、中村隼人、中村米吉、中村橋之助、中村福之助、坂東亀三郎、市村橘太郎、坂東彦三郎、中村東蔵

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2023年8月8日(火)17:30より『伊礼彼方の部屋 vol.11~甲斐翔真×中河内雅貴×伊礼彼方~』が生配信(アーカイブあり)されることが決定した。

毎回公演中に共演者を迎えてのぶっちゃけトークショーをする本配信。帝国劇場にて『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』に出演中の伊礼彼方だが、第11弾が急遽決定した。

ゲストは伊礼とは初共演となった甲斐翔真。そして伊礼とは旧知の仲である中河内雅貴。彼ら二人を招いて、稽古中でのエピソードや、現在上演中だからこその熱いトークをおくる。

すでに観劇した方も、これからの方も楽しめる盛りだくさんの内容となっているので、本配信を見逃さないでおこう。

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1997年初演、そして土田英生が主宰する劇団「MONO」にて1999年に劇団用に書き直して上演された『燕のいる駅』。2005年に相葉雅紀主演で再演された本作は、その脚本が持つ時代を超えた普遍性が高く評価された土田の渾身の名作だ。2023年9月23日(土)からは、主演に和田雅成を迎え、新たな演出で再々演されることが決定。主人公の高島啓治を演じる和田に本作への意気込みや役柄への思いを聞いた。

――最初にこの作品のお話をいただいた時、出演したいと思った決め手はどんなところだったのですか?

赤裸々な話をしてしまうと……製作の方が熱意を持ってこの作品に出演してほしいと伝えてくださったので、それならばスケジュール的に難しそうではあるけれど挑戦してみようと。僕は、これまであまり主演をやってこなかったので、主演というところにも引っかかりました。

――言われてみれば、これまで主演はあまりやっていませんでしたね。

僕自身は、主演に対して強いこだわりがあるわけではないんですよ。役に合っていることが大事だと思うので。ただ、主演できるというのはすごくありがたいことですし、今年は出演する舞台は全て主演なのですが(笑)本当にたまたま、自分に合った役が主演だったというだけで、人生は分からないなと思います。

――そうして主演を務めることで、また新たな経験もできたのでは?

そうですね、今年は特にそうだと思います。『風都探偵 The STAGE』は「仮面ライダー」という実写の続編を漫画化し、それを舞台化するという難しい作品でしたし、『ダブル』は今後の僕の人生の色が変わったことを感じた作品でした。『ダブル』の劇中に「演者と役、2つの人生が板の上で重なって芝居が生まれる」というセリフがあるのですが、それが『ダブル』の舞台上でも起きたんですよ。舞台の上で自分の感情がぐちゃぐちゃになりすぎて、意味が分からなくなってしまったんです。でも、そうなった瞬間に、人生の全てが愛おしくなったんですよね。それはすごく大きな経験でした。きっとこの作品も、僕の人生の色を変えてくれる作品になるだろうという予感がしています。

――すでに大きな予感があるんですね。そんな本作の台本を最初に読んだときはどんな感想を持ちましたか?

フィクションとノンフィクションを掛け合わせたような作品だと感じました。現実にあるのかないのか分からないような不思議な雲が出てくるけれど、繰り返される会話はとてもリアルで……。普段、僕たちがしている会話と変わらない会話と非現実的な設定の組み合わせが非常に演劇的だという印象です。そうした脚本を、役者さんたちがどうリンクさせて演じるのか、稽古がすごく楽しみです。

>(NEXT)世界最後の日にどこに行き着くのか。和田自身は何をする?

 
『燕のいる駅-ツバメノイルエキ-』キービジュアル

『燕のいる駅-ツバメノイルエキ-』キービジュアル

――この作品では、和田さんが演じる高島をはじめとした登場人物たちが、世界最後の日にどこに行き着くのかを描いています。そうしたストーリーについてはどう感じましたか?

世界が終わる日がきても実際には何もできないんだろうなと思いました。そう考えると、高島は(劇中で)「のんびり屋」と言われていますが、実は全てを知っていたんじゃないかとも思えます。僕自身、「今日、世界が終わります」と言われても、きっとのんびりしていると思うんですよ。だって、何もできないから。何をしても後悔するし、何をしても後悔しないと思うんです。その共存がすごく面白く描かれていると思います。何かをしようとする人もいるし、何もしない人もいる。お客さまに与える余白が多い作品だと思うので、きっと観る方によって感じ方が違うと思います。最後までご覧いただくと、実は何気ない会話の中にもたくさんのヒントが散りばめられているかが分かり、もう1回観たいと思うのではないかなと思います。

――高島に共感を覚えたり、自分と似ているなと思うところはありましたか?

カレーが好きというのが共通点かな。高島は、カレーパンですが(笑)。それ以外の内面的な部分は、稽古に入って、(演出の)土田さんと話してみないとまだ分からないというのが正直なところです。高島が何を考えているかがまだ掴みきれていないんですよ。表面に見えている部分が本当の高島なのか、それともその真意はさらに深いところにあるのか分からないので、まだ簡単に似ているとも言えないです。それに、劇団公演の映像を観させていただいたら、自分の考えていたプランとは全く違う高島だったんですよ。そうしたこともあって、今は劇団公演の高島に寄せて演じるべきなのか、それとも自分の色に寄せていいのかも分からなくなっています。なので、これからのお稽古で、土田さんと他の共演者の皆さんと一緒に作っていこうと思っています。

――なるほど。では、 いわゆる2.5次元作品とオリジナル作品では、役作りや役を演じる上での意識に違いはありますか?

僕自身は、どんな作品でも「役を生きる」という意味では区別はしていません。ただ、2.5次元作品はヒントや正解がある中で、自分の要素を掛け合わせながら作っていくので、ストレートプレイの舞台とは全く違うとは思います。今回は、先ほどお話したように再演なので、また一概には言えないところで、どこまで以前の公演を踏襲すればいいのか、稽古をしていく中で作り上げていきたいと思っています。

――先ほど、高島は全てを知っていたのではないかというお話もされていましたが、それはある意味では、事なかれ主義の日本人らしい人物像なのかなとも思いました。それが、この物語の結末を導いたのかなと考えると、高島は苛立ちを覚えるようなキャラクターなのかもしれません。和田さんは高島に対して、そうした苛立ちは感じませんか?

台本を読んだ時に苛立ちは感じませんでしたが、確かに自分が実際にこの世界に入った時にはイライラするかもしれません。本当にこの状況になってみないと分かりませんが、色々な可能性は考えてしまいます。僕は、『名探偵コナン』が大好きなんですが、そのコナンの中で「起こったことが事実でも、それは真実じゃないかもしれない」という大好きなセリフがあるんですよ。例えば明るく振舞っていても心に深い悲しみを抱えている人はいると思います。そうやって、心の奥にある真実を考えるようになったり、いけないことをした人を見た時にどうしてしてしまったのか理由を考えたりすることが多くなりました。それは『ダブル』の影響も大きいと思いますが、そう考えるようになっていろいろなことが許せるようになったように思います。

――その人にはその人の事情があったのかなとか?

そうです。その人の正義でそれをやっているんだろうと思うと、苛立ちはないですね。ただ、その人の正義を探したいと思うようになりました。そう考えると、僕はまだ高島の正義を台本から見つけられていないんですよ。なので、曖昧なことしか今はまだ言えないのですが。

>(NEXT)作・演出の土田英生とは初タッグ。「答え合わせをしたくなる、余白ある作品」

 

和田雅成

和田雅成

――土田さんとはすでにお会いしていますか?

まだお会いしていないので土田さんご自身の印象は全く分からないですが、こうした作品を書くということで僕が勝手にイメージしている姿はあります。この作品の中では、会話の言葉ひとつに登場人物たちがすごく執着しているので、もしかしたらご本人も、すごく突き詰める方なのかもしれないと。稽古でも、セリフの一つひとつを突き詰めてもらえるんじゃないかなとか、遠慮なく演出してくださるんじゃないかなと楽しみにしています。

それから、この作品の中には、「世界が終わる日」だったり、雲が大きくなるという前兆があったりというフィクションが描かれていますが、それらはきっと子どもの頃に想像したことがあると思うんですよ。そうした誰もが子どもの頃に考えたことをテーマにして描いているので、どこか子どもの心を残しつつも、それを大人の会話として表現できる、二つが共存されている方なのかなと思います。早くお話をしてみたいです。

――土田さんは「ノストラダムスの大予言」から着想したとおっしゃっていました。さらに、今回はコロナ禍があったことで、再び上演すべきだと思ったそうです。そういう意味では、この作品は、社会問題を啓蒙するというテーマもあるのかなと思いますが、和田さんはどう捉えていますか?

演劇には、そうしたメッセージを散りばめた作品も多いと思います。そこが演劇の素晴らしいところでもありますよね。特に最近は、SNSやニュースを見ていると、心が疲れてしまうじゃないですか。だからこそ、自分の思いを役や作品に乗せて訴えていくことは大事なんだと思います。誰かが世界を変えようと思わなければ変わらないままです。だから、少しでもいい方向に進むように誰かがやらなければいけない。今すぐに変化が起こるかは分かりませんが、こうした小さな種が誰かにいい影響を与えて、社会が、人生が明るい方向に向かっていく人が一人でもいればいいなと思います。

――最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

絶対2枚以上チケットを買ってください(笑)。見終わった後、僕だったらもう1回観たいなと思う作品です。余白がある作品なので、その余白を家に持って帰ってもらって、咀嚼して、きっと答え合わせをしたくなると思います。だからこそ、2枚必要。もちろん、1回でも楽しめると思いますが、僕は台本を読んで、またすぐに2回目を読みたいと思ったので、2枚をオススメしたいですし、お客さまにそう思っていただけるように稽古に励んでいきたいと思います。

取材・文=嶋田真己

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