フジファブリック、大阪城ホール公演にくるり&ASIAN KUNG-FU GENERATIONの出演が決定

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フジファブリックのデビュー20周年を盛り上げる大阪でのアニバーサリーライブ『フジファブリック20th anniversary 3マンSPECIAL LIVE at OSAKA-JO HALL 2024 「ノンフィクション」』の出演者が決定した。

この20年目のステージにフジファブリックが対バン相手として迎えるのは、くるり、ASIAN KUNG-FU GENERATIONという2組のバンド。フジファブリックを含め、この3組は2000年初期から20年に渡って活動し続けているバンドであり、ライブという表現を中心に邦楽のロックシーンを支え自分たちの音楽や存在意義を証明し続けてきた“生き続けている”ロックバンド。そんな象徴的な3バンドが、2024年11月10日に大阪城ホールへ集う。

また、くるり、ASIAN KUNG-FU GENERATION両アーティストのファンクラブサイトにてチケット先行もスタートしている。

そして、2月28日に発売となるNewアルバム『PORTRAIT』の全曲トレーラーもYouTubeへ公開された。以前「Particle Dreams」のMUSIC VIDEOも手掛けた映像作家のeieiooooと再タッグ。『PORTRAIT』というアルバムタイトルから着想を得た作品となっているとのこと。

 

さらに、アルバム『PORTRAIT』と今年開催される3本のアニバーサリーLIVEとの連動施策も決定。アルバム『PORTRAIT』に封入されるチラシに付属する引換券を3本のアニバーサリーLIVEに持参した人には、会場に設置されている景品引換所で特製プレゼントがもらえるというもの。詳細は封入チラシを確認しよう。

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HEY-SMITHの『Rest In Punk Tour』Final Seriesの対バンにマキシマム ザ ホルモンの出演が決定した。

TVアニメ『東京リベンジャーズ』天竺編エンディング主題歌「Say My Name」を含む11曲入りの最新アルバム『Rest In Punk』を提げた全国ツアー『Rest In Punk Tour』のFinal Seriesが、4月20日Zepp Sapporoからスタート。そのZepp Sapporo公演にはマキシマム ザ ホルモンが出演することが決定した。さらに、ここから毎日残りの対バンを発表していくとのこと。

なお、Final Seriesのオフィシャル最終先行もスタートし、3月3日までの受付となっている。

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3月3日(日)16時30分からNHK総合にて『NHK MUSIC SPECIAL「サザンオールスターズ ~シン・ニッポンの“馬鹿でごめんよ”ライブSP完全版~」』が放送される。

昨年6月デビュー45周年を迎え、新曲の3ヶ月連続配信リリースに、メディア出演、そしてライブと精力的な活動で日本を大きく賑わせたサザンオールスターズ。9月末から10月にかけて4日間にわたり開催した野外ライブ『茅ヶ崎ライブ2023』は全国で27万人を超える動員を記録し大きな話題を集めたが、今年3月20日(水)にLive Blu-ray & DVD『茅ヶ崎ライブ2023』としてパッケージ化されことが発表されると熱が再燃。今、大きな注目を集めている。

そうした中、3月3日(日)16時30分からNHK総合にて特番の放送が決定した(北海道・佐賀県を除く)。番組タイトルは『NHK MUSIC SPECIAL「サザンオールスターズ ~シン・ニッポンの“馬鹿でごめんよ”ライブSP完全版~」』、昨年2か月連続で放送した『サザンオールスターズ45周年特別企画「シン・日本の夏ライブSP!!」』(2023年8月放送)、『サザンオールスターズ特別番組~45年経っても“馬鹿でごめんよ”~』(2023年9月放送)の2つのNHK MUSIC SPECIALを組み合わせた84分に及ぶ豪華完全版になっている。これまでの放送では入りきらなかったライブSPでの未公開カバー曲に加え、桑田佳祐への単独インタビューから初出し部分も新たに追加された永久保存版といえる内容だ。

『茅ヶ崎ライブ2023』の発売に先駆けて、サザンの2023年最高のパフォーマンスを堪能できる番組をお見逃しなく。

 

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東京・南町田グランベリーパーク内にあるスヌーピーミュージアムが、2024年2月1日(木)にリニューアルオープンした。

スヌーピーミュージアムは2016年4月、東京・六本木にオープン。その後、2019年12月に現在の南町田グランベリーパークへと移転し、これまでの約4年半、多くの来場者を楽しませてきた。今回は移転オープンして初めての大規模なリニューアルとなり、館内に多数の展示物が追加。またミュージアムショップ「ブラウンズストア」では165点以上の新商品が加わり、より一層充実した品揃えをみせる。

事前に発表されていたリニューアル後の展示の目玉は、大きく分けて下記の4つ。実際にどのようなエリアに生まれ変わったのか、館内を見ていこう。

エントランスからリニューアルの連続

えっ? エントランスに……

えっ? エントランスに……

まず、ミュージアムに到着してからすぐにひとつめのポイントを発見。エントランスに、大きく口を開けたスヌーピーの姿が。この「いざスヌーピーの中へ。」は、その名の通り、この巨大なスヌーピーの口の中を通る入り口だったのだ。「エントランス・スヌーピー」より、いざ、ミュージアムへ!

コンセプトを考えたのはアートディレクターの祖父江慎氏。口をあんぐりと開けたスヌーピーは、1960年に描かれた実際にあるコミックから顔を抜き出し、正確に3D化したそうだ。ミュージアムに到着早々、パクリとスヌーピーに食べられちゃう仕掛けとは……。なんだか斬新だ。

「エントランス・スヌーピー」

「エントランス・スヌーピー」

そうして口の中を通って入場してすぐ、ふたつめのポイントが登場。エントランスを抜けた館内の天井に、モクモクした雲のような形をしたミラーが吊るされている「世界中が、スヌーピーに夢中。」こと、「ウェルカム・スヌーピー」である。ミラーにはスヌーピーやピーナッツ・ギャングがプリントされていて、雲の上から歓迎してくれているかのよう。我々が到着したのは昼過ぎだったが、大きなガラス窓から館内に差し込む光がミラーに反射してキラキラと明るい。エントランスに陽気さが充満し、あたたかな歓迎ムードがただよってくる。入場して一歩めで、すでに楽しいのだが……!

「ウェルカム・スヌーピー」

「ウェルカム・スヌーピー」

「ウェルカム・スヌーピー」

「ウェルカム・スヌーピー」

スヌーピーミュージアムは1階に入場した後、3階の展示室から鑑賞する順路をとっている。来場者が3階に上がって最初に出会う展示室もまた、今回のリニューアルで一新された目玉のひとつ。スヌーピーのファンの方々から寄贈されたグッズが一面に展示される「スヌーピー・ワンダールーム」だ。

「スヌーピー・ワンダールーム」

「スヌーピー・ワンダールーム」

「スヌーピー・ワンダールーム」

「スヌーピー・ワンダールーム」

このエリアについて、クリエイティブ・ディレクターの草刈大介氏は「ミュージアムというのは、コレクションをお見せるというのもひとつのアイデンティティーです。スヌーピーミュージアムでは、“みんなでつくる、みんなのミュージアム”というコンセプトのもと、スヌーピーファンの皆さんから思い出の品々を寄贈していただき、コレクションを集中させようと考えました」と解説。ここにはぬいぐるみや文房具、衣類やヴィンテージ商品、広告物まで、400人を超える有志から1000点以上の寄贈品が集結し展示されている。

ここは「スヌーピー・ワンダールーム」という名がついているが、それについて面白いエピソードがあるという草刈氏。ギャラリートークに同席していたベンジャミン・L・クラーク氏(シュルツ美術館&リサーチセンターキュレーター)が笑顔で続ける。「今回来日するまで企画書などでこの展示室について理解はしていましたが、初めてここに来て実際に見たとき、“ヴンダーカンマー”というワードがパッと頭に思い浮かんだんです」

「スヌーピー・ワンダールーム」

「スヌーピー・ワンダールーム」

“ヴンダーカンマー”とは、日本語では「驚異の部屋」などと訳され、中世ヨーロッパ時代、君主などが未知の品を発見してコレクションし、それを眺めていた部屋のことをいう。現代の「博物館」の起源にもなっており、実はこれを英語では“ワンダールーム”というのだそうだ。

「今回この“ワンダールーム”はファンの方々と一緒に作り上げたもので、“ヴンダーカンマー”よりもっと良いアイディアだと思います!」と、ベンジャミン氏もお気に入りの様子。シュルツ美術館のスタッフさんもお墨付きの展示エリアが完成!である。

左から:シュルツ美術館&リサーチセンターキュレーターのベンジャミン・L・クラーク氏、クリエイティブ・ディレクターの草刈大介氏

左から:シュルツ美術館&リサーチセンターキュレーターのベンジャミン・L・クラーク氏、クリエイティブ・ディレクターの草刈大介氏

「スヌーピー・ルーム」もリニューアルしました!

そして、リニューアル最後の目玉となる4つめは、大きなスヌーピーのスタチューが並ぶ「スヌーピー・ルーム」だ。

「元々ここは白い空間に6体のスヌーピーが並んでいる、スヌーピーミュージアムのなかでもメインとなる部屋です。スヌーピーのイメージはよく知られていますが、ファンの方々ですら知らないような変わったスヌーピーを立体化させて、あらゆる角度から見られるようにしようと考え、作りました。すやすや眠ったり、おなかでスケートをしていたり、ものまねをしたり。皆さんが見たことのないようなレアなスヌーピーを大きなスタチューにして、プレーンな部屋でお見せしています」(草刈氏)

いつもと変わらない、真っ白な「スヌーピー・ルーム」

いつもと変わらない、真っ白な「スヌーピー・ルーム」

このまっさらなエリアがリニューアル……? 何も変わってないけどな……と思っていたのも束の間、「始まります!」という案内とともに軽快な音楽が流れ出した。

スーッと現れる影

スーッと現れる影

この「ここで五感が踊りだす。」は、これまでの「スヌーピー・ルーム」に映像・光・音楽の演出が追加された約2分間のショー「スヌーピー、覚醒。」である。部屋左奥に立っている1匹のスヌーピーから影が伸びていき、壁をつたって部屋中のスタチューへと移動する。広い部屋に置かれたスタチューのあちこちへと光の演出が移動し、いろんなところでスヌーピーが動き出す……という映像。

あれっ!どっか行った!

あれっ!どっか行った!

広い部屋で縦横無尽に魅せる演出は圧巻。ちなみに、あちこちから出てくるスヌーピーに歓喜しつつも、どこへ移動するのか予測できずに目が追いつかず、初見で呆然としてしまったのはここだけの話。そんな我々(私)の気持ちに気づいたのか、草刈氏から的確なアドバイスをいただいた。

「左奥のスヌーピーを眺めながら、部屋全体を見渡せる中央の位置から見るのがおすすめです」

同時開幕の新企画展『旅するピーナッツ。』

今回のリニューアルにあわせて、新たな企画展もスタート。2024年2月1日(木)から9月1日(日)まで、企画展『旅するピーナッツ。』が開催中である。

新企画展『旅するピーナッツ。』展示風景

新企画展『旅するピーナッツ。』展示風景

新企画展『旅するピーナッツ。』展示風景

新企画展『旅するピーナッツ。』展示風景

企画展はカリフォルニア州サンタローザのシュルツ美術館が所蔵する貴重な原画を中心に構成されており、およそ半年ごとにテーマを変えて開催。今回はスヌーピーやピーナッツ・ギャングが旅を楽しむ様子が描かれた原画など約45点が展示されている。

仲間たちが浜辺で織りなすエピソードが描かれた《孤高のアーチスト、ルーシー》。「このビーチは我々がいるソノマカウンティ(アメリカ・サンタローザ)のビーチにとてもよく似ています。ハワイやマイアミなど(リゾート地の)ビーチではありません(笑)。ソノマカウンティのビーチはヤシの木などはなく、このコミックのように流木が転がっています」(ベンジャミン氏)

「ピーナッツ」原画 1976年7月4日 《孤高のアーチスト、ルーシー》

「ピーナッツ」原画 1976年7月4日 《孤高のアーチスト、ルーシー》

「このコミックには、いくつか驚きの要素があります。ここにパゴダ(仏塔)が見られますが、なんとフレンチフライ(フライドポテト)で作られているんです。これはとっても驚きとユーモアがある作品ですよね。そしてもうひとつ探究心が掻き立てられるのが、この日付です。1976年7月4日。そう、独立記念日なんです。しかも(1776年から)200周年記念という節目となる日で、アメリカでは愛国的なイベントが数多く催されていました。にも関わらず、シュルツ氏はここで星条旗を描くこともしていないのです。不思議ですよね。もしかしたら内向的ではなく、もっと外向的なことを描いているのかもしれません。とても興味深く、今後も研究していきたいと思える作品です」

「ピーナッツ」原画 1998年2月16日 《方向音痴たちの旅、はじまる》

「ピーナッツ」原画 1998年2月16日 《方向音痴たちの旅、はじまる》

もう一点、アンディとオラフが描かれた《方向音痴たちの旅、はじまる》。「アンディとオラフは方向音痴で有名な2人組です。それでもいろんなところに行きます。このエピソードでは、迷いながらも進んだ結果、北極に行ってしまい、イグルー(雪の家)のある場所まで到達してしまいます。ちなみに他のキャラクターはここまで遠くへと旅をしたことがありません」

「曲がり角を間違えたと思うよ…」とコメントがなんとも切ない。

新企画展『旅するピーナッツ。』展示風景

新企画展『旅するピーナッツ。』展示風景

ちなみに、アンディとオラフは『ピーナッツ』のなかでも比較的新しいキャラクターなのだとか。特にアンディは、シュルツさんが里子にもらったフォックステリアがモデルになったと言われているそう。会場にはシュルツさんとアンディを収めた写真も展示されていて、そのアンディがまた愛らしい。

カフェも、グッズも、リニューアルづくし!

スヌーピーミュージアムの忘れては行けないお楽しみといえば……。そう、ミュージアムショップ! なんと今回のリニューアルに合わせて、「ブラウンズストア」の品揃えも大幅にバージョンアップ。ぬいぐるみやフィギュアをはじめ、ステーショナリーやお菓子、アパレルなど165点もの新商品が追加された。ちょっと大盤振る舞いすぎるのでは……?

アクリルスタンド、買って帰りました

アクリルスタンド、買って帰りました

あちこちに「NEW!」のフラッグが

あちこちに「NEW!」のフラッグが

充実の品揃えは次から次へと目移りしてしまい、あれもこれもと悩んでしまう。ここで、これから来場する皆様に忠告です。グッズを物色しているだけであっというまに時間が過ぎていくので、帰りの電車の時間にご注意を!

ずらりと並んだ新商品たち

ずらりと並んだ新商品たち

なんと、リニューアルはこれだけでは終わらない。隣接している「ピーナッツ カフェ」も進化を遂げている。カフェではグランドメニューが新しくなり、企画展と連動したメニューや限定グッズも用意されているとのこと。グッズのラインナップやカフェのメニューは公式サイトにもお知らせされているので、そちらで予習してから現地へ向かうのをおすすめしたい。

スヌーピーの“RARF RARF”パンケーキ 1,496円(税込)

スヌーピーの“RARF RARF”パンケーキ 1,496円(税込)

【企画展連動メニュー】BackPack in フェイバリットココア 1,034円(税込)

【企画展連動メニュー】BackPack in フェイバリットココア 1,034円(税込)

ビーグル・スカウトのキッズプレート 1,210円(税込)

ビーグル・スカウトのキッズプレート 1,210円(税込)

ペパーミント パティのチョコミントミルクセーキ 990円(税込)

ペパーミント パティのチョコミントミルクセーキ 990円(税込)

移転オープンから4年半を迎えてのリニューアルは、展示も、グッズも、カフェもと盛りだくさん。初めて行く方はもちろん、これまで行ったことがある方にとっても、新しい発見とワクワクが待っているはず。さあ、いざ、スヌーピーミュージアムへ!

(C) 2024 Peanuts Worldwide LLC
文・撮影=SPICE編集部

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富士山の麓でキャンプをしながら音楽を楽しむ『It’s a beautiful day~Camp in ASAGIRI JAM』(以下、朝霧JAM)が、2024年も開催されることが本日2月23日の「富士山の日」に発表となった。

『朝霧JAM』は、富士山が初冠雪となり、夕暮れ時には美しい赤富士が観られる時期に、富士山という素晴らしい山、そして酪農家の皆さんが築いた美しい緑の朝霧高原に敬意を払いながら、太陽と月の軌道に音楽をのせ、みんなで楽しく飲んで踊って遊べるフェスティバル。オールナイトで夜通し音楽を楽しむのではなく、“CAMP IN”の名の通り、みんながキャンプをしながら音楽を楽しむフェスティバルだ。

Ⓒ 宇宙大使☆スター

Ⓒ 宇宙大使☆スター

Ⓒ 宇宙大使☆スター

Ⓒ 宇宙大使☆スター

21回目の開催となる『朝霧JAM'24』は、10月12日(土)、13日(日)に富士山麓 朝霧アリーナで開催。14日(月)は祝日なので、目いっぱい『朝霧JAM'24』を楽しんだ後は、ゆっくりお休みをするなど予定を立てやすい人も多いのではないだろうか。

なお、出演者、チケットなどの詳細は、後日発表される。

Ⓒ 宇宙大使☆スター

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Ⓒ 宇宙大使☆スター

Ⓒ 宇宙大使☆スター

 

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テレビシリーズ『ウルトラマンブレーザー』の劇場映画『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』が2月23日(金・祝)より劇場公開される。ウルトラマンブレーザーに変身するヒルマ ゲント隊長率いる特殊怪獣対応分遣隊SKaRDの隊員たちが、シリーズ最大の敵・妖骸魔獣ゴンギルガンとの戦いを繰り広げる。決戦の舞台は、首都・東京。VFX技術駆使した演出に加え、首都の象徴である「国会議事堂」を精密に再現し、手に汗握るクライマックスを大スクリーンで描き出される。
今回はSKaRDの隊員である、アオベエミを演じた搗宮姫奈、ミナミアンリ役の内藤好美、バンドウヤスノブ役の梶原颯に話を伺った。『ウルトラマンブレーザー』という作品を通じて結ばれた特別な絆とは。

(c)円谷プロ(c)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

(c)円谷プロ(c)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

――テレビシリーズの放送を経て、いよいよ劇場映画が公開されます。『ウルトラマンブレーザー』はみなさんにとってどのような作品になりましたか?

梶原:間違いなく、俳優として1段階も2段階も成長させてもらったかけがえのない作品です。一番成長を感じているところは…どこかな。言ってもらっていいですか(笑)。

搗宮:最初の印象はすごく勢いのある男の子がいるなって。テンションも高いし、すごく自信満々な感じがして。でも初回の読み合わせでイントネーションをめちゃくちゃ指摘されて、ボコボコにされて…(笑)。シュンとして縮こまってしまったけれど、途中で大爆発をしたタイミングがあって。

梶原:ボコボコにされた! 大爆発ってどこのタイミングかな?

搗宮:幻視怪獣モグージョン、おはぎの回!

梶原:第16話だね。あれは自分でも殻を破ったという実感があります。

内藤:結構、隊長(演:蕨野友也)と副隊長(演:伊藤祐輝)からいろいろとアドバイスをしてもらえることが多いけれど、アドバイスをもらうたびにヤス(梶原)くんはシュンとなって。そこから「よし、頑張るぞ!」ってなるのを繰り返していた印象があるかな。

(c)円谷プロ(c)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

(c)円谷プロ(c)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

搗宮:シュンとして頑張って立ち直るみたいな。でも、本当に頑張ってた。ずっと見てたから分かる!

梶原:二人が近くにいて「大丈夫、行ける!」と助けてくれたからやり遂げることができました。本当に感謝しかないです。

内藤:成長したよね。どこかに行く時もちゃんと報告できるようになったし…。

搗宮:あははは。役とリンクしてる!

梶原:でも、確かにそれはあるなって自分でも思います。『ウルトラマンブレーザー』に出たことが自信になっているのは、日々実感していて。オーディションで「これまでにどんな作品をやってきましたか?」と訊かれて「ウルトラマンです!」って胸を張って答えられるというか。

搗宮:分かる! すごく自信になったよね。

撮影:タナカシノブ

撮影:タナカシノブ

内藤:私も連ドラに出るのは『ウルトラマンブレーザー』が初めてだったので、長い撮影期間を経て本当に作品とともに成長させてもらえたなというところがすごくあります。場数を踏んだことで、いろいろな面で成長させてもらえたなって。なにより、生涯仲がいいだろうなって思えるSKaRDメンバーに出会えたこともすごく大きいかな。

搗宮:本当にそう思う!

梶原:ですよね、本当に。

内藤:隊長と副隊長が先生のようで、私たち三人が作品と同じような感じでワチャワチャしていて、本当に学校みたいな感じ(笑)。いいバランスだし、このチームワークは一生ものだと思います。

搗宮:私も20代後半になって特に姉さん(内藤)に出会えたのが本当に嬉しくて。

梶原:え? 僕は?

搗宮:まずは姉さんについて言わせて(笑)。撮影はもう1年以上前に終わっているけれど、今でも日常で何かあると、ほんの些細なことさえも「話したい、連絡したい」って思うし、元気出ないなって思うとヤスの顔が浮かぶようになっていて。

梶原:よかったー!

内藤:ヤスと話すと本当に元気が出る。SKaRDの一輪の花だしね(笑)。

(c)円谷プロ(c)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

(c)円谷プロ(c)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

梶原:それ、誰が言ったんだっけ?

内藤:副隊長。

梶原:何の花なのかなぁ。

搗宮:ひまわりっぽい。

内藤:確かに! 太陽みたいな明るさあるよね。

梶原:光合成してグングン伸びたし…

搗宮:そういう時々「?」ってなる発言をする癒しキャラだよね。

内藤:だよね。でも、本当に今振り返っても私は二人に支えられたなって思います。すごく緊張しいで、現場でガチガチになって、撮影開始直前までずっとブツブツセリフの練習をしていると、二人が和ませてくれる。本当に助かったなって。隊長&副隊長には言えないことでも二人になら言える!

搗宮:あははは。

内藤:歳が近いっていうのもあったかもだけど、割とすぐに仲良くなったよね。

搗宮姫奈 撮影:タナカシノブ

搗宮姫奈 撮影:タナカシノブ

――蕨野さんと搗宮さんのインタビューの際には、蕨野さんがSKaRDメンバーを招集しがちというお話が出ていましたが…。

搗宮:SKaRDメンバーは本当によく集まっていました。仲良くなれるようにご飯会をセッティングしてくれるのですが、そこで喋るのは主に隊長と副隊長。私たち三人は聞き役みたいな感じで、帰りに「あの時、どう思った?」みたいに話すのが定番というか…。

内藤:二人の熱弁を聞いて、みんなで噛み砕き合うみたいな(笑)。ヤスくんは難しい話になると「ちょっと難しいかもしれない…」とかって静かになって…。

梶原:バランスを考えて喋らなかったの! ちゃんと内容は理解してたから。

搗宮・内藤:本当に?

梶原:夜遅くまで盛り上がると、明日朝早いからって帰ろうとしたことはよくあるけれど(笑)。

搗宮:「明日、朝早いんで」っていうセリフはよく聞いたかも!

梶原:僕、シンデレラなので(笑)。夜遅くなると魔法が解けちゃうんです。

搗宮:はいはい(笑)。

(c)円谷プロ(c)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

(c)円谷プロ(c)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

内藤:エミちゃん(搗宮)は、後半は自分のビジネスもあったりして、すごく忙しい中で(撮影を)やっていたので、本当に大変そうだなって思いながら見ていて…。

搗宮:二人には本当に支えられました。文字通りかけがえのない作品に出会えたって思っています。それこそ撮影が終わって世界一周しているときに、ベトナムで「アオベエミさんですよね?」って声をかけられたり、アメリカで「エミちゃんだ!」って人がたくさん集まってきたりして。”ウルトラマンシリーズ”の偉大さを実感しました。10年くらい役者の仕事をやってきた私にとっては一つの集大成のような作品。自信を持って取り組めたし、この経験を武器に次のステージに行けるように頑張りたいという気持ちです。

梶原:海外でそういう反応、僕もされたいなぁ…。

(c)円谷プロ(c)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

(c)円谷プロ(c)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

搗宮:ヤスくんは自分から言いそう。『ウルトラマンブレーザー』に出てます、SKaRDメンバーですって(笑)。

梶原:作品のTシャツとか着て歩くかも。

内藤:SKaRDの制服は? 売ってるらしいから、買って着たらいいんじゃない?

梶原:いや、Tシャツくらいがいいと思う。

搗宮:そう? 面白そうだから今度みんなで着て歩いてみる?

内藤:写真とか撮られるかな?

梶原:やる? 恥ずかしくない?

内藤:「私服です」ってなりきっちゃえばいいんじゃない?

搗宮:いいね!

――登場人物ひとりひとりにしっかりフォーカスして丁寧に描いているところも『ウルトラマンブレーザー』の魅力です。劇場映画でも胸アツなシーンはたくさんありましたが、撮影で印象に残っていることは?

内藤好美 撮影:タナカシノブ

内藤好美 撮影:タナカシノブ

内藤:エミちゃんを置いていくという指示が出た時はグッときました。

搗宮:それぞれの場所で自分の役割を果たす。あのシーンの撮影はエミちゃんとしても搗宮姫奈としても「この作品を支えているのは私だ!」くらいの強い気持ちで挑みました。めちゃくちゃ緊張したけれど…。

梶原:あれは緊張する!

搗宮:ベテランのみなさんの前で堂々と宣言するのは、手がプルプル震えるほど緊張して。でも、たくさん褒めてくださったので、やってよかったなって思ったシーンです。

――ウルトラマンが頑張れば勝てるではなく、各々の役割を果たしながら、それぞれの場所で戦うというのは、チーム感があって盛り上がりますよね。

搗宮:まさに!私は映画で初めてグリーンバック撮影を経験したことも印象深くて。

梶原:撮影はかなり大変そうだったよね。

搗宮:一緒に飛んだよね?テレビシリーズの第1話で隊長がやっていたのを見て、どうやって撮影しているのかすごく気になっていて。吊るされるんだ…って思いながら、撮影しました。

内藤:すごく時間かかってたよね。ちょっと動かして、撮影しての繰り返しで。

梶原:エミだけ吊られて、僕は吊ってもらえなくて…。

搗宮:そうだった!

梶原:いいなって思いながら肩車してた。

搗宮:私だけ、ごめんね(笑)。心の中はキャッキャしてたかも。そういうシーンの撮影じゃないのに。

内藤:虫嫌いのアンリ(内藤)としては、映画でとんでもない数の幼体が出てきたところをエミちゃんに助けられるというのが一番のお気に入りポイントです。

搗宮:わー、うれしい。

内藤:助けてくれて、ありがとう(ハグ)

梶原:なんかまた二人だけで仲良くしてる!

搗宮&内藤:やきもちだー(笑)。

(c)円谷プロ(c)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

(c)円谷プロ(c)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

梶原:僕は、基本アースガロンに乗っているからコックピットでの撮影がメイン。でも映画では、幼体をやっつけるシーンでみんなと一緒に戦っている感じを味わえて、すごくいい思い出になりました。

搗宮:すごくかっこいいシーンだし、撮影も大変だったのに、映像としてはあっさり終わっちゃうんだなって思わなかった?

内藤:確かに!

搗宮:ワンカットってそういうものなんだけど、私たちがめちゃくちゃ頑張って撮影したんだなって思いながらじっくり観て欲しいです(笑)。あとはエミの覚悟が見えるシーンかな。エミは弱いところを見せたくないタイプ。でも、今は、その弱さがポロっと出てしまっても、隣にはチームの仲間がいる。だから踏み出せると覚悟を決めたシーンは絶対に観て欲しいです。

梶原:名シーンになったと思う!

搗宮:ありがとう。でも、本当にかっこいいよね。

内藤:決め台詞もあるし。

搗宮:内容は言えないから、劇場で確かめて欲しいです!

――焼肉のシーンもSKaRDらしさが出ていていいなって思いました。

梶原颯 撮影:タナカシノブ

梶原颯 撮影:タナカシノブ

内藤:みんな私服姿ですごく新鮮だった!

梶原:普通にご飯食べた記憶(笑)。美味しそうなお肉だったから、口いっぱいに頬張ってセリフを言えなくなったり…

内藤:みんなのご飯てんこ盛りだったしね(笑)。

梶原:楽しかった。またみんなで食べたいね。

搗宮:懐かしい感じもするけれど、しょっちゅうメンバーで話しているから、1年前に撮影が終わったとは思えなくて。

内藤:テレビシリーズ放送中は最新話放送後にSNSの反応を見て「こんなのあったよー!」ってLINEグループに送ってたし。

搗宮:あれ、すごくありがたかった。

梶原:ファンのみなさんの反応が本当にうれしくて。かわいいイラストを添えて感想を投稿してくれたり。

内藤:撮影が終わってもそういう情報を共有してるから、LINEグループは常に稼働してるし。

搗宮:コミュニケーション取りながら思い出話をするという関係は続いているし、これからもずっと続いていく気がするよね。

(c)円谷プロ(c)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

(c)円谷プロ(c)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

――素敵な絆です。では最後に、『ウルトラマンブレーザー』ファンのみなさんにメッセージをお願いします!

梶原:映画で作品は一旦一区切りですが、SKaRDはこれからも僕たちの中で続いていきます。あれ? なんか二人、笑ってない?

内藤:この前も同じようなコメントをしてたから…。

搗宮:してた。でも、まあ、思いは一緒だから、いいよ、それで。

内藤:私はこれからもSKaRDとして活動していく気満々です。SKaRDメンバ−として『ウルトラマンブレーザー』の楽しさを伝えていけるように頑張るので、映画を含めて引き続き応援をよろしくお願いいたします。

搗宮:劇場映画は親子の物語が描かれます。親子で観た後には、すべてをさらけ出していろいろな話をして欲しいです。この作品を親子のコミュニケーションツールにしていただけたらなって思います。

内藤:コミュニケーションは『ウルトラマンブレーザー』のテーマだからね。

梶原:本編よりパワーアップした映画を大きなスクリーンで楽しんでください。

内藤:え? ヤスくん最後締めちゃってるの?

搗宮:こういうとこなのよ。すぐ最後に持っていくの!

梶原:さっきの僕のコメントがいまいちやったから…。

搗宮:映画もそうやっていいところ持って行ってたよね?

内藤:確かに。持って行ってた!

梶原:あははは、ごめんなさい(笑)。

撮影:タナカシノブ

撮影:タナカシノブ

取材・文・撮影:タナカシノブ

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斉藤和義がこれまでにリリースしたベスト・アルバム『歌うたい15 SINGLES BEST 1993〜2007』『歌うたい25 SINGLES BEST 2008〜2017』の2作が、Apple Musicのドルビーアトモスによる空間オーディオで本日・2月23日より独占配信がスタートした。

空間オーディオとは、音楽や映画、ビデオの音声を映画館のような臨場感あるサウンドで再現し、まるで全方位から音に包み込まれるかのようなサウンド体験を提供するもの。

今回空間オーディオにて配信となったのは、デビュー曲「僕の見たビートルズはTVの中」から「歩いて帰ろう」「歌うたいのバラッド」「ウエディング・ソング」などのヒット曲を網羅した2008年のデビュー15周年を記念してリリースの『歌うたい15 SINGLES BEST 1993〜2007』と、大ヒットシングル「やさしくなりたい」「ずっと好きだった」や「月光」「メトロに乗って」といった名曲の数々が詰まった2018年に25周年を記念してリリースの『歌うたい25 SINGLES BEST 2008〜2017』の2つのベストアルバム。

Apple Musicのサブスクリプションの登録者は、追加費用なしで、これらの楽曲をドルビーアトモスによる空間オーディオで聴くことができる。
*AppleおよびApple Musicは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の登録商標。

『歌うたい15 SINGLES BEST 1993〜2007』

『歌うたい15 SINGLES BEST 1993〜2007』

『歌うたい25 SINGLES BEST 2008〜2017』

『歌うたい25 SINGLES BEST 2008〜2017』

3月27日にはデビュー30周年を記念し2023年8月より全10公演を行った『KAZUYOSHI SAITO 30th Anniversary Live 1993-2023 30<31 ~これからもヨロチクビーム~』のツアーファイナル東京・国際フォーラム公演を完全コンプリートした映像及び音源作品のリリースも決定している。

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日本人の父、中国人の母を持ち、多国籍な音楽が常に流れる家庭環境の中で自然と音楽に魅力を感じて育ったというkrage(クラゲ)。現在放送中のTVアニメ『天官賜福 貮』日本語吹替版のED曲「春想」、TVアニメ『俺だけレベルアップな件』のEDテーマ「request」を2月28日に同時リリースする彼女に、新曲のこと、アーティスト名の由来、創作活動への想いを訊いた。

──そもそもkrageというお名前はどういったところからつけたんですか?

本名が、漢字で海月と書いて“みつき”なんですよ。なので、小さい頃から“くらげちゃん”ってあだ名で呼ばれていて。そこから取りました。

──ご自身でも好きな名前だったりします?

好きです。母が中国人なんですけど、出身が海南島というところで、言ってみたらハワイみたいな感じというか。ベトナムのすぐ横にある離島なので、暖かくて、海の透明度が高くて綺麗なんです。それで、海の上に浮かぶ月のように、綺麗で広くて大きな心を持った子になってほしい、みたいな願いから“海月”ってつけたんですけど。なんで父の家系の人は誰もツッコまなかったんだろう?とは思いつつ(笑)、気に入ってますね。漢字が綺麗なので。

──お母様の地元には行かれたことはあるんですか?

3、4年に1回ぐらいは行っていたんですけど、コロナがあってからはまだ1回も行けていないので、そろそろ行きたいです。海南島出身の芸能人はあまりいないらしくて。みんな地元が好きすぎて、あまり外に出ないみたいで(笑)。だから、これから音楽で繋げられたらいいなと思ってます。 

──幼少の頃からご両親の影響でピアノを始められたそうですが、いわゆる音楽家系だったんですか?

というよりは、クリエイター家系っていうんですかね。父が元々ベーシストで、今はゲームのプロデューサーをやっていて。母は元々ジュエリーデザイナーで指輪を作っていたので、普通の仕事というよりは、何かを作る家系でした。あと親戚に、有名ではないんですけどオペラ歌手がいたりとか、ちょっと特殊な仕事の人が多くて。そういった中で、何か習い事をやりましょうとなったときに選んだのが、ピアノと英語でした。最初は歌にあまり興味がなかったんです。

──そうだったんですね。

シングルマザーで、母のところで育ったんですけど、家では中国のドラマや映画の主題歌を集めたCDがずっと流れていて。J-POPにはまったく触れてこなかったんですけど、中学2年生のときにレディ・ガガさんとかケイティ・ペリーさんとか、洋楽の女性歌手が大ブームだったんです。それで、レディ・ガガさんのライブの弾き語り映像を観て、英語だし、ピアノだし、やってみようかなって、ちょっと興味が湧いて真似をしたことが、歌を始めた最初でした。

──歌には興味がなかったけど、ピアノは好きではあったんですか?

ピアノが好きというか、実は歌が苦手だったんです(笑)。全然歌ったこともなかったし、日本語の曲も分からないし、カラオケにもあまり行ったこともなくて。小学校や中学校で、合唱コンクールってあるじゃないですか。合唱したくないがゆえに、3年間伴奏をしたんです。歌よりピアノがその時は興味があったので。

──苦手だった歌を歌ってみてどんな感覚になりました?

最初は人には聴かせていなかったんですけど、初めて親族の前で歌ったとき、母が反応してきたんですよ。“意外と上手くない?”みたいな。そこで“私って歌えるんだ”みたいな気付きを初めて得て。そこから友達とかも“そんなに歌えるんだ?”みたいな感じで、ザワザワし始めて。自分では全然自覚がなかったんですけど、そんなに言われるんだったら歌もちゃんとやってみるかと思って、バンドをやったり、DTMをやったり、いろいろ手をつけ始めました。

──ご出身は北海道ですよね。

はい、札幌です。

──最初は札幌で活動していたんですか?

そうですね。デビューしてからも半年ぐらいは札幌にいました。

──バンドをやっていたそうですが、始めたきっかけというと?

高校生のときに、ピアノの弾き語り動画をSNSにちょっとあげたりしてたんです。それを見たソニーの新人開発の方が声をかけてくださったんですけど、それと同時期に、4、5歳ぐらい上の人たちから“俺らのバンドでボーカルやらない?”っていう話が来て。そのことを新人開発の方に話したら、“バンドで契約してもいいよ”と言われて、そこから4年ぐらいやってましたね。ギターボーカルで、王道のJ-ROCKみたいな感じの曲でした。

──音楽のために何かをすることに関しては、あまり苦労を感じない?

ギターを始めるときはちょっと抵抗があったんですけど、ピアノをやっているからナシではないかって(笑)。やっぱり音楽をやっているということがアイデンティティではあったので、挑戦してみることに抵抗はなかったです。

──ちなみに、音楽以外で好きなものというと?

いまつけているネイルも自分でやってるんですけど。あとはアクセサリーとか、普段から結構凝ったものを自分で作ったりしますね。髪もブリーチして自分で染めていて、エクステも自分でつけてるんですよ。なので、DIY系は一通り、わりと人並み以上にできます。

──確実に人並み以上だと思います。

美術部だったのもあって、昔から何かを作るのが好きでしたね。そこは両親のこととも繋がっているんですけど、普通の仕事というよりも、何かを作る方が向いているんだなっていうのは昔から感じていました。気が付いたら全部の趣味が、手先を器用に使う系になっていました。小学3年生ぐらいからネイルをやったり、裁縫も小学生のときに編み物とかミシンとか刺繍とか、結構マスターしちゃって。多分、今でもやれと言われたらできると思います。

──すごいですね。

アクセサリーを作る工具も、ネイルの工具もあるので、最近家がちょっと狭くなってきました(笑)。

──はははは(笑)。音楽に関しては、DTMもやられていたとのことですが。

ビートを作るのはまだやったことがないんですけど、宅録してMIXしたりはある程度、自分でできます。音楽を作るときは、発注したビートとか、フリーのトラックを引っ張ってきて、そこにメロディを乗せることが多いですね。

■普段の生活では素直に語れない分、寝る前の瞑想中の自分が代弁してくれている感じがあって、年々キツい言葉が引用されたりしてますね。

──歌詞を書き始めたのはいつ頃でした?

バンドをやっていたときに書いたのが最初で、それまでは全然書いたことなかったです。

──歌詞を書くという行為に関して、昔と変わらない部分や変わった部分はあります?

昔から変わっていないところは……本音を語れないタイプなので、小さい頃から携帯のメモに、ムカついたこととか悲しかったこととか、その日に思ったことを、寝る前の意識がボーっとしている状態のときに書いていたんです。で、朝起きて“こんなこと思ってたの……?”みたいな衝撃を受けるというのをずっと繰り返しているんですけど。いざ歌詞を書くときは、そのメモから引っ張ってきてます。バンドのときは、メンバーとかいろいろな人の意向も入っちゃってるんですけど、年々自分のインサイドな部分を引き出せていると思います。メモにも、小さい頃に比べたらだいぶすごいことを書いてたりして。

──すごいこと?

寝る前じゃないと思いつかないことというか。「金持ちも貧乏人も等しく恋愛に悩む」とか、普段生活していてあんまり思わないことを書いていたりしますね。「人間だからしょうがないよね」とか。たぶん何かあったんだろうなって(笑)。

──確実に何かあった言葉ですね(笑)。

はははは(笑)。普段の生活では素直に語れない分、寝る前の瞑想中の自分が代弁してくれている感じがあって、年々キツい言葉が引用されたりしてますね。

 

──僕、「東京Longing」の歌詞がすごく好きで。あの曲は上京したときの心境を書かれていると思うんですが。

そうです、上京した後に作りました。

──孤独感や未来への漠然とした不安が綴られた歌詞と、アンビエントR&Bなトラックのマッチングもいいし、すごく素敵な曲ですね。

ありがとうございます。私は、歌詞に嘘を書けないタイプなんです。歌うときに歌詞に感情移入をしやすいタイプなので、自分が思ってもいないことを書いてしまったら気持ちが入らないので。なので、私としては本当のことを書いているし、「東京Longing」は、上京して思った本当のことをそのまま書いてるので、同じような心境だった人とか、新生活の時期に出していたので、先のことが不安な人にはめちゃくちゃ届いたんじゃないかなと思います。

──あと、krageさんは、日本語と英語と中国語を使い分けて歌詞を書かれていますけど、それぞれの言語を選ぶのはどんな瞬間なんですか?

いつもメロディから考えるんですけど、日本語だと素直に伝わりすぎてちょっと恥ずかしいところを、別の言語に変えてフィルターをかけたりとか。あと、どうしてもメロディ的に日本語だとのっぺりしちゃうところは、パッと思いついたフレーズ的にハマりがいいほうを採用してます。歌詞が大事なのはもちろんですけど、聴いていて変に引っ掛かってしまうのは嫌だし、リズムを意識して作っているので。

──そのなかでも、英語と中国語が向いている場面ってあったりします?

中国語は同音異義語がすごく多いので、狙わなくても韻を踏めるというか。ひとつの漢字に対して四声で区別するので、無理やり合わせなくても、思った気持ちそのままでハマりがよかったりするので、同じフレーズが繰り返されるところに使ったりしますね。英語は、それこそ伝わりすぎると恥ずかしい部分とか、メロディが続くところは、英語で言ったらカッコいいかなって(笑)。

──(笑)。なるほど。

個人的な印象なんですけど、日本語って母音と子音がびったりくっついているから、速く歌うときにはっきり発音するとカクカクしちゃうんですよ。そこをはっきり発音せずに歌う方法もあるんですけど、私としては、日本語は日本語としてしっかり聴き取れるものにしたいんですよね。なので、めちゃくちゃ早く言葉を詰め込まなきゃいけないところは、英語か中国語でいい感じにすることが多いです。

 

──お話を聞いていて、改めて気になったのが「Xu」という曲で。日本語も英語も中国語もあって、それこそ本音を濁しながら書いた曲だと思うんですけど。

そうですね。

──ああいったネガティブな感情も、これが本音ではあるから書いてしまおうと。

基本的にはポジティブな人間ではないんです。ネガティブ思考だし、最初に出てくるのは暗いワードが多いんですよ。「Xu」に関しては、結構刺々しいというか。だいぶ尖っていた時期に書いていたのかなと思います(笑)。

──ただ、濁してはいるかもしれないけど、それでも生々しい葛藤が伝わってきて、すごくよかったですよ。

ありがとうございます。 

 

──では、ここからは2月28日に2作同時でリリースされるシングル「春想」と「request」のお話に行こうと思います。「春想」はアニメ『天官賜福 貮』、「request」はアニメ『俺だけレベルアップな件』(「俺レベ」)と、どちらも今期放送されているアニメのエンディングテーマになっていて。ワンクールに2作同時で担当するというのは、いろいろなタイミングもあったと思いますが、そのお話を聞いたときにどう思われました?

そんなことがあっていいのか……!って(笑)。新人の私でいいんですか? 大丈夫ですか? って。最初はそう思ったんですけど。ただ、似たような作品ではないんですよね。自分と親和性のある中華系の『天官賜福 貮』と、新境地というか、私がまだ一度も踏み入れたことのないジャンルの『俺レベ』だったので、全然違う作品のエンディングを2つ同時にやるというのは、すごく大きな出来事というか。どちらの層にもアプローチできるから、ありがたいことだなと思いました。

──まずは『天官賜福 貮』のED曲「春想」からお聞きできればと。柔らかな雰囲気がありつつも切なさがあって、壮大なスロウナンバーになっていますね。

壮大でありたいけれど、心にすっと入ってくるようなメロディーがいいなと思ってました。作曲された方(福島章嗣)は、日本人の方なんですけど、マカオ在住らしくて。なので、中華圏の曲の雰囲気を知っているのか、元々中国の音楽を聴いていた私からすると、中国にもありそうな曲というか、向こうの人も受け入れてくれそうな感じがしたので、めちゃくちゃいいなと思いました。

──歌詞はkrageさんが書かれていますね。

はい。日本語版と中国語字幕版の1期を見て、小説も読んで、とにかくまず世界観を頭に入れることから始めたんですけど、内容が結構難しいんですよね。作品の内容がものすごく壮大で、出てくる用語も結構難易度の高いものが多かったりして。たとえば、“長明燈”とか“銀の蝶”とか、作品に関係するものを入れて、雰囲気ソングにするのもありかなと思ったんですけど、やっぱりこの作品で一番大きいのは、800年その人を思い続けたという気持ちの部分であって。そこに完全にフォーカスしたほうが伝わるんじゃないかなと思って、あえてシンプルに、気持ちだけを前面に出した歌詞にしました。

──歌ってみていかがでした? Aメロとかかなり低いですよね。

〈長い夢から覚めないのでしょう〉というところが一番低いんですけど、ここは2つぐらいパターンがあって。出るけど籠って聴こえるから、新しいパターンを考えてくださって、今のメロディになったりとか。結構試行錯誤した曲ですね。暗い夜更けみたいな状態から、サビで気持ちがさらに募っていくというか、進むにつれて、感動のゲージが高まってくるような曲にできたと思います。

──そもそもの話ですが、krageさんってアニメは結構好きですか?

はい。私が見始めたときは、中華系はそこまでなかったんですけれど、それこそ『俺レベ』の劇伴をやられている澤野(弘之)さんの曲が好きなので、担当されている『ガンダム(シリーズ)』だったり、『ギルティクラウン』、『甲鉄城のカバネリ』、『進撃の巨人』とか、その辺りは全部見てます。基本的にはファンタジーとか、テーマが重たい作品ばっかり見てますね。『Re:ゼロから始める異世界生活』とか、最近だと『葬送のフリーレン』とか『薬屋のひとりごと』とか。本当にたまに味変で、『この素晴らしい世界に祝福を!』とか『はたらく細胞』を見ます(笑)。重すぎると気持ちが引っ張られちゃうので。

──何も考えずに観たい!っていう。

そうです(笑)。最近は『マッシュル-MASHLE-』も好きです。痛快系なので。

 

■憧れの存在なので、がっかりされたくなくてちょっとカッコつけて歌いそうになっちゃったりしたんですけど(笑)、いや、そうじゃないんだよなって。

──話を戻しまして、もう1曲の『俺レベ』のED曲「request」について。こちらは凛として時雨のTKさんがプロデュースされていますが、それこそkrageさんは、「unravel」(TK from 凛として時雨)のカバー動画で注目を集めた経緯があるわけですけども。

私の中で好きなアーティストのツートップが、澤野さんとTKさんなんですよ。それで、まず澤野さんが『俺レベ』の劇伴をやられているという情報を聞いて驚いたんですけど。TKさんが曲を書いてくださるとなったときに、もう衝撃が大きすぎて言葉を失ってしまって。それこそJ-POPを全然聴いてこなかった私が、ほぼ初めて日本語の曲に触れたのが中学2年生のときで、『東京喰種トーキョーグール』のアニメが始まったんです。当時はアニメも興味なかったんですけれども、友達に勧められて見てみたら、曲がもう衝撃的すぎて。だから「unravel」が、私と日本の音楽とのファーストコンタクトだったんです(笑)。

──また凄まじい曲がファーストコンタクトになりましたね。

そうなんです。展開がものすごくて理解不能なんだけど、こんなにカッコいい曲があるんだ!って。そんな衝撃的なファーストコンタクトをしたアーティストさんが作ってくださった曲を歌う日が来るとは思っていなかったので、最初はドッキリなんじゃないかと思いました(笑)。とにかくもうサプライズが多すぎたので、常に驚きつつ、とにかく目の前のことに一点集中して、必死にやってました。

──「request」は緊迫感のあるアップテンポナンバーですが、歌ってみていかがでした? メロディラインはTK節炸裂といった感じですけども。

まず、めちゃくちゃ難しくて(笑)。最初はサビが2バージョンあったんです。いまよりもうちょっとだけトップノートが高いバージョンと、明るく聴こえるバージョンと。それで、TKさんのスタジオで一緒に制作させていただいたときに、“低い声がカッコいいから、サビは少し低めに始まって、ダークにしてもいいんじゃないかな”という提案をいただいて、このサビになったんですけど、とにかくどこを取ってもカッコいいというか。最初から最後まで全部聴かせどころみたいな曲です。

──まさにですね。

あと、歌詞はもちろん主人公の気持ちを歌ってはいるんですけど、私のネガティブなところとか、葛藤している部分をすごく表してくれてる感じがして。すごい感情移入しやすかったですし、私みたいなちょっとネガティブ気質の人間が歌うことで、より作品に対して感情移入できるんじゃないかっていうのもすごく思いました。

──確かにその親和性はすごくありますね。TKさんとの作業はどうでした?

やっぱり憧れの存在なので、がっかりされたくないっていう気持ちがあったんです。レコーディングのときも、ちょっとカッコつけて歌いそうになっちゃったりしたんですけど(笑)、いや、そうじゃないんだよなって。この曲はとにかくエモさが大事だと思ったので、“すみません、もう1回トライしていいですか?”とか、何回も歌っていたら、TKさんも“いまのエモくていいですよ”と言ってくださったりして。気持ちが爆発してるセクションが多々あるので、良かったかなと思います。

──でも、ただ気持ちを爆発させるだけじゃ歌えない曲というか。

そうなんですよねぇ。仕上がったときのみんなの感想が“この曲、誰がカラオケで歌うんだろうね?”だったので(笑)。

──ぜひ挑戦してもらいたいですね。そして、3月には『1st Live Tour「Welcome to My Tone」』を開催されます。東京、大阪、地元の北海道の3ヶ所を廻られますが、いまはどんな心境ですか? 緊張したりします?

昔から緊張はそんなにしなくて。なんか、変な子供だったんですよ。絶叫マシーンとかホラー系も全然怖くなくて。恐怖とかそういう感情が結構欠落している子供だったので(笑)。バンドで初めてステージに立ったときもあんまり緊張しなかったし、今もそんなに緊張はしないですね。わりとお客さんのことを見ながら歌えるタイプです。

──ちなみに、恐怖の感情が欠落しているkrageさんが怖いものというと?

なんだろう……人?

──まぁ、怖いですよね(笑)。

このあいだちょうどメモに書いたんですけど、「他人のことを知りすぎると疲れるからほどほどに」って(笑)。

──絶対に何かあったじゃないですか(笑)。

はははは(笑)。心を開くまでに時間がかかるタイプではありますね。

──どういうツアーであり、ライブにしたいですか?

ツアータイトルにある『My Tone』は、“私の音色”という意味で。私の楽曲はジャンルが幅広かったりするので、一曲一曲でいろんな表情を見せることによって、krageはこういう一面もあるし、また別の一面もあるんだよっていうのが伝わるといいなと思ってますね。あと、ワンマンが初めてなので、どんなお客さんが来てくれるんだろうと思って。そこもすごく楽しみにしています。

──先ほど、ものを作るのが好きとおっしゃっていましたが、たとえばライブの衣装やセットを作ってみたいとか、そういう願望もあったりします? 実は3月のツアーでそういうものがステージ上で見えたりする構想があったりとか。

私は色へのこだわりが結構強くて。寒色が好きなんですよ。青と緑がテーマカラーなんですけど、あとは黒とかシルバーとか白とか。なので、衣装とかも“krageといえばこれだよね?”みたいなものを作ってみたりとか、照明もめちゃくちゃ寒色にしてみたりとか。そういうのも興味あります。

──こういうアーティストになりたい、と描いているビジョンみたいなものはありますか?

私はAimerさんが好きなんですけど、いろいろな作品の主題歌を担当されている中で、壮大だけど儚くて、独特の世界観を持っていらっしゃいますし、私も基本的には壮大なものが好きなので、そういう曲をいっぱい供給できる人になりたいです。あと、今回実現できたんですけど、「request」には英語バージョン、「春想」には中国語バージョンがあるんです。私はいろんな地域の人に届けられるアーティストになりたいですし、特に「春想」に関しては、私が日中ハーフと謳っているのもあって、中華系の作品だったらkrageに任せておけばぴったりな曲を持ってくるし、なおかつ中国語バージョンもやってくれるじゃん!みたいな(笑)。中華系作品の中で最強になりたいっていうのはありますね。

──他にも夢はありますか? それこそ澤野さんに曲を書いてもらいたいとか。

澤野さんとコラボもしたいですし、Aimerさんもそうなんですけど、miletさんも好きなんです。お2人の曲はほとんど聴いていて、何かタイミングがあったらご一緒できたらすごく嬉しいですね。あと、私は冬にタイアップの発表とか、リリースやライブが多いせいで、夏はすごくおとなしい人だと思われてると思うんですよ(笑)。なので、夏も精力的に活動していきたいですね。あと、北海道出身なのもあってか、極寒ロケが多くて(苦笑)。

──それ出身地関係あるんですか?(笑)

わからないんですけど(笑)、デビュー曲の撮影が3月の富士山の麓で、ノースリーブで裸足だったんです。アー写の撮影も悪天候の海辺で、海風を浴びながら、超寒いんですけどみたいなところで撮ったりとか。このあいだ撮影したMVは、伊豆にある廃墟みたいなところだったんですけど、そのときも超薄着で。だから、ロケで温かった記憶がないんです(笑)。寒くてずっと凍えているので、もうちょっと温かい時期に何かしたいです!(笑)

取材・文=山口哲生

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2024年2月22日(木)東京・シアターサンモールにて、二人芝居「追想曲『カノン』」が開幕した。この度、ゲネプロレポートと舞台写真が届いたので紹介する。

本作は、脚本:ほさかよう(『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』、『Dancing☆Star プリキュア The Stage』(脚本・演出)他) 、演出:松崎史也(「MANKAI STAGE『A3!』」シリーズ(演出)、『チェンソーマン』ザ・ステージ(脚本・演出)他)が手掛けるオリジナル新作の二人芝居。

その二人芝居に、本田礼生(MANKAI STAGE『A3!』(斑鳩三角役)や舞台「刀剣乱舞」シリーズ(一期一振役)等)と赤澤燈(MANKAI STAGE『A3!』(三好一成役)や舞台『東京リベンジャーズ』シリーズ(羽宮一虎役)等)が挑む。本田礼生と赤澤燈の二人は公演毎に役を入れ替え、“type-HONDA”公演、“type-AKAZAWA”公演と題して、どちらの役もおくる。

ゲネプロ レポート

二人芝居「追想曲『カノン』」が開幕した。

本作は、東映プロデュースによる“本田礼生×赤澤燈”の演劇企画の第二弾。第一作の「オブセッション」では三人芝居に挑戦した本田×赤澤が今度は二人芝居に挑む。

演出は、二人と縁の深い松崎史也。脚本は、その松崎が「盟友」と慕うほさかようが務める。なお、本作は本田と赤澤が公演ごとに役を入れ替える“type-HONDA”、“type-AKAZAWA”の二バージョンを上演。
今回は、“type-HONDA”のゲネプロの模様をレポートする。

私たちの世界と地続きになったとき、物語は完成する

舞台上に現れる本田。まるで楽隊の一員のような正装をしている。本田が宙に人差し指を構える。何かを押したが、空振りのようだ。本田はもう一度宙に指を泳がせる。けれど、思うような反応は得られない。
首を傾げて、手当たり次第にあちこち押す本田。彼は一体何をしようとしているのか。

観客の疑問符に応えるように、赤澤がやってくる。赤澤もまた本田と同じように宙に指を伸ばす。すると、柔らかなピアノの音色が響く。驚いたように本田が赤澤を見る。どうやら本田もピアノを弾こうとしていたようだ。赤澤を真似て、本田が再び宙に指を置く。今度は、ちゃんとピアノの音がする。

見えない鍵盤と戯れる本田と赤澤。二人は横に並んで一緒にピアノを弾きはじめる。音が溢れるとともに世界が広がる。笑顔が広がる。眩しい光が降り注ぐ。人と人の心が通い合った。その光景の美しさに、じわりと涙が溢れ出す。

二人芝居「追想曲【カノン】」は、そんな幻想的なオープニングと共に幕を開けた。

舞台は、荒廃したディストピア。世界は「外側」と「内側」で隔てられており、人間たちはロボットの監視下に置かれていた。その中で生きる人々の刹那の交わりが、連作短編的に描かれていく。

最初は、潰れかけのレストランで働く店員と客。その後も、シチュエーションが変わるたびに、本田と赤澤は異なる役を演じ、また違った表情を見せていく。

“type-HONDA”では、各シーンを引っ張る役どころに本田が扮する。そこかしこに散りばめられたギャグが、本田の小気味良い台詞回しとキレのいい体から繰り出されることで、観客の笑いを誘う。それを赤澤が的確な受けの演技で応え、二人だけの二重奏が完成する。二人芝居といえど、かしこまったところ
はない。むしろコミカルでポップだ。けれど、賑やかなシーンが際立てば際立つほど、この作品の持つ悲劇性が浮き彫りとなり、観客の胸を締めつける。

三つのシチュエーションに共通しているのが、音楽だ。絶望と隣り合わせの日常に、寄り添うように音楽が流れていた。人は、心があるから音楽を生み出せる。だけど、心があるから怒りや憎しみで目を曇らせる。音楽の可能性を、エンターテインメントの意義を、本当に信じることができるのは、人間かロボットか。わかり合えない者同士が、その溝を乗り越えるために必要なものは何なのか。ラストシーンに辿り着いたとき、これは決してどこか別の世界の出来事ではない、と気付くだろう。

“type-AKAZAWA”では、“type-HONDA”で本田が演じた役を赤澤が演じる。役者としては正反対という二人だが、同じ役を赤澤はどんな解釈でアプローチするのか。両バージョンを観ることで得られる発見もまた本作の醍醐味と言えそうだ。

二人芝居「追想曲【カノン】」は2月22日(木)から3月3日(日)まで東京・シアターサンモールにて上演。その後、大阪に場所を移し、3月8日(金)から 10日(日)まで扇町ミュージアムキューブにて上演する。

 

なお、東京公演の3月3日(日)(H):type-HONDA と17:00公演 (A):type-AKAZAWAの2公演にてライブ配信も予定す。公演終了後6日後までアーカイブ配信もあるため、この機会にチェックしておこう。

また、本作品のBlu-rayを2024年7月10日(水)に発売することが決定。2月22 日(木)より期間限定(受注受付期間:2月22日(木)17:00 ~ 6月17日(月)23:59)で限定予約版の受注受付を実施する。

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