超ひらパー兄さん/岡田准一主演『ザ・イレカワル』公開へ? ひらかたパーク×『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』コラボが展開

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6月18日(金)公開の映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』とひらかたパークのコラボポスタービジュアルが解禁された。

『ザ・ファブル』は、『週刊ヤングマガジン』連載で連載されていた南勝久氏による同名漫画を岡田准一主演で実写映画化した作品。ひょんなことから大阪で一般人として生活することになった伝説の殺し屋“ファブル”の日常生活を描いた物語で、シリーズ第一弾の実写映画『ザ・ファブル』は、2019年6⽉21⽇(⾦)に劇場公開された。

シリーズ第二弾の『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』では、ファブル/アキラが、ボスからの命令「誰も殺すな。普通に暮らせ」を守りながら、相棒のヨウコと兄妹のフリをしながら平和な毎⽇を過ごしていたところに、新たな危険人物が現れ、街全体を巻き込む騒動に発展していく。前作に引き続き、主人公のアキラ/ファブルを岡⽥准⼀が演じるほか、ファブルの妹として⼀般社会に潜⼊する相棒・ヨウコ役で⽊村⽂乃、ファブルをプロの殺し屋に育てたボス役で佐藤浩市、アキラのバイト先のデザイン会社社⻑・⽥⾼⽥役で佐藤⼆朗、バイト仲間で親の借⾦返済のために働くミサキ役で⼭本美⽉、裏社会の組織でファブルの世話⼈を請け負う真⿊カンパニー社⻑・海⽼原役で安⽥顕、海⽼原の部下でファブルを慕うクロ役で井之脇海ら前作からのキャストが再集結している。さらに、ファブルから唯⼀逃げ切った男・宇津帆役で堤真⼀が登場。新ヒロイン・ヒナコ役で平⼿友梨奈、宇津帆の右腕の凄腕殺し屋・鈴⽊役で安藤政信も参戦。前作に引き続き、江口カン監督がメガホンをとり、アクション監督を『牙狼-GARO-』の横山誠氏が務めている。

 

主演の岡田は、ひらかたパークのイメージキャラクター「超ひらパー兄さん」「園長」としても知られている。公開されたポスターは、恒例となった主演作と超ひらパー兄さんのコラボレーション企画だ。コラボポスター11弾となる今回は、映画のタイトルとビジュアルをパロディ化。岡田が演じる佐藤アキラと岡田園長(超ひらパー兄さん)が入れ替わり、『ザ・イレカワル』なるタイトルが冠されている。なお、ポスターはひらかたパークのサイト特設ページにて、5月11日(火)より掲載される。

『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は6⽉18⽇(⾦)全国公開。

 

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7月31日(土)、8月1日(日)の2日間、 大阪・舞洲スポーツアイランド特設会場にて開催されるフェス『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 20>21』の第1弾アーティストが発表された。

今回発表されたのは、7月31日(土)に瑛人、coldrain、サイダーガール、NOISEMAKER、PassCode、MY FIRST STORY、向井太一、Mega Shinnosuke、優里、reGretGirl。8月1日(日)にORANGE RANGE、Creepy Nuts、Survive Said The Prophet、the engy、Dizzy Sunfist、tricot、Nothing's Carved In Stone、NAMBA69、KNOCK OUT MONKEY、Vaundyの計20組。開催中止となった昨年公演に出演を予定していたアーティストや、スピンオフイベント『THE BONDS 2020』に出演したアーティスト、初出演となるアーティストが集結する。

今回の発表に併せて本日より、1DAY&2DAYSチケットの先着先行エントリーをイープラスにて開始する。なお『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL2020』のチケットを持っている場合は、そのままのチケットで参加可能となる。

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■"土着"すなわち社会に根付いたダンスを

2002年に設立されたダンスカンパニーCo.山田うんは、主宰で振付家の山田うんの下、多彩な出自からなる才能あふれるダンサーたちが集い精力的に活動している。チャレンジングな創作、特に10数人が踊る群舞は大きな売りだ。彼らは国内外で新旧作品を上演するとともに、全国の劇場や教育機関、福祉施設においてワークショップやキッズ・ダンスプログラムも行う。自らのダンスのスタイルを"土着"と称する山田は、アウトリーチや後進の育成にも気張らず取り組むことによって、社会に根付きながらダンスの魅力を深め広げている。

山田うん Un Yamada

山田うん Un Yamada

そんなバイタリティあふれるCo.山田うんは、世界的な感染症拡大の影響を受けても粘り強く活動を続けている。2020年最初の緊急事態宣言中に、ダンサーの仁田晶凱がディレクターとなり、リモートコミュニティセンター「文舞両道」を開設し、オンラインレッスン、コラム、インタビューなど豊富なコンテンツを配信。2020年8月末には、自治区 金石大野アートプロジェクト アーティスト・イン・レジデンス Co.山田うん金沢港パフォーマンス『みぎわ』を、10月にはインスタレーション・ダンス『BODY GARDEN』を行った。

Co.山田うんメンバー (c)HAL KUZUYA

Co.山田うんメンバー (c)HAL KUZUYA

そうした中、秋から冬にかけて新作公演『コスモス』を控えていた。東京・山口・新潟の3都市ツアーを予定していたが、2020年11月末の東京芸術劇場シアターイーストにおいて芸劇danceの一環として実施するはずだった東京公演は、感染状況を考慮して無観客で映像作品を制作することに切り替えた。映像版は2020年12月28日(月)から2021年1月3日(日)まで「Streaming+」にて有料で配信。いっぽう、2021年2月28日(日)山口情報芸術センター、3月6日(土)りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館において舞台上演した。

Co.山田うん『コスモス』映像版バナー

Co.山田うん『コスモス』映像版バナー

映像版も堪能したが、Co.山田うんのエネルギッシュな作品群を設立以来ほぼ欠かさずに観て刺激を受けていることもあって、劇場版を見逃したくなかった。そこで新潟に足を運んだ。ここでは劇場版の模様を中心に報告し、映像版についても触れたい。

Co.山田うん『コスモス』劇場版フライヤー

Co.山田うん『コスモス』劇場版フライヤー

■"宇宙の渦のような秩序"から日常の風景までを捉える

『コスモス』は11のシーケンスから成る。冒頭の「コズモ」では、男女13名が三々五々現れ、列をなし円状に歩いたかと思うと分離して踊る。"宇宙=『コスモス』""コスモスという宇宙の渦のような秩序"(チラシのコピーより)を象徴しているのだろう。その模様を間近から切り取った映像版にも惹かれるが、劇場の客席から接するとより"渦"を感じる。

Co.山田うん『コスモス』映像版収録の模様 (c)羽鳥直志

Co.山田うん『コスモス』映像版収録の模様 (c)羽鳥直志

続く「ガーデン」では、植物に覆われた庭(ガーデンデザイン:塚田有一)で望月寛斗と山根海音が踊る。二人の語らいが聴こえるかのようなナチュラルで繊細な質感はしかと伝わったが、ここでは映像版のインパクトが強いかもしれない。舞台装置を背に演者がアップを捉えるので、画面越しとはいえディティールがよく分かり緊密感がある。

Co.山田うん『コスモス』映像版収録の模様

Co.山田うん『コスモス』映像版収録の模様

一転して「ホスピス」の舞台はベットがひとつだけ置かれた殺風景な部屋。電子音が鳴り、ひんやりとした空気感が支配する。そこで河内優太郎、山口将太朗が絡み、静謐さ、わびしさを際立たせる。「秋桜」では、"pink"の山崎眞結、"purple"の西山友貴という、それぞれピンク、紫の衣裳に身を包んだ二人を中心に、どこかのどかな雰囲気で自在に舞う。

Co.山田うん『コスモス』劇場版 新潟公演 ©2021村井勇/アトリエラボン

Co.山田うん『コスモス』劇場版 新潟公演 ©2021村井勇/アトリエラボン

「パーティー」では、白いテーブルクロスが敷かれた長机が正面を向いて置かれ、飯森沙百合、黒田勇、田中朝子、西山友貴、望月、山崎が、テーブルの上下、前後で闊達に踊り絡む。「コスモポリタン」ではアナーキーな踊りが繰り広げられ、「猫」では仁田晶凱がしなやかに踊る。

Co.山田うん『コスモス』映像版収録の模様 (c)羽鳥直志

Co.山田うん『コスモス』映像版収録の模様 (c)羽鳥直志

川合ロン、長谷川暢、山根、吉﨑裕哉が声を上げ討論し呵々大笑する「ドラマ」に続いて、「フラワー」「カオス」「エンド」と全員による踊りのテンションは高まっていく。ことに万国旗を広げ、舞台狭しとばかりに踊りまくる群舞はCo.山田うんの真骨頂で、映像版&劇場版それぞれパワフルで見応えがある。"随所にちりばめられる2020年のオマージュが現れては消える"(チラシより)といった辺りの要素もそこかしこから感じ取れるだろう。

Co.山田うん『コスモス』劇場版 新潟公演 ©2021村井勇/アトリエラボン

Co.山田うん『コスモス』劇場版 新潟公演 ©2021村井勇/アトリエラボン

"宇宙の渦のような秩序"から誰しもが経験するような日常の風景まで、マクロ/ミクロの両視点から世界を捉えて奥深い。とはいえ、全体的に重々しさはなく、ポップで軽やか。そのうえで、人生の一断面を巧みにすくいあげ、連ね、人間という存在の愛しさを伝える。

Co.山田うん『コスモス』劇場版 新潟公演 ©2021村井勇/アトリエラボン

Co.山田うん『コスモス』劇場版 新潟公演 ©2021村井勇/アトリエラボン

公演当日配布パンフレットには、各シーンについて「dance&created by ~」というようにダンサーの名前も挙げられていた。山田の年季の入った洞察力とメンバーの個性やアイディアが折り重なって、このカンパニー、このメンバーだからこその味わいを醸し出す。山田は美術も担当。音楽は山田の盟友ヲノサトルで、音楽と動きが表裏一体のごとく共鳴する独特な時空を立ち上げるが、今回は何度もリフレインするメロディが一際心に響いた。

Co.山田うん『コスモス』劇場版 新潟公演 ©2021村井勇/アトリエラボン

Co.山田うん『コスモス』劇場版 新潟公演 ©2021村井勇/アトリエラボン

劇場版だけの演出に忘れ難いものがある。舞台上に連翹(レンギョウ)というモクセイ科の黄色い花が設えられ、山田うんワールドを見守った。早春に咲く花の落ち着きのある色合いが、舞台空間に得も言われぬ彩りと温もりをもたらしていた。

Co.山田うん『コスモス』劇場版 新潟公演 ©2021村井勇/アトリエラボン

Co.山田うん『コスモス』劇場版 新潟公演 ©2021村井勇/アトリエラボン

■何時も自然体、そして挑戦を忘れない

山田は2020年春、第37回(令和元年)江口隆哉賞(制定:一般社団法人現代舞踊協会)を受賞。「受賞のことば」の中で、こう記している。

どんな困難な時代でも、どんな平和な時代でも、太古からそうであるように舞踊は尊い表現として存在し続けなくてはならないと思っています。これまでもそうであったようにこれからも。無力な踊りなど一つもないのですから。 私にとって舞踊を生み出すことは、自然と秩序と混沌の中で、自由を生成する姿勢です。生命のための舞踊を追求し、未来に橋を架けられるような領域へ、恐れず、丁寧に、大胆に、精進して参りたいと思います。

Co.山田うん『コスモス』劇場版 新潟公演 ©2021村井勇/アトリエラボン

Co.山田うん『コスモス』劇場版 新潟公演 ©2021村井勇/アトリエラボン

映像版&劇場版を制作した『コスモス』を経て、Co.山田うんの快進撃は続く。2021年5月22日(土)国立劇場令和3年5月特別企画公演「二つの小宇宙―めぐりあう今―」において、新作『Bridge』を発表。声明とのコラボレーションだ。2021年7月2日(金)~7月4日(日)には新国立劇場主催公演で新作『オバケッタ』を披露。2021年8月28日(土)~29日(日)日生劇場ファミリーフェスティヴァル2021音楽劇『あらしのよるに』(2019年初演)において、振付(山田)、出演(Co.山田うん)で参加する。さらに、2021年12月、山田が、りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館専属舞踊団Noism Company Niigata(芸術監督:金森穣)に招聘され、プロフェッショナルダンスカンパニーNoism1に新作を振付する。何時も自然体で、地に足を付けて歩みつつ挑戦を忘れない。今後もダンスの豊かな果実を分かち合う場を創り続けるだろう。

【動画】Co.山田うん 新作「コスモス」映像版 トレーラー

取材・文=高橋森彦

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2020年は、わずか10ステージで中断を余儀なくされた。1年の月日を経て、渡辺謙主演『ピサロ』がアンコール上演される。とはいえ、まだまだ予断を許さない状況だ。そんななかでも、稽古は着々と進んでいる。成り上がりの将軍・ピサロに従い、混乱の世を生き抜いたマルティン。物語は、老マルティンの語りから始まる。ピサロの小姓だった若きマルティンを大鶴佐助が、老マルティンを外山誠二がそれぞれ演じる。ふたりのマルティンはそれぞれ『ピサロ』に何を思うのか?

■互いに影響を与える「ふたり」のマルティン

ーー稽古場の感染症対策は徹底していると聞いています。俳優さんも3日に1回、PCR検査を受けているそうですね。

外山:演出家席もパーテーションで囲っているくらいですから。

大鶴:演出のウィル(・タケット)の来日から2週間が過ぎたので、ようやく厳密に2メートルの距離をとる必要はなくなりました。

外山:演技の細かいことを話すとき、俳優と演出家が2メートル以内になるのは不自然ではないのですが、厳しいルールにのっとってやっています。

大鶴:誠二さんはほかの作品での稽古中も、マスクをつけていましたか?

外山:そうだね。台詞だけでなく、歌やラップのシーンでもマスクのままだった現場がありました。酸欠を起こしても不思議じゃない。苦しかったなあ。

大鶴:僕もたいていマスクをつけながらの稽古でしたが、相手からもらえる情報が本当に限られてくるなと思いました。表情の半分が見えないので。

大鶴佐助

大鶴佐助

ーーおふたりがそれぞれマルティンという人物の若いころと老人の時期を演じます。同じ人物なのですが、ピサロに対する見方が異なる。役に対してどのような思いがありますか?

大鶴:前回は、ピサロに対して恐れを抱いているところが強かったです。だけど今度は、ピサロの多面的な部分が見えてくると思います。ただ恐怖する対象ではなくて、ピサロの孤独や焦燥の部分も浮き彫りにできたら……。

外山:佐助くんの演じる若いマルティンと、語りを担う老マルティンでは演劇的な時間の持ち方が異なります。佐助くんを見ながら「どうしてこういう表情をしているんだろう?」と舞台上で分析しながら楽しんでいました。ピサロに対して愛情や憧れや以上の感情を抱いている若いマルティンには、愛憎の屈折がありますよね。

ーー互いのマルティンが、互いに影響を与えている部分はあると思います。

大鶴:それはすごくあると思います。誠二さんが情景を説明するところでは、舞台に立っている僕にとってもガイドのようになっています。

外山:老マルティンにとって、舞台で起こることは過去の記憶です。過去を振り返る老マルティンの視線があり、舞台で起きていることがあり、それがひとつの場で見えていて、そこが演劇的に面白い。過去を振り返る作品といえば『アマデウス』もそうですが、実際に同じ場所に今の自分と過去の自分がいる構造の芝居はめずらしいですね。

■長い休演日を過ごしたような……

ーー演出家とのコミュニケーションはどのように進んでいますか?

外山:ときどきやって見せてくれます。でも「僕の真似はしないでね」とウィルは言うんです。

大鶴:そうなんですか(笑)。

外山:身体表現をやっていた人だからね。ダニー・ケイのようなコミカルな動きで、ちょっとかわいいんです。ウィルは最終的な表現の形にはこだわるけど、そのプロセスでは俳優とじっくり向き合おうとします。

大鶴:ウィルはバレエもやっていたから、フィジカル的な見せ方にこだわりがありますね。演出家として気になった部分については、俳優に動機を聞いてきます。「なぜここにきた?」「きみはどう思う?」というディスカッションになっていく。それから「この作品はきみたちのものだから」とウィルは言います。稽古場で引っかかる部分は何度でも話せるムードをつくってくれています。

(左から)外山誠二、大鶴佐助

(左から)外山誠二、大鶴佐助

ーー前回、初演が10回の上演で中断しました。

大鶴:中止になった日、謙さんが「またやる」とおっしゃったので、僕もそう思っていました。再演というよりは、長い休演日を過ごしたような気持ちです。元気な姿でみんなと再会できたのはうれしかったです。

外山:ラグビーで「ワンチーム」という言葉が流行ったでしょう。初演のとき、『ピサロ』もワンチームでやろうとしていた矢先のコロナで、みんなが悔しい思いをした。一部新たなキャストになっていますが、またやれることでワンチームの気持ちが戻ってきました。

■ピサロを支える強烈なコンプレックス

ーーピサロという人物について、おふたりはどう思いますか?

大鶴:マルティンはピサロの小姓で、彼を近くで見ています。強い人間だけど揺れ動いていますし、言っていることが変わる。そこに人間味があると思います。欲望に忠実だからこそ、矛盾するわけですよね。悲しい人物であり、愛おしい人物でもある。

外山:ピサロは豚小屋で生まれた。ものすごく孤独な人です。そのなかで何をもとめていたのか。信じられるものを追求していたんだと思います。それはつまり、神ということでもある。彼が最後に何を獲得したのかは謎なんですが、ずっと孤独感に苛まれていた。信じるものを欲するがゆえに、ピサロは軍人であり続けたんだと思います。

外山誠二

外山誠二

ーー欲望に忠実であり続けることは、現代社会ではむずかしいですね。

大鶴:そうですね。ピサロの場合、強烈なコンプレックスがあるんですよね。私生児で母を知らないこともあり、世間に自分を認めさせたい気持ちが強い。コンプレックスは武器になるんだと思いました。

ーー佐助さんは実際にコンプレックスを抱いていますか?

大鶴:コンプレックスだらけですよ。(少し考えて)具体的に何かと聞かれるとすぐには答えられないですけど、「自分はまだまだだな」と思うのはコンプレックスなんだと思います。

外山:肌がきれいで、髭が生えないことはコンプレックス?

大鶴:それはコンプレックスじゃないです(笑)。

外山:僕は髭がモジャモジャなのがコンプレックス(笑)。

大鶴:いつも「自分はまだまだだな」と思いながら稽古が終わるんですけど、こないだ長谷川初範さんが「僕は最高だーっ!」と声を出していました。「自分は最高だと思い続けたほうが楽しいよ」と、教えてもらいました。

外山:彼はすごくポジティブですね。そうやって自分と周囲を鼓舞しているところもあるんだと思います。

大鶴:初範さんには力をもらっています(笑)。

ーー厳しい状況は続きますが、初日が近づいてきました。マルティンを演じるうえで、今の思いをお聞かせ願います。

外山:舞台で起きていることは、すべて老マルティンの記憶の話なんです。語りから始まる世界を、僕もしっかりと見ていきたい。佐助くんが演じる若いマルティンの成長の物語としても楽しめるはずです。

大鶴:夢見る少年だったマルティンが軍人を続けた理由は何か。残虐な出来事を経験しても、どうにか生き残った人の成長の話でもあります。ピサロやアタウアルパと出会い、切り捨て、最終的に生き残る。マルティンの視点からの物語としてお見せできたらうれしいです。

(左から)外山誠二、大鶴佐助

(左から)外山誠二、大鶴佐助

取材・文=田中大介  撮影=中田智章

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MORISAKI WINの1stアルバム『Flight』のリード曲「Fly with me」が、2021年5月12日(水)0時より先行配信スタートと期待が高まる中、配信リリースを記念したキャンペーンが12日(水)よりLINEMUSICとiTunesで行われることが発表された。

先行配信されるリード曲「Fly with me」は、航空機ファンで知られるWINが愛してやまない大型旅客機“エアバスA380”をモチーフに、ハウスミュージックやアシッドジャズで魅せるワールドスタンダードダンスチューン。

LINEMUSICでは、「Fly with me」を対象期間内に多く聴いた再生数上位10名に宛名サイン入りの特製ステッカー、iTunesでは『Flight』を予約注文した人の中から、抽選で10名に宛名サイン入りのポスターがプレゼントされるという豪華な内容になっている。

また『Flight』CD購入者特典のデザインも公開。アナザージャケットは全て揃えると虹色になるという演出も施されている。

明日12日(水)の夜に開催予定のオンラインサイン会では、一足早くアルバム楽曲を聴ける予定とのことなのでお見逃しなく。

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2021年6月17日(木)~6月25日(金)新宿FACEにて上演される、舞台『あやかし緋扇』。復活上演の決定が発表された本作のソロビジュアルが解禁となった。

くまがい杏子による「あやかし緋扇」は、「Sho-Comi」(小学館)で2011年から2013年にわたり連載され、美しい筆致で描かれるホラー要素も人気を博した和風ファンタジーラブストーリー。

唐沢未来(花影香音)は、学校で“こっくりさん”をしたことをきっかけに霊に襲われる体質が発現してしまう。そんな未来を命がけで護ってくれる、神社の跡取り息子の神山陵(江田剛)。「未来のことが好きだから、ずっと護りたい。」と陵に言われ、最初は戸惑うが、ある悲しい事件……そして陵の気持ちの強さを知り、護ってもらうことを決意する。
その後、霊に襲われる理由を探るため陵、未来たちは京都へ向かい、そこで2人の前世、そして未来が霊に狙われる原因が明らかに。
そして陵と未来は、未来を狙う転校生の桜咲さくら(永島聖羅)、龍羽(冨岡健翔)、そして一連の事件の黒幕の存在とともに、大きな運命の渦に巻き込まれていくことに。

主演の神山陵を演じるのは江田剛。天然でおとぼけ男子、しかしヒロイン・未来を守るため「除霊」をはじめると、頼りになるかっこいい男子に変貌するという、二面性をもつ人物だ。そして、勝ち気で運動神経バツグンなヒロイン、唐沢未来は花影香音が務める。演出は今村ねずみを迎え、ダンスやアクションを交えた新たな作品が上演となる。

本作のチケットオフィシャル先行、原作先行の受付が5月12日(水)18時より開始される。原作先行は、「あやかし緋扇×チョコレート・ヴァンパイア」となり、くまがい杏子によるイラストを使用した豪華両面ポストカード付きだ。

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BAND-MAIDが5月10日(月)に配信ライブを行い、前回の全米トレンド4位に続きTwitterのアメリカ全体トレンド7位にランクインした。

本来、同公演は豊洲PITで有観客含めて開催予定だったが、コロナ禍のため会場を変更し、無観客での配信ライブに変更となった。配信公演には全世界からのコメントが殺到し、全米のTwitterトレンドで一時7位になるという快挙を達成。2公演続けて全米トレンド入りを果たすという快挙を達成した同公演は現在アーカイブ配信されており、チケットはイープラス他にて販売中。

BAND-MAID

BAND-MAID

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声優 熊田茜音が、自身もミナ役として出演する2021年夏のTVアニメ『チート薬師のスローライフ~異世界に作ろうドラッグストア~』OP主題歌「ココロハヤル」を担当することが決定した。

TVアニメ『チート薬師のスローライフ~異世界に作ろうドラッグストア~』キービジュアル

TVアニメ『チート薬師のスローライフ~異世界に作ろうドラッグストア~』キービジュアル

楽曲は作品に寄り添いながらも、オーガニックで芯の強いポップロックな曲調で、これまでとはまた違った熊田の一面が表現されているという。

カップリング曲は、TVアニメ『⽥中くんはいつもけだるげ』の原作コミックを⼿掛ける漫画家・ウダノゾミと、数々のJ-POP作品にも携わった作曲家・佐伯youthKによる⻘春恋愛MVプロジェクトで募集した10代の作詞家の組み合わせで制作された楽曲を収録。

ウダノゾミ×佐伯youthK 青春恋愛ミュージックビデオプロジェクト

ウダノゾミ×佐伯youthK 青春恋愛ミュージックビデオプロジェクト

「ココロハヤル」のCDは8月4日(水)発売。MVや先行配信、ジャケット写真の公開などを待ちたい。

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井上芳雄がパーソナリティを務める生放送のラジオ番組『井上芳雄 by MYSELF』(毎週日曜日夜10:00~10:30)。2021年5月16日(日)のゲストに小池栄子が登場する。

毎回スタジオでのピアノ生演奏で多彩な楽曲を届ける本番組。5月16日(日)回では、こまつ座『日本人のへそ』でも共演した井上芳雄と小池栄子が、生放送で名曲デュエットに初挑戦する。

小池栄子

小池栄子

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BAND-MAIDが動画配信サービスを開始した。また、5月26日(水)に発売する映像作品『BAND-MAID ONLINE OKYU-JI (Feb. 11, 2021)』から「Thrill」の映像を先行公開、同商品購入者を対象としたポスターキャンペーン実施も発表した。

2021年2月11日(木)に行われた配信ライブの映像作品より先行公開している「Warning!」に続き、ライブでも人気の高い楽曲「Thrill」がYouTubeにて公開となっている。

なお、本作品の発売を記念し、サイン入り告知ポスターを抽選で50名様へプレセントするキャンペーンの実施も決定。対象店舗や応募方法などの詳細は、公式HPで確認をしよう。

また、全世界のファンへ向けた定額制動画配信サービス「BAND-MAID PRIME」を開始することも発表された。

 

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4s4ki(読み:アサキ)が、7月7日(水)にビクター/スピードスターレコーズからのメジャーデビュー作となるニューアルバムをリリースすることを発表し、あわせて新アーティスト写真が公開された。

ニューアルバムのタイトルは『Castle in Madness』。インディーズでリリースした前作『超怒猫仔/Hyper Angry Cat』(2020年12月発売)から1年経たずしてリリースされる本作は、3月に配信リリースしたEP『UNDEAD CYBORG』より「Sugar Junky」「幸福論」、配信シングルとして発表されている「FAIRYTALE feat. Zheani」(4月14日配信)、「gemstone feat. Puppet」(5月14日配信)、「ALICE feat. Smrtdeath」(6月4日配信)に加えて未発表の新曲が7曲収録された合計12曲入りのフルアルバムとなる。

本日公開された楽曲情報の中には、インディートラップシーンで絶大な支持を誇る釈迦坊主を客演に迎えた楽曲も収録されることや、アメリカを拠点に活躍するPuppet・Smrtdeath・Jakkyboi・Curtains、オーストラリアのZheaniに加え、国内で活動する気鋭のアーティストMasayoshi Iimori・gu^2・Gigandect・maeshima soshi・KOTONOHOUSEらが参加することも発表された。

さらに初回限定盤には、2021年3月11日(木)に東京・LIQUIDROOMで開催された4s4kiの初ワンマンライブより、「クロニクル」のライブ音源がボーナストラックとして収録されることも決定。アルバムパッケージが特殊仕様になることも明らかとなった。また、アルバムの先着予約購入特典として対象店舗で予約・購入すると先着でオリジナル・ステッカーがプレゼントされる。

4s4ki 本人コメント

自己サイコ記録更新しました ^_^

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2021年7月3日(土)~19日(月)新国立劇場オペラパレスにて、新国立劇場 2020/2021 シーズンオペラ『カルメン』が上演されることがわかった。

世界で人気の高いオペラ『カルメン』。今回、新制作で演出を手掛けるのは、スペイン・バルセロナ出身の演出家アレックス・オリエ。スペインの前衛的パフォーマンス集団ラ・フーラ・デルス・バウスの6人の芸術監督のひとりであるオリエは、大規模な野外イベントや演劇など広い分野で活動している演出家だ。近年オペラの演出で特に活躍し、ザルツブルク音楽祭、パリ・オペラ座、モネ劇場、ミラノ・スカラ座など世界の歌劇場で話題作を発表。オリエの音楽的感性、大胆な発想と求心力、そしてダイナミックな空間演出は、日本でも19年に新制作し国内各地で上演された『トゥーランドット』で証明している。

アレックス・オリエ

アレックス・オリエ

オリエの解釈では、カルメンは現代的で知的、勇気と反骨心を持って自由に生きる女性であり、ホセは独占欲が強く、嫉妬深く、拒絶を受け入れられない男。こうした性格の二人が出会い、恋に落ちることはどこででも起こり得ること。そんなオリエならではの深い読み込みと圧巻の舞台展開による新演出『カルメン』がこの度、誕生する。

『カルメン』セットデザインより

『カルメン』セットデザインより

本作では、活気あふれる前奏曲、カルメンの登場で歌われる「ハバネラ」、ホセを誘惑する「セギディーリャ」、フラメンコを踊りながら歌われるスペクタクルな「ジプシーの歌」、華やかな「闘牛士の歌」など誰しもおなじみの名曲にのせ、自由奔放な女カルメンと一途な男ドン・ホセによる愛と死の運命のドラマが繰り広げられる。そしてビゼーの音楽にはフランス・ロマン派の魅惑的な響きと、スペインの民族色を取り入れた情熱的な音楽が融合し、観客を熱狂させる。

大野和士

大野和士

指揮には大野和士オペラ芸術監督があたり、オリエとタッグを組んで、劇場を情熱の渦に巻き込んでいく。カルメン役にはフランス・オペラを得意とし、演技力にも定評のあるフランスのメゾ、ステファニー・ドゥストラック、ホセには新進テノールのミグラン・アガザニアンが登場する。

【『カルメン』あらすじ】
【第1幕】タバコ工場前の広場には女工目当てに男たちが集まっている。彼らの一番人気はカルメン。奔放な態度で男を魅了するが、衛兵の伍長ドン・ホセは彼女に関心がない。そんなホセをからかってカルメンは花を投げつける。呆然とするホセのもとに、母の手紙を持って故郷から許婚のミカエラが来る。懐かしさに浸っていると、工場内で喧嘩が勃発。騒ぎの張本人カルメンは連行されるが、脱走しようとホセを誘惑。「酒場で待っている」との言葉に負けたホセは縄を解き、結果、脱走補助の罪で捕まってしまう。

【第2幕】酒場に人気闘牛士エスカミーリョが来てカルメンを口説くが、彼女は相手にしない。釈放されたホセをカルメンが踊りでもてなしていると、帰営の時刻に。カルメンを愛していながらも帰ろうとする真面目なホセだが、鉢合わせした上官スニガに刃向かってしまう。スニガはカルメンの密輸団仲間ダンカイロらに捕らえられ、ホセは密輸団に加わる決意をする。

【第3幕】人気のない岩山にいる密輸団。カルメンはすでにほかの男に心移りしているようで、ホセにつれない態度を取る。女たちはカルタ占いに興じるが、カルメンが占うと、自分もホセも死ぬという結果に、愕然とする。そんなとき、ホセの母が危篤だとミカエラが知らせにやってくる。ホセは、ミカエラとともに故郷に帰る。エスカミーリョの恋人になったカルメンは、試合を見に闘牛場へ。ホセも故郷から戻り、彼女を探していた。闘牛場の外で対峙する2人。やり直そうと迫るホセに、カルメンは、自由に生まれて自由に死ぬと言い放ち、ホセからもらった指輪を投げつける。思い余ったホセはカルメンを刺す。ホセは、倒れたカルメンの上に泣き崩れる。

 

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2021年8月21日(土)・22日(日)新国立劇場オペラパレスにて、子どもたちとアンドロイドが創る新しいオペラ『Super Angels スーパーエンジェル』が上演されることがわかった。

本作は「科学技術」「共生」というテーマを織り込んだ新しい舞台作品を通じ、舞台芸術の可能性を広く世に問い、その魅力を国内外にアピールする特別企画。新国立劇場オペラ芸術監督の大野和士が企画し、台本を作家の島田雅彦に、作曲を初音ミクのボーカロイド・オペラ『THE END』やアンドロイド・オペラ『Scary Beauty』を手掛ける音楽家・渋谷慶一郎に委嘱。指揮は大野、演出は新国立劇場演劇芸術監督の小川絵梨子が監修、舞踊シーンの振付は新国立劇場バレエ団の貝川鐵夫と、オペラの枠を超えたスケールのコラボレーションを行う。

大野和士

大野和士

渋谷慶一郎

渋谷慶一郎

本作には2019年に誕生したアンドロイド「オルタ3」が物語の核となる役で出演。もう一方の核となる子供たちの合唱(世田谷ジュニア合唱団、ホワイトハンドコーラスNIPPON)と相互に関わり合いながら歌い、演じて、アンドロイドと子どもたちの交流のドラマを紡ぐ。子どもたちの中には、視覚障害や聴覚障害のある子どもたちを中心に白い手袋をして音楽を表現する「ホワイトハンドコーラスNIPPON」も参加。インクルーシブな表現を企図したオペラでもあるとのこと。

世田谷ジュニア合唱団

世田谷ジュニア合唱団

ホワイトハンドコーラス NIPPON

ホワイトハンドコーラス NIPPON

キャストには少年アキラ役にカウンターテナーとして世界で活躍する藤木大地、アキラが恋するエリカには可憐なコロラトゥーラの三宅理恵ら、日本有数のオペラ歌手達が出演。新国立劇場合唱団、東京フィルハーモニー交響楽団、さらに新国立劇場バレエ団も参加し、新国立劇場始まって以来のオペラ、舞踊、演劇全ジャンルのコラボレーションが実現した。

藤木大地     (C)hiromasa

藤木大地  (C)hiromasa

三宅理恵

三宅理恵

総合舞台美術として、美術・衣裳・照明・映像のディレクションは、日欧で活躍し、日本人として初めてワールドステージデザイン銅賞に輝き、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館の英国最優秀舞台美術展にも二度に渡り選出された針生康が担当。刺激的なミュージックビデオで世界的に名を馳せるビジュアルアーティストのWEiRDCORE(ウィアードコア)の映像とのコラボレーションが実現。舞台上には、近未来を抽象的に表現したXYZ軸のマトリックス空間に、デジタル技術を駆使した最新鋭のプロジェクションが展開し、科学と人間の共生をテーマにした神話的世界がオペラパレスに広がる。

針生康

針生康

針生康による舞台イメージ

針生康による舞台イメージ

WEiRDCORE

WEiRDCORE

SFの物語に沿って少年ならではの冒険心、憧れ、迷い、決意、友情そして喜びや悲しみが音楽と視覚で様々展開する本作。オペラは敷居が高いと感じている方、子どもたちなども楽しめる舞台となっている。新国立劇場が舞台芸術の可能性を世界へ発信するこの機会に、体験してみてはいかがだろうか。

【あらすじ】
ある学園の卒業式。卒業生たちは15歳になると適性検査で選別され、全知全能AIの「マザー」の管理下に置かれる。アキラは「異端」指定され、開拓地に送られることになったが、教育係のアンドロイド、ゴーレム3と出会う。ゴーレム3はアキラ、AIドクターのエリカらとの交流を通じて欲望や祈りなど人間がもつ感情や夢見る力を感じ取りながら、何かとてつもないものを作り出そうとしていた。

 

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2021年5月18日より東京芸術劇場 シアターイーストにて、「芸劇eyes」のラインナップ作品として、ゆうめい『姿』が上演される。本作は、2019年10月に「MITAKA “Next” Selection 20th」として三鷹市芸術文化センター星のホールにて上演。脚本・演出を手がける池田亮が自身の家族を題材に両親の出会いに遡り、妻と夫、親と子の過去から今、そして家族のこれからを描いた物語は多くの観客を魅了した。

約一年半ぶりの再演にあたり、池田は変化した時代や人々へのまなざしから新たな未来のシーンも紡いでみたいと意欲を見せる。「母」の役を続投する高野ゆらこ児玉磨利を交え、新たに立ち上がる『姿』という作品について話を聞いた。

■変化した時代を踏まえて見せる、新たな『姿』

――『姿』は池田さんとご家族のエピソードを基に描いた物語であり、実父の五島ケンノ介さんが演じられた父役や、「母」のキャラクターや存在感がとても印象的な作品でした。再演に際して作・演出にも変化はあったのでしょうか?

池田:そうですね。「変えた」というよりも、時間の経過とともに「変わった」という方がしっくりくる感じがあります。初演後に家族と話して新たに知ったこともあったので、部分部分が変わっている感じですね。一時期は2021年版みたいにがっつり書き換えようかとも思ってたんですけど……。

児玉:初演後には「オリンピック後に再演できたらいいねー」なんて言ってたけど、2020年にオリンピックもなかったし、想像しなかったようなことも起きてしまったし。自分自身も大きく変わったなあと思います。

池田:初演と同じく2019年の物語として進めてはいるんですけど、「2021年にいる人たちに2019年の様子を見せる」みたいな感覚も自ずと含まれていきますね。書き換えを考えていた時は、今の世に起こっていることを細やかに取材して知識を以って盛り込んで行くような劇作も考えていたんです。

高野:そうなんだ!それは知らなかった。

池田亮

池田亮

池田:でも、それはやっぱり自分がやりたいことではないなって思ったんです。人の心って知識だけで解決するものじゃないし、正論で処理できないものがたくさんある。この2年はそんなことを強く感じた時間でもあったから。コロナ禍で起きた出来事や新習慣、人々の気持ちや感じ方の変化。そういったものは演出上でも否応なく出てきます。舞台の上に寝転ぶシーンがあったんですが、感染対策上それはどうなんだろうか?という話を昨日も話し合ってて……。

児玉:個人の感覚によっても変わってくるところだし、そういった温度差も生じてくるので難しいんですよね。

池田:そうそう。稽古に入る前に「このシーン大丈夫かなあ」って実は思ってたんです。でも、「自分が過敏になり過ぎてるのかも」という気持ちもあって……。そしたら、(高野)ゆらこさんが提案に上げてくれたので、「やっぱり気になる人はいるんだな!」って思えて。

高野:実は、私も言う前に一晩悩んだの。でも、結果的に何を選ぶかはさておき、今の世を生きるお客さんはこの風景をどう見つめるだろうということ。そこに思いを寄せてみるのも悪くないかなって思ったんですよね。

児玉:例えば、アルコールスプレーを振りまきながらならいいのか、いや、それで笑いを起こしてしまったら軽視しているみたいに見えてしまうんじゃないだろうか、とか……。ニューノーマルな考えを踏まえつつ面白いお芝居を作るって難しいことだなと痛感しています。でも、だからこそ、みんなで話し合って考えや想像を集めてやっていきたいなって。

高野:演出を変えるそのことによって、表現が一つ失われるのではなくて、むしろ新しいものが生まれるかもしれない。そういう可能性も含めて、今しかできないことなんじゃないかって思っています。

高野ゆらこ

高野ゆらこ

――新様式の生活の中で、自分の感覚の変化とともに他者との温度差を感じること。そういったことは誰しもが各々感じていることかもしれませんね。

高野:私もこの一年で改めて「観る側の気持ち」を考えさせられるようになりました。至近距離で会話を交わすシーンなんかは、やっぱり少し怖くなっちゃって観客として目の前のお芝居に没入できないこともあって。しょうがないことだとも思うんだけど、勿体無くも感じたり。

児玉:私は、気持ちの整理がつかないこともあり、1年近く演劇を観ていなくて。こんなに長い間演劇を観ないなんて初めてのことで、久しぶりの観劇はどこか落ち着かない気持ちでした。客席でマスクして間隔とって座っている中で、こっちが舞台に立つ人を頑張らせちゃってるような感じがしてやりきれない気持ちになった時もありました。それは自分が俳優で、舞台に立つ時を知ってるからかもしれないんだけど……。『姿』という作品がコロナ後初の観劇になる人もいるかもしれないなあなんて思ったりもします。

高野:具体的な感染対策はもちろん、目には見えない人の気持ちやその差にどこまで寄り添うのか。今回の稽古では、そういうことをより考えるようになったよね。でも、みんなでアイデアを出し合う時間はすごくよかった。そういう時間を大切にできる稽古場はありがたいし、「ゆうめい」がクリエーションで大切にしていることにも通じている気もします。

池田:「これが今の世です」ということよりも、「この人は今何を思ってるんだろう」「中にあるものは何なんだろう?」っていうことを見せたいなって。同時に、自分自身もそういうものが観たいって思ったんですよね。再演に際して母と話したりしている中で、だんだん自分が今回やりたいことが見えてくるような感じもありましたね。

児玉磨利

児玉磨利

■母役を演じる二人が、池田・母に会って思うこと

――今回は、そのお母さんのお話もお聞きしたかったんです。再演が決まった後、母役を演じる高野さんと児玉さんが役のモデルとなった池田さんのお母さんとお会いになる機会があったと聞いたのですが、どんな経緯があったのでしょうか?

児玉:実在する人の役をやる機会は少ないですし、ましてやその人が会いに行ける場所に生きているなんてことは今後もそうないんじゃないかってふと思ったんですよね。あと、シンプルに「またやります」って挨拶しておきたかった。最初は「亮ちゃん(池田)が嫌がるかな?」とか「突然のお願いでお母さんに失礼かな」とか探りながらのお願いだったんですけど……。

高野:ありがたいことに、お母さんが一番ノリノリだったんだよね(笑)。その日のために自己紹介の資料まで用意してくれて。パワーポイントを使った完璧な資料で、色々質問も用意してたんだけど、「全部の回答がここに載ってる…」みたいな(笑)。生まれてから現在までに至る、池田・母の大河ドラマのような資料だったよね。

児玉:そう!もちろん内容もすごいんですけど、その行為がすでにお母さんを物語ってて……。これを渡してもらっただけで、もうお腹いっぱい!最高です!ってなりました。

――(実物を見せてもらって)かなり本格的な資料ですね。右上に<「ゆうめい」補足資料>って書いてありますね。

児玉:そうなんです。全てにオチがあるのとかも含めてすごいんですよ。

池田:お二人がそう言ってくださって、こういう場を設けられてよかったなって思いましたね。でも、あれが日々続いたらちょっときついですよ…(笑)。一日だったら「このアトラクションすごい!」ってなるんですけど、毎日だったら「きつい!もう吐く!」みたいな。

高野・児玉:あはははは!

児玉:お母さんと会った後は必ず亮ちゃんの身の上に事件が起こるんだよね?

池田:そうそう。ある時は電車で寝過ごして江ノ島まで行っちゃうし、またある時は帰りにホームで転んで前歯折れるし……。母はお酒を飲むペースが早いんですけど、話していたら身体が勝手に合わせちゃうんですよね。喋ってる時は大丈夫なんですけど、別れた瞬間にいきなり緊張が解けるのか、正常に動けなくなるみたいな。

高野:命がけじゃん!(笑)。でも、場に与える力が半端無い人だということはよくわかったよ。

池田:母がすごく話したがり屋っていうのはわかっていたんですよ。その矛先がずっと自分たち家族だったので。でも、お父さんも僕も池田家としてもキャパオーバーだし、もうどうせなら外に出していろんな人に言った方が面白いのに!って思ってた部分があって……。たどり着いたのがここなんだって感覚でしたね(笑)。

高野:家でもあんな感じなんだよね?

池田:感情のイメージとかもっと強く入れてきますよ。「今日も満員電車の中ずっと突っ立ってて辛かったけど、それでも私は立っている人たちを音符だと例えて、どんな名曲を紡げるかを考え続けてるんだよ!わかる?」とか……。え、なんの話してるの?ってなるし、そういう時ってどんな返しも通用しないんです。で、目覚めたら全部を忘れてる。

児玉:あはははは!カオスだね!

高野:本人に会っちゃったもんだから、『姿』の戯曲の方に対しても、「これ本当にあの人が言ったことなのかな?」っていう気持ちと、「これは確かに有り得そう!」っていう気持ちが交互に見え隠れしたりして……。でも、何よりも私は、お母さんが『姿』という作品をすごく好きでいてくれてることが嬉しかった。

児玉:お母さんが『姿』を一つのエンターテイメントとして、自分と乖離して見つめているというのも含めてすごい関係性だなって思いましたよね。

高野:「作品のここが好き」「あの時、私は彼に負けたと思いました」みたいな感じで、池田くんの作るもの自体もきちんと評価する。対等に俯瞰に芸術そのものを見つめる視点みたいなものも持っている人だったよね。

池田:ある意味、『姿』がなければ、今のような感じではいられなかったと思うんです。戯曲を書くことによって関係も築かれていったというか……。今回は、ゆうめい初の東京芸術劇場。“東京都の芸術の劇場”で公演を打つこと。ただでさえ母の話だけど、こんな時期ということもあり、東京都の公務員である母のことをより考えます。母のような仕事をしている人にどう響かせるか、どう感じてもらえるか。そんなことをつい意識してしまいますね。

――お二人は実際にお母さん本人にお会いして、「母」の役に対する見つめ方にも変化があったりはしたのでしょうか?

児玉:役に直結するかはわからないのですが、お母さんが帰り際に突然「ああ、静かになりたーい!」って言ったんですよ。私それにめちゃくちゃ笑ってしまって、なんかグッときたんですよね。私自身も気持ちが言葉を追い越しがちなので「喋り過ぎてしまった」とか「頭の中がうるさい気がする」とか、ずっと思いながら生きてきたんです。でも、お母さんのその一言を聞いて、「このお母さんでもそう思うんだから大丈夫かも」っていう妙な安心があったし、ある種のシンパシーを感じました。

高野:私は「個人」というより「家族」に対する目線が変わったかな。この役をやる上で「お母さんがどんな人か知りたい」っていうのももちろんあったんだけど、“池田くんと一緒にいるお母さん”を見れたことがすごくよかったなって思ってて……。だからかわからないけど、稽古でも母としての悔しさや疎外感みたいなものを前より感じるようになったんですよ。父と子がつるむ連帯感が今、すごく嫌に思えます(笑)。

池田・児玉:あはははは!

高野:私、初演の自分を見返して、「もっと母になりたい」って思っていたところがあって。自分自身の考えや生き方を「母」という役にリンクさせていくのではなくて、「この母と息子はどうなのか」っていう視点をもっと突き詰めたい。そんな気持ちがあったので、「なるほど、この二人か!」って腑に落ちたというか……。池田くんが書く「怖いお母さん」の部分を読んできたけど、平たく言うと、「なんだ、この二人は互いのことが大好きなんだ!」っていう風にも思えましたね(笑)。

池田:そういう風に見えたんですね!面白い!

高野:あと、これは私が思ってるだけかもしれないんだけど、池田くんが私にこの役を当ててくれた理由が少しわかった気がして。言葉ではうまく言えないんだけど、そういう感覚があったんですよね。初演の感想の中には「母が若い」「お父さんと夫婦に見えない」みたいなものを見かけることもあったんです。演劇って年齢も性別も自由に表現するものだし、私は私でやってるんだと思ってはいたんだけど、どこかでそういうことも引っかかっていたんだろうね。でも、今回お母さんと会えたことで、「誰がどう思っても私はこの役をやる!」ってすごくはっきり思えたんです。

■全てが“活かし”になる、池田亮の演出

――再演という新たなスタートに向けたとてもいいきっかけだったのですね。池田さんは、作品と切り離せない「家族」や、新たに生まれゆく『姿』という作品を今どういう思いで見つめていらっしゃいますか?

池田:昔は母と喧嘩した時にも「この人はなんでこんなことを言うんだろう?」って全く理解ができなかったんです。でも、創作にあたって取材をしたり、本を書いたりしていくと「ああ、そういう気持ちだったんだな」って“わかっていく”感じがあって。そうなってからは、「いったん全部背負ってみます!」みたいな感覚にシフトしてきたんです。おじいちゃんがやりたかったものを母が受け継いで、その母がやりたいものを僕が受け継いで……みたいな。関係ないじゃん!って断ち切った方が楽だけど、僕もバカだから「全部やります!」みたいな気持ちになるんですよね(笑)。でも、やっぱり「背負う」とはまた違うかな。そっちの方が面白そうだから、素直にやってみたいなって思ってるんですよね。

児玉:亮ちゃんって自分に負荷をかけるのが上手というか、演出でも軽い方と重い方があったら絶対重い方、難しい方に行く気がする。例えば、ここは3人だけの絵で進めた方がお客さんにも優しいんじゃないかって時。亮ちゃんは次に現れる4人目を使って、全く新しい絵を作ったりするんです。こう行くだろうなあというところを全く違うところに持っていくことによって、道が大きく広くなるみたいな。そういう爽快さがすごく好きなんですよね。

高野:すごくわかる。俳優の答えを一旦きちんと受け止めて、そこからさらに新たなアイデアをくれるというか……。「すみません」と「すばらしいです」を最初につけて、そのあとにとんでもないこと言ったりするよね。「すばらしいです!色々やらせてすみません。それで、あのシーンなんですけど…」みたいな(笑)。

児玉:本当が見えないと言うか、全部が本当というか……怖いです!(笑)。俳優が予め考えてきたことや準備をしてきたものを試すのが稽古場だと思うんですけど、置いていったものがそのまま本番に残っちゃうから、出す前にまず自分としっかり戦わないとなって。全部が活かしになるのが池田亮の演出。「やっぱ今のなしで!」はないから、調理してくださいっていうただの具材ではいられない。でも、それが俳優としての当たり前ですけどね。そういう意味で、怒ったりきつく言ったりする演出家よりずっとちゃんと怖いです。

池田:なるほど。こういうお話を聞くのは貴重ですね(笑)。僕は、一筋のレールで決めたくなくて、自分ならこうやるんだろうなあってところからまず離れたいという気持ちがあるんですよね。一つの作風を成立させるという点では父親も出てるし、実話をベースにしてるし、もう十分かなあみたいな気持ちがあって……。

高野:うんうん。

池田:でも、こうやって自分の書いた物語に参加してくれている俳優のみなさんも誰かにとっては家族だったりするわけじゃないですか。そういった面が役の中に出たらすごくいいなって。考えや人生の全然違う人が集まってできる演劇だからこそ。それを描くことに僕は意味があると思っているんですよね。

高野:池田くんって演技の演出ってほとんどしないもんね。「その時誰がどこにいるのが一番面白いか」みたいなことを見てる人なんだなって感じる。池田くんの作り方は独特だけど、ゴールがしっかり見えていて、俳優同士が台詞を交わすだけでは出てこないような広い目線と想像力で作品や俳優を見つめてくれる。

児玉:演技のことを一切言われてなくても、その眼差しが結局自分の演技の助けになってくるんですよね。だからこそ、亮ちゃんが5個考えてるなら8個考えなきゃと思うんです。そうしないと、駒のように見えてしまう可能性が常にあるから。彼がそれを何よりも望んでいないことは演出を受けていたらわかるので。

高野:そうだね。ここで生まれているものをよりよくするために誰よりも考えているのが池田くん。だから、池田くんが驚くような面白いものをもっと見せたいなって思います。

池田:ありがたい限りです……。当たり前のことですが、座組が変わることによって全体の雰囲気も全然違ってきて、新たな面白さが生まれそうな予感を日々感じています。創作を突き詰めていくと結局辿り着くのは「とにかく面白いことがやりたい!やろう!」ってこと。初演よりも観る人を想像した作品になっていると思いますし、より面白い作品にしていけたらと思っています。

 
【ゆうめいprofile】
写真:川喜田茉莉

写真:川喜田茉莉

舞台作品・美術・映像を制作する団体として2015年 に設立。 自身の体験や周囲の人々からの「自分のことを話したい」という声を出発点として、生々しくも多種多様に変化していく環境と可能性を描き、その後、表現によってどのように現実が変化したかを「発表する」までを行う。表現と発表をし続けることによって生まれる他者との共鳴と反発を繰り返し、現実に新たな視線や変化 を見つけることを目指している。 ゆうめいの由来は「夕と明」「幽明」人生の暗くなることから明るくなるまでのこと、「幽冥」死後どうなってしまうのかということから。 「有名になりたいから“ゆうめい”なの?」と普段思 われがちの名前から、 由来のように「物事には別の本意が存在するかもしれない」という発見を探究する。 

写真/吉松伸太郎
取材・文/丘田ミイ子

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オフィスコットーネプロデュース『母 MATKA』が、2021年5月13日(木)~20日(木)に吉祥寺シアターで上演される。『ロボット RUR』で知られるカレル・チャペックが、80年前に発表した作品で、母の視点から「戦争」が問い直されていく。このほど、演出の稲葉賀恵、そして出演の増子倭文江大谷亮介に、いま新たにこの戯曲を上演する意図について話を聞いた

■生者と死者の境界線

──カレル・チャペックの『母』を上演する理由について聞かせてください。前回演出されたサルトルの『墓場なき死者』との連続で、考えていたことはありますか?

稲葉 『母』には、『墓場なき死者』とちょっと似てる雰囲気とぜんぜんちがう雰囲気のどちらもありますが、わたしがこの戯曲を選んだのは、生きてる人間と死んでる人間がいっしょに話をしてるのが面白いなと思ったからです。

 これは祖父の死のエピソードと直結しています。祖父が死んだことは、わたしにとって初めての身近な人の死で、自宅で亡くなったとき、親戚全員で体を2階から1階に移動させたのですが、途中で口が開いちゃったんです。みんな悲しくて泣いていたのに、思わず爆笑してしまった。そのときに死ぬって何だろうと思ったんです。

 『母』では、死んでる人間と生きてる人間が、同時に舞台上でしゃべっていたりする。この演劇的な面白さを表現したいと思いました。

──レジスタンスや戦争による暴力への抵抗よりも、生者と死者が対話することへの関心の方が強かったんですね。

稲葉 最初は強かったんですけど、その後、キャストやスタッフのみなさんと話したとき、これは生死という境界線の話だと思いました。『墓場なき死者』はレジスタンスと民兵という境界線の話で、それを決めているのは生きてる人間です。だから、国境線があって統治が分割されていても、大地はただ単に広がっていてなにもない状態なのに、生きてる人間が折り合いをつけるために国境線を決めている。

 基本的に男の人と女の人も、性別はグラデーションだと思うんですが、折り合いをつけるために男的な考えかたと女的な考えかたがある。そうしないと、先に進めないから。だから、生きてる人間と死んでる人間の境界線から派生して、戦争や脅威の問題へとつながっています。

オフィスコットーネプロデュース『母 MATKA』のチラシ。

オフィスコットーネプロデュース『母 MATKA』のチラシ。

 

■戦争に対する母の態度

──生者と死者という対立があり、そのうえ『母』には、女性と男性という対立があります。息子たちや夫に加えて、おじいさんも登場するので、自分以外は家族全員が男性。今回の増子さんは、母として全員と対話し、社会に送り出したり、引き止めたりする役ですね。

増子 まず、読んだときに、とっても不思議な話だなと思いました。リアルにとらえるというよりも、別役実さんとか、星新一さんみたいだなと。筒井康隆さんのテイストもちょっと感じたり。

 考えてみると、夫と子供を次々に戦争に奪われていくわけだから、すごく悲惨な話なんですよ。それがとてもドライなタッチで書いてあって、女性としても共感する台詞はとても多いんです。これが80年前に書かれたとは思えないぐらいに、いまに通じる内容で、身近で語られているような台詞もある。それがとても面白いなと思いましたね。

──母を演じられているあいだ、ずっと子供たちや夫と話しつづけなければならない。長男は黄熱病、次男は飛行機事故、三男、四男の双子はそれぞれ体制側と反体制側に分かれて対立しています。

増子 全部が闘いですよね。劇中に「あたしたち母親はね、一度も戦争なんか起こさなかった」という台詞があるんですけど、母親の口を借りて、チャペックさんがものすごく語ってる感じがする。

 もちろん、戦争に対して批判もあるでしょうし、男と女の考えかたのちがいについても、母親の口を借りて語ってると思います。だから、最後の方のシーンでは、母が5人の息子たちと闘う場面では、守るものが男とはちがうわけですけど、とても胸が痛くなります。

オフィスコットーネプロデュース『母 MATKA』母を演じる増子倭文江。

オフィスコットーネプロデュース『母 MATKA』母を演じる増子倭文江。

 

■死者の視点から現代を見つめる

──『母』では、大谷さんが演じる夫が生前に使っていた部屋で、さまざまな出来事が起こります。17年前に戦死した父の役ですが、台本を読んだときの感想を聞かせてください。

大谷 まず、職業軍人がどういうものだったのか、いまのわれわれにはピンとこない。もう職業軍人という感覚が、わからなくなっている。

──当時の職業軍人は、かなりのエリートだと思います。

増子 ああ、だから台詞にもありましたね、「いちばんできる男が行くのは当然だろ?」と。

大谷 自分が幽霊だというのも、どう演じればいいか。日本の幽霊とはちょっとちがいますから……

──『母』の場合、幽霊も生きてる人と同じように、ふつうにしゃべっていますね。

大谷 最初は、母親の頭のなかに出てきたイメージとしての幽霊というとらえかたをしていたんですけど……

──母親は亡くなった夫と常に対話していますね。

大谷 でも、そう考えるのは現代的な小さい考えかたで、幽霊は本当にいると思って演じるとどうかなと。幽霊が本当にいるかどうかは、わからないですから。

──母親がどんどん子供たちを亡くしていく戯曲といえば、ブレヒトの『肝っ玉おっ母とその子供たち』ですが、チャペックの『母』が書かれたのが1938年で、その翌年の39年に『肝っ玉おっ母』が書かれている。戦争に対する母親の思いを、劇作家が連続して書いたという気もしています。

増子 そうなんですね。

稲葉 想像するに、この時代は、思いもかけないほど価値観が揺らいだときだった。ファシムズが出てきたとき、ふつうに生きていても、不条理というか、意味のわからない理由で命が消える状況が起こるようになる。神様に祈るとか、そういう信念を超えた力みたいなものが働いてしまう時代だった。それに対して、哲学者や劇作家が警鐘を鳴らした。緊急事態宣言みたいなところで書いてる感じがあります。

オフィスコットーネプロデュース『母 MATKA』父を演じる大谷亮介。

オフィスコットーネプロデュース『母 MATKA』父を演じる大谷亮介。

 

■80年経って『母』が上演される意義

──舞台の最後に、母は大きな決断を迫られます。そこには母という存在、母が生みだす子供たち、さらには、その子供たちから生まれる子供たちというかたちで、わたしたちの未来が投影されているような気がしています。

大谷 母の決断が、未来への希望なのか、絶望なのかは、わからないですよね。

稲葉 選択をするおかあさんは、すごく強いと思います。演出的にクライマックスをどう見せるかということですけど、絶対的に折り合いのつかないところで、矛盾を抱えたまま、選択をしてしまったかたちで終わらせるのか、それとも、その先にある未来みたいなものを描くのか。わたしは白か黒かではなく、そのあわいを描いている気がしました。

 要は希望でもあり絶望でもあるんだけど、どちらであるかということよりも、こういう選択をせざるをえなかったこの時代を、いまのわたしたちはちがう目線で見ると思うんですよ。

──80年を経過した『母』を、現在の観客が見ることで、新たな意味が加えられていく。

増子 物語の後ろにある苦悩は、きっといろいろなことがあるんでしょうし、戦争とか、深刻な問題があるんでしょうけど、でも、なんか笑えたりもするし、おたがいのやりとりのずれの面白さもあるので、引きずり込まれるような重い芝居にはならないと思います。

オフィスコットーネプロデュース『母 MATKA』演出家・稲葉賀恵。

オフィスコットーネプロデュース『母 MATKA』演出家・稲葉賀恵。

取材・文/野中広樹

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オリジナルアニメ『オッドタクシー』第6話のスぺシャルエンディングとして、トニーフランク「壁の向こうに笑い声を聞きましたか」が起用され、アニメコラボMVが放送終了に合わせて解禁された。

オッドタクシー × トニーフランク「壁の向こうに笑い声を聞きましたか」コラボMV

「壁の向こうに笑い声を聞きましたか」はギターを弾きながらの歌ネタを中心に活動する芸人・トニーフランクが2019年に発表したシングル曲。辞めていくお笑いの先輩、同期、後輩へ向けて、人生の別れ際に伝えたい事を込めて制作され、芸人という職業の悲哀や喜びを歌っている。

(c)P.I.C.S. / 小戸川交通パートナーズ

(c)P.I.C.S. / 小戸川交通パートナーズ

また、今回のMV解禁に合わせ、脚本の此元和津也とトニーフランクからコメントも到着した。

【コメント】此元和津也(脚本)

仕事サボって見ていたYouTubeで偶然みつけたトニーフランクさんの曲が、この作品の馬と猪にリンクしていて、すぐにプロデューサーに送りました。結果仕事につながって良かったです!

トニーフランク

トニーフランク

【コメント】トニーフランク

オッドタクシーさんのご厚意でエンディング曲を担当させていただけるなんて、ちんぴら芸人にとってこんなにも有難い話はなく感無量、一生の思い出です。はやく人に自慢したすぎて、ここだけの話去年の段階で親にだけこっそり言ってしまってました(反省)。トニーフランクの親も大ファンの「オッドタクシー」息もつかせぬ物語の展開、この先も楽しみにしております!

第6話「なんでやねんが聞きたいよ」

アニメ『オッドタクシー』第6話のサブタイトルは「なんでやねんが聞きたいよ」。まさにこのトニーフランクの曲からとったものになっている。本編ではダイアン演じる芸人コンビ・ホモサピエンスのボケ担当・馬場のみ人気が出てしまう展開となり、芸人ならではのコンビ間の格差や悲哀が描かれるラストシーンとなった。

今回、「このシーンにぜひ流したい曲がある」と脚本・此元和津也からのリクエストがあり、「壁の向こうに笑い声を聞きましたか」が第6話限りのスペシャルエンディングとして起用される運びとなったとのこと。

コラボMVは本編未放送シーンや描き下ろしカットも

このコラボMVは、トニーフランクのMVとアニメ『オッドタクシー』のホモサピエンスのシーンを軸に展開されるMVだが、本編未放送シーンのほか、監督・木下麦による描き下ろしカットも追加されたファン必見の内容になっている。関西から上京するも、なかなか売れずにすれ違うホモサピエンスのシーンが楽曲に重なり、観た人の胸にせまるMVとなっている。

毎話、話題が尽きない『オッドタクシー』。今後の放送もチェックしておきたい。

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sumikaが、6月2日にリリースする6枚目となる両A面シングルより、「ナイトウォーカー」の初O.A.が、5月17日(月)放送のFM802「ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!-」で行われる事が決定した。

「ナイトウォーカー」は、タイトルの通り夜の雰囲気を感じさせる、ソウルフルな楽曲。そして、「Shake & Shake / ナイトウォーカー」のCD購入者特典の絵柄が公開された。それぞれ数に限りがあるので早めの予約をお勧めしたい。また、初回生産限定盤、初回仕様限定盤に、シリアルコードが記載された「謎の鍵」の封入が決定。使い方は後日OFFICIAL WEB SITEで発表される。

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