『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL』第3弾アーティスト発表、クリープ、ケプラ、ずとまよ、Novelbright、yutori、櫻坂46の出演決定

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7月20日(土)、21日(日)に大阪・舞洲スポーツアイランド 特設会場にて開催される『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2024』の第3弾出演アーティスト6組が発表された。

『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2024』

『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2024』

昨年、2日間で55,000人を動員した通称『ジャイガ』。今回の発表では20日(土)にクリープハイプ、ケプラ、ずっと真夜中でいいのに。、Novelbright、yutoriの5組、21日(日)に櫻坂 46の出演が決定した。

『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2024』

『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2024』

入場チケットは本日から5月5日(日・祝)23:59までイープラスにて、第3次先着先行を受付中。また会場である舞洲近隣の駐車場から出る直行バスに乗れるパーク&ライドチケットは、4月26日(金)から同じくイープラスにて抽選受付を開始する。

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2024年6月17日(月)(※日本時間)WOWOWにて生中継を行う「第77回トニー賞授賞式」、その特別番組として4月28日(日)午後5:00に放送・配信される「京本大我 ハロー・トニー!」の放送を前に、京本大我(SixTONES)のインタビューが届いた。

「京本大我 ハロー・トニー!」は「第77回トニー賞授賞式」の番組スペシャル・サポーターを務める京本大我のナビゲートのもと、ブロードウェイの歴史やトニー賞の魅力などを現地VTRやクイズで紹介。ミュージカルの観劇ビギナーのみならず舞台ファンにとっても興味深い内容を盛り込んだ、トニー賞を楽しむための”How to(ハウツー)”を京本と一緒に楽しく学んでいく番組。インタビューでは「トニー賞」や「ミュージカル」への熱い思いや、「第77回トニー賞授賞式」のスタジオで共演する井上芳雄や宮澤エマの印象などが語られた。

なお京本は、4月28日(日)放送・配信の「京本大我 ハロー・トニー!」でナビゲートを担当するほか、現在WOWOWオンデマンドで配信中の「第77回トニー賞 出演者決定スペシャル」や、5月25日(土)放送・配信の「第77回トニー賞 直前スペシャル」にも出演。6月17日(月)生中継の「第77回トニー賞授賞式」では番組スペシャル・サポーターを務める。

■京本大我インタビュー

ーー6月17日放送の「生中継!第77回トニー賞授賞式」にスペシャル・サポーターとして初出演されます。お話を受けた時の心境はいかがでしたか?

初めてミュージカルに出させていただいてから10年近くなるとは言え、作品数も少なく、自分としてはまだまだ未熟者という意識でいるなか、今回の番組に参加させていただくことになりました。これまで日本のミュージカル作品はたくさん観て来ましたが、この出会いによってもっとグローバルな意識で観られるんじゃないか、一気に視野が広がるんじゃないか、そんな期待が募る、素敵なきっかけをいただけたと感じています。トニー賞受賞作の来日公演や日本版を観る機会はこれまでもありましたが、残念ながらまだ本場に足を運んだことがないので、番組でトニー賞の空気感を体験出来るのはとても嬉しいです。ブロードウェイについては今、少しずつ学んでいるところで、発見がたくさんありますね。良い意味でハードルが下がって来ていて、プライベートでももっと気軽に訪れて、ラフな気持ちでいろんな作品を観てみたいという気持ちが強まっています。

ーートニー賞授賞式の特色であるパフォーマンスについてはどのような印象をお持ちですか?

自分が出演した作品、『ニュージーズ』とか、日本版を鑑賞した『マチルダ』などのトニー賞でのパフォーマンスはやっぱり思い入れがありますし、印象深いですよね。授賞式でのパフォーマンスは本番の空気が伝わって来て、日本版とこんなところが違うんだ!などの発見もあって、見応えがあるなと思います。

ーートニー賞を受賞した作品の日本版をご覧になる機会が多いのでしょうか。

そうですね。とくにトニー賞受賞作だから、という意識で観に行っているのではなくて、パンフレットを読んで結果的に「トニー賞を受賞した作品なんだ」と知ることが多いです。宣伝のキャッチコピーで見る機会も多いですし、それだけでもトニー賞の偉大さを感じます。今年受賞する作品は、まだ僕らには馴染みのないものもあると思うので、それを番組で先取り出来ることが嬉しいです。

ーーこれまでご覧になったトニー賞受賞作品で、印象に残っているものは?

日本版で言うと、小池徹平くんが出ていた『キンキー・ブーツ』。あと『ハミルトン』は配信で何度も観ましたね。ものすごく早口で物語を紡いでいく展開が斬新で、これは日本でも観たことがない、カッコいいなと感じました。普段の僕らのグループ活動にも活かせそうなカリスマ感というか、インパクトのある演出でしたね。ミュージカルでもこういう曲調はありなんだなといった発見があって、出来ることなら劇場で観たい!と、憧れがますます強まりました。

ーー「トニー賞授賞式」で番組ナビゲーターを務められる井上芳雄さんとは『エリザベート』で共演されました。どのような印象をお持ちですか?

ミュージカル界において、ずっと先頭を走ってくださっている方…と言うとおこがましいかもしれませんが、若手の僕らにとって……、まあ僕ももうすぐ三十になるので若手と言えない年齢になって来ましたけど(笑)、僕らや次の世代のミュージカルを志す人にとっては、芳雄さんの作品への向き合い方は本当に一流で、真似したいし、盗みたいけど、追いつける存在では決してない。だからこそ、ずっと先頭を走っていていただきたいなと。芳雄さんや山崎育三郎さんといった先輩方が映像の仕事も両立させて活躍していらっしゃるおかげで、僕らの道が開けて来ている、そんなふうに嬉しく思っています。

ーー今回の番組での共演も楽しみですね。

そうですね。「よろしくお願いします」とメールをお送りしたら、会えるのを楽しみしているといったお返事をくださいました。あと、今年の『モールツァルト!』に出させていただくのですが、その出演が決まってからまだお会い出来ていないので、そのご相談もしたいなと(笑)。いつも素敵なアドバイスをくださるので、遠慮なく頼らせていただいています。この番組では、僕自身はトニー賞について視聴者の皆さんと一緒に学んでいければと思っているので、自主的に勉強しつつ、その場で学んでいけることがたくさんあればいいなと思っています。芳雄さんを頼りながらも、僕に任されたところはしっかりと務めを果たす、そんなふうにバランス良くやっていけたらと思います。

ーー「トニー賞授賞式」では宮澤エマさんも番組ナビゲーターを務められます。初共演になりますか?

はい。『ピピン』など、いろいろ出演されていた作品を観させていただいています。ドラマでも活躍されていますし、今回やっとお会い出来るのは光栄ですね。いろんな役柄に挑戦されていて、それをしっかりご自身に落とし込んで素敵に演じられているので、たくさんの引き出しやセンスをお持ちなんだろうなとリスペクトしています。

ーーSixTONESの活動もある中で、ミュージカルの舞台は京本さんにとってどのような場所でしょうか。

戦いの場ですね。試練と言いますか。決して自分の得意分野ではないので、毎回もがいています。いつも体調を崩しかけるんですが、そういった体も心も含めた自分の弱さが、10年前に比べれば年々強くなって来ていると思います。作品の魅力を伝えることで皆さんに希望を届けたいのはもちろんのこと、自分自身もやるたびに何かを得て、強くなっていっている感覚があるので。だからこそ挑戦し続けたいです。拍手やスタンディングオベーションなど皆さんから直接伝わる熱量が僕らの活力になりますし、生の空間だからこその緊張感がやみつきになるので、今後も立ち続けたいと願っています。

ーー最後に、「第77回トニー賞授賞式」の特別番組として4月28日(日)午後5時に放送・配信される「京本大我 ハロー・トニー!」の見どころを教えてください。

この番組ではナビゲーターとして番組を進めるという貴重な経験をさせていただき、本当に光栄に思います。ミュージカルやトニー賞についてまったく知らない方にも、クイズ形式でその魅力や歴史を分かりやすく紹介しているので、とても楽しめる内容になっています。僕もクイズの答えに驚いて(笑)、すごく勉強になりました。6月17日の生中継がより楽しめると思いますので、4月28日の「京本大我 ハロー・トニー!」もぜひご覧ください!

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舞台『ヒプノシスマイク』(通称ヒプステ)の新作として、初の<中王区>公演 『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』 Rule the Stage -Renegades of Female-が上演されることが決定した。また、テーマソング『QUEEN's Precepts』のリリックビデオ、メインビジュアル、出演者、チケット情報などの全情報を解禁となった。

『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』 Rule the Stage(通称:ヒプステ)は、キングレコード EVIL LINE RECORDSが手掛ける音楽原作キャラクターラッププロジェクト 『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』 (通称 :ヒプマイ)の舞台化作品。

今回の出演は、<中王区>として、東方天 乙統女:菜々香 、 勘解由小路 無花果:白峰 ゆり 、 碧棺 合歓:高橋 桃子 が登場。また邪答院 仄仄:太田 夢莉 や、 舞台オリジナルキャラクター として 天都己 一愛 (あまつみ いのり):涼邑 芹、ツクヨミ 田野 優花と 、CHU-OH DANCE BATTLE“C.D.B” MIKU 松本 ユキ子 平野 茜子 権田 菜々子 Rin akarinの、 総勢 12名の女性キャストが出演する。

◆東方天 乙統女 役 :菜々香コメント

東方天 乙統女:菜々香 (C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会

東方天 乙統女:菜々香 (C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会

長年にわたり多くのファンの方々に愛されてきた『ヒプステ』に携わり、スタッフ、キャストの皆様と一緒に作品を作っていける事、幕が上がりお客様と同じ景色を見ることが出来る事に興奮が込み上げてきます。
そして、東方天乙統女を演じられる事を、光栄に思います。
皆様のご期待の中、覚悟をもって役と向き合い東方天乙統女として生きる所存でございます。
皆様と劇場でお会い出来る事を楽しみにしています!

◆勘解由小路 無花果 役 :白峰 ゆりコメント

勘解由小路 無花果:白峰 ゆり (C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会

勘解由小路 無花果:白峰 ゆり (C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会

初めて『ヒプステ』を観た時の衝撃と興奮が忘れられません。
その『ヒプステ』の世界に、勘解由小路無花果役として携わらせていただけますこと、更なる興奮で身の引き締まる思いです。
多くの方に長く愛されている『ヒプステ』。その思い、バトンをしっかり受け継ぎ、今新たに始動する“中王区”の戦力となれますよう、全力で務めて参ります。
皆様との熱い日々を楽しみにしています。
応援、よろしくお願いします!

◆碧棺 合歓 役 :高橋 桃子コメント

碧棺 合歓:高橋 桃子 (C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会

碧棺 合歓:高橋 桃子 (C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会

初めての挑戦、初めての経験、初めてだらけの中でこれから色々な壁にぶつかると思いますが、植木 豪さんをはじめスタッフさん、共演者の方やファンの皆さんのお声をたくさん吸収して、精一杯努めます。
緊張と不安でいっぱいですが 、 同時 にすごくワクワクもしています
どんな碧棺合歓になるのか、温かい目で見守っていただけると幸いです!よろしくお願いいたします!

邪答院 仄仄:太田 夢莉 (C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会

邪答院 仄仄:太田 夢莉 (C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会

天都己 一愛:涼邑 芹 (C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会

天都己 一愛:涼邑 芹 (C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会

ツクヨミ:田野 優花 (C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会

ツクヨミ:田野 優花 (C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会

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THE BAWDIESが、デビュー15周年・メジャー9thアルバム『POPCORN』のリリース日でもある4月22日に下北沢SHELTERで開催した『デビュー15周年記念日「THANKSGIVING!」POPCORN Release Party “大感謝祭"生配信』のアーカイブを期間限定で公開することを発表した。

THE BAWDIES×菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)

THE BAWDIES×菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)

THE BAWDIES×志磨遼平(ドレスコーズ)

THE BAWDIES×志磨遼平(ドレスコーズ)

THE BAWDIES×石毛輝・松本誠司(the telephones)

THE BAWDIES×石毛輝・松本誠司(the telephones)

2024年1月1日に結成20周年、4月22日にデビュー15周年を迎え、ダブルアニバーサリーイヤーに突入したTHE BAWDIES。デビュー15周年を迎える4月22日に、メジャー9thアルバム『POPCORN』をリリース。さらに、下北沢 SHELTER にて『デビュー15周年記念日「THANKSGIVING!」POPCORN Release Party』を開催した。バンドにとって非常にゆかりのあるスペシャルゲストを招き、盛大な盛り上がりを見せたこのライブの生配信が、期間限定でアーカイブ公開される。

スペシャルゲストには、the telephonesの石毛輝・松本誠司、ドレスコーズの志磨遼平、9mm Parabellum Bulletの菅原卓郎を迎え、共に思い出を振り返りながら、最高のロックンロールを鳴らし、会場を沸かせた。この記念すべきライブを、ぜひご覧いただきたい。

 

 

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2024年6月、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場のオーケストラであるMETオーケストラが13年ぶり、オーケストラ単独では初の来日を果たす。音楽監督の指揮者ヤニック・ネゼ=セガンが、日本の報道陣のために米国からオンライン会見に臨んだ。

2種の来日プログラムのうち【プログラムA】は、ワーグナーの『さまよえるオランダ人』序曲、ドビュッシーの『ペレアスとメリザンド』による組曲(エーリヒ・ラインスドルフ編曲)に、メインはバルトークの歌劇『青ひげ公の城』の演奏会形式上演というオペラ・プログラム。『青ひげ公の城』のユディット役にメゾソプラノのエリーナ・ガランチャ、青ひげ役にはバスバリトンのクリスチャン・ヴァン・ホーンが来日する。

METオーケストラ

METオーケストラ

「『青ひげ公の城』はドラマチックなあらゆる色彩のパレットの表現が要求される作品です。私は、バルトークはワーグナーの影響を受けていたと思います。特に『青ひげ公の城』は同じ1幕ものの『さまよえるオランダ人』に影響を受けていると思うのです。いっぽうドビュッシーはワーグナーを強く拒絶していましたが、それはワーグナーの影響を強く受けていたからです。ですからワーグナーとドビュッシーはとても良い組み合わせだと思いますし、この2人の作曲家がいなければ、バルトークが『青ひげ公の城』のような傑作を作曲することはできなかったと思います。
バルトークのオーケストレーションにはさまざまなものが含まれています。オーケストラを聴くだけで舞台装置さえ見えてくる。それは、オーケストレーションが、歌をサポートするだけでなく、感情と想像力を与えるように構成されているからです。ある意味、『青ひげ公の城』は歌手がいなくても成立します。そのうえで、歌手たちが加わると、さらにパワフルな芸術作品になるのです。バルトークの天才たるゆえんです。
エリーナ・ガランチャは間違いなく現在世界で最も最も優れたメゾソプラノの一人です。ユディット役には、ドラマチックなパワーと声のコントロールを持ち合わせた歌手が必要です。エリーナはまさしくそれを備えた歌手だと思います。クリスチャン・ヴァン・ホーンも私たちMETのビッグスターの一人です。新しい世代の偉大なバスバリトンであると感じています」

【プログラムB】はマーラーの交響曲第5番がメイン。

METオーケストラ

METオーケストラ

「METオーケストラは歌劇場のオーケストラなので、交響曲の偉大な傑作を演奏する機会は頻繁ではありません。だからこそ、彼らは交響曲に何か特別なものをもたらすと感じています。マーラーの交響曲を数年に1回しか弾かない彼らの演奏には、まったく違うエネルギーがあります。METオーケストラには素晴らしいホルン奏者、トランペット奏者、弦楽器奏者、ハープ奏者、木管楽器奏者がいます。マーラーの交響曲第5番にはそれらすべてがフィーチャーされているのです。日本のみなさんにとって、METオーケストラの通常のレパートーリーではない、オペラ以外の作品でこの楽団の質を目の当たりにすることは、非常に興味深い体験になると思います。
私が観察しているいくつかの重要な要素に、まず“聴く”ということの質の問題があります。オペラ・オーケストラは、舞台で起こっていることに常に耳を傾け、歌手とともに呼吸をしなければなりません。そのことが、マーラーの交響曲では、シンフォニー・オーケストラとは異なる態度を生み出します。シンフォニー・オーケストラだと、縦線を合わせることがすべてというようなことが、残念ながらときに起こり得るのです。
もうひとつ。METオーケストラのように日常的にワーグナーやヴェルディの大作を手がけているオペラ・オーケストラにとって、長いといっても75分、80分のマーラーの交響曲を演奏することは何でもありません。そのことは、ペース配分の感覚やエネルギーのフローに、非常に異なったものをもたらします」

【プログラムB】では、華麗なコロラトゥーラであっという間に若きスター・ソプラノに駆け上がったリセット・オロペサの歌うモーツァルトのコンサート・アリア集にも注目。

「もしモーツァルトが生きていたら、きっと彼女に恋をしていたと思います。彼女はいまやヴィオレッタも歌えば、歌曲も歌います。そうした“文化”は、彼女の声を非常にパワフルな楽器に成長させました。とても深いレゾナンスを備え、非常に官能的でもあります。彼女はそのより深い響きを、素晴らしいコロラトゥーラを歌える能力を維持したまま獲得しました。歌手によっては、中音域がリッチになると、高音域が以前ほどではなくなることもあるのです。今回彼女と演奏する曲目はコンサート・アリアであり、声のヴィルトゥオーソ性が存分に発揮される必要があるアリアです」

音楽監督に就任して6年。現在のMETオーケストラは若いオーケストラだという。

メトロポリタン歌劇場音楽監督 ヤニック・ネゼ=セガン

メトロポリタン歌劇場音楽監督 ヤニック・ネゼ=セガン

「オーケストラにはいつも、経験豊富なミュージシャンも若いミュージシャンもいるわけですが、ここ数年はとりわけ新しいミュージシャンが増えたように思います。素晴らしいミュージシャンが加わりながらも、オーケストラは過去のクオリティを保ってきました。同時に以前とは違う響きも持っています。そうした面をこのツアーで披露できることを、とても楽しみにしています」

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音楽ファンの聖地といわれるザルツブルクにすい星のように現れ、以来、ウィーン、ロンドン、ミュンヘン、スカラ座、バイロイトなど欧州の主要歌劇場や音楽祭で活躍、たちまち“オペラ界の新女王”となった話題のスーパー・ソプラノ、アスミク・グリゴリアンが、2024年5月、日本で初の単独コンサートに臨む。

リトアニア生まれのアスミク・グリゴリアンは、可憐な妖精、ファム・ファタールから倒錯の王女サロメまで、あらゆるキャラクターを歌いこなす美声、テクニックと美貌の持ち主だ。一昨年にR.シュトラウスの『サロメ』(東京交響楽団、演奏会形式)で初来日し、評論家や聴衆の間で大きな話題となったが、今回のコンサートで歌うのは、彼女自身が「私の個性をもっとも感じていただける曲目を選んだ」と語るプログラム。ドヴォルザーク『ルサルカ』、チャイコフスキー『エフゲニー・オネーギン』『スペードの女王』、プッチーニ『マノン・レスコー』『蝶々夫人』『トゥーランドット』の名アリアや『サロメ』を含むR.シュトラウスのオペラまで。キャラクターも表現も違う多彩なラインナップを自身の「ベストプログラム」と言ってしまうところが、グリゴリアンのスーパー・ソプラノたるゆえんだ。

グリゴリアンが来日を前に、コンサートに向けた単独インタビューに答えた。

私はドラマを「表現しよう」としているのではなく、音楽を通して"私"を表現している

photo: Olivia Kahler

photo: Olivia Kahler

――あなたは、舞台上での役柄への没入感、強烈な表現力に定評があります。あなたにとってオペラの舞台で物語を表現することは、どんな意味をもつのでしょうか?

私はドラマを「表現しよう」としているわけではないのです。あえて言えば、音楽を通して"私"を表現しているのです。私自身を表現し、私の「個人的な物語」を描き出している、と言えると思います。それはオペラであったり、違うタイプの音楽だったり、私が人生ですることのすべてにおいてです。私は何も表現しようとはしていないのです。私はただ自分の人生を生きているだけ。

――どのように役柄をつくられますか? インスピレーションはどこから出てくるのでしょう?

歌っている役柄は自分自身のなかから見つけることができます。私という個人の存在も日々成長していますし、インスピレーションはすべてのことから感じています。いままで、役柄のインスピレーションを特別になにかから探したことはありません。私は今も自分が成長できるように努めていますし、すべての役柄は自分自身のなかにあると言えると思います。
私の人生の経験や、出会うことのできた素晴らしい、大変興味深い人たち、それらが私の人生を形成し、舞台上で表現することに役立っているのです。舞台上の役柄は私自身であるとともに、出会った人たちや物事からも影響される。インスピレーションはあらゆるところにあるのです。

photo: Timofei Kolesnikov

photo: Timofei Kolesnikov

――あなたが演じる悲劇のヒロインは、ステレオタイプの演技や歌ではなく、観客がハっとするような新しく新鮮なものを表現していると感じさせます。特にプッチーニのヒロインたち、『蝶々夫人』、『マノン・レスコー』、最近は『トゥーランドット』を歌われましたが、すべてが刺激的です。これらのプッチーニのヒロインについてどのように感じていらっしゃいますか?

私が思うに、プッチーニが私にとってどうか、というのではなく、彼は感情を音楽で表現する名人であり、彼の生み出した音楽は私自身やすべての感情を表現しやすいものなのです。
私がユニークだとするならば、私がヒロインを解釈しようとするのではなく、他にはない私自身の物語を舞台上で表現することが、観客の皆さまに興味深いと感じていただけることであり、私自身の個性になっているのだと思います。私がプッチーニを表現したり、それらのヒロインがどうあるべきかを知っているかのように振る舞うのではないのです。私はあくまでも私自身であり、作曲家が記した楽譜のすべてを尊重する。そのあとは私自身の個人的な物語なのです。

――最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします。

私は日本にすっかり魅了されているのです。日本はとても美しい国、すべてが美しいと感じています。ですからもう一度コンサートで戻れることを本当に嬉しく思っています。私が心から美しいと思うこと、観客のみなさまが美しいと思われることを、コンサートを通して共有したいと思っています。

photo: Timofei Kolesnikov

photo: Timofei Kolesnikov

※インタビュー全文は、NBS NEWS WEBマガジンvol.492にてご確認ください。

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2023年1月11日に逝去した高橋幸宏さんの展覧会『YUKIHIRO TAKAHASHI COLLECTION Everyday Life』が、幸宏さんの誕生日である6月6日から開催されることが決定した。

ソロ作品の他、グループ、ユニットなど、リリースした作品は100に届く日本を代表するアーティストであり、秀れたドラマーとしてジャンルを問わず参加したレコーディングは数知れず。また、プロデューサーとしても多くの作品を残した高橋幸宏さんの業績を網羅的に振り返りながら、自身のブランドも持つファッショニスタとしても知られる魅力的な人物像に迫るこの展覧会は、6月6日(木)~6月9日(日)の全4日間、代官山ヒルサイドフォーラム/代官山ヒルサイドプラザの2カ所で開催される。

また、展覧会にあわせ、高橋幸宏さんにゆかりのあるゲストを迎えトークショーの開催も決定しており、トークゲストは後日発表となる。

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ビーチバレーボールの国内トップツアー『ジャパンビーチバレーボールツアー2024』の第1戦が、5月10日(金)~12日(日)に行われる。

同ツアーは第1戦となる「平塚大会 荒井商事杯」を皮切りにスタート。11月9日(土)・10日(日)の「グランドスラム 横浜赤レンガ倉庫大会」まで、全10大会を予定している。エントリーランキングの上位8チームのみが出場することができる「グランドスラム」と、ランキング上位進出を目指す選手たちが参加する「オープン」の格付けを設けて実施される予定だ。

なお、7月に予定されている第4戦「立川立飛大会」では、エンターテインメント性の高い「Queen & king of the court 方式」を採用。一般的なビーチバレーボールの大会で採用されている3セットマッチではなく、複数のチームが時間制でポイントを競い合うため、スリリングな展開が期待できる。

さらに、グランドスラム大会においては、水素カーから供給される電力を使い、大会会場で消費する電力を賄うカーボンニュートラルマッチを準備中。二酸化炭素の排出量を抑えた、クリーンな大会運営を目指す取り組みを予定している。

ツアーのスケジュールは以下の通り。

・5月10日(金)~ 5月12日(日)
 第1戦 平塚大会 荒井商事杯(神奈川県平塚市)

・5月31日(金)~6月2日(日)
 第2戦 都城大会 第25回ビーチバレー霧島酒造オープン(宮崎県都城市)

・6月8日(土)~6月9日(日)
 第3戦 グランドスラム グランフロント大阪大会(大阪府大阪市)

・7月 ※日程調整中
 第4戦 立川立飛大会(東京都立川市)

・8月30日(金)~9月1日(日)
 第5戦 マイナビ青森大会(青森県青森市)

・9月20日(金)~9月22日(日)
 第6戦 グランドスラム 名古屋大会(愛知県名古屋市)

・9月28日(土)~9月29日(日)
 第7戦 グランドスラム お台場大会(東京都港区)

・10月4日(金)~10月6日(日)※予定
 第8戦 須磨大会(兵庫県神戸市)

・10月25日(金)~10月27日(日)
 第9戦 マイナビ松山大会(愛媛県松山市)

・11月9日(土)~11月10日(日)
 第10戦 グランドスラム 横浜赤レンガ倉庫大会(神奈川県横浜市)

オリンピックイヤーとなる今年は、パリを目指す有力選手の出場も予定される。「第1戦 平塚大会 荒井商事杯」のチケットは、イープラスにて販売中。

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ドイツ・グラモフォン(DG)がピアニストの辻井伸行と専属契約を結ぶことが発表され、2024年4月22日(月) 東京 サントリーホール ブルーローズで記者会見が開催された。記者会見には辻井伸行、ドイツ・グラモフォン社長のクレメンス・トラウトマン、ユニバーサル ミュージック合同会社社長兼最高経営責任者(CEO)藤倉尚が登壇。会見会場では、リスト作曲「愛の夢 第3番 変イ長調」と「ラ・カンパネラの2曲が披露された。

2025年初頭にリリースされる、35歳の辻井の記念すべきDGデビュー作には、ピアノ作品の中でも最も複雑かつ高度な技巧が要求される、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 Op.106《ハンマークラヴィーア》が含まれる。さらに、これまでの辻井の広範なディスコグラフィ(前所属レーベルであるエイベックス・クラシックス・インターナショナルで録音されたアルバム)も、デジタル/フィジカルの両フォーマットで、DGより再リリースされる(注)。

今回の契約を記念して、DGの配信サービス「STAGE+(ステージプラス)」では5月18日、コンサート映像『辻井伸行 プレイズ・バッハ、ショパン&ラフマニノフ』をプレミア配信する。バッハの「フランス組曲 第5番 ト長調 BWV816」で幕を開け、ショパンの「即興曲」4曲、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」や「楽興の時Op.16」が披露されるこのリサイタルは、東京のサントリーホールで2月末にライヴ収録された。

「DGに辻井さんを迎え入れることは、私たちにとって非常に大きな栄誉です」 そう語るのは、ドイツ・グラモフォン社長クレメンス・トラウトマンである。「昨年、ロンドンで彼の演奏を聴き、その魅力に心を奪われました。彼は実にエキサイティングな音楽家です。その類まれなる音楽的創造性と洞察力は、彼が他とは違う目で世界を見ていることに起因するのかもしれません。彼がピアノから引き出すのは、驚異的なテクニックと深みのある豊かな音色に支えられ、聴く者の心に直接届く音楽です。私たちは辻井さんという素晴らしいアーティストを世界中の聴衆に紹介すると同時に、その国際的キャリアが発展し続けるよう、彼自身、そして彼の音楽事務所と協力して努力してゆく考えです」

辻井自身も、今後DGで録音活動を行い、新たなプロジェクトを展開していくことを楽しみにしているという。「マルタ・アルゲリッチやマウリツィオ・ポリーニをはじめとする素晴らしいピアニストが数多くの名盤を録音しているので、ドイツ・グラモフォンの録音は、僕も子供の頃からよく聴いています。クラシック音楽をリードしてきた名門レーベルと契約することをたいへん誇りに思います。また、今後、リリースされるCDやストリーミングを通じて、世界中のより多くの人たちに僕の演奏を聴いてもらえることを非常に嬉しく思います」

辻井のレコーディングを担当するプロデューサーであり、DGのアジア地域事業開発部長である城所孝吉は、辻井が間違いなく世界の聴衆を魅了し、感動を与えるだろうと確信している。「ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールでの優勝を機に、日本での辻井さんの人気は一気に高まりました。しかし彼は、キャリアを世界に広げるポテンシャルを持っていると思います。彼の演奏は聴く者の心を揺さぶる、真の魔法を備えているからです」

本契約により、日本においてのリリースを担うことになるユニバーサル ミュージック合同会社社長兼最高経営責任者(CEO)藤倉尚は、「私たちユニバーサル ミュージック ジャパンは近年、ドイツ・グラモフォンと提携しながら、サイトウ・キネン・オーケストラや久石譲などの日本のアーティストをグローバルで展開し、その世界への道は確実に大きなものになってきています。ドイツ・グラモフォン125周年、そして、辻井伸行さんがヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝されて15年という記念すべき年に、ユニバーサル ミュージックグループのファミリーに迎えられ、ご一緒できることを誇りに思います。ドイツ・グラモフォン、そしてユニバーサル ミュージックに来てよかったと思っていただけるよう全力でサポートしていきます」とコメントした。

先天的に目が不自由でありながら、2歳の頃からおもちゃのピアノで自然に曲を弾き始めた辻井。母親が本物の楽器を買い与え、4歳からピアノのレッスンを始めると、その演奏は目覚ましい成長を遂げた。音楽との深い結びつきは幼少期に培われ、彼はあらゆる曲を耳で覚えようとする姿勢を示し、作曲家としての活動によってそれはさらに深まった。12歳の時にはサントリーホールでのリサイタル・デビューを果たし、その後すぐに海外での活動も開始。2005年にはショパン国際ピアノ・コンクールのセミ・ファイナルに進出した。

2009年、ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝したことで、国際的な称賛を浴び、国内ではポップスター級の地位を獲得。過去15年にわたって、ニューヨークのカーネギーホール、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールや、パリのシャンゼリゼ劇場、ベルリン・フィルハーモニーなど、世界の一流会場で演奏会を行ってきた。協奏曲のソリストとしては、ウラディーミル・アシュケナージ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団、ウラディーミル・ユロフスキ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ヴァシリー・ペトレンコ指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、クラウス・マケラ指揮オスロ・フィルハーモニー管弦楽団などとの共演を果たしている。

(注)配信では、約15本の旧譜アルバムが全世界でDGより再リリースされる。旧譜CDについては、国内ではエイベックスのCDが引き続き流通される予定。海外では、DGのロゴで発売される。

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新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』京都南座 衣裳展 2024.4.13(SAT)~5.6(MON)

現在、京都・南座にて5月6日(月・祝)まで『新作歌舞伎「刀剣乱舞 月刀剣縁桐(つきのつるぎえにしのきりのは)」衣裳展』が開催中だ。

2015年にサービスを開始し、これまでも舞台、アニメ、映画など様々なジャンルで取り上げられている人気ゲーム『刀剣乱舞ONLINE』。付喪神の刀剣男士たちが歴史を守るべく時代を超えて戦う物語は熱狂的な支持を集め、日本刀ブームの火付け役にもなった。

今なお人気コンテンツとして親しまれている『刀剣乱舞ONLINE』が2023年7月、尾上菊之丞・尾上松也の演出により新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』と題し、新橋演舞場にて上演された。顕現する刀剣男士は、三日月宗近、小狐丸、同田貫正国、髭切、膝丸、小烏丸の六振りで、十三代将軍足利義輝が討たれた永禄の変を歌舞伎ならではの発想で大胆に脚色。多くの話題を呼んだ。

衣裳展の展示は3階から始まる。刀剣男士たちの衣裳はもとより、展示ロビーのドアガラスにも装飾が施され、すぐにその世界観へと引き込まれる。2階ロビーでは足利義輝、紅梅姫らの衣裳、六振りのかつらと小道具などを展示。1階ロビーには異界の翁・媼の衣裳や短刀、禍獣の衣裳などが展示されている。

『刀剣乱舞ONLINE』で三日月の声を当てる鳥海浩輔による音声ガイドも体験したいところ。スマートフォンに指定のアプリをダウンロードしておけば、展示物を読み込むことで場所に合わせた音声を楽しむことができる。

とっておきは花道を通って進む南座の舞台だ。そこには六振りが勢ぞろい、360度あらゆる角度から衣裳や小道具の刀などをじっくりと観ることができる。

衣裳展初日を翌日に控えた4月12日(金)には『プレオープン記念トークショー』が開催され、初の演出と主演の三日月宗近を勤めた尾上松也と、足利義輝と小狐丸の二役を勤めた尾上右近が登壇。松也と共に演出を手掛けた尾上菊之丞もサプライズで登壇し、脚本を担った松岡亮の司会のもと進行した。

松岡亮、尾上菊之丞、尾上松也、尾上右近

松岡亮、尾上菊之丞、尾上松也、尾上右近

トークショーでは新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』のプロジェクトが動き始めた当時のエピソードが明かされ、「自分が手掛ける新作歌舞伎というのを作りたいと常々思っていた」と企画発案した理由を語る松也。南座で上演された新作歌舞伎『あらしのよるに』をはじめ、新作歌舞伎を手掛ける先輩方の姿に「いつか自分も」という思いがあったと続ける。そして、いざ始動となったとき、「いくつか候補があった中から『刀剣乱舞』に最も魅力を感じた」という。松也は、『刀剣乱舞』が日本の歴史を扱っていること、また、刀剣男士の造形などから歌舞伎とのシンパシーを感じ、ミュージカル『刀剣乱舞』からもインスピレーションを受けたという。

演出に菊之丞を迎え、真っ先に右近に白羽の矢を立てたことについても松也は、「まだ具体的に何をやると言えない時期でしたが、自分が新しいことに挑戦するには、菊之丞さんと右近さんがいなくては成立しなかった。なので、スケジュールだけは押さえようと思いました」と、その胸中を明かした。

尾上松也、尾上右近

尾上松也、尾上右近

「新作歌舞伎を生み出すには、エネルギーがすごく必要」と右近。「松也さんが新作を生み出すエネルギーの源になったひとつは、『挑む~IDOMU~』という自主公演を続けてこられたことが大きいと思う」と、松也の歌舞伎にかける情熱を称えた。

共同演出の菊之丞について松也は、「先生がいてくれたことで、僕も思いっきり自分の方向性に走っていけたし、僕は圧倒的に菊之丞さんを信頼していて、僕と同じ方向で物事を見てくれていると思っているので、何か違うと思ったら言ってくださるというも安心感もありながら、突っ走ることができました」と振り返った。

尾上菊之丞

尾上菊之丞

そんな松也の言葉に「信頼されていると思うと能力が発揮できる」と菊之丞。互いに全幅の信頼を寄せて、この新作歌舞伎を作り上げていった。

松岡から苦労した点を聞かれると松也は、「衣裳においては髭切、膝丸」と打ち明ける。続けて、「あんまり悩む必要性がなかったのは三日月と小狐丸ですね。同田貫と小烏丸もすぐに決まった気がします。なぜかというと、その四振りはそもそも(原作も)和装なので、あとはアレンジを加えて、歌舞伎らしく落とし込めばよかったのですが、髭切、膝丸は完全にスーツスタイルだったので、何度か試行錯誤しました」と振り返る。

手前から膝丸、髭切の衣裳

手前から膝丸、髭切の衣裳

原作の膝丸は、丈の短いジャケットを着用している。「そこを表現したいと思って羽織の長さを変えてみて、膝丸は異常に羽織が短くなりました。こんな羽織は僕も見たことがないです(笑)。それがハマるかどうか、もすごく不安でしたが意外と大丈夫でした」と松也、安堵の表情を浮かべた。さらに、原作の髭切、膝丸がタイトなパンツスタイルとあって、「なるべくスマートな袴を用意してもらって、その雰囲気を出しました」と続けた。

尾上右近

尾上右近

最後に、「衣裳展では『月刀剣縁桐』の世界観を間近で感じていただけると思います。‟とうかぶ“がまた帰ってこられるように、たくさんの応援をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします」と松也。そして「南座で衣裳展が行われるということで、(本公演が)ゆっくりゆっくり京都に近づいてきているように思います。皆さんで盛り上げてもらって、(『月刀剣縁桐』の)再演につなげていただけたらとキャストの一人として願っています」と右近。温かい拍手に包まれた。

尾上松也

尾上松也

『新作歌舞伎「刀剣乱舞 月刀剣縁桐」衣裳展』は、5月6日(月・休)まで開催。チケット発売中。

取材・文=Iwamoto.K 撮影=福家信哉

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2024年6月、東京シアター1010、大阪COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演する、『かまいたちの夜 ~THE LIVE~』の全キャストが決定した。

『かまいたちの夜』は、1994年11月にスーパーファミコン用ゲームソフトとして第1作目が発売され、シリーズ累計200万本という驚異的な売り上げを記録した伝説のサウンドノベル。

サウンドノベルとは、画面に表示された文章を読み進め、時折現れる選択肢を選ぶことによって、様々な物語に展開していくゲーム。物語に沿って音楽・効果音や背景絵が加えられており、臨場感あふれる演出を楽しむことができる。

『かまいたちの夜』1作目は、雪山の閉ざされたペンションを舞台にしたミステリー作品となっており、 そこで起こる不可思議な殺人事件の謎を解くことが目的のゲーム。しかし、選択肢によって、エンディングが多数存在し、目的とはまったく異なる結末を迎えることがあるのも特徴のひとつ。2024年は『かまいたちの夜』が30周年を迎える記念の年でもある。

今回、本公演では、原作者の我孫子武丸監修のもと、舞台オリジナルストーリーを描く。

本作の構成・演出は、ミステリーを専門に舞台を制作しているノサカラボの代表であり、これまでも「アガサ・クリスティ作品」や「神津恭介シリーズ」など重厚な作品を手掛け、また、緻密な伏線を敷いたシチュエーションコメディにも巧みな手腕を発揮する演出家、野坂実。そして脚本は民俗学、土着信仰に精通しており、妖怪をモチーフとした作品を多数発表。劇団鬼の居ぬ間に主宰でありながら、近年は多方面への脚本提供を行い、ジャンル、媒体にとらわれず活動の幅を広げている望月清一郎が務める。

これまでに主演の伊月役にヴァサイェガ渉、共演の比企文哉役として豊田陸人の出演を発表したが、新たに、高柳明音、ドロンズ石本、塩月綾香、田中孝宗、大高雄一郎、槙原唯、谷口就平、そして細貝圭、安田裕が出演する。

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日本郵便株式会社が運営する「郵便局のネットショップ」及び、「東京中央郵便局」において、2024年5月2日(木)より、「荒牧慶彦」のオリジナルフレーム切手セットの発売が決定した。

本商品に使用した素材は「手紙は、世界とも繋がる」をテーマとして、今回のためにすべて撮りおろした写真を使用。2.5次元の舞台を中心に活躍する「俳優 荒牧慶彦」の様々な一面を見せたいと考え、それぞれの場面から厳選したショットを用意。

「東京中央郵便局」では2024年5月2日(木)9時~、数量限定での店頭販売を実施。店頭販売分には、「フレーム切手シート」「ポストカード5種」からなる「荒牧慶彦 オリジナルフレーム切手セット」に加え、「複製サイン入りポストカード」を加えた店頭限定セットを販売する(※複製サイン入りポストカードは店頭販売のみ)。

ポストカード

ポストカード

ポストカード

ポストカード

ポストカード

ポストカード

ポストカード

ポストカード

ポストカード

ポストカード

ポストカード(裏)

ポストカード(裏)

複製サイン入りポストカード    ※複製サイン入りポストカードは「東京中央郵便局」販売分にのみ付属。

複製サイン入りポストカード    ※複製サイン入りポストカードは「東京中央郵便局」販売分にのみ付属。

また、「郵便局のネットショップ」では、5月2日(木)15時~6月7日(金)23時59分まで、完全受注生産にて販売する。こちらでは、「フレーム切手シート」「ポストカード5種」からなる「荒牧慶彦 オリジナルフレーム切手セット」と、「切手型アクリルキーホルダー 写真ver.」と今回のために描きおろした「切手型アクリルキーホルダー イラストver.」の全3商品を完全受注生産で販売。また、郵便局のネットショップ公式Xアカウントではプレゼントキャンペーンを開催する。なお、詳細はオフィシャルXにて発表。

切手型アクリルキーホルダー 写真ver.

切手型アクリルキーホルダー 写真ver.

 切手型アクリルキーホルダー イラストver.

切手型アクリルキーホルダー イラストver.

さらに、本企画を記念して、店頭販売を実施する「東京中央郵便局」では、4月30日(火)から5月26日(日)まで、「オリジナル広告ポスター」を掲載する。

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石井光三オフィスプロデュース『ポルターガイスト』(作:フィリップ・リドリー、翻訳:小原真里、上演台本・演出:村井 雄)が、2024年6月14日(金)~23 日(日)、東京芸術劇場・シアターウエストで上演される。2020年、ロンドンにて初演された本作は、P・リドリーがコロナ禍に書き上げたダークでコミカルな一人芝居だ。その日本初演に挑むのは永田崇人。主人公の青年・サーシャをはじめ、異父兄、姪、近所のおじさん…と、計10役を演じ分けるソロパフォーマンスに挑むこととなる。10代で才能あふれるアーティストとして注目されながらも今や世間から忘れ去られてしまったサーシャの、喪失と発見と喧騒に彩られた「ある1日」の出来事。“現代の童話”のような世界に飛び込んでいくその胸中はいかに──

 

──初めての一人芝居。オファーされた時のお気持ちは?

「まじ? なにそれ? 一人芝居、え、俺? いける??」みたいな(笑)、気持ちでした。一人芝居、元々興味はあったんです。やっぱり昔から「絶対どこかで通らないといけない道」みたいな思いはありましたし、事務所の先輩の入江雅人さんの『グレート一人芝居』とか、確か去年は赤堀さんもやっていましたよね(赤堀雅秋一人芝居『日本対俺』)。でも…「自分もどこかでやりたいけどホントにやれるんかな」って感じで。

──現実感はなかった。

そうですね。でも「こいつじゃできないだろう」と思ったら声はかけていただけないと思うので…いや、わかんない、もし今後悔されていたらあれですけど(笑)。でも僕という役者のことを見てオファーしていただけたのはすごく嬉しいことですし、怖かったけど「ぜひやらせてください」とお伝えしました。

──サーシャがパートナーのチェットと共に姪の誕生日パーティーに出かける1日の物語。苦い過去を掘り返されたり、今を見つめたり、親戚同士でガヤガヤと繰り広げられる、ちょっとカオスな展開も見どころです。「一人芝居」と言っても、一人の人物で物語るのではなく、10人のキャラクターを演じていくこととなります。

まぁ、でも「人の話」…「人生の話」ですよね。だから端々に共感する部分もありますし、まずは自分と近いところから読み解いていくしかないなぁとは思います。ひとつの作品で複数の人物を演じるという意味で言うと僕も未知というか、お芝居としてどうやっていくのかも全く未知。例えばここでサーシャのセリフがあって、その後すぐチェットのセリフがきているけど、これは立ち位置入れ替えてやるの?とか。

──どの言葉も口に出すのは全部自分なので…

…ってことですよね。基本的にセリフの前に「叩き込むように」って、ト書きにはあるんですよ。それがどういうことなのか。あとはオモシロが散りばめられているけれど、どうすればちゃんとオモシロになるのかなとかをぼんやり考えたりはしているのですが、基本的には主人公の主観のお話だと思っているので、まずはサーシャを理解していく。多分年齢も今の僕と近いと思うから、まずは何となく想像できる彼がいわゆる神童と呼ばれていた時代と、そこから今までの10年間以上をどう過ごしてきたのかを埋めていく作業ですかね。

──私たちが想像しがちな“孤独な元アーティスト”というキャラクーではなさそう。

むしろ全然、逆ですよね! なんか、それを自分が受け入れてないっていう話でもあるというか…でも結構それってあるなって思う。自分でもそうですけど、周りが自分に対して素直にそう思ってくれているのに、自分では「本当はそうじゃないんじゃないか」と思ったりとか。舞台上の自分をイメージするのは正直今はちょっとまだ難しいですね。どんなふうになるのだろう。でもだからこそ、すっごく楽しみでもありますけどね。

──物語全体の感触はいかがですか? フィリップ・リドリーは毒気のある、ファンタジーと呼ぶにはちょっと痛々しいけれど美しくて繊細な世界を描いた作品がいろいろありますけど、戯曲を読むとその中ではわりと現実的なタイプですね。

そう、そうなんですよね。そんなに童話過ぎないというか……

──永田さんが以前出演された『プラネタリウムのふたご』の作者、いしいしんじさんにもちょっと近いな、と思いました。

あ、いしいしんじさんっぽいんだ! わかった、今のピンときたぞ。はいはい、わかりました(笑)。好き好き。大人の絵本感ね。でもある意味ではこれって観に来る人のストレス発散にもなってるし、そういうところが僕も「いいな」って思う。海外戯曲だから許されるFワード満載の感じとかたまらないっていうか、「こんなん言っていいんだ」みたいな(笑)、日本の戯曲だと見ない言葉の並びも面白くて好きですね。ストーリーとしては、なんだろう…ゆっくりと見たくないものから目を背けて生きてきた人が、少しずつ現実を受け入れてスタート地点に立つみたいな感じなのかなぁ…わからないけど。なんか、ちょっとだけね、いい明日が来るかもって思える、そんな希望は見いだせている感じはします。

──サーシャっていたずらっ子ですよね。シニカルでナイーブな青年。

はい。あー、でもいたずらっ子って言葉、僕はなんか可愛げを感じちゃうんですけど、実はサーシャは…いたずらっ子はもうちょっと陰湿だよなと思います。許してもらえる前提でやっているというか、そもそも自分だとバレようと思ってない。

──確かに自分から種明かしして「アハハ」と笑って解決…ではないかも。

そんな感じではないですよね。かわいく言うと「いたずらっ子」だけど、普通に「性悪」ですよ(笑)。でもそれが人間だよなって思うから、別に嫌だとは思わないし、むしろだからこそすごく愛おしいと思えるし。

──周りのみんなももうそこまでわかっている感じもある。

それがまたいいなって思います。そこにこの物語の面白さがあるなって。「わかっていないのはあなた」って、なんかね、ドッキリの逆バージョンというか、その構図が面白いというか…ちょっと言葉でうまく伝えられないのですけど、基本的には主人公の主観でバーって話していくし、やっていく。でも、最終的にはそれを周りの人たちが見る目線にお客さんがなってくれたら、いいなって思う。

──みんなに見守られ包まれているサーシャ。

そうそう。「ホントはすごく愛されてるってことに気づいてないんだね。そこも可愛いね、君」ってぐらいのところにまで、落とし込めたらいいのかな。

永田崇人  ©大沢尚芳

永田崇人  ©大沢尚芳

──お稽古に向けてはどんな準備を?

稽古場に「おはようございます」って入っていっても、演出家さんと制作さんが何人かいるだけの場所でしょ? どうなるのかなぁ。

──演出の村井雄さんは「誰もいなくてたった2人の時間になってもいいです」とおっしゃっているとか。

確かにそれも面白いですね。村井さんとはまだお会いしていないのですが、一対一なんて贅沢ですよね。不安もあるけど、いいこともたくさんあるんだよなぁ。だって全部自分ですからね。そんなにずっと自分のお芝居だけを見てもらえるってないですからね。あ、でもずっと見られちゃうのはやっぱり、怖いし、ちょっと嫌かも? ハハハハッ(笑)。

──コミュニケーションも相当密になっていくでしょうね。

なるべくいろいろお話ししたいです。面白いなと思うのが、自分の中で考えてるだけのものって「妄想」とか「想像」になるんですけど、誰かと共有したらそれが「事実」に変わるんですよ、自分の中で。だから、話し合うことによって「事実」が増えれば増えるほど、作るものも現実的にはなるというか…それで、大事なのがそのバランスだと僕は思っている。「事実」を増やしてより見せたいものを明確にしたいのか、「妄想」や「想像」のままにしておいてちょっと隙を作っておいたほうが面白いのか、そのバランスがどうかなぁって。まぁどっちにしろしっかりと考えなければいけないと思うから、自分的なバランスは見失わずに大事にしたいです。特にこのお話はやっぱりサーシャの主観の話だから、サーシャのお母さんも彼にとってはいいお母さんだったかもしれないけど、周りから見たときにどういうお母さんだったんだろうなとか、視点を変えた見方もあるなと思ってるので、そういう読み方もしておかないと。ホント、考えるべきことは山のようにある。サーシャや姪のロビンが描いた絵がどんななのかな、とかも。セリフでもずっと色のことを言ってますもんね。そこも興味深いです。フィリップ・リドリーさんって、画家でもあるんですか?

──美術学校出身だそうです。

そうなんだ! うん、じゃないとあれだけ明確に絵や色のことを自分事として書けないでしょうね。

──永田さん、絵を描くのは?

全然好きじゃない。下手です(笑)。でも下手なりに実際描いてみたら描いてみたで面白かったりもするし…今回はちょっと美術も勉強しておかないとですね。アートに触れる時間は作りたいなと思います。

──2.5次元作品を経て、ここ数年もさまざまな演出家の方たちとの作品作りを経験してきました。その中で30歳を迎え、初めての一人芝居にもトライしていく。やはりここはひとつの節目でもあると…

思っています。自分はやっぱり芝居が好きで、「かっこいいね」とか「かわいいね」とか「優しいね」とかよりも、「芝居いいね」って言われるのが、生きてて一番嬉しいんです。お芝居が好きで、その好きなことをやってる自分を評価してもらえるのが、ね。それははじめからずっとあったし、今後もそういう人でありたいなっていう願望はずっとあるので…だから今は、僕的にはですけど、これが“一歩目”な感じがするんですよ。今までも全身全力で…っていうか、それ以外に僕は技も持ってないしそうやってがむしゃらに俳優業をやってきて、その間にいろいろ積み重ねてきて。でもこれでやっと本当の一歩目を踏み出せそうかなっていう思いを感じています。

──おそらくこの『ポルターガイスト』を通じ、さらに新しいお客様との出会いもあることでしょう。

あったら嬉しいな。えー、みなさん、こんにちは、永田崇人です。九州から出てきて、お芝居を始めて今年で10年目。この作品は本当に自分の俳優人生の中でも「大一番」だと思ってます。本当に、もうそれ以外ないですね。この作品に今の全てを捧げてやる覚悟はあるし…というか、そうじゃないとできないということもわかっています。演劇のこと全く舐めてなんていないし、苦い思いもいっぱいしてきたので…。永田崇人を知らないという方も、もうホントにこれは騙されたと思って来て欲しい。『ポルターガイスト』という作品の魅力に惹かれ、みなさんぜひ騙されてみてほしいなと思います(笑)。僕もひとりの俳優として、この素晴らしい戯曲の力をお借りして頑張りますので。

──この先のお稽古、そして本番へ。永田さんの中に渦巻く決意と覚悟と愉しみとが伝わってきます。

僕もまだどうなるのか全くわからないのですが、自分が自分に「いいね」って言えるような、本当に良い作品だと思います。僕個人としてもすごく共感できる内容ですし、やっぱり自分の人生の中で目を背けたくなる瞬間がない人なんか、なかなかいないと思うんですよね。そういう人にはすごく伝わるのではないでしょうか。お客様が観終わった時に「ああ、自分もいいな」って思って帰ってくれたら、成功なのかな、と思うので。「私の人生、まあ、いいんじゃね」って、ライトな感じで向き合える、心に残る作品にできたらいいなって、僕は思っています。

永田崇人  ©大沢尚芳

永田崇人  ©大沢尚芳

取材・文=横澤美香

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現在の上方落語を代表する噺家であり、在阪局のテレビ番組、ラジオ番組のレギュラーも多数抱える売れっ子・桂吉弥。そんな吉弥が噺家生活三十周年『桂吉弥独演会』を、5月12日(日)のサンケイホールブリーゼを皮切りに全国30ヶ所で開催する。同独演会では、30周年にちなんで30演目を用意し、来場者の投票で演じる3席を決定する。演目には「青菜」「崇徳院」「ちりとてちん」などがリストアップされている。そんな吉弥に、今回の独演会への意気込みや、現在の落語界について思うことなどについて話を訊いた。

桂吉弥

桂吉弥

――2月25日に53歳を迎えた吉弥さんですが、2023年の52歳になったときのnoteでは、2005年に亡くなられた師匠・桂吉朝さん(享年50歳)のお名前を綴り「52歳になって、師匠からちょっと離れてみよ、もう師匠やったら、、という思考に囚われすぎず、考えてみよ」と“師匠離れ”を宣言していましたね。

たしかに52歳は、師匠のことを考える回数自体は減ったかもしれません。自分でなんとかやろうというか、自分で考えようというか。でもそんな偉そうなことを言いながら、やっぱり落語家は先人の気持ちに触れることが大事なんです。今回の『噺家生活三十周年』をおこなうにあたっても、気づけば(桂)二葉さんのお師匠さんである桂米二師匠のところへお稽古に行ったり、立川談春さんからアドバイスをいただいたりしました。なにより、弟子が師匠をこえることなんてないと思っているんです。亡くなった方々は特に、良い落語音源がたくさん残っていて、それを聴くと「かなわんなあ」と。美化されているところもあるでしょうけど、それでも抜かすどころか追いつけず、どんどん離れていく感じがします。

――吉朝さんが亡くなられた年齢をこえたのに、長く続ければ続けるほど師匠の背中が遠のくというのはおもしろい感覚ですね。

師匠を追いかけるのは不毛ですし、なにをやっても届かない。だからそうやって誰かを追いかけることよりも、今回の『噺家生活三十周年』であれば、来てくださるお客さんと一緒に良いものを作るのが今の自分にできること。ライブ感を重視していきたくて、そのための一つとして演目はその場のリクエスト制にしています。

桂吉弥

桂吉弥

――どんな物事でも長く続けるとルーティンやマンネリが生まれます。ライブ感という言葉には、自分で自分にどのように刺激を与えるかの“意味”が込められている気がします。

それはすごくありますね。なにかをなぞるとか、慣れるとかは落語で絶対にやったらあかんこと。若手の頃から、桂米朝師匠、桂枝雀師匠、桂ざこば師匠、桂南光師匠など、いろんな方からそれを教わり続けました。「同じ感じでやって、同じ感じでウケるのは絶対にアカン」と。「吉弥の「ちりとてちん」を観たことがある」という方がいらっしゃったとしても、その方が吉弥の「ちりとてちん」を初めて聴いたようになってもらなわければならない。噺のなかに腐った豆腐が出てくることを初めて知り、「臭っ!」という反応も初体験に感じてもらわなければいけないんです。だから「この顔は前、ウケたな。じゃあ同じようにしよう」はダメ。自分にとっても腐った豆腐を初めて目の前にして「うわっ」とならなければならない。もしかするとその日の豆腐は臭くないかもしれない。長く続けてきたことで再現性は身についている。しかしそれに甘んじると、落語は途端におもしろくなくなるのです。

――だからこそ落語はずっと受け継がれていくんですよね。同じ噺でもウケ方は日によって違う。ちなみに吉弥さんは30年のなかで「これはウケたな」と実感したことはありますか。

それがあまり記憶にないんです。「満足したらあかん」「これでええと思うな」を心がけているからかもしれませんけど。逆に学生時代にお客として聴いたり、師匠のみなさんの落語を袖で聴いたりしているときの方が「ウケてるなあ」と思います。自分が若手のときに聴いた、枝雀師匠、米朝師匠の落語はほんまに「ドーン!」という笑い声でサンケイホールが揺れたのを覚えています。あれ以上はないですね。

桂吉弥

桂吉弥

――ただどの世界も新旧交代はつきものです。落語界でも新たなスターがどんどん出てきていますね。もちろん吉弥さんもそのなかのお一人で。

ただ落語界は今、入門者がどんどん減っているんです。2023年の上方落語の入門者は、1年間でたった二人。その前年も二人。いくら「落語界をもっと素敵なものにしたい」と考えたとしても、その魅力を伝える落語家の数が減っているとそれができなくなる。一時期は「こんなに数はいらんやろう」というくらい噺家がいたんですけど、コロナ禍を境に変わってしまいました。僕らの世代は、今の落語界でも特に前に出ていろいろやっている側やから、「自分らのやることが若い人たちに届いてないんかな」と危機感があります。

――しかし一方で『週刊少年ジャンプ』で連載中の漫画『あかね噺』(原作:末永裕樹、作画:馬上鷹将)が話題にもなっています。若い人にとって落語は決して遠い存在ではない気がします。

僕も出演させてもらった連続テレビ小説『ちりとてちん』(2007年/NHK)が放送されたときも、上方落語に出会った女性の物語とあって、それまで少なかった女性噺家が増えました。さらにその前はドラマ『タイガー&ドラゴン』(2005年/TBS系)の影響で多数の入門者がいました。振り返ってみたら自分らも深夜ラジオを聴いていた学生時代、笑福亭鶴瓶さん、明石家さんまさん、桂枝雀師匠、笑福亭仁鶴師匠、笑福亭鶴光​師匠など落語家さんがメディアにたくさん出ていて、それに影響を受けていました。『あかね噺』も若者に訴えかける漫画として影響力がすごく大きいし、そうやっていろんなコンテンツを使って噺家というものをアピールしていかなあかんなと。

桂吉弥

桂吉弥

――それこそSpotifyなどで落語を聞く人が増えたりもしていますよね。TikTokなんかでも落語がもっとクローズアップされるかもしれません。新しいコンテンツと伝統芸能の融合がさらに進めば……と。

うちの息子が先日、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)のオードリーさんのイベントを観るために東京ドームへ行ってきよったんです。「どうやった?」と聞いたら、春日さんとフワちゃんがプロレスしたり、若林さんと星野源さんが歌ったり特別な企画もありましたが、基本的には東京ドームのイベントであってもラジオでやっていることと良い意味で変わりがなかったと。でも、そういうことなんやなって。だからイベントが埋まって、さらにライブビューイングのチケットも売れる。つまり伝え方と切り取り方なんです。そういう部分でも、落語も、落語家も、もっといろいろ遊べるんちゃうかな。これまでとはまた違う魅力が発見されるように、自分もお役に立てたら良いなと。

――『噺家生活三十周年』という大きなイベントを終えても、やらなければならないことはまだまだ多そうですね。

だからこそ『噺家生活三十周年』はすごく重要やと思っています。落語は実際に生で観てもらうためのハードルが高い。そういう状況下、ただただ演目を提示して「観てください」は今回に関しては違う気がするんです。お客さんにも一緒に落語を体感してもらう、まさにライブ感。そのために演目をその場で3つ選んでもらって、やる。ひょっとしたら、今回の演目リストにはないけど「「愛宕山」をやってくれ」と言われて演じる状況になるかもしれませんし。

――あらためて、吉弥さんはどんな噺家になりたいですか。

なんやろうなあ。やっぱり「大阪で落語と言えば吉弥」と言われることが理想かな。昔は「大阪の落語家は米朝さん」でしたよね。東京なら古今亭志ん生師匠、『笑点』(日本テレビ系)なら5代目三遊亭圓楽師匠、柳家小三治師匠、立川談志師匠などがいらっしゃいました。「何々と言えばこの人」というふうに、いつか「大阪やったら吉弥の落語を聴けばええやん」と認知してもらえる落語家を目指したいです。ただ、うちの師匠が生きていたらずっと「もっと稽古せえよ」「お前、まだあの一段目が間違ってる」とか言ってくるだろうし、その意味では今は立川談春さんがそういうことを言ってくださるので、まだまだ「自分はようやってるな」とはなりませんね。

桂吉弥

桂吉弥

取材・文=田辺ユウキ 撮影=高村直希

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