人気声優ランズベリー・アーサー、ヒットメーカーRockwell擁するStellagramが最新曲「Skyfall」のリリックビデオを公開

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人気声優ランズベリー・アーサーや、ヒットメーカーRockwellらを擁するロックバンドStellagramが、12月1日リリースとなる新曲「Skyfall」のリリックビデオを先行公開した。

本楽曲は印象的かつ美麗なピアノの旋律からミドルテンポのロックサウンドに始まり、Rockwellが得意とする壮大な世界観をイントロから感じることが出来る。過去の過ちや後ろ向きな自分を認めながらも、ひたむきに前を向き歩みを止めないという意志表示の歌詞に合わせて、冬の空と海をバックにランズベリー・アーサーのみが出演するという、シンプルながらも映像美を追求したリリックビデオとなっている。

リリース同日となる12月1日(金)には代官山UNITにて主催イベント『STELLA NOVA Vol.3』をゲストにASH DA HEROを迎えて開催。イベントは現在イープラスにて発売中なので、是非新曲と合わせてチェックしていただきたい。

Stellagram「Skyfall」

 

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2024年1月19日(金)・20(土)・21日(日)の3日間にわたり、神奈川・パシフィコ横浜で『釣りフェスティバル2024 in Yokohama』が開催される。

『釣りフェスティバル』は、釣り関連メーカーの最新製品がいち早く見られる、国内最大級の“釣り”イベント。2024年はオンライン配信ではなく、4年ぶりの“リアル開催”で実施される。

今回の『釣りフェスティバル2024』には、“釣りフェスティバル限定品”や、“マス釣り体験”、“釣りの学校”などの企画が満載。さらに、釣種別7カテゴリーに出展社が集結した“釣種別スタジアム”のほか、トップアングラーが共演するステージイベント“トーク&ライブ”なども予定されている。

『釣りフェスティバル2024 in Yokohama』のチケット(前売)は、イープラスほかにて受付中。今回は新たな試みとして、金曜日のプレビュータイムから入場できる数量限定チケット“フライデーゴールドチケット”(電子チケットのみ)や、金曜日のみ入場可能で割安な“フライデーチケット”の販売も実施。土日の一般チケット(前売)も昨年2023年よりも割安価格で販売されている。

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BIGMAMAが青春・学校をテーマに制作したニューアルバム『Tokyo Emotional Gakuen』のリリースツアー『SCHOOL WARS TOUR』が、本日・Zepp DiverCity(TOKYO)にてツアーファイナルを迎えた。

スクールバス(カリフォルニアからの転校生)とともに全国を周り、青春を駆け巡ったツアーも終幕。と思われたが、今回『SCHOOL WARS TOUR』追試&留年ツアーが決定した。

2024年3月5日(火)名古屋 Electric Lady Landよりスタートする本ツアー、1周目は追試の対バンツアー、2周目は留年のワンマンツアーを行う。

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今年9月に行われたアートフェア『紀陽銀行 presents UNKNOWN ASIA 2023』でイープラス賞を受賞したYUIHALF(ゆいはん)。現在横浜在住で、会社員として働きながら、イラストレーターとして企業HPのイラストやロゴ、CDジャケットなどを手掛けている。そんな彼女は、一筆書きのスタイルで知名度を上げ、TBS系芸能人の才能発掘バラエティ『プレバト!!』にも「一筆書きアート」の先生として出演するなど活躍中。11月23日(木)19時からは、『プレバト!!』に2回目の出演を果たす。今回はイラスト、仕事、ダンスの3足のわらじを履いて活動するYUIHALFに、イープラス賞を受賞した時の気持ちや経歴、制作スタイル、今後の目標について話を聞いた。

YUHALF

YUHALF

●『UNKNOWN ASIA』を振り返って

ーー改めて、イープラス賞受賞おめでとうございます。今年で3回目の『UNKNOWN ASIA』出展でしたが、2021年はスポンサー賞を含む3つの賞を、2022年は4つのレビュアー賞を、そして今年はイープラス賞のほかに、審査員賞と3つのレビュアー賞を受賞されました。受賞の感想をお聞かせください

単純に嬉しいのと、去年もすごく褒めていただいたので「やっといただけた」という気持ちです。イープラスさんは全国で色んな方が使われているサービスを提供されてる会社さんなので、そんな大きな会社さんの賞をいただけると思わなくて、びっくりと嬉しいが半々くらいです。

ーー3日間『UNKNOWN ASIA 2023』に参加してみて、いかがでした?

楽しかったですね。オフラインの展示自体、去年の『UNKNOWN ASIA』が初めてで。今までSNSやデジタルデバイスでしか作品を発表していなかったので、キャンバスに絵を起こす方法も全くわからなくて、ちょっと言い方が悪いですけど、去年は少し雑な参加になってしまったんです。それを審査員の方からご指摘いただいて。賞をいただけて本当に嬉しいと思いつつ「悔しい、来年はもっとちゃんとかまそう」と思っていました。だから、当たり前ですが、今年は「壁のサイズがこれぐらいだから、これくらいのサイズのものをいくつ作ろう」と決めて制作したり、カラー額縁をイラストの色に合わせて用意したり、配置もちゃんと考えて出展した結果、色んな方から褒めていただいて、すごく嬉しかったです。

『UNKNOWN ASIA 2023』の様子

『UNKNOWN ASIA 2023』の様子

ーー直接お客さんとお話できる機会は良いものですか?

めちゃくちゃ嬉しいですね。お客さんが絵を観ているところを見て「そういうところが気になるんだな」、「そこで可愛いと思ってもらえるんだ」と、意外なところに惹かれることがすごく感じられたので、参考にもなりましたね。

ーー『UNKNOWN ASIA』出展以降、お仕事が増えた実感はありますか?

2021年にスポンサー賞をいただいた企業様には、今も継続してお仕事をいただけています。出展していなかったら絶対になかった繋がりが確実にできたので、そこは大きかったかなと思います。

●好きだったイラストが、大学生の時に仕事に

ーーではYUIHALFさんの経歴をお聞かせください。まずは「YUIHALF」と書いて「ゆいはん」さんとお呼びしますが、お名前の由来は?

高校生から友達にずっと「ゆいはん」と呼ばれていたんです。入学1週間後くらいに突然呼ばれ始めたので、特に意味はなくて。そのまま大学生まで呼ばれ続けて、イラストレーターとして活動するにあたって名前を何にしようかなと思った時に、「ゆいはん」にしようと。ゆいはんの「はん」を半分の「半」にして、英訳すると「YUIHALF」になるので、字面も良いし「これにしよう」と思ってそのまま使ってます。

ーーイラストを描き始めたのは、いつ頃、何がキッカケだったんですか?

小さい時からずっと絵が好きだったんですよ。人に頼まれて描くようになったのは大学生の時。所属していたダンスサークルで「フライヤーのイラストをお願いできない?」みたいな感じで頼まれて、徐々に仕事になっていきました。

ーーそこからイラストレーターになりたいと。

小さい時から絵は好きだったんですけど、ずっとイラストレーターになりたかったわけじゃないんです。大学卒業後に就職したら、社会人1年目のタイミングでコロナ禍に入ってしまって。会社の仕事もしつつ、イラストも自宅で描いていて、SNSで発信するうちに、少しずつお仕事がいただけるようになってきました。だから明確に「なろう」と思ったわけではなく、流れでなったという感じなんです。

ーーその時の画風は、まだ一筆書きじゃなかったんですよね。

そうですね、全然違います。以前は線も切れていましたし、グラデーションで色を塗ったりしていましたが、今は服は単色で塗ったり、ハートは赤1色で塗るような感じで着色しています。

「赤い糸」

「赤い糸」

ーーアナログでも絵は描かれるんですか?

イラストレーターとしては描いていないものの、絵を描くのは好きなので、最低限は描ける程度です。でも、やっぱり立体的な表現はオフラインじゃないとできないので、いつかはやってみたいですね。去年出した「赤い糸」という作品は、赤い糸で2人が結ばれてるイメージで、赤い線の上から本物の糸を貼り付けたんですよ。デジタルでも赤い線で描いても伝わるけど、オフラインだと説得力が違うじゃないですか。絵の具やキャンバスなどの画材も好きなので、いつかそれらを使って制作をしてみたいです。

ーー制作していて、1番の喜びを感じる瞬間は?

やっぱり依頼してくださった方が「本当に頼んで良かったです」と言ってくれる時が1番嬉しいです。展示会用で作ってる時は、周りの反応ですかね。高校時代から結構ストイックと言われることが多いので自分では「微妙かも」と思っていても、SNSで出すと「これめっちゃ良いじゃん」と言ってくれる時があって。「良いんだ」と思うと、やっぱり嬉しいですね。

●「やっぱり発信することはすごく大事」

ーーお仕事のスタイルについてもお聞かせください。

平日の昼間は会社員をしていて、それ以外の時間でイラストとダンスをしています。

ーー元々スポーツがお好きなんですよね。

大学の時、スポーツ系の学部にいたんです。スポーツをやるのも観るのもすごく好きで。今はダンスと、趣味でボルダリングをしています。

ーー最初からスポーツ関係のお仕事を希望されていたんですか?

本当は最初、就活で広告系のデザイナーやクリエイターを受けてたんですけど、スポーツ健康学部卒なので、どこも履歴書で落とされちゃって。でもやっぱりスポーツ好きだしなと思ってスポーツに関連する仕事に方向転換して今の会社に入りました。

ーー会社員とイラストを両立されていますが、元々そこを目指されていましたか?

実はダンスの方でもちょっとだけお仕事をさせていただいてて。所属しているチームでイベントのゲストに呼んでもらったりしています。いずれイラストとダンスだけで食べていければなという気持ちはあるんですけど、会社員はフリーランスでいきなり社会に出たら学べなかったことがたくさんあるなと思っていて。今は大きな会社とやり取りすることが多いですし、名刺交換やビジネスメールの打ち方といった、社会人として最低限のマナーは会社にいないと学べませんでした。勉強させてもらっていると言うと会社に失礼かもしれないですけど、人生でなかなかできない経験をたくさんさせていただいてるので、もうしばらくは続けたいと思ってます。

ーー仕事が終わってからイラストを描いてらっしゃるのですか?

9〜18時、残業がある日は19〜20時まで仕事した後、ご飯を食べてそのまま作業の日もあれば、仕事終わりでダンスレッスンやリハーサルに行って、終電で帰ってきて作業する日もあります。あとは土日ですね。そもそも家にいる時間が少なくて。家にいる時は描いてるか、結構ゲームもしてますね。

ーーイラストのお仕事はどういうルートで受注することが多いですか?

最初は本当に知り合いや友達、先輩・後輩からが多かったんです。例えばサークルの友達が頼んでくれたのを見て後輩が頼んでくれたり、その友達からお願いされたりというケースが、SNSの投稿数に比例して増えていって。コンテストで賞をいただくようになってからは、企業さんがインスタでDMをくださったり、メールでご連絡いただいたりですね。倍数くらいの感じで増えてますね。

受賞作

受賞作

ーー外部とのお仕事で印象に残ってるものはありますか?

コンテストだと最優秀賞を受賞した『Manhattan Portage ART AWARD 2021』が1番印象に残っています。依頼していただいたお仕事だと、1個に絞るのが難しいんですけど、ゼクシィさん(付録の婚姻届イラスト)と保育園さん(さいたま市のはなまる保育園)。まさか自分の絵のスタイルで保育園の教室の看板のイラストをやる日が来ると思わなかったのでびっくりしたのと、周りからの反響が良くて嬉しかったですね。

ーーいずれダンスとイラストの2軸でやっていきたいとおっしゃいましたが、どんな生活ペースが理想ですか?

わがままだけを言うと、週3休みが1番いいんですよ。そうすると単純に活動できる時間が増えるので。いつかは独立したいとは思いつつ、やりたいことは全部やりたいという気持ちです。

ーー今会社員をしながらイラストを描きたいと思ってる人も多いと思いますが、そんな方にアドバイスするとしたら?

やっぱり発信するのがすごく大事だなと思います。3年前は友達しか見てなかった200人くらいのアカウントで、「意味あるのかな」と思いながら発信してたんですけど、見てくれてる人は絶対にいる。好きなことや「私はこれが強いんだ」という分野をちゃんと発信するのは大事だと思います。

●どうしたら「YUIHALFの絵だ」とわかってもらえるのか

『UNKNOWN ASIA 2023』の様子

『UNKNOWN ASIA 2023』の様子

ーー『UNKNOWN ASIA 2023』でお話を聞かせていただいた時、一筆書きのスタイルは『UNKNOWN ASIA 2020』に初参加する少し前に、他のイラストレーターとの差別化をはかるためにたどり着いたとおっしゃっていましたが、改めて一筆書きアーティストに行きついたキッカケをお聞きしたいです。元々線画を描かれていたとはいえ、絵をあそこまでシンプルに分解するのは、結構難しいんじゃないのなと。

最初は難しかったです。一筆書きをやり始めた最初の頃は、もっとぐちゃぐちゃだったんですよ。そこからブラッシュアップして今の感じに落ち着きました。コロナ禍に入った時はまだ前のイラストで、2020年の秋か冬ぐらいからは完全に転換しているので。ちょうど3年くらいですかね。最初は海外のアーティストの方に似た描き方をしてたんです。でも人と似てるのは意味がないなと思って、描き方を少しずつ変えて今の画風になっています。

ーー憧れのアーティストさんはいらっしゃいますか?

めちゃくちゃいます。私は「そのお仕事が手掛けられるのいいな」という憧れのパターンと、スタイルに憧れるパターンがあって。前者で言えば、YOASOBIのツアーやMVを手掛けておられる藍にいなさん。あとは写真家の吉田ユニさん。発想が天才すぎてずっと眺めてます。

ーー広告やデザイン系の方もお好きなんですね。

全然見ますね。大好きです。例えば東京ディズニーランドに行った時、私、建物とかすごく見ちゃうんですよ。物の形や色、デザインが好きで。大阪に行った時も、東京にない窓の形の建物の写真を撮ったり、本の装丁や靴のデザインもめちゃくちゃ見ます。小さい時からの癖かもしれない。家の形や表札のフォントをずっと見ながら歩いているので、それで道を覚えられる変な癖があって。

ーーではスタイルに憧れるアーティストは?

一筆書きじゃない方ですけど、榛葉大介さんというデザイナーさん。TBS系のバラエティ番組のロゴなどを手掛けられていて、シンプルにデザインが好きなんです。そして自分がずっと好きなのは長場雄さんやキース・へリングさん。多分イラストを見たら絶対に知ってると思うんですけど、大尊敬してます。線が少ないのに何を描いているか伝わるし、全員「長場さんだ」とわかるじゃないですか。私が基本的に目指したいゴールはそこです。あのシンプルな表現で誰かわかるのはすごい。

ーーシンプルな分、差別化が難しい気もします。

多分、習字と同じなんです。習字は一とか二とか、画数が少なければ少ないほど、バランスを取るのが難しいじゃないですか。影や色の付け方、もっと線が多ければきっと細かく表現できる描写があるけど、そこを全部削ぎ落として、最低限で描いているので。脳内にある絵を簡略化した時、人に伝わらなかったりすることが結構あって。例えば自分には「手」に見えてるし、「手」を書いてるつもりだけど、出してみたら「これ何ですか?」と言われることがあるんですよ。

ーー確かに。

一筆書きは、ライセンスの商用利用OKの画像のフリーサイトでも検索すると、簡単なものがあったりするんですよ。そういうものが街中で使われているのを友達が見て「これってYUIHALF?」みたいな連絡が来ることが結構あって。自分的にはこだわってるところが全く違うから「全然私の絵じゃないじゃん」と思うんですけど、他の人からしたら別に変わんないのかと思うと、パッと見て「これはこの人の絵だ」とわかるポイントをこれから探して、ちゃんと身につけたいですね。

ーーうまく伝わるように線を活かす難しさがありますよね。これからやってみたいお仕事は?

やっぱりゲーム、お笑い、スポーツ関連のお仕事をしてみたいですね。Creepy Nutsさんとか大好きなので、関われたらめちゃくちゃ嬉しいです。

●『プレバト!!』出演でもらった刺激

『プレバト!!』の企画タイトルも作成

『プレバト!!』の企画タイトルも作成

ーー最後に『プレバト!!』のお話も聞かせてください。浜田雅功さんの一筆書きを描かれていましたね。

いつもファンアートで描いている芸能人の方の絵を描かせていただけて、直接本人に届くことがあるなんて思わなかったので、すごくびっくりしました。

ーー番組出演のキッカケは何だったんですか?

番組の制作サイドから、突然メールが来たんです。スタジオの雰囲気も良かくて収録もすごくスムーズでした。1時間くらい収録して30分放送かと思ったら、収録自体が30分ちょっとでした。

ーー好きな芸人さんがYUIHALFさんの絵を参考に描かれているところを観たお気持ちはいかがでした?

芸人さんに限らず、すごく嬉しかったです。自分の絵が色んな方に観ていただけるのも嬉しかったですし、でもその反面、今後確実にプレッシャーになるなと。そう言うと天狗になってると思われるかもしれないですけど、観られることが増える分ハードルが上がるというか、自由に描きづらくなっちゃったなというのはあります。「もっと頑張んなきゃな」と思いますね。

『プレバト!!』で披露した作品

『プレバト!!』で披露した作品

ーー今年9月に放送された『プレバト!!』では、南海キャンディーズの山崎静代さんと千原ジュニアさんが特待生になられましたね。裏話があればお聞きしたいです。

千原ジュニアさんは私と違う描き方なんですよ。私は線が重なるように描いているんですけど、ぐるぐるぐると線がどこを通ってるかわからなくなるようにはしていなくて。それは別にそうすることが悪いわけじゃなくて、ジュニアさんはその描き方だったので、どうしても私の描き方だとできない表現ができる分、「それが描けるのか」と。発想がすごいなと思いました。しずちゃんさんはシンプルに絵がめちゃくちゃ上手ですね。

ーー出演の反響は大きかったですか。

友達が意外と観てくれました。今は見逃しでも観られるので、オンタイムで観ていなくても「友達から聞いて見逃しで観たよ」という連絡がめちゃくちゃ多くて、ちょっと恥ずかしかったです。放送後はInstagramのフォロワーが500人くらい増えました。

ーー2回目(11月23日(木)19時〜)が放送されたら、またフォロワーが増えるでしょうね。お話できる範囲で、2回目の見どころはありますか?

前回とまた違うお題になってるので、前回にはなかった描く際のポイントを知ってもらえたらいいなというのと、今回もやっぱり芸能人の方はすごく絵が上手な方が多くて。私にはない感性を持ってる方がたくさんいらっしゃるので、出演者の方の絵にもぜひ注目していただきたいです。

取材・文=久保田瑛理 

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ハク。『Walk Walk Run! -ONEMANLIVE-』2023.11.15(WED)大阪・心斎橋 Live House Pangea

ハク。が11月15日(水)に大阪・心斎橋 Live House Pangeaで『Walk Walk Run! -ONEMANLIVE-』を開催した。ハク。の日こと8月9日にリリースした1stフルアルバム『僕らじゃなきゃダメになって』を引っ提げ、満を持しての地元大阪ワンマンライブはチケットソールドアウト。観客の期待が高まる中、あい(Gt.Vo)、カノ(Ba.Cho)、なずな(Gt)が、まゆ(Dr)のドラムを囲むように集まり、手を合わせる。今年21歳になる女子たち4人とは思えないライブでの落ち着きが、個人的には大好きで、それは1曲目「直感way」でのビートと声からも伝わってくる。微熱だが、徐々に熱を帯びるあいの歌声。続く「君は日向」のギターとドラムの始まりからも躍動を感じられた。観客だけでなくライブハウスの店員も自然に揺れている。理想的な光景。

去年1月にリリースされた1stミニアルバム『若者日記』に収録された「ふたり基地」。ひやっとした感触でゾクっとしてしまうハク。の真骨頂が顕著に表れている。「無題」では、その上に壮大さを感じるのだが、4人だけで、こんなに豊かな音を織り成すことができるなんて、毎回感心してしまうし、今年に入ってから、よりライブが盤石の体制になっている。2021年3月、彼女たちが高校を卒業する直前に初めて楽曲を聴いた時に、18歳でこのクオリティーを表現ができるなんて間違いなく本物だと思った。

<この世は嘘だらけ そんな風に見えてしまった 17にもなって またくる朝を憂鬱で描いた>

<17にもなって>という歌詞が落ち着いたサウンドと共に聴こえてくる「本物」の歌い出しを聴く度に、本物だと思わざるをえない……。カノとなずながまゆの方を少し向きながら演奏する姿は、あいを3人が支えている感じがしてぐっときてしまう。

どう考えても威風堂々としか我々には映らないのに、あいは緊張していると言う。これだけのライブをしているのだから緊張する必要なんて無いのに、と聴く側は呑気に思ってしまうが、これだけの演奏をしているからこそ極度の緊張があるのかもしれない。そんなことを勝手に考えていたら、あいは「緊張しますよ、そりゃ!」と言いながら自分の頬に軽くビンタしている。唐突に何をしてるねんと思うも、緊張を乗り越えようと姿はリアルであり、どこか微笑ましかった。

<優しさを持って生まれた私は 優しさを持ってどう生きるの>

「カランコエ」が歌われた瞬間、また一気に空気が変わる。先程までおどおどして緊張しながら自分にビンタを入れていた人物と同じとは思えない堂々っぷり。演奏中、一瞬、照明の光で4人が神々しく見えた。単なる照明の具合ではあるのだが、この光のシーンは、とても印象に残っている。

中盤を越えたあたりでの「なつ」は、今までと毛色が違うリズムで刺激あるスパイス的な役割を果たす。音源で聴いた時に感じた格好良さとはまた違うライブならではの生々しさがあり、90年代UKロック的なダイナミズムを感じた。しかし、ここでハプニングが起きる。ほんの瞬刻だが、あいが歌詞を飛ばす。が、何事も無かったかのようにラララというハミングで乗り切る。当の本人は焦ったに違いないが、この動じないショーマストゴーオン精神は、彼女の成長とタフさを感じることができた。

1stフルアルバムで2曲目に置かれて、重要な役を担った「自由のショート」。この曲に関しては何も言うことがない。ライブに来ていた人は思い出して欲しいし、ライブに来ていない人も何かしら聴いて、近々必ずライブで生で聴いて欲しい。いい曲過ぎて、それをライブで素晴らしく表現し過ぎていて、感激して泣いてしまった。完璧だった。

終盤に入り、「ナイーブ女の子」では疾走感を感じまくる。カノとなずながステージ前方にぐいっと踊り出て音を鳴らす。それぞれがそれぞれの音を鳴らして一体感を作り上げていく様に、強烈なバンド感を感じた。メンバーのコーラスの美しさも感じられた。今年に入って、よりライブが良くなっている事を先述したが、結局それは4人の結束力なのだと思う。これだけ良いものを魅せてもらえると、こちらも当たり前だが、のんべんだらりとでは無く、良い意味で真剣に緊張感を持ちながら魅入る。この良い緊張感を与えてくれる若いバンドは中々いないし、それはハク。も緊張感を持って真剣に音を鳴らしているからだとも思う。

「日常を生きていると負けてしまうこともあるけど、私は絶対に音楽を続けたい。絶対に諦めたくない。諦めたくないから音楽をしています」

あいは、こう言った。本人は校長先生の挨拶みたいだと照れていたが、とにかく彼女の、ハク。の、強い意志を受け取ることができた。

「勝ちたい」

この言葉には目頭が熱くなるしかなかったし、我々は聴いて応援することしかできないが、勝たせてあげたい……、そして勝つ姿を見届けたいと強く強く思った。

小さい頃にいじめられた経験も明かしていたが、直後にはギタートラブルも起きて、先程の歌詞飛ばし同様、飄々と淡々と乗り切る。小さな頃から彼女はハプニングやトラブルやアクシデントに屈することなく、自然に立ち向かい、自然に乗り越えてきたのだなと、彼女の芯の強さを垣間見ることもできた。そういう経験が積み重なってきているからこそ、私が2年前の3月にハク。を初めて聴いた時の曲である「アップルパイ」も当時とは別の曲みたいな力強さが歌に込められていた。

1stフルアルバムのオープニングナンバー「回転してから考える」。アルバムを聴いた時、今までのハク。には無かった衝動的な突破力がぶちかまされていて、ガッツポーズしたのを未だに覚えている。この日も鳴らされた途端、「きたー!!!!」と心の中で叫ぶ。鉄壁のグルーヴと書くが、そんなもの簡単に手に入れられるものではない。でも、ハク。は手に入れれている。

<回転してんだベイべ>

あいが歌うと言葉と音の強度でぶっ飛ばされてしまう。4人は一心不乱に楽しそうに音を鳴らしている。今のハク。は最強だ。

「ハク。にとって一番大切な曲を、みんなにとって大切になって欲しい曲をやって帰ります」

ラストナンバー「僕らじゃなきゃだめになって」。<愛しい>というラストフレーズが何度も何度もリフレインして終わっていく。やはりハク。は美しい。

アンコールでは、初となる東京でのワンマン・ライブ『ONE』を来年3月30日に下北沢 Flowers LOFTで開催することが発表された。これだけ良い楽曲を世に送り出して、これだけ良いライブをしているのだから、2024年はハク。の年になるべきだし、この東京初ワンマンを皮切りに、より全国にハク。の存在がばれていくのは決定的であろう。そして「アップルパイ」と同じく初期の楽曲「BLUE GIRL」へ。2年前の3月に初めて聴いた時とは、これまた違う跳ねるビートで改めて強さを感じる。このノリの良さには、今の時代に流行る旬の音楽との類似性を何故か感じた。すなわちハク。の音楽が時代の音楽になる日が近いということなのだろう。

「自分を愛していこうね。ありがとう。ハク。でした」

アンコール2曲目〆の「ワタシ」。最後の最後まで会場にいる全ての人々は揺れているし、最後の最後になればなるほど、どんどん強度を増している。何よりも、あいを支えるカノ・なずな・まゆの屋台骨が本当にしっかりしているのだ。最高だった……それしか感想はない。これは皆、同じ感想のはずだ。しつこいようだけど、最後に言わせて欲しい。ハク。の音楽は絶品。

取材・文=鈴木淳史 写真=オフィシャル提供

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心斎橋PARCOが、2020年11月20日(金)に約9年ぶりに大阪・心斎橋の地に再びオープンしてから3周年を迎えた。記念すべき3周年のタイトルは『PARCO CHAOS JAM』。PARCOの強みであるアート・カルチャー・エンターテイメント・ファッションのイベントをごちゃ混ぜに展開する楽しさがタイトルにも表れている。「PARCOがもっと楽しく、おもしろい場所であるために」との想いで、11月25日(土)の音楽LIVE『PARCO MUSIC JAM』のほか、関西を代表するブランドのコラボPOP UP SHOPやお得なフード企画に、館内がまるごとアートギャラリーに変わるなど、大小さまざまなイベントが30以上も繰り広げられている。今回SPICEでは、3周年企画をディレクションした仕掛け人のひとり・加藤大智氏にインタビュー。ジャンルレスなイベントに込めた想い、そしてPARCOが心斎橋で商いをする上で目指す未来について話を訊いた。

「PARCO MUSIC JAM」 11月25日(土)@14F/SPACE14

「PARCO MUSIC JAM」 11月25日(土)@14F/SPACE14

ーー1991年から20年間営業され、2011年に惜しまれつつも閉業した心斎橋PARCOが、再び心斎橋に帰ってきて3周年を迎えました。2周年のタイトルは「FUN!」でしたが、今年のタイトルは「PARCO CHAOS JAM」に。心斎橋らしくもあり、さまざまなカルチャーを発信し続けてきたPARCOの尖った一面を打ち出したような賑やかなコンセプトですね。

今年は、これまでの心斎橋PARCOとはまた違った面をフィーチャーしてみました。どちらかというと心斎橋PARCOは、オープン当初の広告もこれまでのアニバーサリーイベントも大阪で言うところの「しゅっとした感じ」の見せ方をとっていたんですね。そこから3年間、僕が心斎橋に来てから2年半の間、いろいろな方と出会う中でいわゆるPARCOらしい「しゅっとした感じ」よりも、昔のPARCOが持っていたカオスな一面が大阪には合うのかもしれないと思って、今年は思い切ってそちらを前面に出してみることに。そもそも40代以下の方には、心斎橋にPARCOがあったことを知らない人も多くて……そこまでイメージがないのではないかと思うので、これを機にPARCOの「なんでもある」「なんでもやるんだぞ!」ということも知ってもらえたらなと。

心斎橋PARCO 3周年イベント「PARCO CHAOS JAM」

ーーまさに11月17日(土)から10日間に渡って行われている、約30種ものイベントのラインナップをみると「なんでもあり」ですよね。これは「CHAOS JAM」をテーマに企画・キュレーションを? それとも「こんなことがしたい!」「あれもやってみよう!」というのが集まった結果、「カオスだね」とタイトルに反映されたのでしょうか。

後者かもしれないですね。そもそも心斎橋PARCOはコロナ渦にオープンしたので、人と人が触れ合うことが難しい期間が続いて……。だけど、遅れてオープンした地下の飲食街「心斎橋ネオン食堂街」の中心にあるTANK酒場が賑わって、たくさんおもしろい方たちと出会う機会が増えるにつれて、PARCOがハブになり、いろいろな人たちが集まれる場所になることこそが、今後の心斎橋でプレセンスが示せるんじゃないかと改めて考えさせられたんです。なので今年の周年は、これまでに出会った関西のみなさんと一緒に、いろいろ人が集まれる場所、おもしろい人がたくさん集まる場所をつくりたいなと、たくさん企画を組んでみました。こうして私が代表してインタビューに応えてはいますが、入社1年目の社員も含め、心斎橋PARCOみんなでアイディアを出し合いながら実現していったので、ジャンルもバラバラ、世代を超えたイベントがごちゃまぜになっています(笑)。だけど、このカオスな感じこそが大阪・心斎橋らしさでもあると思うし、PARCOらしさじゃないかと、今年のタイトルになりました。それに心斎橋という街自体もカオスじゃないですか? アメ村があって、飲み屋の多い東心斎橋があって、御堂筋沿いにはハイブランドがあったり、少し先はオシャレな堀江があったりと、街のイメージとも親和性があるなと。

「Lullaby - BAND-T POPUP #6 SPECIAL LIVE」11月23日(木・祝)@14F・SPACE14

「Lullaby – BAND-T POPUP #6 SPECIAL LIVE」11月23日(木・祝)@14F・SPACE14

ーー数あるイベントの中でも、音楽イベントが象徴的ですね。

かつての心斎橋PARCOは、ライブハウスのクアトロがあったので積極的に音楽も発信ができていたと思うんです。だけど、今はクアトロも梅田にあり、地下のTANK酒場では積極的にイベントが開かれていますが、PARCOとしてはなかなか取り組めておらず……。僕は音楽が好きで、ライブハウスやフェスに行ってコロナ渦の制限がなくなった際の熱を直に感じているのと、PARCOでもこんな場所を作りたい、もう一度PARCOとして音楽を発信したいなという思いが強くなって。そこで14階の劇場・SPACE14を使っていただく予定があった、関西のイベンター・サウンドクリエイターさんに「一緒にやりましょう!」とお声がけさせていただき、今回実現することに。それで先ずは『PARCO MUSIC JAM』(11月25日(土)開催)を企画して、並行しながらバンドTシャツのポップアップイベントも館内で開催予定だったので「ライブもやりましょう」と『Lullaby -BAND-T POPUP #6 SPECIAL LIVE -』(11月23日(木祝)も開催することに。それから、ある日、ディジュリドゥ奏者で画家のGOMAさんが、「上でライブやるんでしょ? 一緒にやろうよ」と声をかけてくださって。これまでもGOMAさんとはPARCOでさまざまなイベントでご一緒しているので、このタイミングでご一緒できるのはうれしいなと。せっかくなので、大阪のバンドのDENIMSとTestaのスリーマンとさせていただきました。PARCO主催でここまでガッツリ音楽ライブを企画しているのも珍しいと思います。

3周年記念イベント「shinsaibashi Neon Nights」開催中~11月26(日)@B2F/特設会場

3周年記念イベント「shinsaibashi Neon Nights」開催中~11月26(日)@B2F/特設会場

ーーそんな地下のTANK酒場の隣には、特設会場が設置されて「Shinsaibashi Neon Nights」と題して毎日イベントの開催も。

尼崎出身のラッパー・空音さん、地下のTANK酒場で飲んでいたところを紹介してもらって繋がったNIKO NIKO TAN TANのほか、PARCOらしいイベントとして渋谷PARCOに入っているライヴストリーミングスタジオ・DOMMUNEの配信番組など、大阪・関西とシナジーのあるライブやトーク、DJにマーケットなどさまざまな企画が1週間繰り広げられます。

ーー吹き抜けで地下からライブの音が館内に響き渡るのを想像するだけでもワクワクしますね……なにより毎日来ても違ったイベントが行われているのは楽しいですね!

まさに、そういう場所を作りたかったんですよね。この3周年のイベントを通して、PARCOで触れたものに興味を持ってもらえたなら、これほど素敵なことってないですから。ほかにも、雑誌「FUDGE」とタイアップした「純喫茶ファッジ」という、全国14店の“名物喫茶”とコラボしたファッションアイテムやフォトスポットになった空間演出が楽しめるマーケットが登場したり。

「純喫茶ファッジ in PARCO」開催中〜11月26日(日)まで@14F/PARCO GALLERY

「純喫茶ファッジ in PARCO」開催中〜11月26日(日)まで@14F/PARCO GALLERY

webメディアのMAZERさんがキュレーターになってくださって、大阪を代表する人気ブランド・THE UNIONとMEKEARISAが、それぞれ親交のあるブランドやショップとコラボするPOP UP SHOP「CHAOS HUB」ができたり。FM802のDJ 板東さえかさんがセレクトしたアイテムや香港で買い付けてきたモノが並ぶ「ばんちゃんの古着屋さん」が1日限定で出店されたり。ほんとにカオスですよね……。

「ばんちゃんの古着屋さん」開催中〜11月26日(日)@B2F 特設会場

「ばんちゃんの古着屋さん」開催中〜11月26日(日)@B2F 特設会場

ーー館内のショップにも周年限定商品が並ぶんですよね。

期間限定の商品や特典を各ショップでも多数販売いただいてます! いいショップがたくさんあるので、これを機会にぜひPARCO全体のショップも知っていただけたらと思っています。

ーー気になったのは、この周年のオリジナルグッズなんですけど……。周年のグッズって、あまり作られてるのを見ないなと。

その周年のイベント期間だけなので、あんまりつくられないですよね(笑)。これは周年のデザインのために、イラストレーターのアワジトモミさんに動くイラストを描いていただいて。その中のイルカ(ぱるさぶろう)があまりにも可愛かったので、盛り上がった勢いでグッズもつくってみました。こだわりポイントとしては、周年なのに「PARCO」という文字が入っていないところ。せっかくなので普段使いしてもらいやすいようなデザインにしています。オンラインストアではありますが、周年期間中に来てくれた人が、イベントや出会いの思い出として買ってくれたりするといいなと。

ーーさらにフード・レストランの21店舗では、300円で楽しめるお得なメニューが登場する「#300YENいーね!」企画も。

3周年にちなんで、いろんなお店をハシゴして食事も楽しんでいただけたらと、300円のスペシャルメニューをご用意いただきました。夜は地下でイベントが行われているので音楽を楽しんでいただきつつ、フードやファッションなど、ふらっと立ち寄ってみて「おもしろそう!」「気になってた!」というものがあれば、ぜひいろいろ回ってみて楽しんでいただけると嬉しいなと思います。

「#300YENいーね!」開催中~11月26日(日)@B2F/心斎橋ネオン食堂街

「#300YENいーね!」開催中~11月26日(日)@B2F/心斎橋ネオン食堂街

ーー「ふらっと立ち寄ってみて」でいうと、心斎橋PARCOができてから少し人の流れが変わったようにも感じます。心斎橋駅直結というのもありますが、なかなか百貨店やファッションビルでここまでふらっと立ち寄りやすいのもめずらしいといいますか。「ふらっと1杯飲んで帰るか」みたいな気軽さがありますよね。

それはTANK酒場のマスター・古谷さんの存在が大きいと思います。普段から毎日のようにイベントを開催して、情報を発信して、人を集めてくださったり、この周年企画も地下のイベントのブッキングをご協力いただいたりしていて……。

ーー古谷さんは、かつてアメ村で「TANK GALLERY」や「digmeout ART&DINER」をされていて、90年代からアートや関西のカルチャーシーンを牽引されてきた存在ですよね。

そうなんです。オープンの際にも「飲食フロアであってもカルチャーを発信していきたい」という想いで、古谷さんとご一緒させていただいて。その古谷さんの信頼があるからこそ、おもしろい方や情報がPARCOに集まってきて、こうしてたくさんイベントを組むことができたともいえます。そうした姿勢やハブとなることは、PARCOとしてこの場所で商いをさせていただく上では目指すべきところだと思うんです。そういう意味でも、3周年経った今改めてそこを忘れちゃいけないよね、と。なのでまさに、終電間際の10分で1杯だけ飲みに来てくれる人がいるのも嬉しくて、ふらっと遊びに来ていただけたり、いろいろな場面で使っていただける場所になれたらと思っています。今回の周年イベントが、そのキッカケになるとなにより嬉しいですね。

「TANK酒場 presents NEON HOUR Special!」11月24日(金)@B2F/TANK酒場・喫茶

「TANK酒場 presents NEON HOUR Special!」11月24日(金)@B2F/TANK酒場・喫茶

ーーきっとこの3周年を機に、心斎橋PARCOのイメージが変わったり、何か楽しいことがある場所という印象が根付いたりファンが増えるのだろうなと感じました。それだけすごいイベントのラインナップですよね。もう見たいチャンネル、全部あるやん!みたいな。

心斎橋PARCOチームと地元関西の方々でたくさんの企画を用意したので、どれかひとつでも琴線に触れていただけたら嬉しいです。いろんな世代の方に来ていただいてファンになっていただけるような3周年になったらと思いますので、ぜひ気になるお店やイベントがあればふらっと立ち寄って楽しんでみてほしいです!

取材・文=大西健斗 画像=心斎橋PARCO提供

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2020年7月、新型コロナの緊急事態宣言が解除されたばかりの頃に、3月から休館していたシアタークリエに俳優とクリエイターが集まって立ち上げた『TOHO MUSICAL LAB.』。劇場で演劇を見る楽しさを、観劇ファンにも初めて演劇を見る方にも楽しんでもらえるよう、1ヶ月の稽古を経て2本の新作ミュージカルを作り上げ、無観客・ライブ配信によって生のエンターテインメントを届けた。

このチャレンジが大きな評判を呼び、有観客での第2弾が決定した。脚本・演出は、ともに東宝ミュージカル初となる高羽彩(タカハ劇団)と池田亮(ゆうめい)。チケットは全日程即日完売、熱い注目を集めている本作の開幕に向け、開幕記念会見と観客を入れた有料公開ゲネプロが行われた。

会見には『わたしを、褒めて』に出演する有澤樟太郎、美弥るりか、エリアンナ、屋比久知奈、高羽彩(脚本・演出)と『DESK』の 東啓介、豊原江里佳、山崎大輝、壮一帆、池田亮(作詞・脚本・演出)が登壇した。

ーー新作ということで、演じる役や意気込み、高羽さんと池田さんは作品の背景なども教えてください。

有澤:僕はお騒がせ主演俳優・星奈 和(ほしな かなう)を演じます。派手できらびやかな衣装ですが、ものすごく人間ドラマになっています。短い期間で作ったとは思えない密度で、皆さんの心を打つ作品になっていると思います。僕自身も役柄とリンクしているところがあり、原点に返ることができるお芝居。乾燥する季節ですが、この作品で心を潤していただけたら嬉しいです。

『わたしを、褒めて』舞台写真

『わたしを、褒めて』舞台写真

美弥:私は星奈さんに振り回される演出家・朝日です。大変面白い企画に参加できることを楽しみにしていました。演出家を演じる日が来るとは思っていなかったので、今まで出会った女性演出家さんを思い出しながら、皆さんの個性を取り入れて演じています。稽古期間は短かったですが、個性あふれる素敵な皆さんと一緒に、精一杯全力で駆け抜けたいと思います。

エリアンナ:私はクセのあるプロデューサー・水川を演じます。どちらかというとみんなを振り回すキャラクターで、美弥さん演じる演出家とそれぞれの正義を持ってぶつかり合う、ゴジラVSメカゴジラみたいなバトルがあります(笑)。ぜひ楽しんでいただけたら。

『わたしを、褒めて』エリアンナ

『わたしを、褒めて』エリアンナ

美弥:どっちがメカゴジラ?

エリアンナ:どっちかな(笑)。短期間でしたが笑いの絶えない稽古で、チーム一丸となって作品を作りました。ぜひ笑って、ほっこりしてほしいです。

屋比久:私は有澤くん演じる星奈のマネージャー・田之倉を演じます。知っているマネージャーさんたちを参考にするというよりも、屋比久がマネージャーだったらどうかなと考えながら私なりに作りました。みんなが個性やアイデアを持ち寄って、高羽さんが導いてくれて、すごく楽しく濃密な稽古をしました。お客さんもきっと共感できるストーリーだと思うので、楽しんでいただけたら嬉しいです。

『わたしを、褒めて』屋比久知奈

『わたしを、褒めて』屋比久知奈

高羽:この作品を作った経緯ですが、私がプロの演劇人になりたいと思ったきっかけは、あるスタッフワークに感動したからなんです。それから20年近く、私の演劇活動はスタッフさんへのリスペクトとともにありました。舞台裏で何が起きているのか、どういう人たちがいるのかをお客様にもわかっていただきたい、それを知ってさらに演劇を楽しんでいただきたいと思っています。演劇の話ですが、働く皆さんを応援するような内容なので、バックステージのドタバタコメディを楽しんでください。

『TOHO MUSICAL LAB.』l会見より      撮影:吉田沙奈

『TOHO MUSICAL LAB.』l会見より      撮影:吉田沙奈

:僕は『DESK』で和田という役を演じます。『私を、褒めて』チームの話を聞きながら同じ期間に稽古をしていたんだと思うくらい顔を合わせなかったので、それぞれで作ったものがここに到着したことがすごく嬉しいです。今回は有観客で配信もあるので、より多くの方に届けられるかと思いますし、日本のオリジナルミュージカルがもっと増えたらいいなと思います。働く皆さんを後押しするような内容で、共感できるものが散りばめられていますし、2本セットで見ることで相乗効果もあると思いますから、どちらも楽しんでいただけたら嬉しいです。

豊原:私は和田さんたちと一緒に働いている上野を演じます。皆さんと一緒にイチから作品を作るのが楽しかったですし、自分の経験を全て活かせるような素敵な稽古期間でした。大人になると、自分を大切にしたり自分のためだけの時間を持つって難しいなと感じていて、それを改めて気づかせてくれる作品でした。見た方が自分に優しくなれる作品なんじゃないかと思います。

『DESK』舞台写真

『DESK』舞台写真

山崎:中原という役を演じます。アニメーション制作会社の話で、立ち止まるということを教えてくれる作品だと思いました。皆さんお仕事忙しいと思いますし、僕も最初に台本を読んだ時、自分の時間を意外と取れていなかったと考えました。僕が演じるのは、きっとどこかに信念みたいなものはあるけど、学生のまま社会に出てしまったような人。皆さんにも一度立ち止まる気持ちを味わっていただけたらと思います。

:私はアニメ会社のプロデューサー・三浦という役を演じます。同じプロデューサーですがエリアンナさんとは全く違う雰囲気です。ただでさえ短い稽古期間で、私はさらに半分くらいしか参加できなかったので、必死に追い上げました。最初に本を読んだ時、「これは面白い」と感じましたし、自分がどこまで表現できるかが課題だと感じました。いろいろな役に挑戦する中で自分の引き出しを増やせていると思うので、少しでも「面白かった、いいものを見られた」と思ってもらえるように頑張りたいと思います。

『DESK』壮 一帆

『DESK』壮 一帆

池田:僕はこの企画の第1弾を配信で見たんです。いろいろな公演が中止になる中で、配信で届けてくれたことで、今でも舞台をやっているんだと感じ、今は生活のことを優先しなくちゃと思いつつ、もう一度仕事をしたい・自分のやっていたことをやりたいという思いが溢れてきました。それがあったからこそ、第2弾で返せるものはないかと考えました。また、アニメーション会社で働く知人から話を聞いて、言葉にならない叫びのようなものがすごくあるのを感じました。日本でオリジナルミュージカルを作るならやっぱり題材はアニメなんじゃないかと思って執筆しました。短い稽古でしたが、毎回面白さが更新されていくのは本当に特別なことだと思っています。見てくれる皆さんを明るく元気づけられたらと思っているのでぜひ楽しみにしてください。
 

続いて行われたゲネプロの様子をお届けしよう。

『わたしを、褒めて』舞台写真

『わたしを、褒めて』舞台写真

高羽が脚本・演出を務めた『わたしを、褒めて』。初日の幕が上がる直前、有澤演じる主演俳優・星奈の言葉をきっかけに巻き起こるトラブルを描いたミュージカルコメディだ。まずはナビゲーターとして高羽が登場し、舞台を作るために働く様々なスタッフを紹介するうちに曲になっていく。ポップな曲調に乗せて切実な歌詞が紡がれているのが面白い。30分程度の短編ながら、主演俳優のプライドと苦悩、クオリティを求める朝日とシビアに判断する水川のバトル、マネージャーの思いなど、キャッチーで魅力的な曲も多数ある。

『わたしを、褒めて』美弥るりか

『わたしを、褒めて』美弥るりか

『わたしを、褒めて』有澤樟太郎

『わたしを、褒めて』有澤樟太郎

芝居においても、周りを振り回しているものの素直で愛嬌がある星奈、厳しいがまっすぐに役者を見ている朝日、プライドを持ってそれぞれの仕事に取り組む制作スタッフやプロデューサー、マネージャー。それぞれの立場と言い分があり、時にはぶつかりながらも正解のわからないクリエイティブに取り組む様子に胸が熱くなる。また、うまくいかないことばかりで大変だと言いながらも、登場人物たちはどこか楽しそうだ。舞台を作る人たちの裏側を楽しく知ると同時に、彼らの姿からエールをもらえる。一人ひとりの表情や動きもユーモラスなため、何度か見返して細かい部分まで確認したくなるはずだ。

『わたしを、褒めて』舞台写真

『わたしを、褒めて』舞台写真

『わたしを、褒めて』有澤樟太郎

『わたしを、褒めて』有澤樟太郎

池田の作詞・脚本・演出による『DESK』はアニメーションの制作現場を描いたミュージカル。『わたしを、褒めて』のにぎやかな舞台裏からガラリと雰囲気を変え、ステージ上に積み上げられたデスクのみのシンプルなセットが目を引く。

『DESK』東 啓介

『DESK』東 啓介

『DESK』山崎大輝

『DESK』山崎大輝

東は家族への愛情とアニメへの情熱の間で板挟みになる制作デスク、豊原は退職を決めつつ責任感を持って仕事に取り組もうとする制作進行、山崎はちょっと抜けたところのある制作進行、壮は良い作品にしようと奮闘するプロデューサーを演じる。『転生したら牧場でのんびり暮らしました』というアニメが最終回を迎えるまでの間、人手不足やクオリティの問題を抱えて疲弊し、憧れと生活の間で揺れる人々の姿が赤裸々に描かれていた。

『DESK』舞台写真

『DESK』舞台写真

『DESK』舞台写真

『DESK』舞台写真

『DESK』豊原江理佳

『DESK』豊原江理佳

シリアスなストーリーだが、和田と中原のコミカルなやりとりがあったり、追い詰められた四人が「宝くじを当てよう」と歌ったり、アニメの作画崩壊を主人公・奏が表現したりと、ユーモラスなシーンも多い。キャストの歌声を堪能できる楽曲も魅力。和田と奏が歌う「休んでいいよ」という言葉がじんわりと染み込んでくる。仕事の大変さや現場の苦労といったシビアな部分がメインだが、どこかあたたかく前向きな気持ちになれる物語だった。

『DESK』舞台写真

『DESK』舞台写真

ともにバックヤードを描きながら、それぞれ違う切り口で楽しませてくれる2つのオリジナルミュージカル。23日(木・祝)16:00の千秋楽公演はライブ配信も行われる。『TOHO MUSICAL LAB.』というタイトルの通り、実験的で面白い取り組みをぜひチェックしてほしい。

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