TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』3期は2024年に放送 Liella!の5thライブ開催も明らかに
- 2023.09.10
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TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』3期が、2024年に放送されることが決定した。
『ラブライブ!スーパースター!!』は、『ラブライブ!シリーズ』の第4作にあたるタイトル。架空の学校・私立結ヶ丘女子高等学校を舞台に、スクールアイドルグループ・Liella!(リエラ)の活躍を描いた作品だ。TVアニメ第1期は、2021年7月から、第2期は2022年7月から、ぞれぞれ全12話が放送された。
Liella! 4thライブツアー 左から、結那(ウィーン・マルガレーテ役)、大熊和奏(若菜四季役)、鈴原希実(桜小路きな子役)、ペイトン尚未(平安名すみれ役)、Liyuu(唐 可可役)、伊達さゆり(澁谷かのん役)、岬 なこ(嵐 千砂都役) 青山なぎさ(葉月 恋役)、薮島朱音(米女メイ役)、絵森 彩(鬼塚夏美役)、坂倉 花(鬼塚冬毬役)
『ラブライブ!スーパースター!!』3期放送時期とともに、『ラブライブ!スーパースター!! Liella! 5thライブ』が、2024年1月20日(土)・21日(日)に福岡・西日本総合展示場 新館、2024年2月10日(土)・11日(日)に東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで開催されることも発表されている。
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アニメ化が発表されていた本日開催された『魔王2099』のティザービジュアルが「AniplexOnlineFest2023」内にて発表された。ティザービジュアルには魔王・ベルトールと、ヒロイン・マキナが描かれている。またアニメーション制作スタジオはJ.C.STAFFが決定した。
さらに魔王・ベルトールと、ヒロイン・マキナを演じる声優も公開。メインキャストの魔王・ベルトール役には日野聡が、マキナ役には伊藤美来が決定し、2021年01月に公開された原作のスペシャルPVから続投となる。二人からのコメントも届ている。
◆ベルトール=ベルベット・ベールシュバルト CV:日野 聡
ベルトール=ベルベット・ベールシュバルト CV:日野 聡 (c)2023 紫大悟・クレタ/KADOKAWA/魔王2099製作委員会
かつて不死の王国に君臨した伝説の魔王。500年の時を経て再臨。
<日野 聡コメント>
この度、ベルトール役の声を担当させて頂くことになりました日野聡です。以前PVで声を担当させて頂き、今回アニメとしても引き継がせて頂くことになりました。SF的な世界観と共に、グッと引き込まれていくファンタジーな世界。アニメーションとしても『魔王2099』のエンターテインメント性をたっぷり楽しんで頂けると嬉しいです。
◆マキナ=ソレージュ CV:伊藤美来
マキナ=ソレージュ CV:伊藤美来 (c)2023 紫大悟・クレタ/KADOKAWA/魔王2099製作委員会
ベルトールに絶対的な忠誠を誓う重臣・六魔侯の一柱。
<伊藤美来コメント>
PVの収録から2年…アニメ化でもまた、マキナを演じることができてとても光栄です。テンポ感や、ギャグシーンとシリアスシーンのギャップが魅力的な作品だと感じていますので、マキナとしてこの世界に深く入り込める事にわくわくしています。しっかり者で時に可愛らしいマキナを精一杯演じます。どうぞよろしくお願いします!
『魔王2099』は著:紫大悟、イラスト:クレタによる小説。ファンタジア文庫より1巻「電子荒廃都市・新宿」、2巻「電脳魔導都市・秋葉原」が発売中だ。サイバーパンクの世界観に降り立つ魔王、異色の組み合わせが見せるアニメ『魔王2099』のさらなる情報を待ちたい。
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TVアニメ『俺だけレベルアップな件』PV第1弾、キービジュアル第2弾が公開された。また2024年1月より放送が開始されることも発表された。
『俺だけレベルアップな件』は原作・原案Chugong、作画DUBU(REDICE STUDIO)、脚色h-goon(D&C Webtoon Biz. 発行)による、「ピッコマ」にて累計PV6.5億回超を記録したハイスピードアクションファンタジー。
キービジュアル第2弾では戦いを積み重ねてレベルアップしていく主人公・水篠旬をそれぞれ描いたビジュアルとなっている。続報は作品公式サイト、公式SNSアカウントにて随時発表されるとのこと。続報を楽しみに待ちたい。
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TVアニメ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』が2024年1月から放送されることが決定。あわせて、ティザーPVとキービジュアル第1弾、メインスタッフ・メインキャストが発表された。
『青の祓魔師』は、加藤和恵氏の同名コミックをアニメ化したもの。サタンの血を引く主人公・奥村燐が、祓魔師(エクソシスト)を目指す姿を描いた作品だ。2011年には、TVアニメ『青の祓魔師』が放送され、2012年には『青の祓魔師 劇場版』が公開。2017年にはTVアニメ『青の祓魔師 京都不浄王篇』がアニメ化された。新TVシリーズ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』では、「京都不浄王篇」に続くエピソードが描かれるという。
今回のアニメ化では、奥村燐役の岡本信彦、奥村雪男役の福山潤、杜山しえみ役の花澤香菜、勝呂竜士役の中井和哉、志摩廉造役の遊佐浩二、三輪子猫丸役の梶裕貴、神木出雲役の喜多村英梨、クロ役の高垣彩陽、霧隠シュラ役の佐藤利奈、メフィスト・フェレス役の神谷浩史らキャストが続投。監督を吉田大輔氏、シリーズ構成を大野敏哉氏、キャラクターデザイン・総作画監督を大東百合恵氏、音楽をKOHTA YAMAMOTOと澤野弘之が担当。スタジオヴォルンが制作を担う。
TVアニメ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』
TVアニメ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』
TVアニメ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』
TVアニメ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』
TVアニメ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』
TVアニメ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』
TVアニメ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』
TVアニメ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』
TVアニメ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』
TVアニメ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』
TVアニメ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』
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2023年9月10日(日)~9月24日(日)世田谷パブリックシアターにて、舞台『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』が上演される。
本作は、劇団はえぎわの主宰で、脚本家、演出家、俳優として活躍するノゾエ征爾が、世田谷区内の高齢者施設を10数カ所まわって生み出した代表作だ。2010年に初演され「老い」と「進化」という正反対に見える2つのものを重ね、その先にあるものを群像劇として描いていく。
主演のピエロとして働く青年・太郎役を竜星涼、太郎の兄・晴郎役に藤井隆、特別養護老人ホームから抜け出した老女・まっちゃんこと徳盛まちこ役を高橋惠子が務める。
共演者として青柳翔、瀬戸さおり、芋生悠、駒木根隆介、山本圭祐、山口航太、中井千聖、柴田鷹雄、家納ジュンコ、山田真歩、菅原永二、そしてノゾエ自身が出演。バラエティーに富んだキャストがそろった。東京公演終了後、京都、岡山、新潟公演の実施が予定されている。
このたび初日前会見と公開ゲネプロが開催された。初日前会見には、ノゾエ征爾、竜星涼、高橋惠子、藤井隆が登壇。初日を迎える気持ちと独特の演出法をとった作品の見どころについて語った。
ーーまずは初日を迎える今のお気持ちと意気込みをお聞かせください。
ノゾエ:明日からいよいよ始まりますが、早くお客様の前でご一緒したいという気持ちでいっぱいです。怖さはもちろんありますが、それよりもわくわくする武者震いのほうが先立っています。
作品としての上演は4回目になりますが、台本や演出の内容はそれほど変わっていません。ただ、俳優さんたちが進み続けている中、ここにこうして集まっていただき、せりふが何も変わっていないのにとても良い息づかいでお一人おひとりがいてくださることが何よりも嬉しく「進んでいる」と感じています。
ノゾエ征爾
竜星:まずは世田谷パブリックシアターという素晴らしい劇場で、真ん中に立たせてもらえ、明日初日を迎えられることをすごく嬉しく思っております。太郎として皆さんにどういう影響を与えて、ノゾエさんの演出を受けた自分がどう進化していくのか、また新しい自分を見つけることができるのか、この作品を通して、少しでも僕自身が進化していけたらなと思います。ぜひともいろんな方に見て楽しんでもらえたら嬉しいです。
竜星涼
藤井:8月から稽古を重ねてまいりまして、出演者の皆さん、スタッフの皆さんが穏やかで優しい方が多くて、楽しい稽古でした。劇場に入っていよいよ本番を迎えるのが本当に楽しみです。旅公演もございますので、たくさんの方にご覧いただけたらと思っています。
藤井隆
高橋:皆さま、本日はありがとうございます。徳盛まちこ80歳、老人ホームから抜け出した老女を演じさせていただきます。この『ガラパコスパコス』に参加できたこと、私にとっては本当に幸せなことだと思っております。女優という仕事を続けてきて、また新たな扉が開く感じがしております。
これからゲネプロがありますけれども、早くお客様の前で演じたいと思っております。ちょっと怖いですけれども……。今まで私、怖いと思ったことはほとんどありませんでしたが、今回の役に限っては本当に初めてのことが多くて……。表情をなくす、反応しない、そういうことを要求されている役でもあります。たくさんの皆様に見ていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
高橋惠子
ーー今回のセットは小道具を使わず、黒板を使用するなど印象的な演出となります。稽古場で苦労したこと、印象的なエピソードを教えてください。
ノゾエ:ただ「書く」ということではなく、それぞれの役、人物そのものの行動であり、息遣いであり、生活そのものなので、そこから乖離しないで欲しいことを共有するのに時間をかけました。
自分もそうなんですけれども、実際書くとなるとやっぱり「ただ書く」ことになってしまうので、きちんと自分の息遣いやいろんな行動にのせていくのに、時間がかかったかな……。でも今、とてもいい感じになっているので、よいところに気付けたと思っています。
竜星:舞台上にチョークで何かを書くというのは、僕にとってもそうですが、ほとんどの方があまり見たことのない演出スタイルだと思います。最初は戸惑いがあり「このぐらいの大きさでいいのかな」とか「見えるのかな」とか……。実際に劇場に入ってやってみると、もう少し大きく、濃く書かなければいけないことが見えてきたり、横長に書いたほうが分かりやすいと思ったり、いろいろな発見がありました。
書いてまたそれを消すのか、はたまた汚すのか、それをお芝居の中で表現できるというのも新しい魅力なのかなと感じています。全く何もない状態のところに、どんどんいろんなものが描かれて、描かれたあとの舞台上を見るのも素敵だと思っています。
藤井:竜星くんが書かれる絵がすごく素敵なんですよ。
高橋:上手よね。
藤井:(高橋に向かって)上手ですよね! ファンの皆さんは竜星くんの字を見たことはあったかもしれませんが、絵はなかなかないと思うのでチョークの絵は見ていただきたいし、惠子さんも生活の一部みたいなことを書かれる場面があるんですけど、すごい素敵です。
そして僕自身に関して言えば、お客さまに地面に書く絵を見ていただくため、舞台に角度がついているんですけど、ありがたいことに稽古場からこのようなセットを組んでいただいたので、1ヶ月以上、足の裏がパンパンになった状態でやってます(一同笑い)。
高橋:私は認知症の役で、お漏らしなんかもしちゃうんですけど、黄色いチョークで書いてお漏らしを表現するので、チョークでよかったなと(一同笑い)思っています。
ノゾエ:(チョークで書くのは)何かと便利なんですよね。
藤井:惠子さんは、ものすごくきれいなお花も書かれているので、そちらも注目してください。惠子さん、本当に上手ですよね。
高橋:私、絵は苦手だったんですよ。
ノゾエ・竜星・藤井:ええ!!
高橋:今まで一度も褒められることがなく、今回初めて上手だねって言ってもらえて、それがすごくうれしかったです。
竜星:お人柄が出ていますよね。字もきれいで、先生という感じで……。
高橋:(まちこは)小学校の先生をやっていた設定なんですよね。だから縦書きで書いてみたりもしました。
ーー今回のタイトルが『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』ということで、皆さんが進化したと思うこと、もしくは進化したいと思うことを教えてください。
ノゾエ:僕の中では、何をもって進化というのか、必ずしも進化イコール成長と思っていないところがあります。ただ先に進んで上がっていくことととらえたほうが、いろんなことが広がりを持って見えると思っています。僕自身、変わっていくことを受け入れられるようになったのは、自分の中で違いを感じているし、進化なのかなと。例えば最近、白髪が増えてきていますが、受け入れてます(笑)。
竜星:僕はこの間30歳になりましたけど、30歳をまず受け入れるということ、そして今回の役自体が自分自身にない役柄だったので、この公演が終わったときに、少しでも役者として、人間として進化したねと言ってもらえたら、太郎を演じて良かったと思えると思います。
藤井:視力の矯正で手術が叶う時代ですから、そろそろ記憶力がアップできるような、チップみたいなのが出来上がるんじゃないかと願っています。今回、せりふを覚えるのに時間がかかったので、自分自身の進化というよりは技術の進化で「後付けハードディスク」みたいなものができたらいいなと願っています!(会場で少し笑いが起きたので「はっ?」と突っ込みを入れる)
高橋:今までは、くよくよ悩むことが多かったんです。母が生きている頃は「なんでお前はそんなにくよくよ悩むんだ」とよく言われていました。最近は(今回演じる)まっちゃんに近い状態かもしれませんが、忘れることと切り替えが早くなって、いつまでもくよくよしなくなったのは私にとって進化です。
そして、他の惑星の人と話せるようになるぐらい世の中が進化したらいいなと思っています。言葉じゃなくて……なんていうんでしたっけ? まっちゃんの役に馴染んじゃって、こうやってすぐに忘れちゃうんです。
ノゾエ:テレパシー。
高橋:そう! テレパシー! テレパシーで話せるようになるように進化したいですね。
ーー最後に、上演を楽しみにしている皆さんに竜星さんから一言お願いします。
竜星:チョークを使いながら、最初はきれいな格好をしていますが、最後は出演者みんなが汗とチョークまみれになっています。それが愛おしく、素敵に見える舞台になったと思ってます。
何を感じて受け止めてもらえるかは人それぞれ違うと思います。でもその中で、きっと僕らはこの役と一緒に1分1秒毎日進化していくと思います。まずは東京公演千秋楽まで、一度といわずに進化の様子を見届けてもらえたらと思います。
もしかしたら退化してる日がある……? いや、ないでしょう! 多分毎日進化し続けていると思いますので、ぜひともその姿を見届けてもらえたらと思います。
ここからは、極力ネタバレがないように、ゲネプロの模様をお伝えしよう。
舞台上のセットは黒い大きな倉庫がひとつのみで、壁は黒板で埋め尽くされている。倉庫の中から登場人物たちが次々と出てくるのだが、幕が上がったあとおよそ8分間は、音楽とせりふのみで物語が進んでいく。まずはピエロの姿をした木林太郎(竜星涼)が登場し、長い手足を存分に活かし、舞台をところ狭しと飛び回るパフォーマンスを見せる。
『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』舞台写真 撮影:細野晋司
そんな太郎をジッと見つめている老女の徳盛まちこ(高橋惠子)に、太郎は手品で出した花を渡す。嬉しそうに花を受け取ったまちこは、太郎のあとを追いかけて家まで来てしまう。特別養護老人ホームから逃げ出してきた老女だと知った太郎は、まちこを老人ホームへ送り届けようとするが、彼女の寂しそうなまなざしを見て、再び自分の家に連れて帰ってしまう。そこから2人の奇妙な同居生活が始まるのだ。
『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』舞台写真 撮影:細野晋司
撮影:細野晋司
チャップリンの映画を思わせるような冒頭の8分間で、太郎やまちこが置かれている状況が手に取るように分かる。太郎はピエロの仕事をやりながら、職場の上司・花丸(青柳翔)に怒鳴られる毎日で、鬱々とした日々を送っている。まちこは認知症で、自分の名前も言えない状態で、水をコップに入れることさえできない。
『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』舞台写真 撮影:細野晋司
そんなまちこを太郎はなぜ連れて帰ってしまったのか。それは太郎自身のパーソナリティーが大きく影響しているように思える。太郎は高校時代、担任教師の柱谷(菅原永二)に「人と話す時は、目を見て話せ!」としつこく言われたものの、それができなかった。どうしても人の目を見て話すことができない太郎は、人とコミュニケーションを取ることが苦痛で、壁を作るようになったのかもしれない。
『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』舞台写真 撮影:細野晋司
そんな太郎にとって、認知症のまちこはそばにいても負担にならない存在だったのだろう。まちこは太郎の言っていることを理解できないが、太郎が作った壁を強引にこじ開けることをしないからだ。
太郎を演じる竜星は、複雑な太郎の心の内を体当たりで演じている。特に担任教師に「目を見て話せ!」と言われ、苦痛の表情を見せるところは胸が締め付けられる。太郎は、誰に話しかけられても多くを語らない難しいキャラクターだが、あることをきっかけに想いが爆発し、本音を吐露するシーンで、竜星はその場の空気を一変させた。
まちこを演じる高橋は、ほとんどせりふがない。初日前会見で語っていたように、無表情で無反応な認知症の老女を演じることはとてもハードルが高いものだったろうが、うつろな目で徘徊する姿は、これまで高橋が見せたことがない役であることは間違いない。
そんな二人は、太郎が舞台上にチョークで書いた囲い線の中で生活し、上演中は、ほぼその場に居続ける。舞台上に書かれた囲い線が、まるで太郎とまちこが社会との間に作った壁のように思えてくる中、その横でさまざまな家族の群像劇が描かれていく。
『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』舞台写真 撮影:細野晋司
コミュニケーションを取ることが苦手な太郎を心配する兄の晴郎(藤井隆)は、太郎を気にしつつも、どこか遠慮して一歩踏み込めずにいる。自分自身も妻(山田真歩)との間にトラブルを抱えており、太郎とまちこが同居を始めたことをきっかけに、それまで我慢してきた夫婦間のトラブルが爆発する。さらに自分のあとを付け回す後輩(ノゾエ征爾)にもイライラが募る毎日だ。
『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』舞台写真 撮影:細野晋司
まちこの娘(家納ジュンコ)と孫(中井千聖)は、まちこが老人ホームからいなくなったことでうろたえ、娘はまちこを老人ホームに入れてしまった自分を激しく攻める。
『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』舞台写真 撮影:細野晋司
『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』舞台写真 撮影:細野晋司
太郎の職場の上司・花丸は、友人の晴郎から太郎の面倒を見るように頼まれているが、新入社員の渡(芋生悠)が太郎を気にかけているのが気に入らない。渡に片思いをしている花丸は、素直に自分の気持ちを言うことができず、セクハラギリギリのラインで渡を誘うことしかできない。
そして太郎の自宅の近くに住む高校の同級生・緑(瀬戸さおり)は、かつて恋をしていた担任教師の柱谷と結婚して妊娠したが、二人の様子は何かおかしい。
それぞれが深刻な悩みを抱えているのだが、その悩みは決して他人事ではなく、私たちの身近に生じる可能性がある問題ばかりだ。暗くなりがちなそれらの悩みを極力明るく、時には茶化すように表現していくのがこの作品の特徴だ。
『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』舞台写真 撮影:細野晋司
初日前会見でノゾエが語っていたように、チョークで文字や絵を書くことで、出演者はそれぞれの役、人物そのものの行動を表現していくのだが、これが思っていた以上に心に刺さった。言葉や絵はこんなに訴える力があるのかと驚いたし、リアリティーは想像をはるかに超えてきた。
さまざまな角度から「老い」と「進化」を表現し、太郎をはじめとして登場人物たちが行きつく先に何があるのか。ラストはラヴェルの名曲・ボレロに乗せて、太郎を取り囲みながら登場人物全員がどこかを目指して行進していく。その先には明らかに「進化」を感じさせる光が見えており、なんだかホッとした気分になった。
取材・文・撮影(会見のみ):咲田真菜
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ラジオ局J-WAVE(81.3FM)が、11月11日“ベースの日”にベースの日実行委員会と共催で『THE BASS DAY LIVE 2023』をSpotify O-EASTにて開催する。
4つの「1」を4本の弦に見立てて、11月11日は「ベースの日」。ベースという楽器のすばらしさを知ってもらうことを通して、“もっと音楽の楽しさを分かち合うきっかけを作っていこう!”という目的のもと、J-WAVE(81.3FM)の番組企画から始まり、2014年にクラウドファンディングを通して賛同を集めて記念日登録された。毎年X(旧Twitter)で“#ベースの日”がトレンド上位入りするなど盛り上がりをみせている。
今年は4年ぶりに『THE BASS DAY LIVE』の開催が決定。2015年から毎年ベースの日に開催され、音楽ファンから根強い支持を集める『THE BASS DAY LIVE』が、初の2DAYS開催へと拡大して帰ってくる。
出演ベーシストは、11月10日に、草刈愛美(サカナクション)/武田祐介(RADWIMPS)/須長和広/井上幹(WONK)/秋田ゴールドマン(SOIL&"PIMP"SESSIONS)。11月11日に、あきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES)/高木祥太(BREIMEN)/TOKIE/MISA(BAND-MAID)となっている。
第一線で活躍するベーシストたちがそれぞれ自由なスタイルでステージをプロデュース。信頼するミュージシャンたちを迎えて繰り広げる貴重なコラボレーションにも注目しよう。
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ベリーグッドマンのニューデジタルシングル「CLASSIC」が9月13日(水)にリリースされることがわかった。
ベリーグッドマンは、9月9日(土)に沖縄・桜坂セントラルで、『47都道府県 “ピース” TOUR2023 ~ Road to 甲子園 ~』のファイナル公演を迎えた。同ツアーは、2023年4月から全国47ヶ所48公演をまわるツアー。ファイナル公演のMCで、新曲「CLASSIC」のリリースを発表した。
『47都道府県 “ピース” TOUR2023 ~ Road to 甲子園 ~』ファイナル Photo=Shun Fujita(ARIGATO MUSIC)
『47都道府県 “ピース” TOUR2023 ~ Road to 甲子園 ~』ファイナル Photo=Shun Fujita(ARIGATO MUSIC)
「CLASSIC」は、ベリーグッドマンが阪神甲子園球場100周年事業アンバサダー(アーティスト)として、阪神甲子園球場のために書き下ろした楽曲。阪神甲子園球場100周年記念事業応援ソングとして、ツアー全会場で歌ってきたものだ。なお、同曲のミュージックビデオが、9月13日(水)22時にベリーグッドマンのYouTubeチャンネルでプレミア公開されることも決まっている。
なお、「CLASSIC」を”Pre-Add”または”Pre-Save”することで、抽選で20名に「CLASSIC」オリジナルサイン色紙をプレゼントする企画もスタート。詳細は、ベリーグッドマンオフィシャルサイトを確認しよう。
ベリーグッドマン「CLASSIC」
ベリーグッドマンは、11月18日(土)に兵庫・阪神甲子園球場でワンマンライブ『ベリーグッドマン ~甲子園 LIVE 2023~』を開催する。
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CDデビュー10周年イヤー中となるSHISHAMOの、2022年春から今年2023年春までの約1年間を追ったドキュメンタリー映像『SHISHAMOの、裏側』が、本日・9月10日(日)よりU-NEXTにて独占配信されることが決定した。
『SHISHAMOの、裏側』は、これまでSHISHAMOが見せてこなかったライブのリハーサル模様やレコーディング現場に初めて密着したドキュメンタリー映像となり、2022年春、SHISHAMO初の開催となった対バンツアーの模様や楽曲のレコーディング、そして2022年11月のCDデビュー突入日に開催した地元・川崎でのフリーライブの模様、2023年初頭に武道館と大阪城ホールで開催した10周年記念ライブまでが収められている。
また、随所にメンバーのインタビューも収録されており、これまで語られてこなかったメンバーの想い、そしてバンドが音楽に真摯に向き合う姿からバンドの真髄に迫る映像となっている。U-NEXTのYouTubeチャンネルにて、『SHISHAMOの、裏側』のプロローグ映像も公開された。
SHISHAMOは、本日・9月10日(日)群馬県 太田市民会館を皮切りに、2月にリリースしたCDデビュー10周年コンセプトアルバム『恋を知っているすべてのあなたへ』を引っ提げ、全国11箇所をまわるホールツアー『SHISHAMO 10th Anniversary Tour「恋を知っているすべてのあなたへ」』を開催。
さらに、11月11日(土)と12日(日)にはCDデビュー10周年イヤー締めくくりとして、
横浜ぴあアリーナMMにて2daysのアリーナ公演を開催することも決定している。チケットはどちらも現在発売中。
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歌舞伎座で『秀山祭九月大歌舞伎』がはじまった。二世中村吉右衛門三回忌追善として、吉右衛門ゆかりの演目に、ゆかりの深い俳優たちが出演する。
■夜の部 午前11時
一、祇園祭礼信仰記(ぎおんさいれいしんこうき)金閣寺
中村米吉が初役で、中村児太郎が5年ぶり2度目の雪姫をつとめる『金閣寺』。観劇した3日は米吉が雪姫を、児太郎は中村福助に代わり慶寿院尼をつとめた。
舞台下手側の庭に、満開の桜の木。その奥に滝がある。正面の建物が金閣寺だ。金屏風に2頭の虎が大胆に描かれた部屋で、大悪党の松永大膳(中村歌六)と弟の松永鬼藤太(中村種之助)が優雅に碁をうっている。大膳は、主君だった将軍を殺害し、その母・慶寿院を人質に金閣寺をのっとっている。さらに絵師の狩野之介直信(尾上菊之助)の妻であり、雪舟の孫娘にあたる雪姫に横恋慕。狩野之介を牢に入れて、雪姫は豪華な一室に幽閉。自分のものになるか、天井に龍の絵を描くかと迫る。そこへ大膳の家臣・十河軍平(中村歌昇)が、此下東吉(中村勘九郎)を連れてくる。東吉は、大膳に奉公したいと申し出るが……。。
『祇園祭礼信仰記 金閣寺』(左より)此下東吉後に真柴久吉=中村勘九郎、松永鬼藤太=中村種之助、松永大膳=中村歌六、雪姫=中村米吉、十河軍平実は佐藤正清=中村歌昇 /(C)松竹
大膳を初役でつとめる歌六。行いの極悪さと、それに不釣り合いなほどの芯からの落ち着きが、知性と色気を醸し出す。登場のたびにギアを上げ、スケールの広がりをみせていった。本作の世界観の土台となり、個性的な登場人物たちをひとつにまとめあげる。勘九郎の東吉は涼やかな目元に、リズミカルでキッパリとした身のこなし。三味線にのり動きがひとつ決まるたびに、スタンディングオベーションしたくなる鮮やかさだった。物語を爽快に切り拓いていく。
米吉の雪姫は(思えば手厚い幽閉環境であったが、それになびくことはなく)、大膳に対して歌舞伎らしいお姫様ではじまる。慶寿院や狩野之介への思いを語る姿には芯の強さがあり、大切な太刀を目にしてからは、血が通いはじめたかのように生気がみなぎりはじめる。物語もドライブする。歌舞伎の女方には、性の倒錯による演出効果があると聞くが、米吉の雪姫は一周して倒錯なしの純然たるお姫さま……と勘違いするほどもう一周倒錯する、可憐さと色気。桜が舞い散る中、つま先で鼠を描く姿は吸い込まれるようだった。
『祇園祭礼信仰記 金閣寺』雪姫=中村米吉 /(C)松竹
狩野之介は、そんな雪姫とぜひ幸せに添い遂げて欲しい、儚さを併せ持つ美しさ。米吉とWキャストで雪姫をつとめる児太郎は、この日、代役の慶寿院で近寄りがたいほどの気品をみせた。極悪とゴージャスと桜吹雪が飽和する世界で、2人の雪姫をぜひ見比べてほしい。
二、新古演劇十種の内 土蜘(つちぐも)
松本幸四郎が初役で、僧の智籌(ちちゅう)実は土蜘の精をつとめる。舞台は源頼光の館。原因不明の病におかされた頼光(中村又五郎)を、側近の平井保昌(中村錦之助)が見舞いにくる。太刀持ちは中村種太郎。長袴をはきこなし立派に舞台をつとめた。侍女の胡蝶(中村魁春)が薬を届けにくると、頼光に頼まれ京都の景色を踊ることに。格調高く雅やかで、平安の絵巻物の世界のようだった。
『土蜘』(左より)源頼光=中村又五郎、叡山の僧智籌実は土蜘の精=松本幸四郎 /(C)松竹
幸四郎の智籌は静かに登場する。花道近くの客席の人がまず気がつき、その隣の人が気がついて……。ほの暗い客席に静かに広がるリアクションは、智籌の特別な力が波紋のように広がっていくようだった。幸四郎の智籌は「いかに頼光」の第一声から、不気味さの中に色気があった。美麗で妖しい僧は正体を見破られ、頼光たちに狙われる。蜘蛛の糸を放ち消えてしまう……。
『土蜘』叡山の僧智籌実は土蜘の精=松本幸四郎 /(C)松竹
間狂言は、番卒の太郎に市川高麗蔵、次郎に中村歌昇。藤内に中村勘九郎、巫女の榊に中村児太郎(Wキャスト:中村米吉)も揃う。ふふっという一瞬の微笑みにつられて、朗らかな心持ちに。石神実は小姓四郎吾に中村秀乃介。大薩摩の演奏で場面は変わって、頼光一行が土蜘退治へ。四天王は渡辺綱(大谷廣太郎)、坂田公時(中村鷹之資)、碓井貞光(中村吉之丞)、卜部季武(中村吉二郎)。勇壮な立廻りでクライマックスに向けた盛り上がりを加速させる。左右に千筋の糸が広がる幕切れは壮観だった。
三、秀山十種の内 二條城の清正(にじょうじょうのきよまさ)
加藤清正と豊臣秀頼の、束の間の心の交流を掬い上げる「淀川御座船の場」。かつて秀吉に仕え、今は老境に入った清正に松本白鸚。秀吉の息子で、豊臣家の命運を託される秀頼に市川染五郎。劇中で「じい」「若様」と呼び合う2人を、実際の祖父・孫の関係にある2人がつとめる。同船する斑鳩平次に松本錦吾。
『二條城の清正』(左より)加藤清正=松本白鸚、豊臣秀頼=市川染五郎 /(C)松竹
一発の銃声が鳴り、静かに幕が開く。夜の淀川を大きな御座船が下っている。甲板で、周囲を警戒するのは清正。この日、京都・二條城で家康と秀頼の対面があった。清正は、豊臣家の存続と和平を願いその場に同席したが、徳川からの追手が秀頼を狙い、船を追いかけているらしい。冒頭の銃声も、清正が追手に向けて撃ったもの。辺りが落ち着いた頃、船上の屋形から秀頼が現れる。2人は心の内を言葉にしはじめる……。
『二條城の清正』(左より)豊臣秀頼=市川染五郎、加藤清正=松本白鸚 /(C)松竹
白鸚の清正は、静かに語る。その静謐な言葉は歌舞伎座を包みこむほど大きく、清正の人生を背負うような重みがありながら、大河のように豊かに穏やかに流れていく。秀頼が幼かった頃の追憶から湧き上がる嗚咽まで、この夜に至る長いドラマを見てきたかのように胸に迫った。染五郎の秀頼は、姿も心も月の光のような品と輝きを放っていた。秀頼が清正へ向ける曇りのない言葉は、フィクションと現実の分け隔てなく響いて聞こえた。史実に基づけば、本作は大坂の陣のおよそ3年前を描いている。戦国時代がもうすぐ終わる。清正と秀頼が大坂城を「美しい」と眺める2人の姿は、寂しくも忘れがたい美しさだった。
■夜の部 16時30分開演
一、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)車引
『菅原伝授手習鑑』全五段のうち、三段目にあたるエピソードだ。松王丸に中村又五郎、梅王丸に中村歌昇、桜丸に中村種之助の親子で三つ子の兄弟をつとめる。3人は仕えた主人が敵対関係となったことから、兄弟も立場上、敵と味方に分かれてしまう。梅王丸と桜丸が近況を伝え合うところに、金棒引藤内(中村吉二郎)が声をはりあげ通りかかり、梅王丸と桜丸の共通の敵・時平が吉田神社に来ることを知る。時平の舎人・杉王丸(中村鷹之資)の力強い守りもものともせず、藤原時平(中村歌六)の行く手を阻もうとするが……。
『菅原伝授手習鑑 車引』(左より)桜丸=中村種之助、松王丸=中村又五郎、梅王丸=中村歌昇 /(C)松竹
歌昇の梅王丸は、はちきれんばかりにエネルギッシュだった。全力で泣く赤ちゃんのように力を漲らせながら、筋隈の顔はハッとする美しさ。梅王本人は怒りにふるえているが、見ているととにかく明るく、楽しい気持ちになる。種之助の桜丸は芯のある声と佇まい。梅王丸が熱風を巻き起こさんばかりの飛び六方で花道を出ていった時、その後を桜丸は蝶のように儚げに追いかけていった。端正で詩的な趣。
『菅原伝授手習鑑 車引』(左より)桜丸=中村種之助、藤原時平=中村歌六、松王丸=中村又五郎、梅王丸=中村歌昇、杉王丸=中村鷹之資 /(C)松竹
松王丸が登場した時は、これほど品のある花形俳優さんがいただろうかと思わず配役を確かめた。又五郎は、若々しく厚みのある松王丸で舞台を引き締めた。最後に歌六の時平がお芝居全体の格を一段あげた。吉右衛門と縁の深い俳優たちによる、華と勢いのある舞台が「夜の部」の序幕を飾った。
二、連獅子(れんじし)
狂言師右近後に親獅子の精に尾上菊之助、狂言師左近後に仔獅子の精に尾上丑之助の『連獅子』。作品の前半と後半をつなぐ「宗論」は坂東彦三郎と中村種之助。
『連獅子』(左より)狂言師右近後に親獅子の精=尾上菊之助、狂言師左近後に仔獅子の精=尾上丑之助 /(C)松竹
松羽目の舞台にあらわれた菊之助は明鏡止水の佇まい。続く丑之助も凛とした表情だった。ふたりは粛々と稽古を重ねてきたに違いない。丁寧に、研ぎ澄まされた美しさを魅せる。丑之助に緊張や興奮はみられなかった。そのようなものは微塵もみせまいという、プロ意識さえ感じさせた。客席の方が肩に力が入っていたかもしれない。丑之助がソロパートを踊りおさめた時、周囲から安堵のため息が漏れ聞こえ、ほとんど同時にワッと拍手がおきた。狂言師の親獅子が谷を見下ろし、その肩越しに仔獅子が顔をのぞかせた時、まだ可愛らしい子どもの身体だと改めて気がついた。9歳9ヶ月、本興行としては最年少の『連獅子』だ。
『連獅子』(左より)狂言師左近後に仔獅子の精=尾上丑之助、狂言師右近後に親獅子の精=尾上菊之助 /(C)松竹
菊之助は、前半では親子の情愛、そして獅子の目線の先に広がる荘厳な景色をみせる。谷底から仔獅子が駆け上がってきた時や、花道で仔獅子の背中を見送った時の優しい顔が印象的だった。後シテの白い獅子が花道より登場した時は、どよめきが起きた。赤い仔獅子も揃うと場内は熱を増し、力強い長唄と高め合い、一気に幕切れへ。親獅子の白く長い毛は、ゼロモーションで強い風に吹かれるような弧を描いていた。神秘的な空気のまま熱い拍手で結ばれた。
三、一本刀土俵入(いっぽんがたなどひょういり)
吉右衛門の当たり役だった駒形茂兵衛を、甥の松本幸四郎がつとめる。幸四郎は、この日2つ目の初役の大役だ。主人公は幸四郎の茂兵衛で、ヒロインは中村雀右衛門のお蔦。その2人を含む登場人物全員が、美化されることなく、しかし生き生きしていた。
物語の前半は、茂兵衛が取的(とりてき。相撲取り)の卵で、横綱を目指し江戸へ向かうところ。幕開きのワーワーという喧嘩騒ぎの、芝居らしい賑やかさ。これに紛れて茂兵衛は登場する。取手宿の安孫子屋の2階の窓が開いた時も、ひとりの茶屋女としてお蔦はそこにいた。
『一本刀土俵入』(左より)駒形茂兵衛=松本幸四郎、お蔦=中村雀右衛門 /(C)松竹
茂兵衛とお蔦は、物理的にロミオとジュリエットのバルコニーのような距離感で出会い、それ以上一歩も近づくことなく別れる。幸四郎の茂兵衛は心優しく、とぼけたまま正論を言えば愛嬌があり、「一所懸命だもの」との言葉に思いがけないほどの説得力があった。お蔦が茂兵衛を励まし、お金やかんざしをあげてしまいたくなる気持ちも分かる。ただ、お蔦が、情深さと思い切りの良さだけで、あれもこれもあげてしまったとは思えない。やけっぱちとも思えない。希望と諦めの入り混じった心情を、雀右衛門のお蔦にみた。序幕の幕切れ、お蔦が背中越しに聴かせるおわら節が、静かに郷愁を誘った。後半では愛情深さはそのままに、生活は苦しくとも憑き物がおちたような表情をみせる。
物語の後半は、10余年後。博徒となった茂兵衛が、取手宿に近い布瀬川の渡し場を訪れ、老船頭(中村東蔵)、清大工(松本錦吾)、若船頭(大谷廣太郎)に、お蔦の行方を聞く。名前もない船頭や大工との他愛ないやり取りが、どこまでも心地よかった。老船頭に言わせるならば「人がひとり駆けていっただけ」の風景に、生活感のすべてがあり、川辺の草の匂いまで届きそうだった。茂兵衛は、ついにお蔦を見つけるが……。
波一里儀十に中村錦之助。行方不明になっていたお蔦の夫・船印彫師辰三郎に尾上松緑(国立劇場と掛け持ち出演!)。儀十が緊迫感を生み、辰三郎がドラマにメリハリを生んだ。子分の堀下根吉に市川染五郎。
『一本刀土俵入』(左より)駒形茂兵衛=松本幸四郎、お蔦=中村雀右衛門、船印彫師辰三郎=尾上松緑 /(C)松竹
前半では、腹ペコで泣きべそでお蔦に見送られた茂兵衛が、後半ではお蔦を見送り、茂兵衛なりの土俵入りをみせる。泣きべそも、旅人風の侠客もよく似合う幸四郎の茂兵衛。侠客になっても幕切れの目は涙に濡れ、心は変わっていないことを物語っていた。
吉右衛門がいない、2度目の秀山祭。昨年も今年も、吉右衛門の不在を感じざるを得ない瞬間はあった。しかし今年は、それよりも吉右衛門という名優がいたこと、受け継ぐ俳優がいることに、深く感謝する時間となった。『秀山祭九月大歌舞伎』は歌舞伎座、9月2日から25日まで。
取材・文=塚田史香
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2004年、滝沢秀明主演で初演を行なって以来、亀梨和也、玉森裕太、中山優馬、岸優太、菊池風磨らを中心に、様々な組み合わせで上演されてきた本作。2019年からは堂本光一が演出に加わり、作品をさらに磨き上げてきた。初演から20年となる今年は、Snow Man渡辺翔太が主演を務め、ライバルであるチャンプをSixTONES森本慎太郎が演じる。ともに本作への出演経験があり思い入れの深い二人による新生『DREAM BOYS』。開幕を前に、渡辺翔太・森本慎太郎による会見とゲネプロが行われた。
※演出についてのネタバレあり
――いよいよ初日を迎えますが、いかがでしょう。
渡辺:Jr.として先輩方のバックで出演した舞台に、まさかこの配役で帰って来ることができるとは思っていませんでした。胸がいっぱいです。帝国劇場の0番に立つ重圧もあって、昨日は中々寝つけませんでした。
森本:僕が出演していたのは亀梨(和也)くんが主人公を演じていた頃で、カズヤとチャンプは憧れの存在でした。僕が先輩方を見て「カッコいい、ああなりたいな」と思いながらステージに立っていたのと同じようにJr.のみんなにも思ってほしいし、理想像に近づけるようにこの1ヶ月頑張りたいです。
――今回は新曲もありますね。
森本:僕が歌う「CHAMPION」は堂本光一くんとお話して、『DREAM BOYS』のストーリーに沿ったものにしつつ、演出についても意見を聞きながら一緒に制作していただきました。
渡辺:同じく光一くんとお話ししながら、歴代の方々とちょっと雰囲気を変えたいなということで、他のシーンと繋がるような切なく儚い新曲を作っていただきました。
――フライングもされていましたが、飛んでみた感想は。
渡辺:最高だよね。
森本:そうだね。でもまだ初めてなので、客席を見渡す余裕はなかったです。
――『DREAM BOYS』では久しぶりのフライングです。
渡辺:光一くんにおねだりしました。多分僕らの熱意を汲んでくれて夢を叶えてくれましたね。Jr.としてフライングする人のワイヤーをつける係は何度もしてきたけど飛ぶことはほぼなかったので、ちょっとエモいし嬉しいです。
森本:僕らは帝国劇場で飛んだことがないので、『SHOCK』で何度も飛んでいる光一くんに「すみません、飛んでください」とお願いしました。「いいよ」とすぐ飛んで見本を見せてくださって。フライングの時の目線や姿勢の保ち方などを教えてくれました。でも、「光一くんカッコいい!」って思っちゃって稽古にならなかったですね。
渡辺:見惚れちゃってね。
森本:「カッコいいわ、堂本光一!」って思いました。すごく綺麗なんですよ。稽古中だし『DREAM BOYS』のフライングは『SHOCK』と違うので、僕らがやるのに合わせて飛んでくださって。感覚も全部教えてくれました。
――演出については具体的にどんなお話をしましたか?
森本:僕はミュージカルも舞台も経験がないので、客席に顔を向けるとか、歌を通したお芝居とか、すごく初歩的なこともわかりやすく丁寧に説明してくださいました。
渡辺:最初は映像の芝居と舞台の芝居の違いなど初歩的なことから教えてもらいました。あとはセリフと動きのタイミングなど、細かい部分まで見てくださって。本当にたくさんダメ出ししていただきながら今日を迎えた感じです。アドリブが苦手なので、すごく相談したんですけどそこだけは折れてくれなくて。「苦手な奴ほどやらせたくなる」と言われてしまいました。
――本作の名物でもあるウォールフライングの感想はいかがですか?
渡辺:見ているとできそうに感じますが、やってみると本当に大変でした。映像ともリンクしていますし。実はゲネプロに亀梨くんが来てくれていて、「ウォールフライングもっと気合い入れろ!」って言われましたね。
――Jr.の皆さんも頑張っていますね。
森本:光一くん演出になってからはJr.のみんなの方がたくさんステージに立っているので、僕から聞くことも多いです。演出の意図もわかっているし、本当に支えてもらいながらやりましたね。
渡辺:上から目線になってしまうけど、一人ひとりが自立していて華もあって、今のJr.の成長は本当にすごいなと思います。
――鳳さん、紫吹さんとの共演はいかがでしょう。
森本:目が合うと笑ってくれます。僕は何もしてないんですけど(笑)。「こいつは常にふざけている奴だ」と思ってるかもしれないです。なので、僕は実は真面目なんですというのを見せたいと思っています!
渡辺:僕は逆というか、いっぱいいっぱいで緊張しているのが裏では出ているのか、お二人に「大丈夫だから! 堂々としなさい!」とポジティブな喝を入れていただいていますね。
――メンバーから何かメッセージはもらいましたか?
森本:髙地(優吾)から「初日おめでとう。頑張ってね」……以上でした。でも嬉しいですし、収録とかでみんなで集まると「ドリボ楽しみだな」という話をしてくれていたので。特に前回チャンプを演じていた(田中)樹には見てほしい。樹のチャンプとは何もかも違うのが新生『DREAM BOYS』の良さだと思うし、見てもらって「俺のチャンプすごいだろ」ってドヤ顔したいですね。
渡辺:朝、佐久間(大介)からメッセージが来ていたので初日おめでとうかと思ったら「昨日のMステで思ったんだけど、髪伸ばせば?」って。ちょっとイラッとしました(笑)。その後みんなから「かましてこい! 楽しめ!」ってエールをもらいました。やっぱりグループって心強いです。
――最後に、事務所が新体制になったので、改めてファンの皆さんにメッセージをお願いします。
森本:僕も事務所の会見は見ました。複雑ではあります。でも、僕らがステージに立ってできるのは、堂々とお客さんにエンターテインメントを見てもらうこと。それで新体制のジャニーズを応援してもらえるかどうか。この先どうなっていくか正直わかっていないところもありますが、自分にできることはしたいと思っています。皆さんに見ていただき、今後の森本やジャニーズの未来を想像して、安心して応援してもらえるよう、この1ヶ月精一杯頑張ろうと思います。
渡辺:僕も事務所の記者会見を見て、大きな転換期を迎えていると感じます。そんな最中に『DREAM BOYS』が開幕し、こういった状況の中でもお客さんが変わらず劇場に足を運んでくださることに感謝しなきゃいけないと思っています。僕らにできることは、いただいている仕事を全力でこなして、お客さんに楽しんで笑顔になっていただくこと。それが僕らに今できる最善かと思います。結果で新たな未来を構築できたらと思っています。
>(NEXT)ゲネプロレポートを紹介(舞台写真あり)
※以下、ゲネプロレポートおよび舞台写真あり
今回は、ボクシングジムでチャンプのシンタロウが練習生を従えて登場するシーンで歌うナンバー「CHAMPION」、マダム・エマの劇場に匿われたショウタが歌う「光」という新曲が加わったほか、2019年の岸優太&神宮寺勇太による公演以来4年ぶりに客席上のフライングも復活。新たな演出もあり、さらに臨場感と迫力を増したパフォーマンスが繰り広げられる。
渡辺は憂いを帯びた表情が美しく、苦悩を抱きつつ自らの境遇に凛と立ち向かう姿が胸を打つ。どこか寂しそうで儚げな雰囲気が、自然と目を惹く存在感を放っていた。コウキに向ける穏やかな視線や優しい声から本当の兄弟のように生きてきた二人の関係性が伺えて、ひたむきに頑張る彼らを応援したくなる。新曲の「光」は、ショウタの苦しみやチャンプへの友情を率直に紡ぎ、物語にさらなる深みを与えていると感じた。
森本が演じるチャンプは堂々としており迫力満点。余裕とプライドを感じさせる佇まい、久々に対峙するショウタへの態度はチャンピオンとして君臨してきた実力に裏打ちされていることが伺える。新曲の「CHAMPION」では7 MEN 侍らが演じる練習生たちを従えて王者らしい力強さと勇ましさを見せていた。一方で、コウキと会話するシーンなどでは情の深さや温かさをしっかり伝え、厳しいだけではないチャンプの魅力を繊細に描き出している。
新たな主人公とチャンプを支えるカンパニーの安定感も印象的だ。鳳と紫吹は、ショウタたちを見守る大人らしい視線や過去の因縁を匂わせる不穏な空気で物語を引き締める。歌唱では母親のような温かさからしたたかさまで幅広く表現し、物語に華を添えている。
7 MEN 侍による「Walking to the end」、少年忍者の「Make You Wonder」「Knock Out(K.O.)」といったオリジナル曲の歌唱・パフォーマンスのキレもさらにアップ。ボクシングジムでのシーンは強さへの意思をギラギラと見せ、試合の入場時はチームごとのカラーを出してショウタとチャンプを盛り立てている。ダンスやバンド演奏だけでなく、アドリブや芝居で魅せる部分も余裕が感じられて心地良い。ストーリーで重要な役割を担うコウキやレイア(中村嶺亜)はもちろん、他のメンバーも一人ひとりの個性とキャラクターをイキイキと描き出していた。
渡辺と森本により、また新たなイメージに生まれ変わった『DREAM BOYS』。本作は2023年9月9日(土)より28日(木)まで、帝国劇場で上演される。
取材・文・撮影=吉田沙奈
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